【感想・ネタバレ】英語と日本軍 知られざる外国語教育史のレビュー

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Posted by ブクログ

タイトルに興味を惹かれ、読み出した一冊。なかなかに興味深い。
幕末から明治にかけて、西欧近代国家に追いつき追い越すことを国是とした日本は、貪欲に外国語を学び、西欧の進んだ知識を取り込んでいく。しかし、時代が下り帝国主義を突き進む中、日本の軍隊は外国語教育、特に英語教育を怠り、その情報処理能力も低下したと著者は指摘する。
印象的だったのは、序章で紹介されたアメリカ軍による日本語教育である。アメリカは敵国を理解するべく徹底して日本を研究してかかる。その中には当然日本語も含まれ、十数校の日本語学校で数万人に集中訓練を施したという。注目すべきは将兵向けの教科書の冒頭に載せられた言葉。
Help! Tasukete!(たすけて!)
アメリカは自軍の兵の命が助かる方策をまずは考えていたことになる。自決を迫る国とは違う。ああ、これは勝てなかったはずだと妙な納得をした。

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2020年11月21日

Posted by ブクログ

・終戦時に英語教育を行えた教育機関が軍関係の学校のみとなっていたのは興味深い。
・現在の英語一辺倒の我が国の外国語教育は危ういという指摘は至言。

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2019年10月18日

Posted by ブクログ

幕末、明治初期から戦前、戦中における陸海軍の外国語教育の実態や目的、その効果について、実際に使われた教科書や受講生の証言なども含めながら明らかにしようとしたもの。米軍の手厚い日本語教育との対比、また最終章で論じられる「敗戦占領期における英語教育の戦略的な位置づけの変化」(p.7)の話題が特に興味深かった。

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2017年08月06日

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