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名句のどこがスゴいのか。高浜虚子から金子兜太まで10名の著名俳人の名句を、巧みな筆致で読み解く。よく知られた名句、隠れた秀句が、著者の見事な鑑賞で凛と立ち上がる。「俳句はスゴい」と納得できる一冊。
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Posted by ブクログ
新聞で広告を見て買い求める。著書の俳句評論の本は久し振り。 「実用 青春俳句講座」や「俳句という遊び」「俳句という愉しみ」の今に生きる俳人たちのへの評論や句会の実況は、ジュ―ジュー肉の焼ける音が聞こえるようで、取れたての生きの良さが素晴らしかった。 虚子から兜太までの名句鑑賞の本書には、そんな面白さ...続きを読むは望むべくもないかなと手にしたときは思ったのだが、ちゃんと読み始めると、この読書はもう快感としか言いようがない。 例えばこんな一句を語る文章。 寒卵 どの曲線も かえりくる (前略)そもそも生物というのは、多かれ少なかれ騒がしいもので、無機質の静かな落ち着きぶりとはまったく異世界にあります。しかし生物の根源である卵は妙にしんとしている。そのしんとした感じと冬という季節はよくあっている。なんとなれば、冬は地球本来の静けさが蘇る季節だからです。(後略) 俳句業界用語もサラっと出てくるが、僕のような素人にも判りやすく、俳句を読む楽しさを伝える文章。自由律、前衛俳句の口語体が、実は表現のバラエティに乏しいという刺激的な論述などもそこここにあり、一気に読んでしまった。ゆっくり読み返したほうがいいかな。
スゴい!シリーズにとうとう俳句が出た?切れ味鋭く、名句?の解説をしてくれるので、初心者にも読みやすい。まずは、何が凄いのか理解出来ないと始まらないからね。
上から下まで全部足しても十七音。畸形的短さの文藝が俳句。これを支えるのが膨大な過去の韻文の蓄積。一言一言が深い意味を齎す。イメージの蓄積は俳句の表現の精度を極限にまで高める。ジャンル内における表現の切磋琢磨の賜物である。しかるに放っておくとすぐに閉塞してしまう側面もある。それゆえ一定のサイクルで必然...続きを読むの改革が起きる。自足、閉塞、改革の歴史を念頭に置きながら代表的作家の手練を味わった。尾崎放哉の「足のうら洗へば白くなる。」が心に深く滞り残った。
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小林恭二
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