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生きにくさの正体を動物行動学の視点から読み解き、生き延びるための道を示唆する。 家族は病気。頭がまわらず、たまっている仕事は進まず。 こんなことが同時にやってきたら………。 かなりへこむ。怖い。不安になる。 そんなときこそ、動物行動学・進化心理学の出番だ。 その不安や恐れは"生存・繁殖にとって有利"に作用するのか? という視点から考えてみる。 この思考方法を知っているだけで、気持ちがラクになる!
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Posted by ブクログ
動物行動学者が雑談のような軽い語り口で自身の専門とする学問の知見を用いた様々な見解を紹介している。 100人程度の集団で狩猟採集生活を送るのに適した進化を遂げた人間の脳は、病原体の感染リスク回避のためによそ者嫌いだし、確証バイアスから振り込め詐欺にもひっかかるし、自分の血縁者を探したがる。擬音語や擬...続きを読む態語、耐えることを賞賛することも動物行動学的に説明ができる。1番面白かったのは意識の話で、なぜ脳という物体が意識という非物体という問いはその問い自体が間違いで、物体も意識もヒトの認知装置が生み出したイメージに過ぎない。動物はそれぞれ独自の認知装置を持って、何かの正しい姿を正しく判断した断片をつかんでいるということ。時間ですらヒトが認知している何らかの断片。
動物行動学と言う、なかなか耳慣れない言葉ではあるが、まずホモ・サピエンスを「自然の中で100人程度の集団を作って、狩猟採集を行う生活の中で、自分の遺伝子が子孫により多く伝わるように、外界の事物事象を認知し、感じ、思考するように、脳を含む心身ができている動物」ととらえ、それぞれの生物種本来の生活環境...続きを読むにおいて、生存・繁殖がうまくいくように進化しているいることを、出来るだけ簡明な言葉に変えて説明しようとしているのが窺える。 行動経済学はともかく、認知世界の話になると少し分かりにくくは感じたが、我々が何千年も生物種として生き続けていることによって、不安や怖れを感じる本能があり、生存・繁殖にとって有利に作用する可能性があるとは、現代生活を暮らす自分にはある意味盲点である。 そして何より本能として備えている認知特性、心理特性、行動特性が適応的であったが、あまりに急激に進化する現代環境では歯車が合わなくなっているという指摘に、果たしてそれを回復するのに自然なりとバランスを取りつつ生きて行くのか、果ては現代環境に負けずと進化?していかなければならないのか、そういったことが短期的に可能なのかという疑問が生じる。
動物行動学ってそもそもどんなものか知らなかったし、現代によくある困り事が、そんな原始の生活の本能に基づいてるとは考えたこともなかったから、新鮮だった。全体的に読みづらい文体が多かったのは残念。
こんなに難しいことを皆さん、小林先生に求めていないのでは?となりました。コギト・エルゴ・スム…大学時代の美学の授業を懐かしく思い出しました。その考えているということが…色々難しかったです。
人間はマイナスなことを思考が働きやすい、雑談的な会話の方が何気ない情報を理解しやすい。 これは日常的にも活かせることだなと思いました。 小林先生の本はスルスル読めるから好きです。
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小林朋道
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