シティブックス作品一覧

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  • ぐい呑み 自選短編集
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    半村良自選短編集。表題作「ぐい呑み」をはじめ10作品を収録。 昭和という時代を生きた男と女、人情の機微をたぐいまれなる筆致で描き出す。 怪談から人情噺、したたかな女から一途な女、振り回される男と‏生きる意味を考える男……。物語の中に、さまざまな人々が生き生きと描かれる。 浅草、銀座など、作家がすくいとった昭和の東京の町の風情と雰囲気も楽しめる極上の短編集。
  • 杉原輝雄が遺言
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    マムシと呼ばれたプロゴルファー杉原輝雄が、2011年12月28日に亡くなる直前まで語り続けた遺言メッセージ。 マムシのニックネームは、逆転勝ちや競って優勝した回数があってつけられたと振り返りながら、「逆転勝ちは思い切っていけるから割と楽です。逆に逃げ切りは難しい」と語る。プロゴルフ界の現状についても、舌鋒鋭く語る。生命の灯が遠くない先に消えるのを自覚しているからこその苦言は、若手プロからスター選手にも及んでいる。 本書は読むうちに、杉原輝雄の生きざまそのものが、遺言メッセージに思えてくる。マムシと呼ばれた杉原輝雄。ゴルフにすべてを捧げた生きざまは見事だ。
  • 魂の自由人
    3.0
    「私はずっと前から『魂の自由人』になたたいと思っていた。これは人生におんて非常に大切なことで、身体の健康と魂の自由とは、対をなす重大な要素だと考えている。健康については世間にたくさんの本があるし、医療についての専門家でもない私が書けるわけがない。しかし、魂の自由については……」(本文より抜粋)。 困難な時代だからこそ、心と魂の自由を得た、自分らしい生き方をしたい。そのヒントが、本書から得られるのではないか。
  • 幻の殺人
    4.0
    1巻660円 (税込)
    「わたくし、人を……。人を殺してしまったのです」  新聞社の論説委員をしている私は、愛人の冬子から衝撃の電話を受けた。当惑させられたのは、今朝の二時頃だという。  しかしその時刻、冬子に殺人は不可能だった。冬子とともに、わたしは家族に内密にして、熱海に二泊していたのだ。  冬子はこれから自首するという。わたしの不倫の秘密は守るれられるのか。そして、冬子は殺人犯として逮捕されされてしまうのか――。冬子によってもたらされたわたしの戸惑いが深まる。読めない結末の表題作「幻の殺人」。  この全5作の短篇は、長編の原型となったものばかり。男と女がそれぞれに秘める思惑が、意外な形をつくりだしていく。緻密で精巧なミステリー!
  • 北アルプス冬の罠
    -
    1巻671円 (税込)
    長野県松本市で、ホテルの完成祝賀パーティーが開かれた。 国会議員、県会議員、市町村議員、そして長野県の財界人が集まる中、殺人事件が起きた。 被害者は、財界の重鎮。毒殺だった。 周囲には、秘書、役員、ホステスなどもいたが、誰ひとりとして、殺人が起きた瞬間を目撃していなかった。 誰がどんな殺意をもっての非道な行為をしたのか。 道原伝吉刑事は、被害者の過去を洗い出すチームに配され、地道に捜査に当たる。そして、被害者が裸一貫から財界人として成り上がってきたことがわかり、そこに何かがあると思いを巡らした。「偽装」より。 人情刑事道原伝吉が犯人の殺意を読み解く、全6篇を収めた短篇集。なお、収録の「避難命令」「弱味」は短編集『白銀の暗黒』にも収められています。
  • 札幌薄野殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    自分の研究テーマである国際政治学より、巷で起きる難事件のほうをこよなく愛してしまうのが、山手女学院大学の美人助教授・弓丘弥生。 テレビキャスターもこなす才媛で、彼女はこれまでに何度も難事件を鋭い推理と行動力で解決してきたことで、警察関係者にも知られる存在になっていた。 学会や講演で出かけた先で、事件に遭遇し、推理を巡らす、連作短編7編。 難事件に挑む弓丘弥生の颯爽とした姿に加え、女として、助教授として、老舗料亭の跡取り娘としての悩みが描かれ、魅力をさらに深めている。
  • モンスターフルーツの熟れる時
    3.0
    1巻671円 (税込)
    代官山のすぐ近くの猿楽町を舞台にしたスリリングな連作短編集。 「君江」では、性と生の発芽を、猿楽町の町並みとともに丹念に描き、「友子」ては、全国の女性たちを巻き込むほどの大きなムーブメントを「美」によって作り上げた姿を描く。 次の「千原」では、不安と憎悪と共感がもたらすものが何かを見せつける。そして最後の短篇が「わたし」。 この「わたし」は小説内の「わたし」を指しているいのは明白だが、あなたにも内包するであろう「わたし」にちがいない。緻密に構築された世界が、読む者の心に訴えかけてくる。
  • 博多大花火殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    警察官らしからぬパンチパーマでキメている大鷹鬼平に、10代の少女・高瀬千津琉から相談が持ちかけられた。 10日後に開催される全日本花火コンクールに、事故で亡くなったはずの花火師の兄・敏彦が参加するという。 単なる嫌がらせかと思われたが、そのコンクールでは、敏彦が研究を重ねてきた幻の花火「雪月花三段開き乱れ咲き」を打ち上げるという。 敏彦しか作ることができないはずの幻の花火。はたして、亡くなったはずの敏彦がつくあげたものなのか。 鬼平は、有給休暇をとり、自費で花火大会が催される博多へ飛ぶ。 留置所の看守をする警察官・大鷹鬼平が職務を離れて事件を追う人気シリーズ!
  • 血の残像
    -
    1巻682円 (税込)
    教え子だった女に手をつけた「ツケ」は、こんなにも惨いものだったのか――。 女子大の講師であり、評論家としても名をあげてきた三隅は、車の中で、元教え子との濃密な時を過ごしていたが、暴漢に襲われてしまう。自分の弱さに怯え、名声に傷がつくことを恐れた三隅は、抵抗することなく、いわば、暴漢に自分の愛人を差しだす形をとってしまった。それが脅迫という形になって返ってくるとは……。表題作の「血の残像」をはじめてして、いずれも巧妙などんでん返しが待っている。ハードな官能、ミステリー、バイオレンスが融合した10作からなる短編集。
  • 女帖
    -
    ちょっと思わせぶりなタイトルだが、それもそのはず。半村良のものがたりに登場する女性たちのための観察メモなのだから。だがそこは作家、まして「嘘つき」と言われてた著者だけに、虚実とり交ぜて、物語性のあるエッセイに仕立てられている。 様々な女性たちが登場するが、その一人一人が小説の中で生き生きと動き回っているのが想像できる。創作の裏話であり、ひとつの面白い物語でもある。
  • 大雪山殺人事件
    5.0
    1巻682円 (税込)
    小学生が遠足で訪れ、カップルがデートにやってきていた大雪山系旭岳では、チングルマ、エゾコザクラなどが咲き誇っていた。 霧が深くなる中、熊が突然現れ、女性を襲った。霧が晴れると、女性は無惨な姿で発見された。 事故と思われたが、解剖の結果、殺人の可能性が高いことがわかった。 容疑者として北海道警が睨んだのは、当然、一緒に登山にやってきた婚約者だった。 だが、彼には崩せそうもないアリバイがある。 北海道警の刑事たちは、アリバイを崩せるのか。忍耐の捜査がはじまった。
  • 悪への招待状
    4.3
    1巻770円 (税込)
    「江戸という都市に対する橋頭堡を作ってみたい、というのが本書を執筆のする最大の動機だった」と、あとがきで著者が明かしているだけに、意欲に満ちた、江戸を知ることができる作品だ。それでいて、難解ではない。 「本書を執筆するに当って、少なくとも自分がわからないことすべて調べよう、というのをルールにしましまた。要するに江戸を、手に取って理解できるところまで持ってこようと思ったのです」と、著者は書いている。 江戸が、まるで目の前にあるかのような臨場感をもって読める傑作!
  • 不逞の輩 退職者たち
    -
    1巻660円 (税込)
    サラリーマンは会社では没個性を良しとして生きているが、それはあくまでも会社での顔である。 彼らの素顔があらわになるのは、定年退職した時だ。 自分はどうやって生きていけばいいのか。社会との関わりをどうやって維持していこうか。いっそ、世の中に背を向けて生きていくことも可能だろうか。 退職者たちは、生き方を探りながら恐る恐る一歩を踏み出す。 けれどもそこで待ち受けているのは、安全な地ばかりではない。落とし穴や底なし沼かもしれない。 退職がきっかけとなって起こる悪意や殺意を見事に描いた短編9作品!
  • 言えない関係
    -
    1巻660円 (税込)
    徹夜で麻雀をするといった夫不在の家で、妻の心にふっと淫らな隙ができてしまう。そこを突いた男と、ただならぬ関係がはじまり、妻は窮地に陥っていくのが表題作の「言えない関係」。 「戯れの誓い」では、もしも死期が迫っていることがわかったら、憎んでいる男を殺してやってもいい、と約束した男女の心理の葛藤と駆け引きを描く。 ほかに「指の骨」「職権濫用」「近所の墓」「血の問題」「鏡の前」「壺の中」など、全8編の短編集。いずれも、思いもかけない結末が待ち構えている。
  • 戦士の岬
    -
    1巻682円 (税込)
    原宿あたりにたむろする若者たち8人、それぞれが広告、カメラマン、イラストレーター、スタイリストなどという職業を持つが、不安定なフリーとして生活をしていた。そんな彼らに、房総半島の先端の町から、地域おこしの相談が持ち込まれた。 その町は、どうみても魅力がなく、観光客が行きそうもない場所だった。彼らは苦肉の策として、「里見八犬伝」の伝説を利用することを思い立つ。 さらにストリーを練り、戦時中の供出ダイヤモンド、そして徳川の埋蔵金にまで話しを広げる。 空想だったものに、大手のデベロッパーが食いついてくる。そして戦国時代、江戸初期、そして戦後と膨大な物語が展開される。半村良の青春群像小説。
  • 霧ヶ峰殺人高原
    -
    1巻682円 (税込)
    霧ヶ峰の自然が好きで、東京から何度も登っていた北村真由子が行方不明になった。 宿泊を予定していた山荘では、経営者の五代芳昭を先頭に、合宿をしていた多くの大学生らも加わって捜索がはじめられた。 同時期に、霧ヶ峰を大々的に開発しようと、地元民と交渉をつづけていた東京の業者の責任者が殺害され、遺体で見つかった。 自然を破壊し開発を強引に進めようとする業者と、地元民との軋轢が殺害理由なのか? そして、北村真由子は無事なのか。 帰還を願って捜索をつづけたが、山荘の近くのカラマツ林の中で、北村真由子は遺体が発見された。その近くからは、山荘の経営者・五代芳昭が愛用していた登山ナイフが見つかった。 警察では当然、五代を容疑者として取り調べることになったが……。 開発したい者と保存を願う者との思惑が絡んだ、長編山岳ミステリー。
  • 40歳からの「バカになれる脳」の鍛え方
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    人との付き合いの中で感情的になったり、嫉妬心を抱いたり、また問題を「黒と白」という二元的な考えから結論を出そうとする。自己主張や自己嫌悪も人との円滑な関係を妨げたりする。 このような感情は脳のどの部分と関係しているのかを解き明かしつつ、妄想や欲望をなくしす生き方をアドバイスする。 禅宗でいうところのホンモノの「バカ」になって「利口」をめざし、いい生き方、いい仕事をしようという、40歳からの人生アドバイス。
  • 鳥海山殺人渓谷
    -
    1巻682円 (税込)
    警視庁捜査一係の白鳥刑事、同じく一課の河津貴子、第十交通機動隊の月村修の3人は、中央アルプスの宝剣岳に登っていた。 4月ではあったが、山には雪があった。 登っていた者たちの耳に、空気を裂く音が届いた。その直後、雪が動き、雪崩が発生した。 警視庁の3人は危うく難を逃れたが、4人が死亡した。 空気を裂く音は、銃声ではなかったか? その振動が雪崩を引き起こしたのではないのか。 雪崩被害の当事者となった捜査一係の白鳥刑事は、月村修をしたがえ、地道な捜査に乗り出す――。 白鳥、月村の絶妙コンビが追う、長編山岳ミステリー。
  • 鬼の棲む場所
    -
    1巻682円 (税込)
    城所恒夫は母を知らない。 未婚で恒夫を産んだ母は、元ボクサーの父と結婚した1年後に、4歳の恒夫を残して消えたのだ。 以後、血の繋がらない父が男手ひとつで育ててくれた。 ある雪の夜、19歳の恒夫は新宿でトレーナーの田沼八郎に出会い、プロボクサーを目指すことに。一方で、恒夫は恋人の中井信子とは別に、一緒に暮らしていた養父の愛人清子とも体の関係を持ってしまっていた。 デビュー戦、新人王戦と勝ち進む恒夫だったが、複雑な人間関係の陥穽の渦に巻き込まれていく。 エキサイティングなファイトシーンがストーリーと絡み合う、会心の長篇ハード・サスペンス。
  • 消えた人々
    -
    1巻660円 (税込)
    失踪には、思い悩む中年サラリーマンだけが失踪するものではない。専業主婦も定年退職した壮年も、何かの理由があって失踪する。 その理由とは何か。 金? 男女関係のもつれ? 殺人の隠蔽? 平凡な日常から突如消えた七人の男女の大胆な失踪計画を描いた短編集。知的ミステリーの緻密さに息を呑む。
  • みちのく紅花染殺人事件
    -
    1巻660円 (税込)
    仙台の奥座敷といわれる秋保温泉で殺人事件があった。被害者は、かつては注目を浴びた女性占い師とその息子だった。 宮城仙台西署に配属されたばかりの女性刑事、呉竹緑巡査は現場に駆けつける。広い衣裳部屋が乱するに被害者の衣装が散乱している。お手伝いの女性の手を借り遺留品調べを始め、一枚の紅染めのスカーフが見あたらないと訴えた。 殺された占い師の評判は決してよくなかった。容疑者として、豪邸を乗っ取られた芸能プロダクション社長、そしてかつての夫であった俳優、今の愛人である暴力団関係者などが、捜査線上に上がる。 呉竹巡査は検察庁広域捜査を担当する宮之原警部とともに、所轄とは別の捜査活動をはじめる。一枚のスカーフに込められた情念が事件の謎を深めていく。宮之原警部が見事な推理を発揮する!
  • 小樽運河殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    夏の小樽運河に男の死体が浮かんでいるのが発見された。かつて小樽運河保存運動の中心的人物で、その後東京で画商として成功した男だった。 はじめは保存会の人間関係に原因事件のカギがあると思われていた。しかし絵画が異常な値上がりを続ける状態の中で、絵の売買にかかわることに捜査は広がっていく。 小樽の刑事は、東京の操作聞き込みに警察庁遊撃捜査係の宮之原に相談を持ち掛ける。そうしているうちに小樽に住む女性画家が殺害される。事件の魔手は一気に絵画流通の裏の世界へと伸びていく。 宮之原は殺害された画商の姪とともに核心に迫っていく。 大人気、広域捜査官・宮之原警部シリーズの社会派ミステリー!
  • ながめせしまに
    -
    1巻671円 (税込)
    酒場と着物、恋愛模様、修羅場……。 男と女のさまざまな心の機微を描いた短編集。 財界の中心人物の囲われ者だった女、こよなく愛した着物にも飽き次第に男との距離も空き、年齢を重ねていくとこに恐れを感じる表題作「ながめせしまに」。客を足蹴にしたい、という思いから奇想天外な酒場を作り上げる「酒亭抜荷丸」など、新宿、銀座など舞台に夜ごと酒を仲立ちにして希望と後悔を繰り返す7編を収録する。
  • おんな舞台
    -
    1巻671円 (税込)
    男と女の機微を描いた絶品の短編が並ぶ。 戦後間もない銀座のバーの同僚だった男と女。長い時間を経て二人が始めた「家庭」を、かつての弟分が訪ねる。三人の会話を通して人生の浮き沈みを描く「夢のおわり」。連れ込み旅館を営む老女を取り巻く人々の生き方、関係を一枚の「焙烙」という道具を通してあぶり出す「焙烙」など、絶妙な語り口で綴った短編6編と、あとがきにかわる自伝的なエッセイ「屋根の上のマッカーサー」を収録する。 このあとがきでは、ペンネーム「半村良」と「イーデス・ハンソン」との関係(イーデス《良》・ハンソン《半村》)について明かしている。
  • したたるものにつけられて 自選恐怖小説集
    3.5
    1巻671円 (税込)
    ひたひたと、怖ろしい何かが胸に迫ってくる。固唾をのまずにはいられない、強烈な体験をもたらす恐怖小説集。 これはフィクション? ノンフィクション? 何かの恐怖から逃れるようとするために、意図的にそんなことに思いを巡らせてしまう。 精緻であり多彩。人間存在の奥に横たわる悪と憎悪と善を浮き彫りにする。
  • 穂高雪山殺人迷路
    -
    1巻682円 (税込)
    連日雪が降り続いていた3月の北アルプスで、男性3名女性1名のパーティーが遭難した。幸い3名は救助されたものの、男性1名が行方不明のまま捜索が打ち切られた。 2か月後、パーティーのリーダーだった真中荘平から再び救助要請が入った。 行方不明の男性を捜しに、同じパーティーのメンバーだった古田紀洋と2人で登り、古田が滑落したという。 翌日発見された古田の遺体頭部には、滑落時に負ったものではない傷があった。 死因に不審を抱いた豊科署の道原伝吉刑事は捜査を開始する。 過去と現在が絡み合った、異色長編山岳ミステリー。
  • 殺意の雪宴
    -
    1巻682円 (税込)
    悲劇ともいえる高校生の冬山遭難。この遭難は、なぜ、起きたのか――。 山岳部の女子生徒が、先生に色目を使ったことが原因なのか。 部員の父親に愛人がいたからか。 それとも、顧問の先生が絶対に明かすことのなかった秘密によるものなのか。 はたして、遭難は事故か、事件か。 冬の北アルプス山中、過酷な吹雪の中、生徒と先生が生きのびるために生命を賭ける。
  • 半村良コレクション1
    -
    1~2巻671円 (税込)
    半村良の初期の短編や中編を収録した。のちの長編のもととなるものや、サイドストーリーとして書かれたものもある。 SF作家としてスタートした著者だが、その後人情もの、時代ものなどのジャンルの小説を書き分け、高い評価を得ている。 第一部は短編でまとめられさまざまな手法でのSF。第二部の中編は伝奇ロマンが綴られる。『半村良コレクション』として刊行されていた文庫を二分冊にした。半村良マニア垂涎の作品集である
  • 加賀金沢殺人事件
    4.0
    1巻682円 (税込)
    金沢の名勝・兼六園で、雪に埋もれていた女性の刺殺体が発見された。黒百合を口にくわえて死んでいたのは、加賀友禅老舗の一人娘だった。 捜査が始まった矢先、容疑者のひとりだった寺の住職が、口に黒百合をくわえた姿で死体となって見つかった。 事件を憂えていた金沢中央署の婦人警官・住之江沙代の前に、警視庁の宮之原警部が現れる。 金沢独特の事情と文化を知る沙代は、相棒として捜査協力をすることに。 歴史と伝統の街で繰り広げられる、哀しい事件の結末とは?
  • アルプス冬物語
    -
    1巻682円 (税込)
    木曽駒ヶ岳、宝剣岳がくっきりと眺められた晴天の駒ヶ根市の銀行に、強盗が押し入った。 犯人は逃走の途中で人質を取る。偶然通りかかった三十三歳の三奈子だった。 翌日には無事解放されるが、三奈子の人生は大きく変わっていくことになる。(表題・アルプス冬物語)。 ほかに、「無名沢」「赤い崩壊地」「下山近道」「地獄への縦走」「奥又白谷」「魔性の尾根」など全7編からなる山岳推理短編集。
  • 生命のバカ力 人の遺伝子は97%眠っている
    3.7
    私たちの遺伝情報は、ほとんど眠っているのです。そうすると、眠っている遺伝子をONにして、起きている悪い遺伝子をOFFにすることができれば、私たちの可能性は飛躍的に発展するのです。(はじめに、より抜粋) 未知の領域だった遺伝子を、どうすれば自分のために活かすことができるか。そのヒントと活用実例を紹介。
  • 針ノ木岳殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    新宿駅西口の飲食店街「思い出横丁」にある小さな食堂の店内で、ゴールデンウイーク明け前日の朝に、登山者と思われる服装をした男の刺殺体が発見された。 所持品の中に長野県警豊科署の刑事・道原伝吉という名刺が入っていたことから、男は日東自動車に勤務している相沢敬三だと判明する。 相沢は、数日前に後立山連峰の針ノ木岳という山で刺殺された、同じ会社の梅津文大と交友関係があった。 ふたつの殺人事件の関連を、道原刑事は追い始める。長編山岳ミステリー。
  • 悪党は休まない
    -
    1巻682円 (税込)
    美人局で男を強請った帰途、高級外車と接触事故を起こしたことから、青木昇と久保みちるはその代償として資産家の篠村夫妻により肉体を弄ばれることに。 だが二人はやがて巨万の財産を持つ篠村から金を奪取することを思いつく。 計画はあっけなく頓挫したかのように思われたが、篠村の妻・祥子の誘いから新たな展開を見せ始める。 誰が騙され、誰が騙すのか。最後に笑うのは誰か。勝目ワールド炸裂のハードバイオレンス長編。
  • 扉は静かにノックされた 私立探偵・伊賀光二シリーズ
    -
    1巻682円 (税込)
    霙降る肌寒い夕方、私立探偵・伊賀光二の事務所に美しい人妻が尋ねてきた。新婚の今川美由紀、二十八歳。 「捜していただきたいのは、わたしの主人です」結婚7ヵ月目に突然蒸発した四歳年上の夫の捜索依頼だった。 数少ない手がかりから、偽名で借りて住んでいるところを突き止め、美由紀と乗り込む。しかし、夫は大船の山林で車ごと燃えた焼死体となって発見される。 定文のアパートに出入りしていた女性の身元を洗うと、関内のクラブホステスと判明。そのホステスの夫も不審死を遂げており、彼女は莫大な保険金を手にしていた。2人の接点を探っていくうちに伊賀の身にも暴力団とつながりのある黒い影が忍び寄る。 伊賀光二、最大のピンチに陥る。はたして、私立探偵は切り抜けられるのか!
  • 遠来の客たち
    -
    1巻561円 (税込)
    今も健筆を誇る作家曽野綾子のデビュー作がよみがえった! 芥川賞候補になった短編「遠来の客たち」を収めた、全7編からなる短編集。 20代に書かれた作品群は、いずれもみずみずしく、意欲に満ちている。 長い時を経たにもかかわらず、古めかしくなっていないのは、さすがとしか言いようがない。 その後の旺盛なる創作の根幹が垣間見られ、一読の価値アリだ。
  • 夫婦の情景
    3.0
    夫婦にとって何が大切で、何が夫婦に幸せをもたらすのか。そして、夫と妻、それぞれの幸せと不幸せとはいったい何なのか?  夫婦生活をつづけていけば、必ず起きる、喧嘩。些細なもので済むこともあれば、別れる別れないの大事に展開していくこともある。何がどうなって、気持ちはすれ違っていくのか。互いの思いやりが、相手の心に響かなくなってしまうのは、いつからなのか。  壊れやすい夫婦の愛と心を、温かいまなざしで描いた極上の短編集。
  • デイトリッパー 聖少女戦国色欲遷移譚
    -
    聖少女として一世を風靡した元アイドルの篠木聖利は、今は当時の面影はない。 聖利が心機一転、新たな世界で頑張ろうと踏み出したのは、ストリップの世界。20歳の決断だった。 舞台に立ち、スポットライトを浴びるうちに、何かがおかしくなった。 聖利は、戦国時代にタイムスリップしてしまう。しかも、現代人としてではなく、武田信玄が放つくノ一の聖利としてだった。 くノ一聖利が命じられていたのは、今川氏真暗殺。 アイドルからストリッパーに転身した聖利に、そんな大それたことができるのか!
  • 死体の叫び[新編]
    -
    1巻649円 (税込)
    これまで封印してきた保険金殺人事件の詳細について、元東京都監察医務院長が初めて明かした。いかに巧妙なトリックを労しても、死体が殺人であることを語っているとわかる。 FILE1 東南アジア保険金殺人事件 FILE2 長崎・佐賀保険金殺人事件 FILE3 検死システムの充実を訴えていた二つの毒殺事件 FILE4 あばかれた完全犯罪の野望 FILE5 多額の保険がかけられた転落事故の真相 FILE6 看破された自動車転落事故の偽装 FILE7 「疑惑」の波の中であがいた凶悪犯の末路 FILE8 犯行を許した、被害者の無防備な意識 FILE9 不審死の真相は事故か病死か? FILE10 家族の無念を晴らした死体のメッセージ
  • 怪殺 日光・戦場ヶ原
    -
    1巻682円 (税込)
    上高地に向かうと出かけた山岳エッセイストの柴崎舟が失踪した。彼は一年後、日光・戦場ヶ原で刺殺体となって発見された。北アルプスへの登山のために上高地に向かったはずなのに、日光で殺害されたのか。エッセイを依頼した出版社の担当編集者の天満澄代は、好奇心も手伝って、この事件を追うことになった。道原伝吉は、彼女に的確なアドバイスを送ることで、事件を後方から支えていく。ついには、劇的な展開を迎え、事件は人生の悲劇をあぶりだす!
  • 虚空王の秘宝 上
    -
    1~2巻682円 (税込)
    何者かがアパートに侵入し、拳銃と麻薬と思しき白い粉を置いていった。これをきっかけに露木一郎は国家権力から追われることになる。信州に住む叔父の手配で秘密組織が逃亡を助ける。その組織は虚空蔵菩薩を祀りいくつかの顔持つ組織は、宇宙へ飛び出すクルーを集める組織でもあったのだ。太古の時代に飛来し、秩父山中に隠されていた巨大な宇宙船に乗り込んだ露木ら400人のクルーは宇宙へと飛び出していく。宇宙船は「神」か。船の意思によってクルーは教化され成長し、太陽系外の惑星への旅を始める。壮大な仕掛けのもとに描かれるSF伝奇小説の傑作。
  • 白馬岳 風雪の殺人
    -
    1巻682円 (税込)
    ニュージーランド南島のクック山の登攀に挑戦していた綾部峻に、緊急帰国の報が届いた。友人の北条が後立山連峰鑓ヶ岳での墜死したというのだった。ところが北条の山行計画は北アルプスで、場所も山も違っていた。なぜ、彼は死ななければならなかったのか。なぜ、彼は古くから知られている山行記のコピーを持参していたのか。疑問が渦巻く中、新たな殺人が起きた。綾部は独自に調べる決意をした!
  • 焼岳 殺意の彷徨
    -
    1巻682円 (税込)
    東京の開業医千堂士郎が焼岳で遺体となって発見された。検視の結果、転落による事故死ではなく、殺害されたとの結論となった。手掛かりがまったくないため、長野県警豊科署の道原伝吉は、部下の伏見とともに、殺された千堂について調べることからはじめた。身近な者の誰かが殺害を企てたはずとの直感を頼りに、丹念に被害者を調べ、複雑な家族関係、家族も知らない秘密などがじわじわとあぶりだす――。それぞれの人生が、なにかをきっかけにからまるうちに、殺人の動機の芽生えとなることを人情刑事が赤裸々に暴いていく。
  • 合本・人生を照らす全3冊
    -
    曽野綾子作品では初めての3冊合本。「本物の『大人』になるヒント」「失敗という人生はない」「晩年の美学を求めて」からなっている。 「本物の『大人』になるヒント」は、心をただしく生きていくためのヒントとなるエッセイ、「失敗という人生はない」は、曽野綾子作品のなかから選りすぐった味わい深い文章を集めた箴言集、「晩年の美学を求めて」は、人生を深く考えるきっかけとなるエッセイとなっている。 これから歩むべき道を前に心新たにした時、人生を振り返りたい時、立ち止まって人生の行く末を考えたい時、必ずや、励ましとなる3冊合本。
  • 夢あわせ
    3.0
    1巻682円 (税込)
    二つの世界、私たちが生きている世界と別の世界がふとしたことから触れ合ったとき事件が起きる。SFの名手の著者が描き出す12の短編。 同じ夢の中に入りたいという仲睦まじい夫婦の願いがかなった時の結末を描く表題作「夢あわせ」、「雪洞夜話」は江戸時代の女郎の悲しい願いが籠められた雪洞の物語。「怪談桜橋」は著者の戦争体験が生み出した東京大空襲の日のリアルな幻想。「特異点」は著者自身のホテル暮らしに想を得た不思議でユーモラスなオハナシ。20種近い職業を経て作家になった著者の経験や生き様から生み出された、読み応え充分の奇抜ながら納得のSF譚。
  • 暗殺都市
    -
    1巻682円 (税込)
    デパートの警備員の辺見恭平は、もともとは、要人警護を務めるSPに抜擢された優秀な警察官だった。暴走族がしかけてきた煽り運転に応戦し、怪我を負わせたことの責任をとって職を辞したのだ。平凡な生活を送っていた辺見だったが、ある日、罠にはまり、銀座のクラブホステスの警護をする役目を負わされてしまう。 数日間で終わるはずの警護だったが、思わぬ成り行きをたどってしまう――。正義感溢れる辺見は、男として生きる者としては、どのような結末に満足するのか。驚愕のラストが待ち受けている!
  • 宮之原警部の愛と追跡
    3.0
    1巻682円 (税込)
    官僚組織である警察庁において、唯一、事件を捜査する権限を持つ宮之原警部は、妻の真由子とともに、信州飯田市に嫁いだひとり娘の津玻紗の家を訪ねることになっていた。ところが、妻は姿を現わさない。不審に思っているところに、「要求はなにもございません」という奇妙な電話がかかり、誘拐されたことが判明した。妻は生存証明のためにその電話口に出て、自分を恨む者の仕業かという警部の問いに対し、「違います。これは不運な偶然なのよ」という言葉を残して電話は切られた。これはいったい何を意味しているのか。最愛の妻を誘拐された宮之原警部は、知力と経験のすべて注ぎこみ犯人と対峙する。はたして、妻を無事救出できるのか。宮之原警部シリーズの中でも傑作との呼び声の高い、感涙の作品!
  • 京都紅葉伝説殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    京都では名の知られる公家の名門・西御門家の高校生の娘が、一億円の借金をして失踪した。ギャンブルの負けがこんだものによると思われたが、別に理由がありそうだった。が、判然としない。借金をした当の本人が失踪しているからだ。借金返済に困った両親は、京都無明庵の住職に相談するも手に負えず、住職は旧知の宮之原警部に京都まで来てくれと依頼した。京都に乗り込んだ警部は、公家のいくつもの秘密を探り出し、借金を負った真相とともに、失踪した娘を追う。スリルに満ちた京都旅情ミステリー!
  • 老いの身辺をさわやかに生きるための言葉
    4.0
    《まえがきより》  近年の日本人は、世の中が理想通り動くのが当たり前、と思うようになった。ところが、戦前の日本の現実を知っている世代の私などは、いつの時代だって現世は思い通りにならなくて当たり前、と思って来たのである。これが大きな違いだ。  思い通りにならない世界だから、文学も絵画も映画も生れるのだ。(中略)絵画も映画も、皆作品にこの悲しみの世の一部を必ず切り取って埋め込んで来たのだ。  その悲しみや不運をどう処理してきたかが、個人の歴史そのものなのだ。(後略)  悲しみや苦悶を抱えながら、人はどうすれば清らかに生きていけるのか。真面目な人生のための道標となる貴重な一冊。
  • 密室の狩人
    -
    1巻682円 (税込)
    銀座高級クラブのバーテンダー、稲瀬谷健太郎にはもう一つの顔がある。裏の仕事は〝いかせや健太郎〟と呼ばれるコールボーイ。 健太郎は特異な体質で、腋の下のあたりから発する独特のフェロモン〝牡の匂い〟が女性たちを欲情させるのだ。 たとえば。 清純アイドル歌手として売り出し中の江見夕子はまだ18歳だが、本性は病的な淫乱娘。事務所社長に「金で買える男を世話して」と要求し、思い通りにならないと仕事はしたがらないし、マネージャーに当たり散らしたりと手が付けられなくなる。そこで夕子のガス抜きのために〝いかせや健太郎〟に指名が回ってきた。 アイドル歌手から、コメンテーターとしてテレビに登場する人気評論家、政治学者、有名ファッションデザイナー婦人、世界的ロックシンガー、外国人プロゴルファーから65歳のおばあちゃんまで、性的な欲求不満を抱える女性たちを、性技と誠実さで心底満足させていく。
  • 寒河江伝説
    5.0
    1巻682円 (税込)
    2030年ごろ、世界は大きく変わっていた。 ことに日本は、東京が多民族都市となり、各地で自治区ができ、東北は福島を除く5県が自治区として独立してしまった。 ジャーナリスト丸谷は取材で訪れた山形で古代の遺物と思われる直径2メートルはあろうかという石の球体を見る。 多民族化した東京は古代文明に興味のある丸谷は再度、東北自治区への潜入を試みようとする。 自治区から逃れてきた生化学者を匿った上司が殺されたことから、東北自治区の企みが見えてくる。 古代文明の技術を超えた球体の存在は神の意思なのか宇宙からの技術なのか、思いあがった人類に何を警告しようとしているのか。 30年後の日本の状況を示唆する伝奇小説の傑作。
  • 立山雷鳥沢殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    日本三名山に選ばれている立山でドラマの撮影中だった主演の女優・串田加緒里が殺害された。 めきめきと人気の出てきていた加緒里は長野県警大町署の刑事・串田正義の妹だった。 正義は山行中に何者かに突き飛ばされて身の危険を感じていたことが二度もあった、と妹から聞いていた。 正義はかつての同僚で豊科署の刑事・道原に相談をしていた。そんなさ中の事件だった。 何人かの容疑者が浮かび捜査が難航するうちに、彼らの父親・串田光正も殺害されてしまう。 事件は串田家への怨恨か? 捜査すればするほど、真相は深い謎の中に封じ込められるかのように思えた。 だが、執念の刑事・道原伝吉はわずかな手がかりから犯人を追い詰めていく。 長野県警の人情刑事・道原伝吉シリーズ。
  • ハード・忘れられない
    -
    1巻682円 (税込)
    郷田健一は杉並で開業した歯科医。結婚して8年になる貞淑な妻と幸せな家庭を持っているが、学生時代からの女遊びは止められない。 29歳の美しいOL由利にも偽名を使い旅行ライターをかたって口説き落とし、一夜限りの情交を楽しんだ。 その場限りのはずだったが、新宿のデパートで偶然再会したことで、由利の旺盛な性欲と奔放な性戯に「三度は会わない」という自らの禁を破ってしまう。 スリルを楽しみつつ、甘美な肉体に溺れたあげく、「好きだよ、由利」と囁いてしまう。 そんなことがあっても、何事もなく過ぎていくはずだった。 ところが、由利が彼の歯科医院に患者として現れて……。 美しくも淫らな描写と、男と女の愛憎の心模様が、読者を官能の世界にいざなっていく。
  • 北八ヶ岳縞枯山殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    北八ヶ岳の山々の一つ、縞枯山は各地で桜の便りがきかれるようになった春先でも、まだ雪が舞っていた。 そんな中、行方の分からなくなった若い女性の捜索を始めた。 警察の捜索隊を中心に、登山パーティや山小屋の主人も加わった大規模な捜索にもかかわらず、行方不明の女性の発見には至らなかった。 かわりに右目を錐のようなもので刺され凍死したと思われる男を見つけた。その後、女の遺体が見つかったが、それは、行方不明になった女とは違っていた。 長野県警諏訪署の刑事、道原伝吉と貞松らが捜査を始める。 無関係だと思われた二つの遺体の関連性が次第に明らかになるにつれて事件は複雑で意外な展開を見せ始める。 道原と貞松の二人の刑事は、東北から関西に至る広域捜査で犯人を追う。 道原刑事の山岳ミステリーシリーズ初期の刮目作!
  • 大井川SL鉄道殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    大井川に沿って走る大井川鉄道のSL列車が、高さ70メートルの奥大井レインボーブリッジを渡っているまさにその時だった。 乗客たちは、白い乗用車が木々をなぎ倒し、峡谷の斜面を落ちていくのを目撃した。 乗客たちの通報により、ただちに派出所の警官が、上り、下りの両方向から一本道を現場に向かった。 しかし、犯人らしき人物を目にすることはなかった。 山深い地での犯行、そして姿の見えない犯人。 捜査が行き詰まる中、次の事件が起きてしまう。いったい、犯人の目的は何か? 警察庁宮之原警部が超推理と智略をもって犯人に迫る!
  • 日本国の逆襲
    3.5
    1巻682円 (税込)
    バブル全盛期、日本はその強大な経済力を持って世界を席巻しようとしていた。そんな時代に書かれた抱腹絶倒のコミカルなパロディー小説集。 表題作は日本に脅威を抱く各国は多国籍軍を組織して対抗し、日本は影響力をなくしていくその顛末を描く。 そのほか巨大化する力士のためか日本の伝統的スポーツ大相撲の滅亡を描いたり、車社会の「神」の存在や、受験教育のひずみなど、日本の社会が抱える問題は抉り出す。 バブル全盛期に書かれたものだが、21世紀、令和になっても、日本の状況はそれほど変わっていない、いや、もっと深刻になっている、と考えさせられる。 作家の想像力、創造力の偉大さを感じずにはいられない一冊。
  • 合本・人情刑事道原伝吉『雪山と執念』全3冊
    -
    1巻1,782円 (税込)
    短編集2冊、中編集1冊を合本にした読み応え版。 『白銀の暗黒』 読み応え十分の5つの中編ミステリーからなっている。 表題となった「白銀の暗黒」は、北アルプスの屏風岩で転落死した登山者のテントに別の登山者の凍死体が発見された事件が発端となった。 「潜伏」では、自分のミスから若い女性を死なせたこという思いから責任をとり辞職した元刑事が、数十年後、死の予感の中で、迷宮入りとなったその事件に、鋭い推理を働かせる。 『仮面の雪山』 手掛かりがなく、迷宮入りやむなしという、手掛かりのない3つの難事件に、豊科署の道原伝吉刑事が足を使い知力と執念で挑む。 表題となっている「仮面の雪山」。正月の北アルプスで遭難した大学後輩の救助に向かった中丸伊左男は、猛吹雪の中、捜索隊からはぐれ行方不明になってしまう。 二重遭難となったが、4日後、奇跡の生還を果たす。 しかし、そこには何かが隠されていた……。 「月の女神」は、大糸線穂高駅のホームで女性が倒れていたことが事件の発端。 おびただしい出血があり救急搬送されるが、病院に到着する前に亡くなった。検死の結果、銃弾による失血による死亡とされた。 数人しかいなかったホームでの銃撃だったが、銃声を耳にした者はいなかった……。 「絶頂の餓鬼」は、冬の北アルプスを山行していた4人パーティに悲劇が襲いかかった。 ストーブに使うホワイトガソリンが、水にすり替えられていた! 1人は生き残るが、3人が死亡。誰が何のためにそんなことをしたのか。 事件に潜む宿怨を、道原伝吉刑事が炙りだしていく。 『血の雪崩』 北アルプスの岳沢で、息子が雪崩に巻き込まれたとの報せを受け、冬山登山経験の豊富な父の中尾英助はただち救助に参加した。 夜になり、捜索はいったん打ち切りとなり、テントを張った。 翌朝、再開のはずだったが、中尾英助はテントの中で刺殺されていた。 捜索に参加した全員がシロとの判断が下される中、豊科署道原伝吉刑事は被害者のずさんな女関係に、事件の真相があるのではないのかと睨んだ……。 表題となっているこの「血の雪崩」のほか5つの短編からなる。 道原伝吉の、真実を見つけるための不断の努力、事件にひたむきに向き合う彼の姿に共感を覚えることだろう。
  • 尾瀬ヶ原殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    5月の長い連休が明けて、北アルプスに登った男が予定日を過ぎても戻らないという連絡が長野県警豊科署に入った。 県警から連絡を受けた山岳救助隊は、徳本峠小屋の近くで、絞殺された女と捜索願の出ていた男の転落死体を発見し、道原伝吉をはじめとした刑事たちが検死と現場検証に出向いた。 状況から推して、無理心中という見方があったが、道原は雪の荒れた跡の不自然さから他殺の疑いを持った。 関係者にあたるうちに、この事件の鍵は、ミズバショウで有名な尾瀬ヶ原にあると突き止め、19年前のある男の不審死にかかわっていることを見抜く。 複雑な人間関係を解きほぐし、意外な展開を見せる人情刑事・道原伝吉シリーズのスリリングな傑作。
  • 上高地・大雪 殺人孤影 「父と娘」の逃亡を追う長野県豊科署刑事・道原伝吉の執念
    -
    1巻682円 (税込)
    上高地近くの、林道から外れた茂みの中で女の死体が見つかった。 10年ほど前に銀座でホステスをしていた女だった。その線から蕎麦屋の店主と娘を連れて駆け落ちをしていたことが判明する。当時2歳だった娘は中学生になっていた。長野県諏訪でひっそりと3人で暮らしていた。 同居していた元蕎麦屋店主の行方も知れなかった。 娘はいったんは殺された母親の福島の実家に預けられたが、出奔してしまう。 どうやら2人は行動を共にしているらしいと読んだ捜査員たちは行方を追い始める。 しばらくたって、女の新しい交際相手だと思われる諏訪の工場経営者が殺される。ますます元蕎麦屋店主への疑いを強くした道原たちは、長野から北海道への執念の追跡を始める。 大好評! 長野県警豊科署・道原伝吉刑事シリーズ。
  • なぜ人は恐ろしいことをするのか
    3.0
    このエッセイは、(中略)私の贅沢な時間の報告として続いてきた。贅沢というと、おいしくていいものばかりと思われそうだが、およそ世間に存在するすべてのものはおもしろい。浅ましさ、狡さ、でたらめ、それらのものすべてが、人間の属性だから、やはり楽しいのである。―まえがきより― 世の出来事をどのような視点で見て、考えたら良いのか、見事なまでに示され、読み進めるうちに、背筋がすっと伸びていくようである。 読書の醍醐味がぎっしり詰まった明晰エッセイ集!
  • 天橋立殺人旅愁
    4.0
    1巻682円 (税込)
    北アルプスの丸山ケルンあたりで猛吹雪を避けていた登山グループが、偶然、雪の中から赤いダウンジャケットを発見した。 それはつまり、遭難者がいることを暗示していたが、周辺で何かを見つけることはできなかった。 安曇野署(旧豊科署)の刑事・道原伝吉は必ずや何かあると信じ、ダウンジャケットのポケットにあった豊科のレストランのレシートを頼りに、遭難者を捜すことからはじめた。 伝吉の勘は当たる。 地道の捜査によって、雪の中から見つかったダウンジャケット一着から、男と女の過去と殺意を明らかになっていく。 読み応え十二分の秀逸山岳ミステリー!
  • 合本・人情刑事 道原伝吉 「山脈」全3冊
    -
    1巻1,782円 (税込)
    長野県警の人情刑事・道原伝吉の山岳ミステリーの中から、「山脈」というタイトルを三作品集めた面白い企画の合本。 伝吉の執念の捜査手腕は、三作品いずれも嘆息するほど見事。 「地下山脈」 北アルプス・常念岳に登るといって出かけた豊科町に住む家具販売会社社長が行方不明になった。 翌日、稜線から大きくはずれた森林帯で、会社社長は遺体となって発見された。 凍死と思われたが、現場には複数の人間がいたことを示す足跡があり、遺体には殴られた跡なども見つかったことで、殺人事件となった。 捜査は難航したが、刑事・道原伝吉は、かつて銀座のクラブで働いていた実可子という女性の存在に辿り着く。絡み合った男と女の情念を、伝吉は丁寧にほぐしながら、捜査を進展させていく。 「崩壊山脈」 北アルプスから下山した岩佐は、都内の愛人宅に部屋のドアを開けたところで殺害された。 凶器は、ピッケルと思われ、登山経験者が疑われたが、手掛かりに乏しく、捜査は手詰まりになったあたりで、また登山用具を凶器とする殺人が起きた。 地道な捜査がつづけられたが、犯人どころか、犯人像さえ浮かばなかった……。 はたして、執念の捜査が実を結ぶのか。長野県警豊科署の道原伝吉刑事が、金と色の欲にまみれた犯行を暴く! 「死神山脈」 安曇野のホテルの一室で女性の遺体が発見された。 当然、部屋を予約し、チェックアウトして姿をくらませた日比野が容疑者とされた。 だが、刑事・道原伝吉は地道な捜査により、日比野をかたった真犯人がいることを突き止める。しかし、目的はわからなかった。 捜査がゆきづまりを見せはじめた頃、第二の事件が起きてしまう。 その事件も、日比野をかたった凶行だった。 捜査をすすめる道原は、穂高、安曇野、そして東京が、欲と保身によってつながっていることに気づいた。
  • 甘いうめきが死を招く 濃密官能サスペンス傑作集
    -
    1巻682円 (税込)
    「いいかい、独りでやるの……。いっぱい、いくんだよ」 あてずっぽうにダイヤルを回してセックスを録音したテープを流し、電話に出た相手の反応を楽しんでいると、受話器からは女性の押し殺した息づかいと、「アア、アン」という声が──。 いたずら電話で知り合った美人OL片桐敏子とのセックスにいつしかおぼれていく英次。敏子のセックスは奔放だ。「舐めたい、英次のこれ……」「めちゃくちゃにされたいの」「ひびくわ、英次。とってもいい」「コレはわたしだけのもの」とベッドでは欲望が止まることなく色情を漏らし続けた。そして、ひさしぶりのテレホンセックスの最中に、敏子が突然はげしく喉を詰まらせたような声を出し、殺害されてしまう。現場に駆けつけた第一発見者の英次は容疑者となり警察の取り調べを受けることに。敏子のレコード盤コレクションを手掛かりに殺人犯を探す表題作のほか、女性たちが秘める奥深い性を赤裸々にしていく。 「新宿はぐれ地図」「笑え、デスマスク」「リップ・テクニック」「ディスカバー・ワイフ」「怨み肌」「真夏の夜の狂乱」「蜜のパートナー」「甘い夜のダミー」の9編を収録する勝目梓ワールド炸裂の傑作集。
  • 「病は気から」の科学  心と体の不思議な関係
    -
    「病は気から」とは、なんと言い古された言葉だろう。しかしそれに「科学」が付くと趣きはちょっと違ってくる。 心が体に及ぼす作用をしっかりと見極めて生活することは、ストレスに対する負担を軽くしたり、生活を楽しくしたり、人との付き合いを円滑にしたりする。 本書では日本の幕末の偉人たちの「気」の持ち方を紹介し、多くの研究者の患者たちへの丁寧なアプローチで「心」と「体」と「脳」の関係を解説する。 そうしたことから「安心感」「精神状態」が健康にどう影響するかを検証していく。加えて、高齢化社会の「病」「心」「老」を考える。 健康生活を送るための知恵と心がある。
  • 炎の残像
    3.0
    1巻682円 (税込)
    愛しい恋人は、自らの命を絶った。 その原因を、小津健吾はわかっていた。 伊豆にドライブデートに出かけた時、暴漢に襲われたことを苦にしたものだった。 ふたりで乗り越えようと誓ったが、果たせなかった。 悲劇はそれだけでは終わらない。 今度は健吾が命を狙われる。地方に暮らす親兄弟までもが襲われる。 なのに、なにに原因があるのか、相手が誰なのかわからない。 健吾は相手を特定できないまま、復讐を誓う――。 迫力のハードバイオレンス長編。
  • 伊予松山殺人事件 警察庁 宮之原警部 大いなる洞察力
    3.0
    1巻682円 (税込)
    好評、宮之原警部シリーズ。 松山駅近くの繁華街の駐車場でホームレスの他殺死体が発見された。 真っ黒に汚れた衣類、生ごみのような悪臭を放っていた。死体からは、トカレフ、胴巻きからはタレントの戸籍謄本が発見され、事件はセンセーショナルな様相を見せ始める。 半年ほど前に同じ管内の殺人事件を鮮やかな推理で解決に導いた、愛媛県警松山中央署留置所の看守、大鷹鬼平は、刑事の藤森とともに捜査を始める。 実は鬼平には頼る後ろ盾があった。 警視庁遊撃捜査係の宮之原警部だ。 捜査線上には、ホームレスの最後の目撃者、屋台のラーメン屋の親爺、専門学校の用務員、連れ込み旅館の仲居などが参考人として挙がる。 そこへクラブの美人ホステスから「ホームレスに尾けられた」という電話が入る。 鬼平は、ホームレスの身元が事件のカギと睨み、東京・代々木公園のホームレスの群れに潜入しようと試みる。
  • 一本の線
    4.2
    98歳を超えてなお、旺盛な制作意欲を持って絵画に取り組む著者が、若き日の懊悩や時代に翻弄される人生について、ウィットと哀しみにあふれる文章で綴る日々のかたち。 福岡県飯塚市、筑豊の炭鉱を経営する家に生まれた著者が、東京美術学校めざして一人上京し、地下鉄銀座線の開通にわく東京で、「エカキ」となっていく自分を振り返った自伝的読み物。 戦争へと向かう日々の中で、藝大生として送る日々の暮らしののどかさ、藤田嗣治や今西中通との交流、坂本繁二郎の想い出。戦争のまっただ中にあっても、想いを告げる苦しさと憧れの女性への思慕にもだえる悩みは変わらない。27歳までの青春の懊悩を綴る。
  • 道教の性愛術: 古代中国人の悦楽秘法
    3.6
    道教は中国三大宗教の一つで、二千年を超す歴史を持つ。 その考え方の中には不老不死を願う神仙思想、陰陽五行説による男女の交わりなどがある。 こうした考えをもとに「房中長生術」が生まれた。 房中術というと、セックスをどう楽しむかだと解釈しがちだが、そうではなく、セックスという男女の交わりを通じて、病を治し、健康な生活を維持し、長生きをし、場合によっては不老不死の生命を得ようというものだ。 本書では、それらを現代に移し替えて男女の交わり・性技巧について微に入り寨を穿って解説をする。 男女、互いの気持ちを高め、十分に気持ちを通じ、過度にならぬセックスが、体も心も癒し、長寿に導くと説く
  • 天草御所浦殺人事件 警察庁広域捜査室 宮之原警部の透徹眼力
    -
    1巻682円 (税込)
    風光明媚な熊本・天草の島々、休暇で訪れていた大鷹鬼平はバス乗り場で八尋雪枝と知り合いになる。 誘われて御所浦島の同じ旅館に泊まることになる。 雪枝は同じ島内に住む友人を訪ねる予定で、夕食後、友人の夫からの呼び出し電話で出かけていくが、その夜は戻らず、翌朝、溺死体としてフグの生け簀に引っかかっているのが発見された。 時間をおかず東京で、農林水産省の審議官という高級官僚が西銀座の地下駐車場で刺殺された。 まったく関係のない事件だと思われたのだが……鬼平は疑問を抱いた。 美しい海で、真珠貝とトラフグの二つの養殖事業を巡る問題が起きていたことが、どうやら事件にかかわっているらしいと鬼平は睨み、警察庁の宮之原警部に連絡を取る。 社会問題を含んだ壮大なスケールで描く宮之原シリーズの快作。
  • 本物の「大人」になるヒント 2019年版
    4.0
    人生の指針となる貴重な一冊である。 これほどまでに、きちんと、人生について、生き方について、仕事について、解き明かした書はなかろう。 若者にとって必読の書であるが、惑いを抱きながら日々生きる大人たちも必読すべき書である。 目次  I 人間関係の基本  II 他者と自分  III 魂の自由  IV 精神の鍛え方  V 仕事に対する考え方  VI 選択と責任
  • 蔵王高原殺人事件 長野県警豊科署 道原伝吉刑事 動機不明連続殺人捜査長編
    -
    1巻682円 (税込)
    北アルプス北穂高南稜で、深い霧の中、40代の男が行方不明になった。 ヘリコプターを飛ばし、捜索した結果、遺体で発見された。 不倫している若い女性との山行であった。 単なる事故とみられたが、長野県警豊科署の道原伝吉刑事は、現場の不自然さから、殺人事件であると見抜いた。 ここから地道な捜査がはじまるが、2週間後、被害者の同僚女性が殺されてしまう。 仕事が関連していると思われたが、社長は、頑なに否定し、捜査にも協力を拒む姿勢をみせた。 捜査は行き詰りをみせる中、道原伝吉刑事は、執念で打開していくが……。
  • 温かい死体と冷たい死体
    4.3
    1巻770円 (税込)
    30年近くを監察医として勤めてきた経験から、昭和と平成では死体が違っているとの実感を得ていた。 どこかどう違うのか。 本書では、昭和と平成の時代を事件を比較していく。 また、たとえば、扇風機の死亡事故の解明によって、首振り機能がついたことなどを紹介し、死亡事故の解明によって、社会が安全になっていったことを明かしていく。 監察医の仕事の重要性が伝わってくる。
  • 合本・人情刑事 道原伝吉 出張捜査全3冊
    -
    1巻1,782円 (税込)
    山岳ミステリーの巨匠・梓林太郎の初の合本全3冊。 人気の人情刑事道原伝吉が管轄署内で起きた殺人事件の解明をすべく出張した作品を集めたもの。 「北海道雨竜殺人湿原」(諏訪署刑事 道原伝吉 出張捜査長編) 「蔵王高原殺人事件」(長野県警豊科署 道原伝吉刑事 動機不明連続殺人捜査長編) 「吉野山・常念岳殺人回廊」(豊科署刑事 道原伝吉 哀切苦悶捜査長編) いずれも、心の機微を感じ取りながら捜査していく道原伝吉ならではの物語で、心に迫ってくる。
  • 禁断の抱擁 原色性愛乱舞図鑑
    -
    1巻682円 (税込)
    モノと性が固く結びついた男たち女たちの話。 幼い頃に見た性的な光景が、モノによって蘇ることもある。 別れた男がつかっていたモノが、性欲を喚起させるきっかけづくりになることもある。 彼ら彼女らは、ごく普通の性欲の持ち主であるが、モノにけしかけられ、モノに引き出され、異常なものを紡いでしまう。 本編は、10のモノが登場し、10の性の欲を披瀝する。
  • 誰にも死ぬという任務がある
    4.0
    誰にも平等に訪れる「死」について書かれた含蓄深いエッセイ。 貴賎、男女、善人、悪人、そして老若を超えて「死」は訪れる。 事故や突然死といった、前もって知ることのできない「死」はともかく、人は病気や老齢になることで徐々に死に向かうことを自覚していく。 そのとき「死」をどうとらえるか。 キリスト教者として神の存在を信じ、神への感謝の日々を持ち、世界各地で人だけではなく動物や植物の「死」を目の当たりにしてきた著者ではならでの生死感は、読む者の心をうつ。 死に向かう心構えを綴る名エッセイ集である。
  • 遠山郷 雲海の殺人
    -
    1巻682円 (税込)
    長野県安曇野の秘湯、中房温泉の宿から泊り客の行方不明が報告され、翌日転落死体で発見された。 死体で発見されたのは同じ長野県の南信州の標高1000メートル以上の山村に東京から移り住んだ男だった。 男は妻と次女を東京に残し、問題を抱えた長女を山村の「寮」に“留学”させていた。 転落事故死かと思われたが、偽造された遺書、不思議な記号が書かれた地図らしきものなど、不審な遺留品が見つかった。 安曇野署の刑事・道原伝吉は殺人の疑いを強くし、記号はラブホテル、巨大な歓楽街・新宿歌舞伎町ではないかと目星をつける。 新宿署の協力を得て捜査を開始するうちに、歌舞伎町を舞台にしたドロドロとした人間関係や、東京と信州を結ぶ因縁が見え隠れしてきた。
  • 百万塔伝説殺人事件 警察庁 宮之原警部 東北旅情難解ミステリー長編
    4.0
    1巻682円 (税込)
    岩手水沢の日高火防祭りを見物のために東京から訪れていた緒方に、見知らぬ男が突然、風呂敷包みを渡して走り去った。 一緒だった恋人の飯島晶絵は、不安になり、そんなものは警察に届けるか、ホテルか駅のコインロッカーに置いてきてしまえばいい、と言ったが聞き入れられなかった。 不安は的中した。 翌日、渡した男が死体で発見され、渡された緒方にも不幸が……。 捜査をはじめた警察庁の宮之原警部は、これは古美術にまつわる事件と看破したが、思いもよらぬところまで向かう難事件となる。
  • 九州平戸殺人事件 警察庁遊撃捜査係 宮之原警部 存亡の危機
    -
    1巻682円 (税込)
    熱海の錦ヶ浦に少女の絞殺死体が打ち上げられた。 発見したのは、元関東管区警察局監察官の飯森であった。 彼は、横浜の警察署の捜査係長だった宮之原の手腕を見込み、警察庁直属の捜査係に引っ張ったその人である。 そうしたいきさつもあり、錦ヶ浦の絞殺死体の捜査を、宮之原警部が担当することとなる。 公開捜査によって絞殺された少女の身元が判明するが、なぜ、彼女は産んだばかりの我が子を、関わりのまったくない有名女性デザイナーの自宅の前に捨てたのか。そして、捨ててすぐに殺されなければならなかったのか。 この事件の裏にひそむ哀しく切ない人間の業を、若々しい宮之原があらわにしていく。
  • 人は星、人生は夜空 2019年版
    4.0
    結婚、家庭、健康、病気、老い、死……。時代が移り、社会が大きく変わっても、これらは私たち人間にとって容易に解決できない永遠のテーマである。一日一日を生きていくなかで、常に壁となって行く手を阻み、私たちを苦しめる。それでも人間は歩み続ける。うまくいかなくても、挫けそうになっても、信念をまげず上を向いて。天空に輝く星に自分自身を重ねるように。 一生はよくも悪くもなくただ続くものかもしれない。そんな日々過ぎて行く時間を、少しでも楽しく、目的を持って費やすならば、人生はみじめであるどころか、その人にとって眩い光彩を放つものになる。作家曽野綾子の数多くの著作には、そんなメッセージが散りばめられている。 妻として、夫として、子として、親として。誰もが拠って立つ位置それぞれの、様々な場面で指針となる希望のことばがここに詰まっている。人生に悩み、闇夜に彷徨うあなたを厳しく、そして優しく照らしてくれる珠玉の箴言集。
  • 誰かが眠れない夜 私立探偵  伊賀光二の仕事術
    -
    1巻682円 (税込)
    私立探偵・伊賀光二。ハードな事件によって左右の手の小指を落とされるという報復にあう。 ある日、趣味の裏ビデオの鑑賞をしていた。画面には、切れ長の目で長い睫毛の女が本番を繰り広げていた。 その時チャイムが鳴り、仕事の依頼が飛び込む。依頼人は今まさに“鑑賞”していた本番女優だった。 坂部順子と名乗る女は「父親を捜してほしい」という。元刑事で伊賀と同業の私立探偵の父親は、調査中に別の事件に巻き込まれたらしい。 話を聞いた直後、すぐに手を引けという脅迫電話があり、行方不明になっている坂部の探偵事務所を訪れた帰り、三人組に襲われる。 またハードな事件に巻き込まれる予感を感じながらも、伊賀は若くて美しい女の頼みは断れない……。官能色豊かなハードボイルド探偵小説。
  • 夜の獲物
    -
    1巻682円 (税込)
    8つのストーリーそれぞれにうごめいている、めくるめくエロス。男と女の熱い思惑。 犯罪に手を染めようと自らの意思で踏み出す者もいれば、はからずも、罪を犯すことになってしまう者もいる。 惑いながらも突き進んでいく彼らの真情、不安を打ち消し、勢いをつけるためにセックスにのめり込む彼らの不安の心を、見事にあぶり出す。 勝目ワールドの真骨頂が随所に堪能できる短編集。
  • 長生きする食 早死にする食
    4.0
    医師にもいろいろな立場がある。 製薬会社と関連している場合もあれば、食品会社との連係していることもある。 もしそんな立場の医師だとすると、公正であれ、というのは理想論ということになるかもしれない。 ただ、そうでない医師もいる。巨大組織と利害関係を絶った立場の医師ならば、忖度した発言はしなくなるだろう。 著者で医学博士の高田明和は、本書で高らかに宣言している。 「私は本書で、『自由意思の正論』を思いっきり言おうと思います」と。 「自分の自由意思でものを言える『自由医師』」の著者だからこそ、本書は信じられる。
  • ゼウスガーデン衰亡史
    4.3
    1巻902円 (税込)
    これはSFなのだろうか、歴史のパロディなのだろうか。 90年にわたるテーマパークの歴史の物語なのである。 双子の天才的な若者によって創設された[下高井戸オリンピック村]は奇抜なアイディアのアトラクションが人気を呼び、次第に大きなものとなっていく。 組織としての基礎も固まった時に双子は突然その才能を失い、その上、異常な科学者によって連れ去られてしまう。 残された幹部たちは集団指導体制で組織を運営することになる。 様々な才能が現れ、以前にもまして巨大で、奇抜で、危険で、グロテスクなアトラクションやモニュメントが次々と作られ、[村]は[ゼウスガーデン]と名称を変え巨大化する。 果ては国家をも超える存在にまで成長する。 反面、内部の抗争は激しくなり、腐っていくことになる。 元老院だ、執行部だ、皇帝派だと、さまざまな勢力が構想を繰り返す。そして次第に衰退をしていく。 1984年に兄弟によって作られたテーマパークは2075年内部から派生したテロ組織によって壊滅させられ、そのご細々と営業は続けられるが2089年過激派グループによって徹底的に破壊され、その歴史を閉じることになった。
  • 視線が殺した
    -
    1巻682円 (税込)
    地位も名誉も金も持っている青年社長猪沢慎一郎は、幼い頃からマゾを自覚していた。 そんな彼が自らの性癖を満足させるために選んだ道は、素直で純朴な処女を嫁に迎え、ハードSとして育てることだった。 夜毎、マゾの夫は妻久美子をサドとして鍛える。肉体だけでなく、自らの精神までも追い込むのを本望とする夫は、妻に浮気を持ち掛ける。 嫉妬に苦しむことで、マゾの心を満足させようというのだ。 しかし夫は、純朴だった妻の心が軋んでいたことに気づかなかった……。 迫真エロス満載の心震える長編。
  • 血の雪崩 長野県警豊科署 道原伝吉刑事 徹底捜査編
    -
    1巻682円 (税込)
    北アルプスの岳沢で、息子が雪崩に巻き込まれたとの報せを受け、冬山登山経験の豊富な父の中尾英助はただち救助に参加した。 夜になり、捜索はいったん打ち切りとなり、テントを張った。 翌朝、再開のはずだったが、中尾英助はテントの中で刺殺されていた。 捜索に参加した全員がシロとの判断が下される中、豊科署道原伝吉刑事は被害者のずさんな女関係に、事件の真相があるのではないのかと睨んだ……。 表題となっているこの「血の雪崩」のほか5つの短編からなる。 道原伝吉の、真実を見つけ出そうと不断の努力をつづけ、事件にひたむきに向き合う彼の姿に痺れるだろう。
  • 官能の狩人
    -
    1巻682円 (税込)
    ハンサムでスマートな私立探偵・中沢卓也は原宿のマンションの一室に事務所を構え、さまざまな事件の依頼を受けている。 若く美人で有能な助手・青柳理絵とともに、人妻の浮気調査から誘拐事件、殺人事件まで、警察とは別の手腕と手法で事件を解決に導いていく。 二人の武器は、彼と彼女の肉体である。 卓也は、乳房を攻め、熱く湿った中心に分身を突き立てて、調べたい女を篭絡し、理絵も同様に、その豊かな体でターゲットの男たちの口を開かせる。 スマートながらもエロチックなコンビが、色と欲にまみれた男と女の事件を解決へと導く、官能ミステリー作品集。
  • 脳を「芯」から癒す本 クスリがいらない、ウツの処方箋
    -
    「癒し」は心の万能薬 私たちの心の奥にある本能的な甘え願望を優しく包み込んでくれる、それが「癒し」です。 その癒しを利用した療法が、ウツの治療に非常に効果があることがわかりました。 「癒しホルモン」が分泌する生活習慣を取入れて、疲れた心を癒してください。 癒しは心の万能薬、心を満たす最大の力なのです。 著者の言葉より
  • 北海道・神威岬の殺人
    -
    1巻682円 (税込)
    人里離れた北アルプス烏川渓谷の発電所で、少女がひとりでいるところを発見された。 なぜ、この少女はここにいたのか。 体が冷え切った少女は何も語らない。それは話したくないのか、精神的なショックを受けたせいなのか。 報せを受けた豊科署刑事・道原伝吉は、少女が見つめていた草むらを捜索することを指示すると……。 感涙必至、人情刑事伝吉が本領発揮! 人のやさしいまなざしが事件に気づき、人を思いやる気持が事件を解決させていく──。
  • 紅の殺人海溝 用心棒弁護士 宗像光生の旅情事件簿
    -
    1巻682円 (税込)
    北海道の東の果ての霧多布。 その海岸の昆布を乾燥させる小屋で、持ち主がひからびた姿となって発見された。 殺人を犯して服役した父の冤罪を晴らすために奔走していた息子だった。 無念の想いを継いだのは、美貌の婚約者であった。 はたして彼女の熱意は、犯罪者の子どもの婚約者としての意地なのか、冤罪と証明するに足る事実があるのか。 やさぐれ弁護士の宗像は、色と名誉欲に揺さぶられながら、少しずつ核心に迫っていく──。 旅情と推理が絶妙に織りなされたミステリー長編。
  • 観念的生活
    3.0
    カント哲学の専門家であり、闘う哲学者と言われる著者の日々、ひたすら思考する。 「私が存在するとはいかなることなのか」「善悪とは何であるのか」「私は死後どうなるのか」と自らに問う。 デカルトの「これらの問いをまったく発しない人は稀であろう。では、それにもかかわらず、なぜほとんどの私は思惟する、よって私は存在する」という命題に疑問を持ち、『純粋理性批判』などのカントの著作をもとに答えを見つけようとする。 問い続けることは苦しみだが、それが哲学することだという。 「このすべてを認めた上で、それでも問い続ける人がいる。 その内の多くは、岩のような問いをほんの僅かでも自力で熔解していくことが無性に楽しいからである。 究極的真理には達しなくとも、真理に一ミリメートルでも近づくことが他の何にも換えがたい喜びだからである。」という言葉に、哲学者としての著者の実像がある。
  • 女だけの死体ファイル
    3.0
    女性の死体について著者は語る。 女の生き様同様、女の死に様も多種多様である。 怨念を感じさせるような死体もあれば、哀れを誘う死体もある。 東京都の監察医だった著者は、亡くなった方が存命だった頃の、喜びや辛さ、せつなさにまで想いをはせる。 女の死体は、男の死体と明らかに違うことが見えてくる。
  • 岳人隊イェローリボン 北アルプス高峰救助長編
    -
    1巻682円 (税込)
    山で遭難した人を助けたい、素早い救助ができれば助けられる命が増えるはずだ──。 純粋な想いに衝かれて動き出した、北アルプスでの私設の遭難救助隊・岳人隊。 数人の規模ながら、着実に実績を積み上げていき、マスコミで取り上げられ、知名度があがった。 だが、有名になるにつれて妬まれ、予想もしない激しい妨害工作をされるようになる。 はたして彼らは、純粋な想いを貫けるのか、岳人隊は多方面からの圧力に押し潰されてしまわないか。 山岳小説の第一人者となった著者が、初めての書き下ろした記念碑的力作。
  • 騒音文化論
    4.5
    1巻880円 (税込)
    駅の構内放送、電車や新幹線内の放送、デパートやスーパーマーケットをはじめとする商業施設、商店街、個人商店、行政のスピーカーから流れる放送、そして車からの警告音などなど。街には機械音、肉声を問わず、スピーカーを通じて様々な音が流れている。そうした音、騒がしい状況を日本人は何の抵抗もなく受け入れている。だが、それに耐えられない人たちもいるのだ。抵抗なく受け入れられる人をマジョリティとするなら、耐えられない人はマイノリティとなる。闘う哲学者として問題提起をしてきた著者が、ここでは「騒音社会」で、静かな空間を求めると同時に、悪露に対する少数派の権利をどう考えるか、という問題について展開をしていく。ことに音は単に数値で測定をして「大きい」というだけではなく、個人差や状況によって「嫌悪」を感じるものなのだ。それは性的なマイノリティや、趣味や趣向の少数派差別にも通じるものだという。
  • 西行伝説殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    阪神淡路大震災から2カ月半ほどたった頃、愛媛県松山市のホテルで絞殺死体が見つかった。 その背中一面に桜の刺青があった。 暴力団同士の抗争かと思われたが、殺されたのは退官した高級官僚だった。 ひとり娘の話から、父親は西行法師に傾倒し、その足跡、事蹟を訪ねることが退官後の趣味だったといい、持ち物から肌身離さず持ち歩ていた西行の歌集「山家集」がなくなっていることがわかった。 娘の契は婚約者とともに捜査に同行する。 西行と桜の刺青と高級官僚、これらのキーワードによって事件は複雑になっていくが、次第に解き明かされる。 警察庁の宮之原警部が活躍する社会派ミステリー。
  • 怒りて猿よ山を揺すれ
    -
    1巻682円 (税込)
    猿の本能と人間の欲望が激しくぶつかりあう! 餌を求めて神経を研ぎ澄ませ、知恵をしぼり、生きる山猿たち。 人は金儲けのために、そんな猿たちを利用しようとする。 ボス猿・雷電率いる仲間たちは、人間の思惑通りに踊らされてしまうのか。 天然記念物指定、高速道路建設など人間の欲が露わになれば、猿の住む環境は厳しくなっていく。果たして、人と猿が共に幸せに生きる道はあるのか。 野生動物と地域開発とが交錯する至高のエンターテインメント小説!
  • うつに負けない「気」の高め方
    -
    心が疲れてきたな、と感じたら読んでください。 心のための手掛かりが見つかるはずです。 うつは、わずかなストレスがきっかけで、心に忍び込んでくるものです。 筆者自身も、些細なことからうつになってしまい、壮絶な日々を送ります。 本書には、必死の想いでうつから抜け出した経験をもとにした、心を明るく元気にして暮らすための、実践的で現実的な対処法が盛り込まれています。
  • 修羅の高峰
    -
    1巻682円 (税込)
    長野県警豊科署の人情刑事・道原伝吉が直面する3つの難事件。 「岩稜の記憶」 鶴田家の長女・左蓉子の結婚式当日、新婦の父・晴良が溺死体となって上高地梓川上流のダムで発見された。 晴れの日に自殺などするはずもない。が、他殺と断定する証拠もなかった。 所轄の豊科署刑事・道原伝吉は、晴良がなぜ、長女の結婚式当日の朝、ダムに行くことになったのかを推理し、地道に捜査をつづけると……。 「氷雨の感染」 長野県穂高町で、宅配業者が見つけたのは、玄関に溜まっていたおびただしい量の人血だった。 この失血量ではとても生きてはいられないはずだが、人はどこにも倒れていなかった。 死体なき殺人事件の様相を呈するなか、捜査を進める道原伝吉は、その家に、殺意が潜んでいるのを読み取った……。 「高峰の掟」 豊科署長宛に、「宮坂刑事の妹は『変態教室』というAVに出演している」といった内容の手紙が送られてきた。 名指しされた刑事とその妹は実在し、妹は現在、行方がわからなくなっていた。 刑事課次長から相談を受けた道原伝吉は、東京に出向き、AVの制作会社を訪ねることからはじめた。 思わぬ展開に向かうなか、人情刑事・道原伝吉の胆力は見事であった。
  • 死体との約束
    -
    東京都監察医務院の元院長の「死体は雄弁に語り、そして嘘をつかない」を信念に2万体の死体と向きあっててきた“法医学”エッセイ。 病気による“変死”や“突然死”からはじまり、殺人、事故、自殺……。その裏には様々な人間模様がある。 保険金殺人、子供同士のいじめ、老人問題、貧困、親の子殺し、バラバラ死体、毒殺、溺死、放火など、死体を見つめてきたから見える社会の本当の姿。 社会を騒がせた様々な事件を例にとって、犯人像に迫っていくその方法は、ミステリーを思わせる。 なお、本書は「死体との悲しい約束」を改題したものです
  • あなたの病気には意味がある
    3.0
    「脳梗塞や心筋梗塞を起こすような人は、昔なら大変な英雄だった。……これら重大な病気は、なぜ起こるのか、その原因を深く探っていくと、それは単にからだの中の“異常箇所のトラブル”や“弱点の露呈”ではなく、むしろある意味で“強さの表われ”だということが分かってきます。」と、著者は語る。 わたしたちを蝕む病気が、体の弱さによるものではなく、人としての優れた特性だとしたら? 病気との向き合い方も考え方もおおきく変わる、病気についてまったく新しい視点で捉えた貴重な書だ。
  • 「水晶の印」殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    日本最大の繁華街・新宿歌舞伎町の裏通り。 「初恋の人を探します」とうたって探偵まがいの仕事をしている桐沢香代のもとに、死相をにじませた佐藤志摩子という女性から、水晶の印鑑を贈ってくれた初恋の男性・菱田を探してほしいと依頼があった。 数週間後、富士山の麓の朝霧高原で、男女の心中死体が発見された。 身元がわからなかったが、所轄署では心中事件として幕を下ろそうとしていた。 が、そのニュースを観て奇妙に感じた桐沢香代は、旧知の宮之原警部に連絡を取ると……。 予想外の展開の連続に、宮之原警部も驚愕する!
  • 夫婦口論 二人で「老い」を生きる知恵
    3.7
    まるで、朝食のテーブルを挟んで前に夫婦が語り合っているかのようだ。 丁々発止のやりとりは、スリリングであり、エキサイティングだ。 日々の生活、子育てから始まり、日本と日本人、国際社会で生き抜くこと、安全保障の危うさ、戦争はいかに人を作るか、キリスト教、イスラム教、仏教、神道―宗教は人生とどうかかわるか、夫婦の在り方と幸福とは、などとさまざまに展開していく。 義務や責任をないがしろにし権利だけを主張しがちな現状を憂い、このままでは日本は危ういとまで言い切る。 日本人はどうあるべきか、どう生きるべきかを、長い人生経験と独特の価値観、50年以上の夫婦生活の経験から語る珠玉の言葉の数々。

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