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本人が変えることのできない「生まれ」(性別・地域・世帯収入など)によって最終学歴などの教育結果に差が出ることを「教育格差」と呼ぶ。日本の学校制度で教育格差がどのように生じうるのか、地元やクラス、部活で周囲と距離を感じてしまう理由はどこにあるのか。出身家庭の世帯収入が平均的に高いというデータがあるなど、日本の教育格差をある種象徴する東大生が、自らの教育体験を語り、学び、葛藤する。
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Posted by ブクログ
教育社会学の入門としても読めるし、東大生の実態への野次馬根的な本としても読める。本書内で学生が、知ることと実践することには乖離がありつつも、知ること自体に意味を見出しているのが素晴らしいと感じる。 自分が東大卒なので、学生の感想や議論には違和感を持たなかったが、他の人の感想を読むとそうではないようで...続きを読む、難しい。
私は東大生ではないが、偏差値の高い大学で学んだので、教育格差を学ぶ学生たちの感想が自分とすごく近く、共感しながら読んだ。
『現場で使える教育社会学』を教科書に、各章のメイントピックのサマリー、追加インプットを経て、各グループのやり取りと授業後のレポートが一冊の新書としてまとめられている。 まずこの形式が面白いなと思って手を取った。 投げかけられた問いを自分も考えながら、こういうバックグラウンドを持つ人はこんなふうに...続きを読む考えるんだな、なんて眺めていると、一部だけではなく、取り上げられなかった人のレポートも読みたくなった。 「知って」「想像する」=「配慮する」ことの大切さを語る人が多かったが、率直な想いを語れる人や言葉にならない言葉を必死に紡ごうとする学生がいることが心強く思えた。 想像するにはきっと原体験が必要で。 SESが高いというのは、家庭の裕福さ以上に体感格差なんじゃないかと思う。 ぜひ「想像」や「配慮」だけではなく、学んだことや気づいたことにこれからも心を寄せてほしい。
まず、東大生の言葉の運用能力が高いと思った。 印象的だったのは、他者の合理性と異質な他者への想像力。
男子は上半身裸で体育、黒髪最高、生まれながらの犯罪者はいない。 今も昔も変わらない問題を生徒が考えるのに意義があります。 経済だけでなく教育も30年変わらないのかと涙出ました。私たちの責任ですね。
ぼんやりと感じていた教育格差について深く考えるきっかけになった。同世代の人の意見を元に話が展開していくが、共感する意見も、ハッとさせられる意見もあっていろいろな気づきが得られた。 対話形式なのでスルスルと読める。
特別SESが高い家庭ではなかったが、親が教育熱心だったお陰で(隠れた意図的養育)学業に困ってこなかった。一方で、大学進学、就職と周囲の環境が変わるにつれて、周囲に優秀な人が増え、自分の家庭との経済格差を感じるようになった。塾に行くこと、浪人すること、幼少期の種々の習い事等に制限のあった自分と裕福な家...続きを読む庭の子を比較して卑下することがあったが、この本を読んですこしそのもやもやが解消された。
学生の感想パートを通読すると、何とはなく、いかにも東大生だったらこう答えるよな、という臭みが目立つような気がする。といっても、きれいに視点や論点を敷きならべているので、標準的な教材としての価値はあるのだろう。 中学校、高校の部活動は、教科学習以外の軸で生徒の自己実現のチャンスを用意するとか、生きてい...続きを読むれば避けて通ることができない社会の「決まり事」を体得するための複線教育という意味合いは、たぶんあるかもしれない。しかし、パワハラ、いじめを、根っこのところで大なり小なり肯定するような、体育会系の気質を再生産し続けている元凶でないか、そしてその毒素を現実のオトナ世界に投射し続けているのではないのか、というのは腑に落ちるお話。
質疑応答を含んだ講義形式となると、複数講師でのリレー形式もあって講師の個性が後景化してしまい類書を辿るという筋道が辿りにくいと感じる。学生側にも思ったよりかは多様性がなくもなかった。
まず、知ることが大事だと感じた。 偏差値の高い東大生でも自分が恵まれた環境にいることにさえ気付けない人がいるのだなと。
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東大生、教育格差を学ぶ
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松岡亮二
高橋史子
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