ゼウスガーデン衰亡史

ゼウスガーデン衰亡史

902円 (税込)

4pt

4.3

これはSFなのだろうか、歴史のパロディなのだろうか。
90年にわたるテーマパークの歴史の物語なのである。
双子の天才的な若者によって創設された[下高井戸オリンピック村]は奇抜なアイディアのアトラクションが人気を呼び、次第に大きなものとなっていく。
組織としての基礎も固まった時に双子は突然その才能を失い、その上、異常な科学者によって連れ去られてしまう。
残された幹部たちは集団指導体制で組織を運営することになる。
様々な才能が現れ、以前にもまして巨大で、奇抜で、危険で、グロテスクなアトラクションやモニュメントが次々と作られ、[村]は[ゼウスガーデン]と名称を変え巨大化する。
果ては国家をも超える存在にまで成長する。
反面、内部の抗争は激しくなり、腐っていくことになる。
元老院だ、執行部だ、皇帝派だと、さまざまな勢力が構想を繰り返す。そして次第に衰退をしていく。
1984年に兄弟によって作られたテーマパークは2075年内部から派生したテロ組織によって壊滅させられ、そのご細々と営業は続けられるが2089年過激派グループによって徹底的に破壊され、その歴史を閉じることになった。

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ゼウスガーデン衰亡史 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     20数年ぶりに再読した本。


     ロス五輪が開催された年、華やぎとは縁のない下高井戸の地にうらぶれた遊技場がオープンした。メインアトラクションはペンキの剥げた錆だらけの回転木馬。他の施設も倒産した地方の遊園地の不要品ばかり。客は全く入らない。好景気に湧き、バブルへと世の中が絶頂へ向かおうとしている

    0
    2017年08月15日

    Posted by ブクログ

    これは、是非みなさんに読んで欲しい本です。 小林恭二氏は小説の人ではないのですが、この一発だけでもう充分に小説のお仕事を果たしました。はい

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    壮大な法螺話。500ページあるが、すいすい読める。アトラクション・イベントの紹介という形をとりながら、著者の奇想を次々と披瀝しつつ、「快楽」について哲学する。比較するのは適当でないかもしれないが、乱歩の『パノラマ島奇談』を思い出した。『ゼウスガーデン』の方がクールだが、『パノラマ島』の方がねっとりし

    0
    2012年03月06日

    Posted by ブクログ

    東京・下高井戸に造られた、
    アミューズメントパークを巡る、
    皮肉で壮大な偽歴史物語。

    大人向けの快楽を追求したアトラクションは、兎に角振り切れている。
    自分の顔がどんどん変形して、自殺や同性愛を体験できるアトラクションや、巧妙な心理作戦によって、最後は発狂するまで追い詰められるホラーアトラクション

    0
    2012年08月21日

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