萩原良彦(はぎわらよしひこ),25歳。清掃会社でアルバイトをするフリーター。
縁あって神様からの御用を聞く御用人となり,アルバイトの合間に神様の御用を承っている。日頃からの勤務態度が認められ,清掃会社からの正社員登用を打診されているが,御用に差し支えがあるのではないかと迷っている。
良彦の家に居候する方位神の黄金(こがね)は黄金色の毛をした狐神。良彦には厳しいが,甘いものには目がない。
日本の各地で頻発する地震に,思うところがあるのか考え込んでいた。
そして,そのまま姿を消してしまった。
『国之常立神(くにのとこたちのかみ)』の眷属である黒と金の鱗をもつ龍。
六度目かの『大建て替え』のあとに,龍は日の本の大地を守護するため,二柱に別れ東と西に遣わされた。東には黒い鱗を持つ黒龍。西には金の鱗を持つ金龍。
本来,人々の営みを見守るだけであるはずだった黒龍は,あるとき落石で亡くなった母親に成り代わって,その息子を育て始めた。『人を育む母性とは何なのか』それを知りたかった……。
ここに出てくる『黒龍』,別名『荒脛巾神(あらはばきのかみ)』古事記には出てこない民間信仰の神。この話では蝦夷(えみし)が祀る神として登場してきていますが,製鉄の神,賽の神など,様々な言い伝えがあるそう。
日本の各所で起こる地震。天変地異,様々な争いなどで現代に生きる人々を滅ぼし,再び『大建て替え』をするのか。
「神様の御用人」シリーズで,ここまで登場してきた『建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)』『大地主神(おおとこぬしのかみ)』『大国主命(おおくにぬしのかみ)』などなど,幾多もの神々が登場。
『大建て替え』で現代の日本は滅びてしまうのか?
いやあ,ハラハラドキドキです。
くろのくろさんの表紙,今回はこの巻の内容を象徴するよう。
非常に美しいけれど,半分透けているようにも感じる儚げな黄金。
ただ,一筋の光。