ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
6pt
陸海軍の学校では敗戦後まで英語教育が行なわれていた。目的はなんだったのか。どんな教科書や参考書が使われていたのか。幕末に始まった外国語教育は近代陸海軍創設からアジア・太平洋戦争に至るまで、皮肉にも日本の帝国主義の歩みを下支えしてきた。英語教育史研究の第一人者が、当時の生徒が使用した教科書や残された手記の分析、生存者への取材から、知られざる教育の実態に迫るとともに、それらが戦後に遺したものを明らかにする。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
日本軍での教育を中心に、幕末から戦後までの外国語教育史を紹介する一冊。「続・日本軍兵士」では日本の兵站・衛生能力不足を実感したが、本書では日本の語学教育の不足を思い知らされた。どちらも近代化から無理をして太平洋戦争に突き進んだ姿が見られる。その一方で米軍の日本語教育は徹底しており、両国の力の差を改め...続きを読むて感じた。 ・海軍機関学校で嘱託教官として英語を教えた芥川龍之介から夏目漱石夫人に宛てた手紙の一文「生徒は皆勇敢な奴ばかりで、あらゆる悪徳は堂々とやりさえすれば何時でも善になるが如き信念を持っています(事によると、この信念は軍人の間に共通な信念かもしれません) 」は、後の日本軍の行動を予感させる。芥川龍之介恐るべし。 ・終戦前、一般の学校に通う学生は勉学の機会を奪われ、国民は英語の使用を禁止されていた。その一方で、士官養成学校では英語を含む高度な教育が施され、その様な優秀な学生は敗戦を予測していた海軍により、戦後復興に必要な人材として温存された。一億火の球精神の終戦前に、この様な冷静な考えがあった事に驚いた。優秀な軍人が学校や民間で活躍した事が、少し前の鉄拳制裁が普通の日本社会という負の側面に繋がったのだろうか。 ・戦後アメリカは自分たちの理念を日本社会に浸透させるため、英語教育や文化センターの設立などのソフトパワー戦略を行った。現在日本各地にある孔子学園もその文脈にある存在だろうと感じた。 ・戦前戦中からの学びとして、「高度な英語力を持つグローバル企業戦士の育成を一般学校に求めるべきではない。全員に学びを保証すべき国民教育とは相容れず、多くの子供達のニーズに合わない。企業が求める人材育成は企業の責務である」「外国語を英語に限定する政策も危険である。外国語学習は対外観や世界観にまで影響を与える。言語はその背景にある文化とも切り離しがたく結びついており、外国語を学ぶことは相手国の文化や共感を促進することと密接に繋がっている」
タイトルに興味を惹かれ、読み出した一冊。なかなかに興味深い。 幕末から明治にかけて、西欧近代国家に追いつき追い越すことを国是とした日本は、貪欲に外国語を学び、西欧の進んだ知識を取り込んでいく。しかし、時代が下り帝国主義を突き進む中、日本の軍隊は外国語教育、特に英語教育を怠り、その情報処理能力も低下し...続きを読むたと著者は指摘する。 印象的だったのは、序章で紹介されたアメリカ軍による日本語教育である。アメリカは敵国を理解するべく徹底して日本を研究してかかる。その中には当然日本語も含まれ、十数校の日本語学校で数万人に集中訓練を施したという。注目すべきは将兵向けの教科書の冒頭に載せられた言葉。 Help! Tasukete!(たすけて!) アメリカは自軍の兵の命が助かる方策をまずは考えていたことになる。自決を迫る国とは違う。ああ、これは勝てなかったはずだと妙な納得をした。
・終戦時に英語教育を行えた教育機関が軍関係の学校のみとなっていたのは興味深い。 ・現在の英語一辺倒の我が国の外国語教育は危ういという指摘は至言。
幕末、明治初期から戦前、戦中における陸海軍の外国語教育の実態や目的、その効果について、実際に使われた教科書や受講生の証言なども含めながら明らかにしようとしたもの。米軍の手厚い日本語教育との対比、また最終章で論じられる「敗戦占領期における英語教育の戦略的な位置づけの変化」(p.7)の話題が特に興味深か...続きを読むった。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
英語と日本軍 知られざる外国語教育史
新刊情報をお知らせします。
江利川春雄
フォロー機能について
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
英語教育論争史
英語と日本人 ――挫折と希望の二〇〇年
英語と明治維新 ――語学はいかに近代日本を創ったか
受験英語と日本人――入試問題と参考書からみる英語学習史
「江利川春雄」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲英語と日本軍 知られざる外国語教育史 ページトップヘ