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Posted by ブクログ
まずスーティがフロリーと再会。義弟ドリアン王子と母を引き合わせ、母子3人のささやかな家庭が再出発しはじめます。惜別の中、スカールやヨナ、ヴァレリウスはパロへ。ドライドン騎士団のブランは、帰着とともに、カメロンを殺害した、ゴーラ王イシュトヴァーンに復讐すべく懊悩します。一方、グインは、ナリス麾下の魔道師から逃れ、もと妻のシルヴィアの救出と、ワルスタット候ディモスの豹変に心を残しつつ、彼らを残してパロを脱出。シルヴィアの親友アウロラ姫を守りつつ、どうにかケイロニアに帰還します。
おそらくここから、対パロのナリスおよびヤンダル・ゾック/対ゴーラのイシュトに大きく話の筋が振られていくのでしょう。ただ、そこに沿海州諸国のパロに対する野心が覆いかぶさり、中原の真の大きな敵、竜王ヤンダル・ゾックを諸国一致して打ち払うところに至るには、まだまだ戦もあり、政治的な紛糾もある、長い道のりのようですね。
また、ここにきて、自己憐憫で引きこもっていたイシュトは、モンゴールの反乱を知って、我が子ドリアン王子を逆恨みし、トーラスを踏み潰す決心を固めます。たった二歳の王子を殺してでも守りたい、己の自我と権勢。ここまで無体な理屈を並べだすと、もう、作品開始当初の、粗暴だけど憎めない、頭の切れる陽気な青年は、どこにもいません。どんなに内心が脆く繊細であろうと、ただの精神を病んだ死神にしか見えません。こんなに印象が変わり果てたキャラも、小説世界の中にいないと思います。多少なりと彼に、悲哀を感じる部分があったのですが、次巻『トーラスの炎』での残虐、不安定で苛烈な精神構造を見ては、彼への同情や共感は持てそうにない。非常につらいです。
グインの落ち着きぶり、温かさ’がしみる分、苦しいですね。グインの帰国途上の、魔道をよくする老女と孫娘のエピソード、私はほっとして読みました。さあ、次はゴーラのトーラス攻め。ああ…。
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