奥山景布子のレビュー一覧

  • ワケあり式部とおつかれ道長

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    現代のバーに紫式部や道長、行成、彰子、などが現れて、花山天皇辺りから後一条天皇辺りまでの政争を道長側から語っている。紫式部の生い立ちや中宮彰子への出仕などの事情もあるが、なんといってもえげつない道長の天皇家への介入があからさまで、よく整理されていて面白かった。

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    2024年04月23日
  • フェミニスト紫式部の生活と意見 ~現代用語で読み解く「源氏物語」~

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    源氏物語を、現在の女性の視点で解説する。

    いや、実に面白い。
    作者がそこまで考えてたのかと思うところはあるが、人物描写が真に迫ってるんだ。それを、当時の社会環境も踏まえ、あくまで、現在の女性の視点で語る。

    型どおり、通り一遍じゃないんだね。「女性の」心の描き方が。
    男性は、型通りだが。
    だがそこに「現実的でないある意味理想的な」男性キャラを配置することで、女性を浮き彫りにする。

    なるほど、最古だけでなく、現代でも十分に人を魅了する小説なんだ。

    作者、男性批判も含めてはいるが、この本のタイトル、マイナスだと思うな。別段、紫式部はフェミ的なことは、言ってないと思うし、この本に関していえば、

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    2023年11月08日
  • 義時 運命の輪

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    北条義時。源頼朝、北条政子、北条時政など、鎌倉の中枢からは、遠かった義時が、どうして権力を持つことになったのか。
    義時を中心として展開、非常にわかりやすく進んでいく。

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    2023年10月31日
  • 葵の残葉

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    維新において、徳川家を支えた高杉松平家の四兄弟を主人公として、幕末の動乱期を描く。尾張藩主徳川慶勝、一橋家当主一橋茂栄、会津藩主松平容保、桑名藩主松平定敬。
    兄弟が敵味方にわかれながらも、葵に生まれた者の宿命として、必死に生き抜いた人生に感動を覚えます。

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    2023年10月28日
  • 義時 運命の輪

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    行動より気持ちを重点に置いているからなのか生活感があまり感じられないのと重要な出来事だけを抜粋しているので大河ドラマを観ていないと面白く読めないような気がする。

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    2023年06月16日
  • やわ肌くらべ

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    与謝野鉄幹と情愛を交わした、林滝野、山川登美子、鳳晶子ら3人の女性と、女中のもよが語る鉄幹の不節操な性癖や、学歴劣等感と自己顕示欲などが赤裸々に綴られる。元教え子滝野と内縁関係にあり子もいながら、登美子や晶子と情を交わす鉄幹。登美子は父の決めた人と結婚するが1年で死別、自身も29歳で夭折する。読み行くほどに滝野や登美子の薄幸に心が傾き、六男六女を授かった鉄幹夫妻に興醒めしてしまう。鉄幹を晶子に譲る時の登美子の心情
    「それとなく紅き花みな友にゆづりそむきて泣きて忘れ草つむ」

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    2023年02月10日
  • 時代小説アンソロジー てしごと

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    【収録作品】「春雀二羽」 澤田瞳子/「藍の襷」 志川節子/「掌中ノ天」 奥山景布子/「姉妹茶屋」 西條奈加/「浮かれの蝶」 小松エメル/「おもみいたします」 あさのあつこ
    「春雀二羽」 京都鷹ヶ峰御薬園の薬師・真葛シリーズ。 「藍の襷」 色酢の麹造り職人・沙奈。
    「掌中ノ天」 根付職人に弟子入りするおりん。
    「姉妹茶屋」 妹の亥(いの)とともに秩父の峠で茶屋を切り盛りするそば打ち職人・蕗。
    「浮かれの蝶」 口寄せをする手妻師・市子。
    「おもみいたします」 揉み屋・梅シリーズ。

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    2023年01月17日
  • 葵のしずく

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    最後の尾張藩主、徳川慶勝はもっと評価されてもいいと思う。兄弟は、慶喜に翻弄された人生を送ってしまった。薩長に利用されてしまった。時の勢いに抗うことは、難しい。

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    2022年12月27日
  • やわ肌くらべ

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    与謝野鉄幹をめぐる三人の女の葛藤を描く。三人+女中のおもよの一人称での独白が交互に綴られるが、そこから浮かび上がるのは鉄幹のクズっぷりで、それが一番印象に残ってしまった。結局晶子と結婚し、十二人の子を成したのには妙に納得した。

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    2022年12月21日
  • 音四郎稽古屋手控 音わざ吹き寄せ

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    役者だった音四郎は脚の怪我でその道を断たれた。その後鍛錬を積み長唄の師匠として三味線弾きの妹お久と稽古場を営んでいる。
    脚の怪我の訳をお久にも語らず、唄の道に勤しむ音四郎とそんな兄を思いやり支えるお久、身の回りの世話をしてくれるお光の三人の物語。
    音四郎のキリリとした生き方やお久、お光の優しさ、女としての悩みなど読み応えある作品。

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    2022年11月18日
  • やわ肌くらべ

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    質実剛健な「ますらお」のイメージだった鉄幹。実は鳥肌が立ついやなイカサマジゴロ。戦争の虚しさ、人の命の尊さを詠める素晴らしい歌人なのに、日常生活では簡単に人の道すら外れてしまう。悪魔と天使は簡単に同居できるんだ。「へーえ世の中ってのは分かんないもんだねぇ」byもよ。

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    2022年09月21日
  • づぼらん 寄席品川清洲亭 三

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    三作目なので、各登場人物の角が取れてきてそれそれが心地よい連携を見せるようになり、物語として読みやすくなってきた。
    弁良坊さんがいい味を出してるなあ。

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    2022年09月20日
  • やわ肌くらべ

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    タイトル通り、林滝野、山川登美子、与謝野晶子ら
    与謝野寛(鉄幹)をめぐる、おんなたちの「やわ肌くらべ」。
    それぞれが、語り手となり、それぞれの見方で、想いを吐露する。

    もちろんフィクション。
    それぞれの歌も、そう解釈できますよと言えるし、
    まぁ、ざっくりいって、表面に現われる事実はその通りなのだけれど・・・
    これじゃ、新詩社の同人を嫌いになっちゃうよ~
    という個人的な想いが強すぎて★3つ。

    著者の『流浪の中将』が好きで、
    また、あの感動を味わいたかったのだけれど、
    なかなか難しい。

    それと・・・
    わたしには、あの表紙も、気持ち悪くて・・・
    申し訳ないけれど、★3

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    2022年08月07日
  • 秀吉の能楽師

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    内容(「BOOK」データベースより)
    不可解な密命を帯び、太閤秀吉に接近、能の指南役となった、役者・暮松新九郎。目論見通り、秀吉は能楽に没頭するが、その狂気と妄執は新九郎を翻弄する。舞台の上では、家康・利家ら大名たちの思惑が交錯し、各座の役者たちの駆け引きも繰り広げられる。天下人と新九郎の運命が織りなす、桃山時代絵巻。

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    2022年07月11日
  • 葵の残葉

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    予想通りの物悲しさや暗さを含む物語。徳川慶勝といえば城山三郎の『冬の派閥』が有名か?大きな違いとしては写真愛好家の一面が描かれるところ。人との会話の駆け引き、本音と建前。写真で撮ることができるもの、実像と虚像。この2つが物語の肝になる。おもしろかった。
    ※評価はすべて3にしています

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    2022年07月08日
  • 義時 運命の輪

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    大河ドラマ関連の作品を読んでいくシリーズで、今回はズバリ主役の北条義時。
    タイトルの『運命の輪』はそのまま、不思議な現象として義時の前に現れる。運命の輪を押して良かったのかどうか…。

    義時はこれまでのイメージ通り、小者感全開。
    強烈な個性の政子、冷徹な頼朝、息子より後妻の牧の方に影響されっぱなしの時政の影に隠れている。
    本当は北条家の統領になりたいし、頼朝の右腕になりたい。そのために何としても手柄を立てたいと焦るが、なかなか機会は来ない。
    姫の前との結婚も頼朝からの下げ渡しで直後に生まれた息子・朝時は頼朝の子だった。
    何とも情けない義時だが、頼朝の死後、次第に頼朝を見倣って冷徹さを見せていく

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    2022年07月05日
  • 音四郎稽古屋手控 音わざ吹き寄せ

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    内容(「BOOK」データベースより)
    江戸・元吉原の「猫返しの神さま」と言われる三光神社近くの長屋で、長唄を教えている音四郎、お久の兄妹。将来を期待されていた歌舞伎役者だった兄は足に傷を負って役者を辞め、稽古屋を始めた。負傷にはなにやら因縁があるようだが、お久には知らされていない。兄にはまだ他にも、人に言えぬ秘密があるようだ。

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    2022年07月04日
  • かっぽれ 寄席品川清洲亭 四

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    内容(「BOOK」データベースより)
    安政江戸大地震の中で生まれた愛娘もすくすく育ち、再びおえいの商いへの意欲も芽生えてきた。だが、始めた団子屋を手助けしてくれるお加代はわけありの様子で…(「御用」)。三代目九尾亭天狗の最後の弟子にして、晩年最も身近にいた礫は、芸への思いがこもった形見を譲り受けることになったものの、兄弟子の妬みを買ってしまう(「点取り、無双の三杯」)など人情が涙を誘うシリーズ大好評第四弾。

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    2022年07月04日
  • づぼらん 寄席品川清洲亭 三

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    内容(「BOOK」データベースより)
    グラグラ、ズシン!「おぎゃー!」江戸市中に大被害をもたらした安政江戸大地震の最中、おえいが玉のような赤ん坊を産み落とした。名前はお初。大工の棟梁の秀八は町の復興に大わらわ。そんな中、神田の両親が清洲亭に避難してきて―。さらに、薩摩の隠密に付け狙われている男を助けたり、病気の天狗師匠の跡目争いの騒動が起こったり。溢れる人情が涙を誘う、落語時代小説シリーズ第三弾。

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    2022年07月04日
  • すててこ 寄席品川清洲亭 二

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    内容(「BOOK」データベースより)
    江戸は品川、清洲亭。大工の秀八が始めた寄席はお客もついて順風満帆。本日も開業中。常連の真打・弁慶がトリを務めていた時、清洲亭の周りに幽霊が出没!?気味悪がるおえいだが、その正体は弁慶への弟子入り志願の男だった。頑なに弟子を取らない弁慶の切ない理由とは。一方、乗り込んできた女義太夫がひと悶着を起こし―。芸を愛し、人のために尽くす。人の情けが身に染みるシリーズ第二弾。

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    2022年07月04日