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豹頭の超戦士グイン。彼がケイロニア1万の兵を率いてユラニアム進撃を続けている頃、隣国クムの都に、今は赤い街道の盗賊の頭となっているイシュトバーンが姿を現した。目的はただひとつ王になること。そしてそのためにクムの虜囚となっているモンゴールの公女アムネリスを救出することだった。しかしアムネリスは警備強固な湖上の離宮に捕らわれていた……。第27弾。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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Posted by ブクログ
アムネリスも気の毒だ。全部ナリスのせいだね。イシュトとは、悪い意味でお似合いだと思う。頑張れ。負けるな。
やっと文庫版を手に入れました。最新刊以外はなかなか置いてある書店が無いうえ、通販でも新品で続きの巻を揃えるのが難しい作品ですね…。 さて、ついにイシュトヴァーンとアムネリスが相見える時が来ました。お互いに曰く付きの恋に傷つき、それぞれ多くの苦難を乗り越えてきた二人。イシュトヴァーンとアムネリスは、...続きを読むパロのナリスとリンダの二人に自尊心を傷つけられたり、愛憎入り混じる感情を抱いている点、私は心を通じ合わせる素地があると思っていました。しかし、お互いの迸るプライドの高さから、初対面で相手を見下し合うという、対話と協働には程遠いやり取りをしてしまいます。そのため、可哀想なアリさんがやっとこさ実現させた会談も、あわや破談するところでした。 しかしながら、もう一歩のところでなんとか感情を退け、現実的かつ合目的的に判断することで、お互いの利害のために手を取り合うことになりました。 本巻はこの一連のイシュトヴァーンとアムネリスの感情の推移を上手に見せてくれた。スッと納得できる感情の動きだった。 いまの二人は王になることとモンゴール再興という誰しもの目に見える実利で結びつくだけだが、お互いの昏い、秘めた望みで結びつけば、より分かち難い繋がり方をするように思う。 すなわちアムネリスはナリスを殺して自分のものとすること、イシュトヴァーンはリンダを殺して自分のものとすることを胸に秘めており、この感情のベクトルは大きさも方向もほぼ一致しているからだ。お互いの恥部である以上、曝け出すのは容易ではない。しかし、彼らがお互いの望む結末の相似に気付いたとき、昏く冷たい引力で剛結するのではないかと考えた。 それにしてもお互い、望みを叶えることができても、絶対に幸せになれないバッドエンドが確定している点が健全ではない…。実世界で自分が関わる場合、絶対に御免蒙りたい精神の持ち主であるが、ふと省みると、望んで手に入らないものをむしろ壊して誰も得られないようにしようとする傲慢な考えは自分にもあるようにも思え、とても恐ろしくなった。 何となく、反省を促してくれる巻であった。
ついに、イシュトヴァーンとアムネリスがまみえます。王を目指すイシュト、虜囚の身からの解放を願うアムネリスの利害が一致。お互い手を組むことになります。 それにしても、今巻は登場人物の心情描写が凄いね。イシュトとアリのただならぬ関係。アムネリスとフロリーの関係。ナリスへのアムネリスの思い。そして、イシュ...続きを読むトのリンダへの思い。 様々な人間模様を抱えながら、いよいよモンゴール復活へののろしが上がる、物語の重要ポイントです。
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グイン・サーガ
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栗本薫
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