【感想・ネタバレ】流転の中将のレビュー

あらすじ

「なぜ朝敵と言われなければいけないのか。我に何の罪があるというのか――」心ならずも「朝敵」とされた桑名藩主・松平定敬(さだあき)は、兄で会津藩主の松平容保(かたもり)とともに徳川家のために戦おうとするが、新政府に従うことを決めた最後の将軍・徳川慶喜に遠ざけられてしまう。一方、上方に近い桑名藩は、藩主不在のなか、重臣・酒井孫八郎のもとで官軍に白旗を掲げ、藩主を幼君に挿げ替えて新政府に恭順することを決める。藩主の座を追われた定敬は、わずかな家臣とともに滞在していた江戸を離れることに……。帰国することもできず、越後、箱館、そして上海まで彷徨うことになった男は、心に如何なる哀しみを宿していたのか。美濃高須松平家の四兄弟の運命を描いた、本書の姉妹編『葵の残葉』で新田次郎文学賞&本屋が選ぶ時代小説大賞をW受賞した作家が、幕末の悲劇を炙り出し、明治維新とは何だったのかを改めて問う傑作歴史小説。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

この時代のよくある立場が変わることも、当然描かれている。しかし、日常生活でも何か応援してくれる人がいるとわかった時、救われます。

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2024年08月08日

Posted by ブクログ

桑名藩を見ていると、一藩ひとつとなって義のために戦うことができた会津藩・容保公はまだ幸せだったんじゃないかと思えてくる……家名存続のため主君を差し出そうとする家臣の葛藤、最後まで義を貫く道を探し続ける定敬公の長い長い流転の日々に胸が切なくなった。本当に生きていてくれてよかった

それにしても慶喜という男は、何を読んでも「こいつ……」となるのはなんなのか

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2025年07月15日

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