安部公房の作品一覧
「安部公房」の「砂の女(新潮文庫)」「箱男(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「安部公房」の「砂の女(新潮文庫)」「箱男(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
失踪から7年たって死亡の認定を受けたと小説の最初に書かれた時点で男が逃げられないことは確定していたが、正確には逃げられなかったのではなく最終的に逃げようとすらしなかったという終わり方にするのが良かった。
これこそ安部公房というような難解な比喩が定期的に書かれていて、そこを読むのに体力を使った
穴に閉じ込められて初めて普通の生活に固執する意味を考えるようになるという展開が自然で良い。自由は必ずしも全ての人間に望ましいものではない。
政府は砂の被害に対する対策を支援しないという無責任の結果、塩の入った砂を流通させるという部落民の無責任が生まれてしまった。
Posted by ブクログ
再読。箱男の手記。
絶対ありえない設定なのに、なぜかとてももっともらしく感じさせるところが、この作者の凄さだと思う。
途中から、あれ?人物が混ざり合ってきていない?と感じるようになり、箱男の役割が入れ替わっている。
その感覚がとても面白い。
箱男になる原因は複数あるように思われる。
見たくないものは視覚に入っていても認識しないという人間の特性を利用し、箱男になることで誰にも認識されなくなる。その結果、世間が見たくない側面を覗き見ることができる存在になる。
刺々しい現実が、ダンボール越しに見ることで少し丸みを帯びる。
守られているという安心感なのだろうか。
見られる側ではなく、見る側に回るこ
Posted by ブクログ
安部公房らしい奇想天外な設定だが、「砂」に対するの論理的な着眼点が世界観に説得力を持たせる。不条理に囚われた主人公の男に共鳴するかのように、ずっと口の中に砂が入ってるかのような居心地悪さを抱えながら、夢中になって読んだ。ずっとどう終わらせるのだろうと考えながら読んでいたが、あそこまで完璧なラストはなかなかない。「罰がなければ逃げる楽しみもない」。自由という甘美な響きはまるで砂地獄のように彼を捕らえの身にするが、彼は最後に現実の砂地獄で生きることを決め、その砂地獄から抜け出すのだ。いや、もっと深い穴にハマってしまったのかもしれない。男と女が暮らす砂地獄が突如として私たちの日常と重なり合ってくる。
Posted by ブクログ
ニワハンミョウに騙されて命を落とすネズミやトカゲのように、砂に魅せられて騙されて、穴の中での女との生活を余儀なくされる男の物語。
何度かの逃亡が失敗に終わり、最後は逃げられる状況であっても逃げる事はせず、その後7年の間、元の生活に戻る事はなかった男。
極限の生活の中でも生活の充足や生き甲斐を見つけてしまう人間は、哀しい生き物だろうか、それとも幸福な生き物だろうか。
7年の男の生活、生死は不明だが、ある程度充足した生活を送ったのではないかと思う。誰かに強く必要とされる事、新しい家族ができる事、生き甲斐となる仕事(水の採集)が出来たこと。毎日の砂との戦いが日常になれば、他に煩わしい事はない生活