舞城王太郎の作品一覧
「舞城王太郎」の「だから捨ててと言ったのに」「バイオーグ・トリニティ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「舞城王太郎」の「だから捨ててと言ったのに」「バイオーグ・トリニティ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
2001年『煙か土か食い物』で第19回メフィスト賞を受賞しデビュー。2003年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞受賞。『好き好き大好き超愛してる。』、『ビッチマグネット』、『短篇五芒星』、『美味しいシャワーヘッド』などの作品を手がける。
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Posted by ブクログ
舞城王太郎の脳内で行われた思考実験を、特等席で観ることができた。こと創作において、時空飛行はよく観られる設定であるかと思うが、そこにはいくつかの矛盾を孕まざるを得ないものが殆どであるかつ、それをどの様にして処理しているかの説明は省かれている。しかし本書はこれまでにないほど誠実に過去と未来について向き合う。そしたらいつの間にか時空より大きな、世界に向き合う羽目になって、どんだけスケールの大きい話なんだよ、と思うが、世界のルールである時間と空間を相手にしているのだ。それだけの覚悟が無いと向き合うなど到底言えない。
本当に面白かった。謎が謎を呼ぶ、という作品をいくつか読んできたが、その最高峰にいて、いつまで謎やってんだよって言いたくなるくらいにめちゃくちゃ。それでも、事実であるのだ。ジャストファクツ! 大きく広がりすぎた話をどう結末に持っていくのかが不安であったが、舞城王太郎にそんな不安を抱いてしまった自分が情け無いと感じてしまうほどに素晴らしい終わり方。謎が謎を呼び、事実が事実を繋ぎ合わせる。ミステリ作品の中では、異端として扱われているであろう本作だが、実際にはかなり誠実なミステリ作品である。
Posted by ブクログ
上巻に引き続き、めっちゃくちゃ面白かったのに、引きの展開から先を読みたくなさ過ぎて困ってる。コレまでに描かれてきた事を考えれば、この先は想定したくない結果になってしまいそうで......その辺は、実際読んでからか......
相変わらずむちゃくちゃな展開と要素が繰り広げられる。「出来事は運命と意思の相互作用で起こる」この一文は相変わらず根底にあり、全ての出来事が本当にその通りであるのだ。意思と運命が絡み合う、運命が意思を飲み込む、意思が運命を巻き込む。この三つのどれかであるのだ。
繰り返しになるが、地の文や会話劇のテンポ感と軽やかさが本当に素晴らしい。しかしながら、エンジェルバニーズらの会話劇は時折苛立たしいと思えるほどにねちっこい。それをディスコが心の中で咎めてくれていることが救いであると同時、読み進めるうちに会話劇さえも疑いの目を向けてしまうような作りになっていて、本当に脱帽。探偵としての職業病を患ったディスコと同じような心理状況にさせてくるのだ。
Posted by ブクログ
とにかくめちゃくちゃかつ、めちゃくちゃに面白い。著者にしか持ち得ない、その文章自体の魅力がふんだんに溢れていて、読む快楽的な中毒性がある。「この世の出来事は全部運命と意思の相互作用で生まれる」まさに本書を体現する一文で、それを証明するように流れていく時間に惚れ惚れしてしまう。展開の数が異常なほど多いにもかかわらず、それらを異様なテンポ間で処理していくのは、著者にしかできないでしょう。その魅力は、読み手によっては受け付けない人も居るかも知れないが、私としてはどんどんそれを出してほしい。すごい好きな作品にになりそうな予感。
梢が可愛すぎるのも問題。梢が出てくるだけで嬉しくなって読み進めたくなっちゃうから。だからこそ、上巻の終わり方としては完璧で、すぐに中巻に手を出したくなる。
Posted by ブクログ
外傷外科医を囲むドタバタミステリ
人間死んだら煙が土から食い物。果たして本当に?
煙となり土となり野生動物の食い物になっても、生きた証を残すことはできる。人生に意味はある、そう言えるように生きたいものだ。
(以下面白かったので、感想が長く見苦しい文章となることをお許しください。)
主人公四郎は、4人兄弟と父の間で巻き起こるいざこざに心底うんざりしていた。大人になりそれぞれの人生を歩む中、母が倒れるという事件に失踪した二郎を除く家族が一堂に会する。
四郎は兄弟達や両親を深く愛する一方、憎悪や無関心も併せ持っていた。「人間死んだら煙が土か食い物」、生きてることに意味などないと言う死生観の持ち主で、仕事・セックス・喧嘩以外に興味などないと言う生き方に見える。それは心を閉ざしているからか、はたまた人間らしい感情など捨て去ってしまったのか。
物語序盤から中盤にかけては、四郎はまるで機械のように描かれる。手術台の上で人々の怪我を治す機械、瞬時に犯人の手口や隠された暗号を紐解く機械。感情を隠し、事実と自分の信じる推測によってのみ動く機械のようだった。
しかし中盤以降、その描写にも変化が現れる。四郎も怪我を負い、母の横で涙を流し、そしてミスをする。要は四郎もただの人間であるということだ。
最終盤の四郎は、もはや機械ではなかっただろう。外傷外科医というには探偵のような動きが多々あったため、最後家族を救うために医師となる姿には、感動と興奮を覚えた。
結果的にオールオッケーではないというのもこのお話のいいところだと思う。そして「愛」とは何か考えさせられる内容だった。親子愛、兄弟愛、大切な人に寄せる想いは、拳を交え罵り合うことや、セックスを通じてでしか伝わらない訳がない。
ハッピーエンドではないが、四郎は少し救われたのではないか。愛を知った四郎のこの先が気になる作品でした。