奥山景布子のレビュー一覧
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源氏物語を、現在の女性の視点で解説する。
いや、実に面白い。
作者がそこまで考えてたのかと思うところはあるが、人物描写が真に迫ってるんだ。それを、当時の社会環境も踏まえ、あくまで、現在の女性の視点で語る。
型どおり、通り一遍じゃないんだね。「女性の」心の描き方が。
男性は、型通りだが。
だがそこに「現実的でないある意味理想的な」男性キャラを配置することで、女性を浮き彫りにする。
なるほど、最古だけでなく、現代でも十分に人を魅了する小説なんだ。
作者、男性批判も含めてはいるが、この本のタイトル、マイナスだと思うな。別段、紫式部はフェミ的なことは、言ってないと思うし、この本に関していえば、 -
Posted by ブクログ
タイトル通り、林滝野、山川登美子、与謝野晶子ら
与謝野寛(鉄幹)をめぐる、おんなたちの「やわ肌くらべ」。
それぞれが、語り手となり、それぞれの見方で、想いを吐露する。
もちろんフィクション。
それぞれの歌も、そう解釈できますよと言えるし、
まぁ、ざっくりいって、表面に現われる事実はその通りなのだけれど・・・
これじゃ、新詩社の同人を嫌いになっちゃうよ~
という個人的な想いが強すぎて★3つ。
著者の『流浪の中将』が好きで、
また、あの感動を味わいたかったのだけれど、
なかなか難しい。
それと・・・
わたしには、あの表紙も、気持ち悪くて・・・
申し訳ないけれど、★3 -
Posted by ブクログ
大河ドラマ関連の作品を読んでいくシリーズで、今回はズバリ主役の北条義時。
タイトルの『運命の輪』はそのまま、不思議な現象として義時の前に現れる。運命の輪を押して良かったのかどうか…。
義時はこれまでのイメージ通り、小者感全開。
強烈な個性の政子、冷徹な頼朝、息子より後妻の牧の方に影響されっぱなしの時政の影に隠れている。
本当は北条家の統領になりたいし、頼朝の右腕になりたい。そのために何としても手柄を立てたいと焦るが、なかなか機会は来ない。
姫の前との結婚も頼朝からの下げ渡しで直後に生まれた息子・朝時は頼朝の子だった。
何とも情けない義時だが、頼朝の死後、次第に頼朝を見倣って冷徹さを見せていく