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《まえがきより》
近年の日本人は、世の中が理想通り動くのが当たり前、と思うようになった。ところが、戦前の日本の現実を知っている世代の私などは、いつの時代だって現世は思い通りにならなくて当たり前、と思って来たのである。これが大きな違いだ。
思い通りにならない世界だから、文学も絵画も映画も生れるのだ。(中略)絵画も映画も、皆作品にこの悲しみの世の一部を必ず切り取って埋め込んで来たのだ。
その悲しみや不運をどう処理してきたかが、個人の歴史そのものなのだ。(後略)
悲しみや苦悶を抱えながら、人はどうすれば清らかに生きていけるのか。真面目な人生のための道標となる貴重な一冊。
Posted by ブクログ 2016年12月10日
曽野綾子さん「老いの身辺をさわやかに生きるための言葉」、2008.12発行です。もっともな言葉、曽野綾子さんの箴言がたくさん収録されています。「分相応」とは生きてきた者の知恵の一つ。逆の言い方をすると、すべてしたいことをして生きて来た人など、一人もいないということ。「人が幸福になる道」は、失ったもの...続きを読む
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