奥山景布子のレビュー一覧
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内容(ブックデータベースより)
このシリーズは読みながら、ドキドキするし、にんまりするし、共感もできるところが、魅力の一つです。(巻末対談より)
いきなり文庫!
グラグラ、ズシン!「おぎゃー!」江戸市中に大被害をもたらした安政江戸大地震の最中、おえいが玉のような赤ん坊を産み落とした。名前はお初。大工の棟梁の秀八は町の復興に大わらわ。そんな中、神田の両親が清洲亭に避難してきて──。さらに、薩摩の隠密に付け狙われている男を助けたり、病気の天狗師匠の跡目争いの騒動が起こったり。溢れる人情が涙を誘う、落語時代小説シリーズ第三弾。
令和7年2月15日~18日 -
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今年の大河ドラマ『光る君へ』、なかなか楽しく見ています。
高校生の頃『あさきゆめみし』は読んだけれど、紫式部や藤原道長については、歴史の教科書やなんかでほんのり知っている程度。
当時の権力闘争についても、「いろいろあって…結局道長が頂点に立った!」程度の認識(汗)。
それで、ドラマの復習も兼ねて、このタイミングで読んだのですが、とってもわかりやすいし、面白い!
『小右記』などの一次史料をもとに、紫式部や藤原道長本人が、当時を回想して語る形式が斬新です。
舞台は式部ママがやっているバーで、道長やその他の登場人物はお客さま。
藤原行成がバーテンダー(笑)。
バーらしく、オススメのお酒や、それに合 -
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集英社みらい文庫の伝記シリーズのなかの一冊。
私は古典は軍記物のほうが好きなんですが、王朝文学やこの時代の風習を知りたいと思って手にとってみました。
前半は清少納言が、後半は紫式部が、現代の私達に、自分の人生や平安時代の風習、そしてどんな気持ちを込めて文筆をしていたかを語ります。
清少納言「私、すてきなことはすてきでしょ!ってつい大きな声で言っちゃうの」
紫式部「人の気持ちが強く動くような、そんなお話を書きたいと思ったんです」
こんな親しみやすい口調で「この時代の結婚はね、夫婦は一緒に住むのではなくて、『通婚』といって男が女の家に夜だけ通ってくることから始まるの」というように、簡素かつ -
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「葵の紋」を受け継ぐ兄弟達の物語である本作だが、主要視点人物は徳川慶勝ということになるであろう。
「徳川慶勝が主要視点人物」ということでは(随分と)以前に『冬の派閥』という作品を読んだという経過も在ったのだが、本作はそれとは随分と趣が異なる。写真を初めとする欧米から入って来た新しい文物に強い関心を寄せるというような、徳川慶勝の“個人”という側面も多く描かれる。そして適宜、視点人物が4人の中で末弟となる松平定敬に切り替わる。そういう方法で、互いを大切に思う実の兄弟でありながらも、激動する世情の中で「互いに相容れ難い」という立場で苦悶するというような状況が立体的に描かれる。或いは、映画やテレビドラ