小林朋道のレビュー一覧
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目次
・マンガンの採掘坑道に棲むコウモリたち
・先生、○×コウモリが、なんと△□を食べています!
・私が、谷川で巨大ミミズ(!)に追われた話
・ドンコが水面から空中へ上半身を出すとき
・地面を走って私に近寄ってきたモモンガ
・大学の総務課のYoさんとNaさんがスズメを助けた話
・ヤギ部初、子ヤギの誕生!
とうとう最新作まで読んでしまった。
今回は前回から引き続いてコウモリの話が多い。
マンガンの採掘坑道跡を探検する先生。
なかなか行動の入り口を見つけられなかった先生。
アカゲラを見つけて写真を撮ろうとするもうまくかわされ、アカゲラを追いかけていくうちに入り口発見って…。
すずめとツバメの巣を巡る攻防や、すずめが思いのほか賢いこと。
グループの雌が出産すると出産していない雌まで母乳が出ることの、生物学的戦略とは。
などなど、今回も面白くためになりました。 -
Posted by ブクログ
今回のもくじ
・森のダニは水のなかでも1カ月以上も生きる
・モモンガが巣から滑空する姿を見るモモンガエコツアーはいかがですか?
・大学の建物を生息地にするツバメたち
・ナガレホトケドジョウの二つの生息地にせまるそれぞれの危機
・イモリやモリアオガエルの棲む池やモモンガの森での学生実習の話
・ヤギ村長の環境教育村
・鳥取環境大学“ツタ”物語
・ゴマという黒いヤギの話
ワラジムシの話がないじゃないか!
いえいえ、ちゃんとあります。
餌のとりあいで、取っ組み合いのケンカをしているところを、小林先生はちゃ~んと見ていました。
普通だったら「へえ、ワラジムシもけんかするんだ」で終わるところを、小林先生は、なぜ、このケンカが重要であるかをきちんと解説してくれます。
つまりその行動が可能であるためには、「その餌が有限である」という情報処理や、「他の個体も、自分が食べている餌を食べる」という情報処理が必要であるわけです。
小林先生は、ワラジムシの話になる前の振りとして、トビムシの例で説明してくれていました。
哺乳類である私たちの頭では、『そんな簡単なこと見ればわかるよ』と思えるかもしれないが、ことは虫の頭の処理能力なのです。
鳥頭より、もっと小さい虫頭。
それが餌の取り合いでケンカするって、実はすごいことなんですね。
そして人間動物行動学の小林先生、観察の対象は植物にまで。
大学の壁を覆うツタにまで、愛情深い目を向けます。
名付けて“ソの枯れ葉“
“ソの枯れ葉”のその物語は、ぜひ一読していただきたい。
そして今回一番というか、ずっと思っていたことなのだけれど、学生さんたちがすごい。
ただの動物好きの学生さんなだけではない、発想力、行動力、そして一芸に秀でた彼ら。
もちろん実力を発揮できるように導く先生も大変だろうし素晴らしい。
でもやっぱり、導かれる力を持った彼らは、すごいよ。
先生と学生と動物たちとの交流。
今回はそれが際だって面白かった。 -
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今巻のもくじ
・忽然と姿を消した幻のカエル
・イワガニはなぜ頻繁に脱皮するのか
・ヒキガエルのオタマジャクシを食べる芦津のアカハライモリ
・下から私をにらみつけた母モモンガの謎
・先生、モモンガの里に「ももんがの湯」ができました!
・「ほーっ、これがモモンガですか!」
もうなんといっても愛くるしいモモンガのお顔。
しかしこの顔には理由があった。
夜、弱い光の中で行動するので、目がでかい。
弱い光の中で木から木へ飛び移るので、距離感をつかむために視野が重なるよう顔の前についている目。(リスとかはもっと顔の横に目がついている)
樹に飛びついたときに強打しないように、低くなっている鼻。
下からにらみつけてきたって、愛くるしいものは愛くるしいのだ。
顔だけじゃあない、行動も可愛らしい。
小林先生の登場にビビった子モモンガが、隣の樹に向かって滑空!
…したかったのだろうけど、まだ滑空する技術がないため、被膜を拡げた滑空姿勢のまま真下に落下。
でも自力で樹によじ登り、無事巣の中に避難した由。
その場面を想像するだけで、爆笑もの。
山の洞窟で、鳥取の磯で、芦津の森で、先生の行くところ常に笑いあり驚きあり。
日本のあちこちに、まだ守ることのできる自然は残っている。
ごくごく当たり前のように自然と共存していけたら、人間社会はもっと平和になるのではないかしら。 -
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小林先生は、いったいいつ研究論文を書いているのだろう?
大学で飼っている動物の世話だけでも大変だと思うのに、講義やらゼミやら大変忙しいと思うのね。
ヤギ部の顧問でもあるし。
近くの小学生に教えることもあれば、ラジオ出演もある。
野生動物の観察、捕獲、そしてついに、海産生物の飼育にまで乗り出したのである!
しかし不慣れな海産生物。
大失敗をしてしまうのだが、ちゃーんと正直に学生たちに話すのである。
それもまた教育。
あと、大学のテニスコートに閉じ込められた特大のクサガメ。
すっかり干からびて、保護されたときは目の周りが落ちくぼんでいたのだが、ゆっくりと先生に水につけられ元に戻った姿を見た先生「お前はカップヌードルか」
めでたくラーメンと名付けられた件のクサガメの他に、小さなクサガメが2匹。ウドンとソーメン。
湖の中の無人島に1頭で棲んでいる野生の雌ジカ。
長いこと先生と、一定の距離を保ちながらも互いを認識し合っていたのだが、ある時姿を見せた雌ジカのツコは、前足が自分の体重を支えられないくらいに体力が衰えていた。
通常群れを成して生きる鹿が、なぜたった1匹でそこに棲んでいたのか。
島はけっして脱出不能な場所ではなかったのに。
先生はツコにそれを問いただすことなく最後の別れを心の中で告げる。
目次は以下のとおり。
・子どものイソギンチャクはカタツムリのように這って動くのだ!
・フェレット失踪事件
・テニスコートで死にそうになっていたクサガメ
・ヤモリの恩返し?
・ヒメネズミの子どもはヘビやイタチの糞に枯れ葉をかぶせようとする
・小さな無人島にひとりで生きる鹿、ツコとの別れ
・先生、木の上から何かがこちらを見ています!
・ヤギのことが気になってしかたないキジの話 -
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鳥取環境大学の小林朋道教授による,キャンパスでの動物と人々の出来事を書いた作品。
動物の大好きな先生と学生たちが,キャンパスで日夜繰り広げられている日常は,トホホな話もあり,ヤギたちとの心温まるふれあいもあり,森林に分け入って研究する冒険譚もあり。
キャンパスの石段に巣を作るヒバリたちを学生や小林教授が見守っている姿はほほえましいです。野生の動物との接触の心構えやどうしたらいいのかも考えさせられます。
大学のヘラジカ林に棲む動物たちでは,アナグマ,イタチ,テン,ノウサギ……。それぞれ直接観察したり巣穴を見たり,糞や,足あとの形跡などから見つけたり,動物学の研究者ならではの視点がとても楽しいです。
また,全国的にも非常に珍しいヤギ部の話が出てきますが,創部当初から飼われていたヤギ子が2012年に11歳で逝去。生前のヤギ子たちのエピソードもほっこりします。 -
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ネタバレ新刊が出たので即購入。
小林ワールドは何回見てもおもしろい。鳥取に行きたくてたまらなくなります。
今回の話で気になったのは、ドジョウとツタの話。
ドジョウは、環境保全と都市開発のせめぎ合い(開発のほうが強いんだけれども)で、自分たちがなにをしていくべきか、何を守っていくべきか考えさせられた。自分の地元も、田んぼのあぜ道がすべてコンクリートに変わっていたりして生態系が全然変わっててショックだった。
ツタの話は、東京のビル郡がすべてツタで覆われていたらもっと涼しいんじゃないかと、切に思った。それで生き物も見れるなら一石二鳥。都知事、大々的に緑地化勧めましょうよ! -
Posted by ブクログ
動物行動学者小林朋道教授による、動物にまつわるエピソード集。
動物との交流や観察、実験などを通じて得られた知見や感想が、わかりやすい文章で紹介されており、読み物としても大変面白い。
私も動物を飼うことが好きだ。ことに子供が生まれてからは、買ってきたものやら捕まえたものやらを含めて、常に複数の動物を飼育している。ちなみに今は、娘が捕獲したクロベンケイガニと、ペットショップで購入したハムスターを飼っている。
こうして人間が動物を飼育する理由はいったいなんだろう。
どうして人間は異種の生物を身近に置きたがるのだろう。
異種の生物を保護し、生活を共にすることから動物の家畜化は始まった。
家畜たちが人間に与えた恩恵は計り知れない。また、家畜として保護されるようになった動物達が受けた恩恵も、また甚大だ。
小林教授は、動物の保護は狩猟採集と根源を一にするものだと説く。
そしてその根源にあるものこそ、「擬人化」であるというのだ。
「最近の認知考古学の研究は、擬人化はけっして、子どもや未開の人たちの、幼稚な、あるいは素朴な思考特性ではなく、人間の本来の生活形態である狩猟採集への進化的適応の結果であるという可能性を示している。
私は、『動物の習性や生活をよく知るようになること』と『その動物達を、その習性も取り込んで擬人化すること』とは相互に強め合う関係にあり、それらが高まることによって、動物の死滅に痛みを感じさせるのではないか、と考えている。」(P132)
ここで思い浮かぶのは、原初のホモ・サピエンスが行っていたと推測される「推論的狩猟」である。
これについては、クリストファー・マクドゥーガル著・近藤隆文訳『BORN TO RUN 走るために生まれた』に詳しい。
「推論的狩猟」とは、獲物となる動物を走って追跡し、体力の限界に追いこんで捕獲する狩猟のことである。道具も罠もいっさい使わず、おのれの肉体のみで狩りを行う。弓矢を発明するまでの200万年の間、人間は長距離走の能力を使って狩りをしていたのだ。
だが、ただ単に追いかけるだけでは獲物を捕ることはできない。せっかく眼をつけて追いかけても、獲物はするりと藪の中へ、群れの中へと紛れ、追跡を免れてしまう。そこでハンター達はその獲物と同一化し、彼がいつ、どこへ逃げるか、その行動の先を推測して追跡するのである。
「次の段階は足跡のないときに追跡することだ。これは高度な推理で、物の本では「推論的狩猟」と呼ばれている。これをやってのけるには、現在から未来へと自己を投影し、追跡対象の動物の心にはいりこむしかないことをルイスは発見した。別の生き物になったつもりで考えられるようになれば、何をするか予測し、相手が行動に出るまえに反応することができる。」(P335-336)
そして「それは数百万年にわたる命がけの決断をへて磨きあげられた戦略と技術の融合」」(P332)であり、この「動物追跡の技術こそ、科学の起源だったかもしれない」(P335)とブッシュマンとともに推測狩猟を体験した数学者ルイス・リーベンバーグは言う。
狩猟の方法は、長距離走によるものから、弓矢や槍、罠などの道具を使うものへと変遷を遂げるが、それでも擬人化は狩猟の成功率を上げる重要な技術だったに違いない。
うまく擬人化できるかどうかが、狩猟の成否を握っていたのだ。
となると、世界の民族の中でもとりわけ擬人化を好むといわれる日本人は、狩猟民としても優秀だったのではあるまいか。
相手を知り、おのれを投影することで勝ちを掴む、そんな戦い方もあるのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
≪目次≫
はじめに
1 自転車にからまっていたカラスの話
2 庭で暮らすカナヘビを追いかけ回した話
3 街の迷い犬を田舎に送った話
4 プレーリードッグと一緒に住んでみた話
5 小さなヒミズに畏敬の念を持った話
6 土の中の魅惑的な生き物たちの話
7 「コウモリを連れたタクシー運転手」の話
8 ドバトは人間をどう認識しているか考えてみた話
9 アカネズミが食べるドングリ、貯めるドングリの 話
10 トンビのため”狩り"に明け暮れた話
11 口の中で子を育て雌から雄に性転換した魚の話
≪内容≫
動物行動学の専門家による、肩の凝らないエッセイ集。著者の動物、いや生き物好きがヒシヒシと(ホノボノじゃないよ)伝わる。そして本当に生き物を愛している(飼った生き物すべてに名前がつき、親しくしている)ことがわかる。こうした先生に教わりたかったな、と思う。