奥山景布子のレビュー一覧
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ネタバレ桑名中将こと松平定敬。
容保の弟で、慶喜の供をして大阪城を抜け出たことまでは知っていましたが、その後は…?
なんと、会津、仙台、函館と転戦していたんですね!
ただ藩主不在の国許では新政府への恭順、定敬の隠居が決めまれました。
こうなるといつまでも抗戦し続ける元藩主は、迷惑以外の何物でもないですよね。
国家老が函館まで迎えに来て連れ戻されることになりました。でもまだ納得できない定敬は途中で逃げ出し、今度はアメリカの船で上海に渡ります。
最終的には日本に戻り新政府に降伏したのですが。
理由も分からず朝敵にされ、慶喜に裏切られ、藩民からも見捨てられ(定敬とともに戦い続けた家来もいますが)、時代に翻 -
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内容(ブックデータベースより)
人間国宝 神田松鯉先生感動
人間の温かさに涙が出る。それぞれが己の陰の部分をひきずりながらも肩を寄せ合い懸命に生きる姿は確かな共感を呼ぶ。
笑って泣いてやっぱり笑って 人気シリーズ第四弾! いきなり文庫!
安政江戸大地震の中で生まれた愛娘もすくすく育ち、再びおえいの商いへの意欲も芽生えてきた。だが、始めた団子屋を手助けしてくれるお加代はわけありの様子で……(「御用」)。三代目九尾亭天狗の最後の弟子にして、晩年最も身近にいた礫は、芸への思いがこもった形見を譲り受けることになったものの、兄弟子の妬みを買ってしまう(「点取り、無双の三杯」)など人情が涙を誘うシリー -
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内容(ブックデータベースより)
幽霊がでたぁ!?
新・新田次郎文学賞受賞作家が贈る、大人気の人情満載落語時代小説第2弾! いきなり文庫!
江戸は品川、清洲亭。大工の秀八が始めた寄席はお客もついて順風満帆。本日も開業中。常連の真打・弁慶がトリを務めていた時、清洲亭の周りに幽霊が出没!? 気味悪がるおえいだが、その正体は弁慶への弟子入り志願の男だった。頑なに弟子を取らない弁慶の切ない理由とは。一方、乗り込んできた女義太夫がひと悶着を起こし──。芸を愛し、人のために尽くす。人の情けが身に染みるシリーズ第二弾。
オビネーム:幽霊がでたぁ!?
令和7年2月7日~9日 -
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ネタバレフェミニズム的な視点で源氏物語を読み解く。
源氏が紫の上や玉鬘に「教ふ」ことが多いこと、どれもキモいんだけど、それを「マンスプレイニング」でまとめるとなるほどなと思う。昔も今も、おっさんは若い女性に上から目線で教えたがるもの。
薫は誠実な男性の印象が強いけど、妻ではなく都合よく関係を結べる召人が結構いた、とか、大君の人形を作りたがって中君に引かれているとか、むっつりスケベ感が意外と強くて印象が変わった。浮舟は大君に似た人形として薫に愛され、主体性のない女性なんだけど、匂宮が戯れに渡した硯で書いた歌に無意識の本心が表れてしまったり、自殺未遂後に手習をして独詠歌を何首も詠み、そこで自分の言葉を獲得 -
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ネタバレ幕末の戦いは、いつも疑問に思っています。
日本の繁栄を目指しているのは同じなのに、何故、戦わなければならないのか。
憎しみに駆られて、振り上げたこぶしを降ろすすべを見失ってしまったのか。
人は、正義のためには、どこまでも残酷になれると、何かで読みましたが、人の心の狂気の部分を見ているようで、とても辛いです。
時代が大きく変わるその時に、それぞれの藩の人たちの奮闘がとてもリアルでした。
孫八郎の選んだ道も、定敬の選んだ道も、納得のいく読後でした。
子供の手形をお守りにするという話が出てきましたが、とても素敵だなと、自分もやっておけば良かったと思いました。 -
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前に読んだ「葵の残葉」の姉妹作、と言っていいのか分からないけど、この中に登場した高須四兄弟の末っ子松平定敬の物語。
徳川慶喜の命で兄松平容保と共に開陽丸に乗せられるところから物語が始まる。
国許は薩長に恭順の方針。だけど定敏は戦う道を選ぶ。会津や仙台、箱館、果ては海外まで、まさに流転の日々を送る。
最後まで戦いたい定敏だけではなく、国許を預かる家老酒井の視点も入っており、相容れない切なさも感じた。
そしてもう一度「葵の残葉」を読み、"その後"の定敏を噛みしめたい。
ちなみに、本書はダッシュ(—)で囲んだ補足をちょこちょこ入れているので、読みづらさを感じる人もいるかもしれない