ハーレクイン・イマージュ作品一覧

  • いたいけなキューピッド
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    遺されたその小さな命は、愛をつなぐ天使だった―― アリスは祖母と、女手ひとつで育ててくれた母を相次いで亡くし、かつて自分たちを捨てた父を捜しに異国へやってきた。母の遺品を手がかりにたどり着いた豪邸で、ジュリアンという魅力的な男性に出迎えられ、驚愕の事実を告げられる。若妻を娶った父は、妻を出産時に亡くしたうえ、事故で他界したという。ジュリアンは若妻の兄で、妹の遺した赤ん坊の後見人だった。彼は明らかにアリスの父のことをよく思っておらず、その娘である彼女にも見下すような態度をとった。だが、麻疹にかかり泣き叫ぶ異母弟を見かねて世話をするアリスに、ジュリアンがいきなり懇願した。「僕には……君の助けが必要だ」 ■麻疹の赤ん坊に触れたことで、豪邸にとどまらざるをえなくなったアリス。小さな弟と、ハンサムで魅力的だけれど彼女の父を罵るジュリアンとの暮らしは、ハラハラドキドキの連続! 『奇跡を宿したナース』や『大富豪と望まれぬ娘』が好評のA・ロバーツの珠玉作。
  • 薔薇のウエディングベル
    4.0
    年上のドクターへの淡い恋心は、いじわるな横やりに翻弄されて……。 看護師長のフィービーは、結婚退職を決めた看護師の妹に泣きつかれ、彼女になりすましてオランダの病院に勤務することになった。ボスで名医のドクター・ルシウス・ファン・ソメレンは、妹の話では少しぼんやりした仕事の虫ということだった。ところが、対面した相手は青く輝く瞳が印象的な男性で、すぐにフィービーが妹の替え玉であることを見抜いた。怒ることなく事情に耳を傾ける彼は、包容力のある大人そのもので、まだ本当の恋を知らないフィービーはかすかに胸をときめかせた。けれど、招待されて訪れた彼の家には、反抗的な幼い息子と、敵対心をあらわにした若く美しい家庭教師が待ち受けていて……。■奇跡的に発掘された、ベティ・ニールズの幻の未邦訳作品をお届けします! 好きな人のそばにいる美人の存在がヒロインの胸を波立たせるのはロマンスの定番ですが、なかでも本作の美人家庭教師の毒心は想像を超えて……。年上の紳士と純真な乙女の恋の行方は?
  • キリアカスの花嫁
    -
    ギリシア大富豪が見つけた、間に合わせのシンデレラ。 「僕と結婚してくれ」清掃スタッフのキーラは掃除に入ろうとした客室のドア口で息をのんだ。最高級の部屋にたたずむスーツ姿の美しい男性から突然求婚されたのだ。聞けば、家庭人としか契約しない古風な取引先を説得するため、独身貴族の彼はやむなく形ばかりの結婚相手を探しているらしい。父を亡くし、借金を抱えた母を懸命に支えるキーラにとって、報酬をはずむという彼の提案は救いの手だった。だが、その魅力的な男性が名乗った瞬間、雷のような衝撃が走った――クリスト・キリアカス、この巨大ホテルチェーンを支配するCEO。答えを迫る彼の真剣な瞳に内心震え、キーラは思わず背を向けた……。■亡き父が生前気にかけていたギリシアの親族の消息を尋ねるためにアテネで働き始めたキーラ。雲の上の人である大富豪クリストから見せかけの花嫁になってほしいと請われ、愛なき結婚はすべきではないと考える彼女は……。共感を呼ぶ珠玉のシンデレラストーリー!
  • せつない献身
    3.5
    さよなら、愛しの大富豪……。記憶が戻れば、私なんて必要ないから。 グレースは亡き父の跡を継いで保安官として懸命に働いてきたが、今日を最後に仕事をやめ、新しい人生を歩むつもりだった。その夜、彼女は記憶喪失に陥った魅力的な男性を保護した。何か思い出そうとするたび頭痛に襲われる彼を放っておけず、献身的に世話をするうち、いつしか特別な想いを寄せるようになった。ところが、やがて衝撃の事実が判明する――彼の正体はとてつもない大富豪実業家だったのだ!それでもグレースは、いまだ記憶の戻らない彼を支え続けることにする。記憶が戻った瞬間、自分は“用済み”になると知りながら……。 ■記憶喪失の男性の力になりたくて、献身的に尽くすグレースですが、住む世界の違う大富豪の彼が記憶を取り戻すことは、すなわち別れを意味するという、あまりにもせつない状況にあるのでした。心優しきヒロインを応援せずにはいられない、感動必至の純愛物語です。
  • けなげな恋心
    4.0
    やがて打ちのめされる恋に、溺れるわけにはいかない……。 やむにやまれぬ事情から生活苦にあえぐアリーは、姉の遺児を引き取って育てながら、毎日病院で懸命に働いている。ある日、気晴らしに登った山で魅力的な男性ショーンと出会い、二人で協力して、遭難していた少年たちを救った。緊迫した状況で的確な判断をくだすショーンの姿を見て、アリーは胸のときめきを抑えることができなかった。だが一方の彼は、悪天候のなか一人で山歩きをしていたアリーを責め、いかにも男性至上主義者といった傲慢な言動で彼女を戸惑わせる。良くも悪くもアリーの心を独り占めにしたショーンが、なんと翌日、彼女の勤める病院の新任医師としてやってきて……。■切羽つまった過酷な環境下で、すばやい決断と処置を行う救命救急の世界――“医者の中の医者”とも言えるヒーローのかっこよさが際立つ作品をお贈りします。翻訳家の森香夏子さんも絶賛の、理想的で完成度の高いロマンスをご堪能ください!
  • 眠れぬシンデレラ
    -
    シンデレラは“偽り”なのに、夜も眠れず彼を想ってしまう……。 家事や雑用を代行するクララの前に、ある日、顧客の兄ラフが現れた。ろくに手がかりも残さずに姿を消した妹を捜す彼は、「妹の居場所を教えれば1万ポンド払う」と傲慢に言い放った。大手老舗百貨店の副社長であるラフは容姿端麗でセクシーだが、この手の男性にひどい目に遭わされたことがあるクララには、絶対に避けるべき存在だとわかっていた。しかしラフは彼女が家事を請け負う彼の妹の家に滞在するだけでなく、耳を疑うような契約を持ちかけてきた――心労で倒れた祖父を安心させるために、クララに彼の恋人役を演じる“恋人代行”をしてほしいというのだ!■英国人作家ジェシカ・ギルモアが綴る、温かく感動的なシンデレラストーリーをお贈りします。地味で控えめな装いのクララがじつは美しいことを即座に見抜く大富豪のラフ。恋してはいけない相手と思いつつも、彼の魅力にからめとられていくクララの運命は……?
  • 大富豪と望まれぬ娘
    3.0
    茂みに捨てられていた赤ん坊の私に、誰も愛を注いでくれなかった……。 生まれてすぐ実の母に捨てられ、冷たい祖母に育てられたペネロープ。早く自立したいと仕事に打ちこんできた彼女は、あるとき重要な顧客の結婚式の企画をすることになった。この一世一代の大仕事を必ず成功させようと強く思うが、土壇場で花嫁が盛大な花火を上げたいと言いだしたため、困ったペネロープは世界的な巨大企業に協力をあおぎに行った。ところが、責任者に会わせてほしいと受付係に願い出たものの、CEOのレイフ・エドワーズが興味を持つはずがない、と言下に断られた。すると「それは本当か? どうして?」という男性の声がし、振り返ると、レイフ本人が興味深げにこちらを見つめていた――。■悲しい生い立ちをもつペネロープは、仕事を通して知り合った破天荒な大富豪レイフの魅力にやがて心を奪われます。しかし、彼女の生い立ちがもとで二人の間に誤解が……。『奇跡を宿したナース』(I-2417)が大好評を博したアリスン・ロバーツによる、ロマンティックで心温まるラブストーリーです!
  • 9カ月目の赤い糸
    -
    あなたとの思い出だけを胸に、この子を育てようと決めたのに……。 シーラは大きなお腹を抱え、9カ月前の運命の夜に思いを馳せていた。とあるパーティで、高級なタキシードを着こなす男性と出会った。スレイドと名乗る彼は世界を股にかけて仕事をしており、ハンサムな容姿もさることながら、知性とユーモアで彼女を魅了した。たちまち惹かれ合い、月明かりの下で情熱的に結ばれたのもつかの間、夜明けとともに彼は旅立っていった――彼女の身に、小さな命を残して。でも、スレイドは永遠の関係や子どもを望むタイプじゃないわ。シーラは彼に妊娠を知らせず、独りで産み育てる決意をした。それなのに今、なんの前触れもなく突然、彼が帰ってくるなんて!動揺のあまり追い返すシーラだったが、そのときお腹に激痛が走り……。 ■連絡先も残さずに去ったスレイドには秘密で、彼の子を産むことにしたシーラ。一方、彼女の大きなお腹の中にいるのは自分の子だと知ったスレイドは、思いもよらない行動に出て……。『百万人に一人のひと』(N-657)、『小さな天使の贈り物』(I-2405)の関連作。
  • 孤独なナースの恋
    4.0
    期限つきの恋で授かった命。わたしが独りで育ててみせる……。 ナースのクララは15歳で両親を失い、胸に孤独を抱え生きてきた。幼なじみの男性を心の支えにしてきたが、所詮報われない片思いだった。だがそんなクララの前に、イギリスから来た医師のティモシーが現れ、ある夜、強引に彼女の唇を奪って叶わぬ恋から目を覚まさせた。誰をも惹きつけてやまない人柄とハンサムな容貌に魅了され、いつしかクララは彼に身も心もささげていた。けれども、彼は3カ月したらまた別の地へ向かう身……。クララはここにとどまってくれることを密かに願ったが、非情にもティモシーは別れを告げ、去っていった――彼女のおなかに、わが子の命が宿っているとも知らずに。 ■HQロマンスで大活躍のC・マリネッリが贈る、シークレットベビー物語! 太陽のように明るいヒーローのおかげで楽しい時間を過ごしたのち、彼が去ってからの虚しさが切なく胸に迫ります。意外な結末に思わず感動の涙こぼれる珠玉作を、ぜひお楽しみください。
  • その結婚に異議あり
    -
    あなたに奪ってほしい!一週間後に結婚式を控えた私だけれど・・・。 ■飛行機とバスとタクシーを乗り継ぎ、長旅に疲れ果てたキャロンはようやくカナディアン・ロッキーの麓の町にたどり着いた。弁護士として依頼人の遺産相続について説明するだけの仕事だから、本来なら手紙ですむところだ。が、とにかくロンドンを離れたかった。一週間後に結婚式を控えていながら、婚約者ニールのもとから逃げるように飛び出してきた理由を、彼女はだれにも話せなかった・・・死んでも言えない。キャロルから遺産相続の話を聞きながら、ユーアンはその内容よりも、彼女自身に心を引かれていた。結婚間近の女性にしては幸せそうに見えない。ユーアンは深いブルーの瞳で、その理由を探ろうとした。そして、彼に向けられたキャロンの熱い本心を読み取った。
  • 置き去りにされた天使
    3.0
    生き別れた姉が置き去りにした子――小さな命が起こした、大いなる奇跡。 リリーの家の玄関先に生後まもない赤ん坊が置き去りにされた。今は疎遠で居場所もわからない異父姉が産んだ子とわかったものの、あまりに突然のことに、リリーは呆然と立ち尽くした。改装中のこの家では、まともに育児なんてできないのに!すると偶然にもそこへ親友の兄ニックが訪ねてきて、彼女の窮状を見かねて一緒に赤ん坊を病院へ連れていってくれた。それがきっかけとなり、親友が思いがけない解決策を提案する――兄は大企業の重役で不在がちだから、彼の家で育児をすればいい、と。そんな成り行きで始まった二人と赤ん坊の同居生活だったが、なぜかニックがよそよしくて冷たい態度をとりはじめ……。 ■不慮の事故により母を亡くし、里親に育てられたリリー。生き別れになっていた異父姉が巻き起こした赤ちゃん騒動の渦中で生まれる恋物語を、英国ロマンス界に輝く新作家E・ダーキンズがあたたかな筆致で綴りました。純粋な恋だけでなく家族の絆も感じられる秀作。
  • ガラスの靴のゆくえ ギリシアの花嫁 I
    -
    不機嫌なギリシア大富豪は、逃げ出した名もなき娘を追って……。 幼くして最愛の両親を亡くし、祖父母に育てられたレイナは、20歳で結婚したものの卑劣な夫に傷つけられて離婚を経験した。以来、もう二度と傲慢な男性にはかかわらないと心に誓っていた。あるとき、親友の結婚披露宴のためにギリシアを訪れ、神話に登場する黒髪の美しき男神を思わせる男性に出会う――ギリシア屈指の大実業家、アキス・ジアノポウロス。気を引こうと躍起な女性には目もくれずレイナをダンスに誘う彼は、まるでシンデレラの義理の姉たちを避ける王子のようだ。けれど、どれほど彼が魅力的でも、また恋に落ちたら傷つくだけ……。みずからを戒めると、レイナは名も告げずに彼のもとから逃げ出した! ■イマージュ2400号記念作を飾った大人気レベッカ・ウインターズが描く、2部作〈ギリシアの花嫁〉の第1話をお届けいたします。ギリシア語を話せない謎めいたヒロインのゆくえを突き止めようと懸命に捜し始めるヒーロー。やがて意外な場で再会することに……。
  • 引き潮のかなた
    -
    二年前の夫の事故死で悲惨な結婚生活は幕を閉じた。当時、新聞はエデンが夫を死に追いやったとスキャンダラスに報じ、彼女は世間から逃れるようにして人里離れたコテージで暮らしてきた。訪れる人などめったにいないのに、嵐の夜、ドアをノックする音が……。見知らぬ男は、エデンの名前を知っていた。彼はマーカス・コールと名乗り、軽蔑の表情で数枚の写真を突きつけた。ショックが体を駆け抜ける。抱き合うカップルの女性は妹のエレノア。マーカスは私をエレノアと思い込んでいる。相手は彼の妹の夫だという。身を引かなければ後悔することになると脅す彼に、黙って承知した。妹を守るために……。でも、マーカスに誤解されたまま別れるのはつらい。ところが事態は思わぬ展開をし、エデンとマーカスは周囲に対して、熱烈に愛し合う恋人同士を演じることになった。交わすキスに真実の愛が込められたとき、二人だけの秘密が生じた。
  • シンデレラになった家政婦
    -
    伯爵の怒りと蔑みにさらされながら、家政婦はシンデレラになった……。 伯爵家の家政婦ジーニーの人生は苦労の連続だった。亡き夫が遺した借金の返済のため、義理の両親が営む店の掃除や弁護士事務所のパートタイム、伯爵未亡人の臨時秘書を務め、希望もなく働きどおしの毎日を送ってきた。その後、伯爵未亡人の城の家政婦として雇われ平穏な暮らしを得たが、雇い主が亡くなった今、思いもよらない遺言が明らかになった。現伯爵アラスデアと結婚しなければ、城が他人の手に渡るというのだ。さらに代々一族が支配してきた金融帝国も城と同じ運命にあると知り、怒りに打ち震えた伯爵は彼女に向かって蔑みもあらわに言い放った。「きみは家政婦以外の何者でもない。ぼくには近寄らないでくれ!」 ■脅迫じみた祖母の遺言によって結婚を迫られた独身主義者のアラスデア。以前から疎ましく思っていた家政婦のジーニーを一度は拒絶しますが、のちに一転、一族の財産を守るために1年間名ばかりの夫婦になることを提案します。傲慢な伯爵の心の変化にご注目!
  • さよならのあとの秘密
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    心にもない嘘をついてまで、愛する彼に別れを告げたあとに……。 メルボルンの小児病院で働くことになった医師のルシンダは、周囲になかなか打ち解けられずにいた。そんな中、ただ一人、彼女の目と心を奪ったのは麻酔医のセブだった。男らしく魅力的な彼は病を患う5歳の息子を独りで育てていて、ルシンダが彼の息子を手術により救ったことで、二人は急接近する。やがて出張先で一線を越えて恋人関係になるが、ほどなくセブの心に迷いが生じているのを察した彼女は、わたしは継母には向かないと嘘をつき、さよならを告げた。その後に、予期せぬ奇跡がわが身におこるとも知らず……。 ■仕事ぶりはクールながら、子供の命を救うことに人生を懸ける熱きルシンダと、そんな彼女を魅了してやまない優しくて男らしいセブ。HQロマンスでも大活躍する実力派作家C・マリネッリが贈る、せつなさに心ふるえる大人のラブストーリーをお楽しみください!
  • 婚約は突然に
    -
    やっと念願の引っ越しが実現したというのに……。ディレイニーは隣家に住む男性サム・ワグナーに悩まされていた。なにかにつけて親切を装って目の前に現れ、彼女をいらだたせるのだ。ある晩、ディレイニーが同僚の男性と食事をしていたときも、どういうわけかサムが隣のテーブルに現れた。彼女はその姿を見てひどく動揺した。そのうえ、同僚が自分のことを利用していたと知り、ディレイニーは怒りに駆られて衝動的な行動に出てしまった。サムが自分のフィアンセだと宣言したのだ!
  • はねつけられた愛
    -
    恋に不慣れなナースの想いは、不機嫌な彼に届かなくて……。 ある嵐の夜、救命室のナースとして働くエリーは、産気づいた従姉の出産を手伝いに行く途中で立ち往生してしまう。ずぶ濡れになって途方に暮れているとそこへ息をのむほどハンサムな男性が現れ、車で送り届けてくれた。ベンと名乗る彼は偶然にもドクターで、逆子にもかかわらず鮮やかな手並みで赤ん坊を取り上げた。その後、彼が同じ病院に勤めることになったと知り、これまで恋らしい恋をしてこなかったエリーは胸を高鳴らせた。想いは募り、やがて勇気を出して、あなたに恋したみたいと伝えると、彼は顔をこわばらせ、「戯言はやめてくれ」と愛の告白をはねつけた! ■どこか陰のある絶世の美男ベンと、大人の彼に魅了されるうら若きエリーの物語をお届けします。「一途でけなげな彼女が初めて恋した相手に無償の愛を捧げる、究極の胸キュンストーリー」と翻訳者の森香夏子さんも大絶賛! ハンター3兄妹シリーズの関連作です。
  • 奇跡を宿したナース
    5.0
    わたしを蔑む彼とこの小さな息子に、どんなつながりがあるというの? やむなき事情から人工授精で匿名者の子を身ごもったハリエットは、人里離れた浜辺を一人で歩いているときに産気づいてしまった。たまたま通りかかった外科医の男性に救われるも、母子ともに命の危険にさらされた状況で意識が混濁し、ハリエットはそのときのことを覚えていなかった――命の恩人であるそのハンサムなドクターの顔さえも。彼は駆けつけた救急隊に母子を託し、名乗りもせずに立ち去った。2年後、ハリエットは看護師として復帰し、同僚に温かく迎えられるが、ただ一人、新しい外科医長のパトリックだけはつらくあたるのだった。いったいどうして、彼はわたしをこんなにも蔑むの……? ■新しいボスが、まさか我が子を取り上げてくれたドクターとは知らないハリエット。一方、彼女を我が子の父親が誰かもわからない身持ちの悪い女性と思いこむパトリック。心がすれ違うなか、それでもパトリックはハリエットの息子に何か絆のようなものを感じ……。
  • こしゃくな花嫁
    -
    「社長、お父様からお電話が入っています」それはドミニクが最も聞きたくない言葉だった。父は何度断っても、女性を連れてきては結婚しろと迫る。ついに耐えきれなくなったドミニクは、ある女性と結婚しようと決めた。三カ月前、運命的な一夜をともにしたシエラだ。紫色の髪に派手な格好の彼女なら、父の度肝を抜くだろう。一方のシエラは突然のプロポーズに唖然としながらも、彼女なりの事情から、結局ドミニクの申し出に応じることにした。ベッドの関係に始まって、愛情もないままに迎えた結婚。取り引きという形をとったものの、二人の中にお互いに対する抑えがたい欲望があるのは隠せなかった。そしてそれが、やがては予想もしなかった苦しみを招くことに……。
  • 一夜にできた秘密
    -
    彼には絶対に言えない。赤ちゃんができたなんて……。 ゾーイは休暇で訪れた南の島で予期せぬ人と再会を果たした。高校の同級生で、今では世界に知られる億万長者ミッチ・ベイリー。当時、事故で両親を亡くしたゾーイは厳格な父方の祖母に引きとられ、転校した高校で暗い学生生活を送っていたとき、ただひとり優しくしてくれたのがミッチだった。にわかに初恋がよみがえり、求められるまま一夜をともにした。けれどもゾーイはわかっていた――ミッチはもはや遠い世界の人。彼との結婚なんて、ましてや温かい家庭なんて望めるはずもない。翌朝、彼が寝ているうちにその場を去ったゾーイは思いもしなかった。自分のおなかに新しい命が宿っているとは……。 ■読んで心地のいいロマンスを描くことが得意なK・シェパードが、HQイマージュで日本デビューを飾ります。高校時代の憧れの人、ミッチの子を図らずも身ごもってしまったゾーイ。彼の将来や立場を考えて秘密を隠し通そうとする、けなげなヒロインにご声援を!
  • 砂の城のシンデレラ
    -
    皇太子とシンデレラの恋は、砂の城のように儚くて……。 公室付きのナニーとしてモンテドーロ公国へ来て2年。当初、黒縁眼鏡をかけて地味で目立たなかったラニは、今や美しい女性に生まれ変わっていた――ある男性に恋をして。大晦日の舞踏会で皇太子マックスから踊りに誘われたのをきっかけに、その夜、以前より胸に秘めていた彼への想いを遂げたのだった。だが、数年前に不慮の事故で妃を失った彼がいまだに亡き妻を愛し、今後も独身を貫くつもりでいることは国じゅうに知られた事実だ。マックス自身の口からも、二度と結婚はしないと聞いたことがあった。しょせん、私はしがないナニー。皇太子に愛されるはずがない……。ラニは身を引く決意を固めると、仕事を辞め、そっと宮殿を去った。 ■身分の差、望むべくもない愛――ラニの恋には、克服しえない障壁が立ちはだかっていました。けれども、ラニとマックスがたがいに知らなかった過去の秘密が明かされ、物語は思わぬ方向に進みます。名門ブラボー家の恋を描いた〈都合のいい結婚〉シリーズの関連作!
  • 愛までの9カ月
    -
    予定外の一夜を過ごした秘書に、予想外の結果が待っていた―― 役員秘書のレイチェルは会社主催のチャリティパーティで、招待客リストに載っていない、魅力的な男性レオに声をかけられた。何事も計画どおりに進めたいタイプのレイチェルは一瞬とまどうが、どうやら彼は欠席者に頼まれ、断れずにやってきたらしいとわかる。話をするうち、レオの人柄やユーモアに惹かれ、「君をもっと知りたい」という甘い言葉に誘われるまま、気づけば自宅で彼と熱い夜を過ごしていた。ああ、私の今夜の計画に、こんなことは含まれていなかったのに……。一夜限りの関係と割り切って翌朝には別れたふたりだったが、7週間後、妊娠検査薬を見つめ、立ちすくむレイチェルの姿があった。 ■気鋭の英国人ロマンス作家エリー・ダーキンズの日本デビュー作をお届けします。レオの子を身ごもり、うろたえつつも得意の計画を立てて事態を乗り切ろうとするレイチェル。ところが、一方のレオはそんな彼女を批判し、窮屈な計画に従うのは御免だと主張し……。
  • 明かせぬ愛の証
    3.0
    越えてはならない一線を越え、この身に宿った、誰にも言えない秘密。 地方の看護学校を卒業したばかりのエレノアは、救急看護の現場で実践を積むという夢を叶えるため、メルボルンの病院で働くことにした。この1年、ブロンドの彼女は間違った偏見から実習先の上司にたびたび嫌がらせをされてきたが、色目を使う役立たずのナース扱いされるのはもうこりごりだった。だから、救急科専門医のローリーがどれだけ魅力的でも、エレノアは心に芽生えた禁断の想いに気づかないふりをした。ところが、緊急に運び込まれた幼い命を救えなかった日の夜、悲劇を払拭するかのように彼と体を重ねてしまった結果……。 ■HQロマンスで大活躍のキャロル・マリネッリが綴る、一夜の情事による予期せぬ妊娠がテーマの本作。“田舎から出てきた新米看護師”と自嘲しつつも、しっかりとした夢を持つエレノアを、セクシーな敏腕救急医のローリーが優しいまなざしで見守る姿に胸キュン必至!
  • 非恋愛結婚
    -
    彼が欲しいのは赤ちゃんの母親だけ。愛する妻などではなく……。 アニーは海辺の町の病院で働き始めて8カ月になる。病院を取り仕切っているのは、百戦錬磨の医師トム・マカイバー。あまたの恋を経験する色男で、仕事の腕も超一流だ。赴任して間もなく、アニーはトムの衝撃的な言葉を耳にしていた。“ひどく地味な女性だから、ずっと独身のまま働いてくれそうだな”それでも病院を辞めないのは、彼が学生時代からの憧れの人だから。ある晩、アニーはトムの家の前に赤ん坊が置かれているのを見つけた。一夜をともにした女性が、こっそり押しつけていったらしい。突然幼い娘の父親になって奮闘するトムに、アニーは協力を申し出た――まさか、彼から結婚を申し込まれるとは思いもせずに。 ■愛のない家庭で育ち、恋愛結婚など無意味だという考えを持つトムからのプロポーズにためらうアニー。それでも、いつか本物の愛に変わると信じてイエスと答えますが、二人が親密になるのは夜の間だけで……。ベテラン作家M・レノックスが描く、切ない片思い婚。
  • 伯爵との一夜のあとで
    -
    このお腹に宿った子の父親が、まさか伯爵だったなんて! 写真家のデイジーは雪降るバレンタインデーの夜、仕事で訪れた伯爵邸の敷地内に立ち往生してしまった。すぐにも家に帰って仕事の続きをしなければならないのに……。あたりが刻一刻と白くなるなか、焦りばかりが募る彼女の前に、無造作な黒髪のハンサムな男性セブが現れた。この城を管理しているという彼に館の中へ招き入れられると、とたんにデイジーは彼の熱い視線に気づき、胸を高鳴らせた。その晩、二人はベッドを共にした。一夜だけの関係と知りながら。だが6週間後、デイジーはまたも困り果てた状態で城を訪れた――もう会うことはないと思っていたセブに、妊娠を告げるために。 ■新進気鋭のイギリス人作家ジェシカ・ギルモアの日本デビュー作をお届けします。ロマンティックな一夜の情事を経験した直後、予期せぬ妊娠が発覚した二人の物語。伯爵とは知らずに結ばれたあと、次々に明らかになる彼との様々なギャップにドキドキさせられます。
  • 異端のギリシア大富豪
    4.0
    敏腕実業家の彼と、何物でもない私。ふたりが釣り合うはずもなく……。 ギリシアに名だたる富豪一族の異端児、“黒い羊”と呼ばれるスタヴロス・コンスタンティノス。彼の会社の敷地を巡るツアーを企画した旅行社に勤めるアンドレアは、参加していた学生の失踪事件をきっかけに彼と知り合った。会うなりアンドレアを無責任な引率教師と決めつけて叱責する傲慢なスタヴロスに反感を抱くが、共に捜索するうち、男らしくて頼りがいのある彼に惹かれていく。億万長者の彼が、つまらない私に興味を持つはずがないけれど……。翌週、彼女は上司に呼ばれてオフィスのドアを開けた。するとそこには――スタヴロス! なぜ彼がこんなところに? ■HQイマージュの2400号記念作を飾ったレベッカ・ウインターズの作品です。初めこそ反発し合った二人ですが、互いの魅力に気づいてからは急接近してロマンティックな展開に。ところが、彼の子を身ごもったと主張する別の女性が現れ、恋の行方は霧の中へ……。
  • 小さな天使の贈り物
    3.5
    愛した記憶を失ったなら、もう一度初めから愛して……。 エリンは5カ月前に突然姿を消した恋人を懸命に捜していた。“ブレイディ、帰ってきて。愛してるわ”と新聞広告を出すと、警察から、強盗に襲われ記憶喪失に陥った男性の存在を知らされる。ああ、どうかその人がブレイディでありますように……。そんな望みを胸に引き合わせ場所へ向かった彼女の前に、ずっと会いたくてしかたがなかったブレイディが現れた。声を聞けば思い出してもらえると期待するエリンだったが、彼のよそよそしくて苛立っている様子に、彼女は愕然とした。なぜ思い出してくれないの? わたしたちは一緒に暮らしていたのに。そして、このお腹には今、あなたの赤ちゃんがいるというのに。 ■もうすぐ生まれてくる子供のため、そして愛する男性のため、懸命に彼の記憶回復をサポートするけなげなエリン。にもかかわらず、二人で築いてきた思い出はなかなかよみがえらず……。忘れられた愛がふたたび復活するまでの道のりを描いた珠玉のラブストーリー。
  • トレビの祈り
    -
    グレイシーはまだ見ぬ父をさがしにローマへ来たが、手がかり一つつかめなかった。絶望しかけたとき、トレビの泉で理想的な父娘に出会った。少女をいつくしむ魅力的な男性、ルカ。私もこんなふうに愛されたかった……。彼に問われるがまま、グレイシーは事情を打ち明けた。すると、住み込みで娘の家庭教師になってくれたら、きみの父親さがしを手伝おうと、ルカが申し出た。願ってもない話に、グレイシーは飛びつく。ルカの胸に秘められた深い苦悩にも気づかずに。
  • 銀色の森で
    -
    ヘイリーはあるプログラムを利用してアラスカへ赴任してきた。アメリカの北の果てまで来たのには理由がある。ひとつはオーロラを見ること。もうひとつは大自然の懐に抱かれて静かに自分を見つめ直すこと。愛や恋はいっとき忘れて、ちゃんと孤独と向き合うのだ。そう決心して引っ越してきた初日、軽やかに柵を飛び越えて隣人が挨拶に来た。都会育ちのヘイリーには、彼の笑顔は人なつこく、輝いて見えた。だめ。彼の銀色の瞳に吸いこまれちゃだめ。ヘイリーは戸惑いを覚えずにはいられなかった。
  • 結婚をもう一度
    -
    男性には失望させられるだけだから、これからは彼らも愛も信じずに生きていこう。ことあるごとにケリーはそう主張していた。だが、そこへサイモンという男性から一通の手紙が届く。文面は、愛に対するケリーの不信感を強く批判している。嘘よ。これがあのサイモンのはずはない。なぜ今さら彼が現れ、私の新しい人生のじゃまをするの?ケリーが激しく動揺したのも当然だった。サイモンは、五年間消息不明だった彼女の夫なのだから。
  • 砂漠に咲いた薔薇
    5.0
    愛なき結婚と承知のうえで、花嫁は夫に恋をした――。 父亡きあと、ケイトは母を助けるためアメリカに帰郷し、傾きかけた家業をなんとかしようと頭を悩ませていた。ある日、アンベラク国のスルタンが母の育てる競走馬を下見に訪れた。随行してきたその甥、ファリード皇太子のエキゾチックな黒い瞳にケイトはたちまち心を奪われたが、彼はなぜか軽蔑の念を滲ませている。すると翌朝、スルタンが一人でケイトのもとを訪れ、家業を救うのと引き替えに、甥と結婚せよという驚くべき提案をした。母のため、そして密かな恋心からケイトは取り引きを承諾するが、2週間後、婚儀で再会したファリードに、金目当てだと罵られてしまう。宮殿の噂では、彼を捨てた母親はケイトと同じ赤毛だったという。私は夫に愛されない妻……。多難な前途を思い、ケイトは身震いした。 ■異国情緒あふれる砂漠の国を舞台に、ドラマ性に富んだロマンスを描く人気作家M・ウェバー。本作では、まったく異なる世界に生まれたふたりが愛なき結婚により一緒になり、秘められた悲しい過去を乗り越えて真実の愛をつかむ過程が情感豊かに描かれています。
  • 秘書はシンデレラ
    -
    貧しくて醜いあひるの子の私が、憧れの彼の住み込み秘書に……? 同居していた親友が結婚し、家賃を払えなくなったローラ・ベスは、住み慣れたアパートメントを引き払うことになった。失業中で次に行くあてもなく、途方に暮れていたとき、親友の結婚式で会った知人のイタリア人老富豪から、息子であるアントニオの秘書になってほしいと頼まれる。ローラ・ベスは何年も前からアントニオのことは知っていたが、華々しい成功者の彼と貧しくて地味な自分とは縁がないと思っていた。2年前に美しい妻を亡くして塞いでいる彼を、献身的に支えたい……。その一心で秘書になるためイタリアへ飛ぶローラ・ベスだったが、アントニオは激しい怒りを込めて、秘書など必要ないと吐き捨てた! ■優しさと癒やしのロマンスをお届けするHQイマージュの代表的作家スーザン・メイアー。最新作は、家もなく路頭に迷ったヒロインと、どこか陰を秘めたヒーローの切ない恋物語です。『秘書物語』(I-2359)と『うたかたのシンデレラ』(I-2395)の関連作。
  • 見捨てられた女神
    4.8
    私は見捨てられる運命……。母からも、恋人からも。 クリスマスで賑やかな世間を逃れ、雪山へやってきた助産師のミランダ。危うく遭難しかけたところを、通りすがりの男性ジェイクに救われ、彼の家で一晩を過ごすことになった。男らしさと優しさの同居するジェイクにいやおうなく惹かれる一方、もう誰かと関係を築くことなどできないとミランダは思った。この人生、私は見捨てられ続けてきたから――実の母に、そして恋人に。ジェイクへの想いを抑え、翌朝、彼女は何も言わずに彼のもとを去った。ところが同じ日、ミランダが新しい勤め先の病院へおもむくと、彼女とともに働く産科医として紹介されたのはなんと、もう二度と会うことはないと思っていたジェイクだった! ■魅力的なヒーロー像で大人気のサラ・モーガン。本作には翻訳者の森香夏子さんも「最も完成度が高い」と大絶賛するジェイクが登場します。孤独なミランダの悲惨な暮らし向きに驚いた彼がとる行動とは? ハンター3兄妹シリーズと『冷めた情熱』(I-2387)の関連作。
  • ヴェローナの君臨者
    -
    あの愛を裏切ったのは彼なのに、今また、私を弄ぶつもりなの? これまで順調だった仕事を不運にもすべて失ったナターシャは、友人の紹介によりイタリアのヴェローナで観光広報の職を得た。そこでは今、高級ホテルのオーナーたちが連携し合い、歴史ある美しい街の魅力を世界中に広めようとしているという。新しい人生を始めようとヴェローナへやってきたナターシャを、予想だにしなかった相手との再会が待ち受けていた――2年前、熱い恋に落ちながら私を裏切ったマーリオ!彼はこの地に君臨する“プレジデント”としてナターシャの前に現れ、唖然とする彼女に向かって傲然と言い放った。「今度また僕の前から姿をくらましたら、絶対に許さない!」 ■1980年代から活躍し続ける大御所L・ゴードンが、『仮面舞踏会の夜に愛して』(I-2369)の4年後の物語を描きました。前作の主人公ダミアーノの弟マーリオが本作のヒーロー。名作『ロミオとジュリエット』で有名な麗しき古都を舞台に繰り広げられる極上ロマンス!
  • 大富豪と愛を語る花
    4.0
    わたしが窮地から救われるか否か、すべては傲慢な大富豪の一存で……。 香水会社のCEOだった亡き祖父の遺志を叶えるため、ジャスミンは南フランス最大手の銀行を訪れることにした。祖父が亡くなってから傾きつづけている経営を立て直すには、長年取り引きのあるその銀行の援助がどうしても必要なのだ。頭取のリュック・シャリエールとは面識がないけれど、この交渉を成功させなければ、あとがない。緊張感に包まれながら案内されたオフィスに足を踏み入れると、そこにいたのは、2カ月前に旅先で声をかけてきた不埒な男だった!あのときは警戒心が働き、失礼な態度でつっぱねてしまった。いま目の前に傲然と立つ彼の瞳は、明らかに謝罪を要求していて……。 ■1982年の創刊より心温まる優しいロマンスをお届けしてきたHQイマージュが、おかげさまで2400号を迎えました。記念号を飾るのは、大きな愛で読む者の心を潤す大御所作家R・ウインターズ。ちょっぴり感傷的な筆致で描かれる、繊細で抒情的な珠玉作です。
  • 無垢な天使の祈り
    4.0
    憧れのプリンスが教えてくれたのは、恋の落ち方。そして……失恋の痛み。 子供のころから病弱だったため恋を知らずに育ったルーシーは、23歳にしてキスさえろくに知らない。ようやく病を克服した今、人並みに恋をしてみたいと心から願っている。それにはまず、手ほどきをしてくれる経験豊富な男性を見つけなくては。思いついたのは兄の友人のプリンス・ダミアン――高貴な身分ながら悪名高いプレイボーイの彼なら、きっと恋の練習台になってくれるはず。ルーシーは期待を胸に、感謝祭でにぎわう彼の国へ飛ぶが、あいにく彼女の頼みを聞いたダミアンは困惑を隠さなかった。だが、しぶしぶ承諾したまねごとのデートの最後に軽くキスをしたとき、彼の瞳に一瞬、情熱の炎が燃えあがったように見え……。 ■名門ブラボー家の恋物語を描いたミニシリーズ〈都合のいい結婚〉の最新関連作第3弾は、名うてのプレイボーイ・プリンスが主人公。純真無垢な平民のヒロインを相手に、軽く願いを叶えてやるつもりが……。放蕩プリンスが“本気”を見せる瞬間をお見逃しなく!
  • ボスはクリスマス嫌い
    -
    この胸のときめきは、美しい街のせい?それともクリスマスの魔法? 田舎育ちのアディは世界中を旅する夢をかなえたくて、亡き両親から受け継いだ土地を売りに出すことにした。高額で買いたいと言ってきたのは、億万長者の実業家フリン。ただしあと2年は彼女が住み続け、管理するという条件付きで。がっかりするアディに、フリンはこう切り出した。そんなに外国に行きたいなら、彼の臨時の秘書として3週間のヨーロッパ出張に同行すればいい、と!横暴な申し出だが、憧れの地で過ごすクリスマスを思うと断れず、アディの初めての海外旅行は予想外のかたちで実現した。冷たいけれど魅力的で、なぜかこの季節を嫌う彼と二人きり……。 ■ミシェル・ダグラス得意の、ボスと秘書のロマンティックな物語です。最も美しい季節のヨーロッパに、そして完璧すぎるボスに、ピュアなアディが恋してしまうのは時間の問題でしたが……。
  • うたかたのシンデレラ
    -
    幾夜か恋人を演じるだけの、うたかたのシンデレラ……。 エロイーズは法律事務所の臨時職員として働いているが、家賃を払うのがやっとの暮らしから脱したいと願っていた。あるとき、友人宅で開かれたパーティーで、どこか陰のあるハンサムな実業家リッキーと出会う。すぐに意気投合し、胸を高鳴らせるエロイーズだったが、彼女の困窮ぶりを知った彼が唐突にある取り引きを持ちかけてきた――クリスマスシーズンに12回あるパーティーへの同伴を条件に、見返りとして良い仕事を紹介するという。「僕は恋愛に興味はない。ただ僕を好きなふりをしてくれたらいい」内心がっかりしながらもエロイーズは申し出を受けることにするが……。 ■HQイマージュの人気を支える重要作家スーザン・メイアー。本作は世界一ロマンティックな場所ニューヨークを舞台に描かれた、甘く切ないクリスマス・ラブストーリーです。恋愛をするつもりのない魅力的な男性に出会ってしまったシンデレラの恋の行方は……?
  • ベビーはある日突然に
    5.0
    彼の手に託された小さな命は、愛を運ぶキューピッド? 外科医のブレイクは夜中に激しいノックの音で目を覚ました。玄関のドアを開けると、そこには置き去りにされた赤ん坊。周囲に人の姿はない。途方に暮れた彼は、屋敷の裏の家政婦部屋を貸している助産師のマギーを思い出した。地味な女性で、今まで気にかけたことすらなかった存在だ。赤ん坊を連れていくとマギーはてきぱきと世話してくれたが、ブレイクの期待に反して、赤ん坊を引き受けてはくれなかった。彼女のかたくなな様子にどこか引っかかるものを感じつつ、ブレイクはこう思わずにいられなかった――寝起きでパジャマ姿の彼女は……実に美しいではないか! ■愛に懐疑的で、女性とは軽いつきあいを楽しんでいるクールな外科医のブレイク。本物の赤ちゃんと、眼中にもなかった隣人のマギーが突然彼の人生に絡んできたとき、彼の価値観はいっきに覆されて……。キュートなヒロイン像が印象的な、心癒やされるロマンス!
  • 待つほどに愛は熱く
    -
    あなたと再会する日はどんなだろう。何度も思い描いてきたけれど……。■シェリーは遠くに広がる海を目にして、車のスピードを上げた。三年ぶりの帰郷だ。三年は長い。シェリーは変わった。マルコとのイタリアでの暮らしで、より美しく、洗練された女性へと変身を遂げていた。ドルーも変わっただろうか。もう誰かと結婚しているだろうか……。シェリーは車を降りて、浜辺へと足を向けた。月明かりの下、初めてドルーと口づけを交わしたあの浜辺へ。寄せては返す波の音に混じって、鋭いかもめの声が響く。ふいに近づいてくる人影に、シェリーは息をのんだ。ドルー! かつて結婚を約束しながら、結ばれぬまま別れた人!それも、私がマルコとイタリアへ逃げ出してしまったせいだ。苦い後悔の念にとらわれながらも、彼女の鼓動は激しく打ち始めた。だが、ドルーの瞳に彼女が見たものは、ただ冷たい拒絶だけだった。
  • ブロンドは復讐の色
    -
    彼女は復讐を誓った。名前を変え、髪の色を変え、別人に変身して……。■ペニーは、警備会社の社長アダムの母親の付添人に採用され、バカンスに同行して身の回りの世話をすることになった。以前ペニーは、アダムの会社で働いていたが、産業スパイの濡れ衣を着せられ、会社を解雇されたうえ、裁判で有罪となり、刑務所に送られた。出所後、ペニーは復讐を誓った。まったく別の女性に変身して。アダムは、昔の地味で野暮ったいアレックスと、洗練されて自信に満ちた今のペニーを結びつけはしないだろう。しかし、ペニーはとまどっていた。アダムは彼女に興味を示し、ペニーも、自分を地獄に突き落としたはずの男に気持ちが揺れていた。ペニーはアダムの母親とセントルシア島に飛んだが、そこに突然、アダムが現れる。休暇など取ったことのない彼が、いったいなぜ? とうとう私の正体に気づいたの?
  • 天使の眠る間に
    -
    私はあなたにとって、花嫁に最もふさわしくない女じゃなかったの?■自動車部品工場を経営するウェッブは、悩みを抱えていた。一年前に交通事故で妻を亡くし、残された娘はまだ一歳。祖母のカミーラは、幼い娘には母親が必要だと、毎晩のように花嫁候補を自宅に招いている。それに対抗するには、花嫁としてふさわしくない女性を、自分の婚約者と偽って祖母に紹介するしかない。ウェッブは、工場でアルバイトとして働くジェイニーに目をつけた。気が強くて男まさりで、絶対に祖母の気に入らないタイプだ。ウェッブはジェイニーを呼び出し、単刀直入に持ちかけた。「しばらくの間、僕と婚約するというのはどうだろう?」ジェイニーはあっけにとられたが、話を聞いて納得した。苦学生の身としては、報酬がたっぷりもらえるなら引き受けてもいい。二人の思惑が一致し、やがて偽りの婚約は実行に移された……。
  • 失われた時を求めて
    -
    失われた十三年を取り戻せるなら……。その願いは、新たな夢への一歩となった。■マーニーは、生まれたわが子を一度も腕に抱くことができなかった。体面を重んじるマーニーの母の手で、十代の娘の出産は隠され、赤ん坊はひそかに養子に出されてしまったのだ。わが子を奪われたと知った日、マーニーは家を出る。それから十三年の歳月が流れ、母の死で帰郷したマーニーは、遺品の中から、娘の引き取り先を記した書類を見つけた。養父母は、近くの町バーナムに住むハンティンドン夫妻。気がつくとマーニーは、車を走らせ、その町を訪れていた。そして、激しい雨の降り始めた駐車場で、見知らぬ男性とぶつかり、持っていたアイスクリームで彼の車を汚してしまう。だが男は、彼女をじっと見つめて、予想もしない言葉を口にする。「君は僕のよく知る人にそっくりだ。いったい、君はだれなんだ?」私に似ている人ですって? まさか娘のことでは……。
  • 誘惑のルール
    -
    過去に深い傷を負い、愛を恐れる女性を、どうすれば手に入れられるだろう?■キャリーはかんかんに怒っていた。晴れて結婚の決まった親友のサラが、父親の過去のスキャンダルをゴシップ紙に暴露されたのだ。サラのかわりに、記事を書いた記者に抗議してやらなければ。勇んで新聞社に乗り込んだキャリーは、記者に会って唖然とした。彼女の非難に、相手は謝るどころか、逆に言い返してきたのだ。見下げ果てた男だわ。キャリーは怒りをつのらせ、新聞社をあとにした。ところが、罵倒された当のランスは、いとこのオフィスにいたために記者に間違われたことを否定もせず、ひとりで楽しんでいた。直感的に彼女こそ理想の結婚相手だと確信さえするようになる。あれほど誇り高く、大胆で、友達に誠実な女性はいない。でも、名前はなんというのだろう?ランスはさっそく彼女の素姓を調べにかかったが、再会の機会は思いもよらない場所で、意外に早く訪れた。
  • プレイボーイ操縦法
    -
    プレイボーイの心をつなぎとめておくなんて、やっぱり無理なことだったの?■サマンサは、ロンドンの投資信託会社に勤めるキャリアウーマン。ある経済会議でスピーチをするため、ニューヨークにやってきて、偶然、かつての恋人マシューに再会した。サマンサは学生時代、当時講師だった彼と激しい恋に落ちた。だが、学生と講師の恋は学内で問題となり、やむなく別れたのだった。彼は現在ニューヨークの証券会社の最高経営責任者で、多忙を極めている。その夜、サマンサはマットに食事に誘われ、そのまま一夜をともにした。これからも会おうと彼は言ったが、忙しいふたりは思うように会えない。彼は私とつかのまの情事を楽しみたかっただけなの?疑念にとらわれていたサマンサは、ある情報を耳にした。マシューの会社が株の買い占めに遭い、乗っ取られそうだというのだ。しかも乗っ取りの鍵を握るのが、サマンサの勤める会社だった。マシューに味方するか、会社に協力するか、恋と仕事のはざまで悩んだ末、サマンサが出した結論は……。
  • ベスト・パートナー
    -
    ウエディングドレスなんて着られない。愛する彼には……妻と子供がいる!■アーシュラは、ずっと前に“運命の人”と出会っていた。二人は考えも感じ方もぴったり。おまけにそのロス・シェリダンは彼女の上司で、いつでも会える。もっとも、どんなに好きでも彼と結ばれることはない。ロスはすでに結婚しているのだから。今でも、それを知ったときの絶望感を思い出す。アーシュラはそのときから彼への思いを振り切り、ただ仕事の上のつながりだけに目を向けてきた。ロスの妻は美しく才能豊かなデザイナーで、二人の間には天使のようにかわいいケイティがいる。どこから見ても幸せいっぱいだ。だがケイティの誕生会に招待され、アーシュラは彼の結婚生活が悲惨なものと知った。でも、たとえ愛する人の結婚がうまくいっていないからといって、その隙に彼の心に忍び込んだりできるだろうか。私にはできない……。
  • 忘れえぬ一夜
    -
    ルーシーはあまりにも衝撃的な事実を知らされた。体外受精で生まれた娘が、実は別の夫婦の子供だったというのだ。病院のミスで取り違えられたらしい。夫を亡くしたルーシーにとって、六歳になる娘は生きがいだった。その一方で、取り違えられた実の娘に会いたい気持ちがつのる。育ての娘と実の娘への愛情に思い悩むルーシーの前に一人の男性が現れた。知的で思いやりにあふれたその男性こそ、ルーシーの実の娘を育てた父親ドミニク・グレイリングだった。妻を亡くした彼は、娘たちのために最善の道を選ぶべきだと言う。その道とは、二人が結婚して娘たちの両親となることだった。
  • 都合のいい花嫁
    3.0
    私はかりそめの花嫁。愛なんて望めない……。 ヘレナは残されたウエディングドレスを手に思い悩んでいた。姉が政略結婚で決められた婚約者のフリンを捨てて、式の直前に逃げだし、初恋の人と駆け落ちしてしまったのだ。礼拝堂には仕事関係の招待客も大勢いる。このままでは、大企業の次期CEOである彼が恥をかいてしまう!10代の頃から憧れていたフリンの危機を救いたい一心で、ヘレナは思わず彼に告げた。「私が一時的に身代わりの花嫁になるわ」その衝動的な提案に驚き、たしなめるフリンを振り切って、彼女は姉のドレスをまとい、祭壇の前で誓いの言葉を口にした――フリンが花嫁に求めるのは、跡継ぎを産むことだけだと知りながら。 ■気鋭の英国人作家ソフィー・ペンブロークの新作をお贈りします。本作は、やむなく便宜結婚することになった二人の物語。皮肉にも、愛の国イタリアで交わされる愛なき契約……。ヘレナの密かな恋の行方は? 前作『初恋の残り香』の主人公たちも登場します。
  • 純愛のアラベスク
    -
    あなたのそばで踊るたびに、心は喜びと不安でいっぱいになる。 イギリスの村で伯母と暮らすローリは、バレエ学校に通う17歳。ある日、彼女に驚くべき転機が訪れた。ベネチアの一流のバレエ団の総監督マキシム・ディ・コルテがローリの才能を見いだし、バレエ団に入るよう誘ってきたのだ。夢のような話に伯母は喜んだが、ローリの心は震えた。バレエは大好き。でも、伯母を一人残していくことはできないし、同じくバレエダンサーだった両親を劇場の火事で亡くして以来、舞台に上がると足がすくんでしまうのだ……。それを知ったマキシムは半ば強引に彼女をベネチアへ連れていき、厳しいレッスンを開始した。時折見せる笑顔でローリを魅了しながら。 ■美しさのなかに激しさと厳しさを内包するクラシックバレエの世界。小説やコミック、映像において無数の名作を生んでいるこのテーマを、英国ロマンス界の魔術師ウィンズピアはどのように料理したのでしょうか? 魅惑の地ベネチアが舞台の、心ときめく物語です。
  • ふたりをつなぐ天使
    -
    愛すれど結ばれなかったふたりに、小さな天使が舞い降りた。 海沿いの美しい町にある病院で働くアビーは、ある日、救急科に駆けこんできた男性を見て我が目を疑った。5年前にやむなく別れたルークが、どうしてここに?大統領付きの医師である彼は、お忍びで静養に来ていた身重のファーストレディが急に破水したので、急遽呼び寄せられて診察にあたることになったという。ファーストレディの意思を尊重して、彼もしばらく町に滞在すると聞き、アビーは激しく動揺した。ルークは子供が作れない自分の体を恥じて別れを選んだけれど、わたしの家には、彼にそっくりな4歳の男の子がいる……。 ■『愛の使者は突然に』(I-2355)でデビューし、HQイマージュに新風を送りこんだスカーレット・ウィルソン。彼女の2作目はサンフランシスコ郊外の海沿いの町を舞台にした再会物語です。いまだに彼が独身だと知ったアビーの胸に芽生えた想いとは?
  • 冷めた情熱
    3.0
    愛されたいと願う妻を迎えたのは、冷たい独り寝のベッドだった……。 看護師のクリスティはスペイン人の夫アレッサンドロと別居中。ハンサムで有能なドクターである彼のことは愛しているが、仕事にかまけて妻を顧みないことへの反発で家を出た――わたしをまだ愛しているなら、追いかけてきてくれるはず……。彼が現れるのを待つうち、一緒に連れてきた子供から家族全員で過ごしたいとせがまれ、やむなく家へ帰ることにした。自分から戻るのは本意ではなかったものの、夫との久々の再会に、クリスティは胸を高鳴らせた。だが、アレッサンドロは彼女の荷物を客用の寝室へ運ぶと、冷たく言い放った。「ここが、きみの部屋だ」■『片思いに終止符を』を初めとするハンター兄妹シリーズの関連作をお贈りします。命の現場を舞台に繰り広げられる、夫婦の愛と絆の再生物語。ハラハラドキドキの嫉妬劇をお楽しみください。
  • 天使を抱くシンデレラ
    -
    私は傲慢な求婚を受け入れる――たいせつなこの子を守るために。 4カ月前に他州からこの町へやってきたサマンサは、慣れない土地でなんとか職を得て忙しく働く毎日を送っている。そんな彼女には、もう1つたいせつな仕事が待っていた――亡き異父妹が遺した赤ん坊の父親に、息子の存在を知らせるのだ。その父親とは、職場の上司でもあるハンサムなアレックス。だが独り身を楽しむ彼が小さな息子を引き取るとは思えないので、たとえ貧しくても私が愛情をいっぱい注いでこの子を育てるつもりだ。ところが、事態はサマンサが思ってもみなかった方向へと動く。アレックスが裁判を起こして彼女から親権を奪ったうえ、息子の世話係兼ベッドの相手として、便宜結婚を申し込んできたのだ! ■新作家テレサ・カーペンターのデビュー作をお届けします。仕事場では上司と部下、私生活では天使のようにかわいい赤ん坊の父親と伯母。そんな二人が、過去のトラウマと愛のジレンマを乗り越え、行き着く先は? 絶対に見逃せないベビー&シンデレラストーリー。
  • プレイボーイと結婚?
    -
    傲慢なプレイボーイの彼にとって永遠の関係は忌むべきものなのだ。■キャスリンは従兄に連れられ、彼の勤め先の社長、ジョエル・ケンドリックの自宅に向かった。コンピュータの具合がおかしくなったので、サポートしてほしいと頼み込まれたのだ。捨てられた愛人が腹いせに、重要なデータを壊していったらしい。従兄の話によれば、ジョエルは狼のような男で、ほしいと思った女性は必ず手に入れなければ気がすまないという。石造りの大邸宅に着くと、キャスリンは書斎に案内された。目の前に現れたのは、堂々たる長身の精悍な男性。射抜くような青い瞳に見つめられたとき、キャスリンは直感した。この人のそばにいるのは危険だ。一刻も早く仕事を終えて、餌食になる前にここから逃げなければ。
  • チェス盤の上の恋
    -
    助けた少女の父親は初恋の相手――チェス盤の上の駒のように人を操る男だった。■消防士のリーザは、火事から女の子を救出する途中、怪我を負って病院に運びこまれた。やがて目を覚ましたリーザは、ベッドのわきに立つ男性に気づいた。従姉の前夫、十代のころから憧れてきたジャッドだ。聞けば、リーザが救った女の子はジャッドの娘だという。従姉からはひどい男だとさんざん聞かされていたが、ジャッドは今でも体が震えてしまうほど魅力的だった。ああ、どうして私が助けたのが彼の娘でなくてはならなかったの?こんな偶然から、はるか昔の恋を思い出してしまうなんて。運命を恨みつつも、ふとしたことからジャッドにキスされた瞬間、リーザは自分の本当の気持ちを悟った。このままジャッドと突き進みたい。どんな危険を冒すことになっても。
  • 幸福の秘訣
    -
    ささいな疑念に断ち切られてしまうほど、二人の絆はもろいものだったのだろうか?■アンナとオリヴァーは旅先のアイルランドで出会った。お互いに一目惚れし、結婚の約束を交わして、イギリスに戻る。ところが、オリヴァーの父、エドワードはこの結婚に大反対。アンナを財産目当てだと決めつけた。それでも意思を貫き、結婚した二人だったが、固いはずの絆が思わぬことからほころびだした。アンナが、結婚式に出られなかった兄と会っているのをエドワードが目撃し、オリヴァーに告げ口したのだ。アンナが見知らぬ男と会っていたと。兄をアンナの元恋人だと思いこんで責めるオリヴァー。私たちは信頼し合っていると思っていたのに。このまま修復不可能な亀裂が入ってしまうの?失望するアンナを、エドワードのとどめの一言が待っていた……。
  • 嵐に閉ざされて
    5.0
    やっとの思いでたどり着いた義兄の家に、彼女が求めていたぬくもりはなかった。■セアラは幼い娘と息子を連れ、嵐の夜、亡夫の兄ジェドを訪ねた。山の中にある家にやっとの思いでたどり着いたというのに、義兄は留守――疲れ果てたセアラは途方に暮れた。出産を間近に控えた体で仕事を失い、住む家もなく、夫がギャンブルで残した多額の借金の返済を迫られている今、セアラが頼れるのはまだ会ったことのないジェドしかいない。やがて玄関の鍵があいていることに気づき、三人は静まり返った家に足を踏み入れた。深夜、少し離れたところにあるアトリエから戻ってきたジェドは、見知らぬ侵入者が弟の妻だと知ったとたん、敵意もあらわに追い出そうとした。この嵐の夜に弟の妻と子供をほうり出すなんて……いったいなぜ?
  • 裏切られたシンデレラ
    4.0
    勝ち取ったはずの信頼を、どうやって取り戻すというの?■ジョシュは実利主義者だった。人生の一大事である結婚ですら、彼にとってはビジネスの一環にすぎない。そんなジョシュに、またとない結婚話が持ちあがった。メディア界を牛耳る大会社の買収に際して、その会社の社長ガウアーの出した条件の一つが、娘との結婚だったのだ。あいにく、ガウアーの娘は、愛のない結婚など認めないタイプらしい。女をなびかせるのならお手のものだと、ジョシュはほくそ笑む。だが、事情を知らない娘、ウェンディに初めて会ったとき、ジョシュはあまりに無垢な純粋さに触れ、罪の意識を覚えた。しかも、ウェンディは会った瞬間、ジョシュに惹かれたように見えた。今さらあとには引けない。それに、彼もウェンディに惹かれていた。しかし、二人が晴れて結婚したあと、最悪のタイミングで、ガウアーとジョシュの密約がウェンディに知れてしまうことになった!
  • 小さな奇跡
    4.0
    子供が産めないことを告白したら、また捨てられてしまうの? 看護師のモリーは勤め先の病院に突然現れた医師を見て息をのんだ。5年前に私を手ひどく振り、ほかの女性と結婚したルーク!妻を亡くし、メルボルンに戻ってきたと聞いていたけれど、まさかこの病院に復職してくるなんて……。ルークと再会するときは幸せに光り輝く自分でいようと決めていたのに、彼と別れたあとに結婚した男性とは、つい先ごろ離婚したばかり。破局の理由は、どうしても子供が授からなかったから。悲嘆に暮れるモリーは、ルークもある苦悩を抱えていることを知り、切なさのあまり衝動的にベッドをともにしてしまった。これは着地点のない、今だけの関係だとわかっていながら。■HQロマンスでも大活躍するキャロル・マリネッリが描く愛の復活の物語をお贈りします。5年を経て再会したヒーローとヒロインは、お互いに明かすことのできない秘密を抱えたまま関係を深めて……。ヒロインの身に奇跡が起こることを祈らずにはいられない作品です。
  • 平日だけの恋人
    -
    バーバラは派遣社員。お金を貯めては旅行に行く自由で気ままな暮らしを楽しんでいた。それが、幼なじみのチャールズの仕事を引き受けて生活は一変。彼の臨時秘書として多忙な毎日が始まった!チャールズはソフトウェア会社を興し、ビジネスの世界で成功した切れ者だ。ハンサムな彼の女性関係は華やかで、ガールフレンドはめまぐるしく入れ替わる。誰もがチャールズの言いなりで、逆らう者などいなかった。ただ一人、バーバラを除いては。彼女だけはチャールズを恐れていないように見えた。でも本当は、そんなバーバラにも秘密があった。初めて会った日から、ずっと彼が好きだったという秘密が…。
  • 古城が呼ぶ愛
    4.0
    南フランスの古城に待つ、過酷な運命、そして真実の愛。 おばあさまが亡くなった? ローラは突然の訃報に驚愕した。知らせに来たニック・ヴァルフォールは祖母の再婚相手の孫で、南フランスで高級リゾートホテルを経営しているという。愛する祖母は、ローラがまだ幼いころ再婚し、渡仏したのだが、親戚一同はなぜかそれを祝福せず、以後は疎遠になってしまった。ローラは祖母を奪った再婚相手を子供ながらに憎く思い、ニックも彼女の一族は薄情で冷たい人間だとずっと思っていた。だが、両家の間にわだかまる長年の誤解を解いていくうち、いつしかローラは、ニックを強く愛し始めてしまう。彼には、もう何年も行方不明の妻がいると知りながら。 ■ハーレクイン・イマージュを代表する人気作家R・ウインターズは、“大きな愛で読む人の心を潤す作家”として長く愛されてきました。美しい南フランスを舞台に、祖母の過去やニックの妻にまつわる謎、そしてローラの切ない恋に引き込まれ、思う存分涙してください。
  • 情熱の結晶と愛なき婚礼
    4.0
    慰められるまま一線を越えたあの日、彼女は純潔と、愛される自信を失った。 長年の恋にやぶれ、涙に暮れていたプリンセス・リリは、モンテドーロ公国のプリンス・アレックスに慰められた。ふだんは冷たく、ろくに口もきかない彼の意外なやさしさに、リリは初めて心を……そして、身を許した。ところが、夢のような情熱の時を過ごしたのもつかのま、彼はもとのよそよそしい態度に戻り、彼女を突き放した。失意のなか自国へ戻ったリリを、さらなる衝撃が待っていた――なんと、アレックスの子を身ごもっていることがわかったのだ!両家の話し合いの結果、彼との結婚を余儀なくされ、リリの心は沈んだ。この先も、あの冷酷なプリンスに愛してもらえるとは思えなくて……。 ■名門ブラボー家の恋物語を描いたミニシリーズ〈都合のいい結婚〉の最新関連作第2弾です。前作『王子と孤独なシンデレラ』にも登場したアレックスとリリが、予期せぬ妊娠をきっかけに結婚。けれど、リリがいくら愛を望んでも、アレックスは無視するばかりで……。
  • 悲しみが償われるとき
    -
    この美しい庭で彼と結婚式を挙げる。それがわたしの夢だったのに。 訪問看護師のアニーは派遣先の古い屋敷に現れた男性を見て驚いた。スローン・ホーキンス! どうして彼がここに?12年前、彼は高校の卒業記念パーティの夜に突然この町を去った。彼だけが心の支えだったわたしをごみのように捨てて……。今やスローンは警備保障会社を立ちあげて成功をおさめ、体調が悪化している伯母の見舞いのために帰郷したという。女手一つで11歳の息子を育てているアニーの心は千々に乱れた。再び目の前に現れて、わたしを優しく抱きしめるのはやめて!さもないと、真実を口にしてしまいそうだから――息子の本当の父親はあなたなのよ、と。 ■隣人だったシャロン・サラの影響で作家の道を志したというのもうなずける感動作。12年を経てやっと再会した二人の、愛と奇跡の物語をお楽しみください。
  • 運命のエトランゼ
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    無垢なイギリス娘がいだく、異国の谷の主への恐れ、そして愛。 ジョアンナがオーストラリアに着いたとき、妹はもういなかった。一緒に暮らそうと誘っておきながら、既に旅立ったというのだ。妹を追う旅費もない今、住むところを探すしかないジョアンナは、“ねむの木の谷”と呼ばれる美しい領地にそびえる、名士コレイン家の屋敷で住み込みの仕事に応募した。だが、傲慢で荒々しい気質の家長アダムはジョアンナの採用を渋る。色白で華奢な彼女を「ブティックの売り子のほうが似合う」などと言って見くびり、家政婦の仕事は無理だと決めつけるのだ。ジョアンナはなんとか2週間の試用期間を勝ち取ったが、アダムは彼女を追い出したくてたまらないかのように意地悪で……。 ■イギリス人は昔から、オーストラリアの広大な土地に憧れを抱いてきたといいます。V・ウィンズピアの今作は、クイーンズランド奥地の牧場や未開のジャングルが舞台。荒々しくも美しい、男の中の男とでもいうべきヒーローが無垢な英国娘を奪い、そして守るのです。
  • つらい再会
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    次々と降りかかる不幸。そのどん底で、あなたの懐かしい瞳に出会えたけれど……。■外科医志望のハンサムな青年アンドルーと出会ったとき、エリーは十七歳になったばかりだった。誕生日パーティーで酔った男に絡まれていたところを威厳あふれる態度で助けてくれたのだ。彼女はたちまち恋に落ち、アンドルーの深い愛情に包まれた。だが、しだいにアンドルーのあまりにも一途な愛を窮屈に感じ、挙式直前に別れてしまった。あれから十二年。エリーはシングルマザーになっていた。娘ヘッタが重病にかかり、暮らしはますます苦しい。そんな中、ヘッタの医師としてアンドルーに再会し、エリーは思わず彼の腕の中で泣きじゃくった。
  • 恋の鍵はボスの手に
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    やっと逃げ出したのに、私は再び、悪夢に続く扉を開けた。■ある会社のタイピストに応募したヴィッキーは、経歴と能力を買われて社長秘書に推薦され、社長との面接に臨んだ。社長のマックスを一目見た瞬間、彼女は衝撃を受ける。かつての恋人ショーンにうり二つだったのだ! 魅力的なのはうわべだけ。実は身勝手で乱暴で、ヴィッキーをずっと苦しめてきたショーンに。彼は少し前に交通事故で亡くなり、地獄のような日々は終わりを告げたが、今、目の前にいる男が、ショーンの双子の兄だとわかる。知らず知らずヴィッキーはかつての恋人と同じ瞳に魅せられていた。彼の瞳を見ていると、抗いようもなく溺れそうになる。だめよ! マックスのもとで働くのは地獄の再現を招くようなもの。彼女は仕事を断り、マックスもそれを受け入れたかに見えたが……。
  • スキャンダルの夜
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    野望、駆け引き、罠――そんなものが渦巻く中ではたして愛を守ることはできるのだろうか?■すべては、三枚の衝撃的な写真から始まった。写っているのは、セクシーな女性とハンサムな男性。二人がとっているポーズはあまりにも扇情的だった。男性はマシュー・リオダン、そして女性はレイチェル・ブレア。舞台は、先日社交パーティが開かれた大邸宅の一室だ。その写真が、実業界の大物であるマシューの父親のもとに届いた。送り主の名はなかったが、マシューはレイチェルと決めつけ、激怒した。僕はあの女にはめられたに違いない。これは間違いなく脅迫だ!マシューは抗議の手紙をそえて、写真をレイチェルに送りつけた。写真を公にされて困るのは君のほうだ、と。一方、それを見たレイチェルは、マシュー以上にショックを受けた。彼は私を罠にかけたの? だとしたら、いったいなんのために?レイチェルの思いは先日のパーティに飛んだ。あの夜、マシューは……。
  • 夜空に赤い薔薇を
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    正反対の生き方なのに似ている……。そんな二人が夜空に夢を打ち上げた。■若くして銀行の支店長を務めるジェーンは、仕事で認められることを生きがいにしていた。その日、いつものように銀行のオフィスに向かうと、花火師のギルが待っていた。トレーラーハウスで旅をしながら、イギリス各地で花火のショーをしているという。ショーの規模をもっと大きくしたいと願う彼のローンの申し出は断ったものの、ジェーンはギルの自由な生き方まで否定しきれなかった。夜、ジェーンはギルに誘われるまま、花火を見に行った。そして夜空をキャンバスに花火を打ち上げるギルの姿を見たとき、ジェーンは自分のなかにも、きらめく火がつくのを感じた。わたしは世間の常識ばかり気にして、大切なものを忘れていたのかもしれない。黄金の光が降り注ぐなか、ジェーンは夜空を埋めつくす花々の魔法にかかっていた……。
  • 炎より熱く
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    ある朝、ジェシカは社長のブルーノに呼び出された。会社をいくつも経営し、多忙を極める彼に会うのは、これが初めてだ。尊大だという評判からジェシカがイメージしていたのは、太りぎみの中年男だった。だが、実際のブルーノは若々しく、ハンサムで、贅肉一つない引き締まった体をしていた。でも、こういう男にこそ用心しなければ。私には恋よりもキャリアのほうが大切なのだから。ブルーノの用件は、訴訟で彼の弁護をしてほしいというものだった。彼の魅力に惑わされず、職務を遂行しよう。そう心に誓ったはずが、打ち合わせのたびに調子を狂わされる。そして、いつの間にかジェシカは、彼の動きをいつも目で追うようになっていた。
  • ときめきパラダイス
    -
    きまじめかと思えば夢見る少女。彼女を恋する女性に変えるのは誰?■ルイーズがシャワーを浴び終えたちょうどそのとき、玄関のベルが鳴った。慌てて部屋着をまとい玄関へ走ると、長身の男性の青い瞳が愉快そうにきらめいている。「おや、きみは誰?」「わたしが誰か知らないで、よくベルが鳴らせるわね?」ルイーズは自分の格好を意識しながら、むきになった。彼は兄の友人のカメラマンで、リチャードだと名乗り、二週間ほど家に泊めてほしいと言う。ルイーズが一緒に暮らす兄のニールは、動物学者で、仲間を家に連れてきては泊めるのが好きだった。彼女は高校で歴史を教えながら、そんな兄の面倒を見る、今の生活に満足していた。だが、ニールはしばらく家を空けていて、いつ戻るかわからない。リチャードを泊めるなんて問題外だわ。彼女は目の前の、日に焼けたたくましい男性に視線を走らせた。それに、男は今のところ、わたしにいちばん必要ないものだもの!
  • シンデレラの結婚
    -
    ペタの人生は危機にさらされていた。伯母が残してくれた土地や財産が、従兄に奪われそうなのだ。阻止するには、数日以内にわたしが結婚するしかない。そうすれば財産を無条件で相続できると、遺言書にはある。そんなことは無理だとあきらめかけたとき、ペタは従兄のオフィスが入っているビルのオーナー、マーカス・ベンソンに出会った。彼はどういうわけかペタに興味を持ったらしく、事情を話すと、信じられない言葉を口にした。「だったら、僕と結婚すればいい」
  • 涙色のほほえみ
    3.5
    報われなくても、傷ついてもかまわない。この想いで彼の心が癒せるなら―― 母を亡くしたばかりのアビゲイルには、早急にお金が必要だった。看護師として働いていた病院は母の看病のために辞めていたし、少しずつ切り崩していた貯金も、葬儀代で底をついてしまったからだ。そしてオランダでの仕事で会ったのが、ファン・ワイケレン教授だった。外科医の彼は容姿端麗で、聞きほれるほどすてきな声の持ち主だ。ただし、目にも口調にも温かみはなく、彼女を嫌っているようだった。でもどんなにうとまれても、彼に会うと胸はどきどきしてしまう!教授は昔、誰かに傷つけられて、冷たく気難しい人になったという。彼がまた人を愛せるよう、私が役に立てればいいのに。だから今日も、アビゲイルは涙を隠してほほえみつづけた……。 ■恋を知らないヒロインは、クールな外科医のヒーローの態度にとまどいながらも、惹かれる気持ちを止められません。実は彼が次から次へと患者を紹介して、彼女をそばに引き留めようとしているとは思いもせず……! 『咲かない薔薇』『指輪のゆくえ』の関連作。
  • 社長秘書はナニー ブルースターの忘れ形見 I
    -
    昼は秘書、夜はナニー。独身社長との奇妙な関係。 名門ブルースター家の会社で社長秘書を務めるクレア。ある日、敬愛する社長が不慮の事故で亡くなり、この2年間疎遠だった3人の息子たちに会社が遺されることになった。さらに彼らには、生後6カ月になる三つ子の赤ん坊も遺されていた!ブルースター3兄弟にとって、幼い異母弟妹の存在など寝耳に水だった。その狼狽ぶりに、クレアは思わず赤ん坊の世話の手伝いを申し出たが、美しくも冷たい瞳の次男エヴァンににべもなく断られてしまう。彼は新しいボスなのに、うまくやっていけるかしら……。不安を抱え帰宅した夜、なんとエヴァンから電話がかかってきた。「紙おむつのつけ方はわかった。だが、泣きやまないのはなぜだ?」 ■翻訳者や編集者にもファンの多いS・メイアーの3部作ミニシリーズ第1話をお届けします。独身を謳歌する3兄弟に突然降って湧いた“赤ちゃん”騒動。会社では社長と秘書でも、赤ん坊の世話となれば指示するのはヒロインのほう。そんなふたりの恋の行方やいかに?
  • 天使たちの休日
    -
    あの日バカンスを楽しんでいたのは、聖夜を待つ天使だったのかもしれない。■思いきりリラックスして、傷ついた心を癒したい。シーアはただそのためにクレタ島にやってきた。しかし、隣のヴィラで休暇を過ごす男性から、思いがけない話を持ちかけられた。知り合いのお節介から逃れるために、今だけ婚約者のふりをしてくれないかというのだ。リースは親切だし、とても魅力的な人だ。ちょっとしたお芝居を楽しむのも、悪くないかもしれないわ。だけど彼の隣にいると、なぜか本当に胸が高鳴る。このときめきが終わらなかったらどうしよう?
  • 一日だけの結婚
    -
    理想的だったはずの取り引きが、いつのまにか二人を苦しめることに。■こうなったら逃げるしかない。シドニーは豪華なパーティ会場から衝動的に姿を消した。父親の設立した会社を取りしきっている人物が、おおぜいの客を前に、自分との結婚を勝手に発表したのだ。行くあてもないシドニーはヒューという男性に助けられる。彼から、ある女性につきまとわれて困っているという話を聞くや、シドニーの頭にすばらしいアイデアが浮かんだ。私たち、恋人同士のふりをすればいいんだわ。無邪気な彼女は、その先に待つ悲しみが予想できるはずもなかった。
  • ひとりぼっちに終止符を
    -
    彼に恋することで孤独を忘れ、彼を愛することで孤独を知った。 天涯孤独のサリーは幼いころから里親のもとを転々として育ち、誰からも養子にしてもらえなかったことが深い心の傷となっていた。そんな彼女は18歳のとき、最愛の恋人トムに一方的に捨てられ、無惨に終わった恋を忘れるために異国へと旅立った。いつか彼と温かい家庭をと夢見ていたのに、またひとりぼっち……。7年後、故郷に戻り助産師として働くことになったサリーを、避けては通れぬ試練が待っていた――敏腕ドクター、トムとの再会が。憎いのに愛しい彼。でも、もうこれ以上傷つきたくない。何年も練習してきたとおり、彼女が冷たくよそよそしい態度で接すると、それがトムの傲慢なハートに火をつけ、容赦ない誘惑が始まった! ■ハーレクイン・ロマンスの大人気作家サラ・モーガンはとても器用な作家で、このイマージュではひと味違うドクター・ロマンスを描いています。『片思いに終止符を』『失恋に終止符を』に続き、命の現場で働くハンター兄妹の恋を描いた第3弾をお贈りします。
  • 残酷な秘密
    -
    こんな恥ずかしい事実を愛する人に告白するなんて……。■ある日、サラは帰宅を急ぐあまり道路に飛び出し、危うく車に轢かれそうになった。運転していたのは紳士的な男性で、サラを家まで送ってくれる。その日のうちにお詫びの花束が届けられ、翌日彼が訪ねてきた。彼はジェイクといって、ペニントンの町の名士だった。鮮やかなブルーの瞳の、魅力あふれる男性だ。サラは生まれて初めて胸のときめきを覚えた。そして、ジェイクのほうもそれとなく好意を伝えてくる。だが、サラは自分にきつく言い聞かせた。彼に心を奪われてはならない。私には誰にも言えない秘密がある。男性と親密な関係になったら、その秘密を打ち明けないわけにはいかないのだから……。
  • 偽りの妻
    3.0
    楽しいはずの秘書の仕事。雇主がこれほど傲慢でなければ……。■珊瑚礁の島にある高級リゾートで、三カ月個人秘書を務める。派遣会社からもらった資料を見て、フルールはわくわくした。面接を受けるために、会場の豪華ホテルへ行くと、長身で強靱そうな体に、いかつい顔つきの実業家ブリン・ウォリスが待っていた。彼は射抜くような目でフルールを見るなり、荒いため息をついた。「君には無理だ。若すぎて未熟だ」いくらフルールが自分の有能さをアピールしても、ブリンはまったく聞く耳を持たない。それどころか、失礼な発言ばかりを重ねる。とうとう憤慨したフルールが席を立とうとしたとき、彼は突然、思いがけない言葉を口にした。「気が変わった。君さえよければ採用したい」
  • 妻という名の仮面
    3.0
    飾り物にすぎない妻に子供を産んでほしいですって?■モルガナは友人たちの羨望の的だった。とびきりハンサムで大金持ちの男性――スローン・モンゴメリーと結婚したからだ。だが実際のところ、その結婚はスローンに箔をつけるための冷酷な取り引きにすぎない。上流階級出身の女性を妻に迎えるかわりに、彼女の亡父が残した莫大な借金を引き受けたのだった。名目だけの夫婦生活を続けて半年ほどたったとき、スローンが思いがけないことを言いだした。二人の結婚を本物にして、僕の名前を継ぐ子供が欲しい、と。モルガナはパニックに陥り、顔をこわばらせた。恐ろしいほど狡猾な人! 本当の目的を今まで隠していたんだわ。
  • 失われた時間
    4.0
    彼はあの夜の出来事を覚えてもいない。私は彼にとってその程度の存在だったの……?■十三年前、メグに忘れられない思い出を残してサムは去った。友人の結婚式に出席するためふたたび町を訪れたサムの、何か苦悩を抱えているような表情がメグの記憶のなかの彼と重なった。あの夜、妻の死を伝えられて悲しみに打ちひしがれるサムを、十代のメグは慰めた。サムの悲しみが情熱に変わったとき、メグは彼を拒まなかった。彼を愛していたからだ。だからこそ、次の朝サムが何も言わずに去っていったことに傷つき、いまも彼に対して憤りと困惑を感じずにはいられない。「なぜ君が僕を見るのも我慢できないという態度をとるのか、わけを聞かせてもらおうか!」サムは本気で言っているの?それなら、ますます彼に真実を話すわけにはいかない……。
  • ずっと片思い?
    -
    仕事も恋愛も、すべてに完璧なプレイボーイ。彼にわたしの気持ちはわからないわ!■「へたな芝居はやめたらどうだい?」ジェイドは会ったばかりのカーティスの言葉に愕然とした。彼女とアンディが暮らすロンドンの屋敷に、屋敷の持ち主のカーティスが突然帰ってきたのだ。財閥の総帥であるカーティスは自分が国外にいるあいだに、ジェイドが財産目当てに弟に近づいたと疑っている。なんて失礼な人なの! わたしとアンディはやましいところのない、友人同士なのに。でも、それをわかってもらうには、ふたりの出会いから詳しく説明しないといけないけれど……。ジェイドが迷っているうちに、カーティスは心を決めていた。「もういい。弟ときみがどんな関係かは、ぼくも一緒に住めばわかるさ」いやよ、一族の体面を守るためなら手段を選ばないような人とは!たとえアンディには、まだわたしの支えが必要だったとしても……。
  • 恋する街角
    3.0
    「指輪の跡が消えるまで」リズ・フィールディング/泉 智子 訳■秘書のジェイニーは、上司のマークから突然、結婚を申し込まれた。マークが妻を亡くし、幼い娘と暮らしているのは知っている。彼が欲しいのは娘の面倒を見てくれる人。決して愛する妻ではない。そう知りつつも、ジェイニーは彼を見捨てるわけにはいかなかった。■「いくつもの夜を星の下で」ニコラ・マーシュ/泉 智子 訳■インドのゴアに住むクウシ。彼女は海辺でハリソンと会い恋に落ちた。彼はオーストラリアから来た医師で、一緒に国に帰ろうと誘う。だがクウシには残しては行けない、年老いたおばがいた。■「マンハッタンのシンデレラ」トリッシュ・ワイリー/泉 智子 訳■パーティ会場にカップケーキを届けに行ったエリンは、まさか自分が急病のモデルの代役になるとは思いもしなかった。しかも百万ドルのダイヤを身につけ、億万長者にエスコートされて。■三つの街を舞台に、イマージュの代表作家が、すてきな恋人たちのめぐり合いを描きました。ニコラ・マーシュの作品は「愛を知らない大富豪」(I-2107)、トリッシュ・ワイリーの作品は「マンハッタンの恋模様」(I-2071)の関連作ともなっています。
  • 王子と孤独なシンデレラ
    4.0
    孤独なシンデレラが愛した王子は、大きな秘密を抱えていた……。 二度も恋人に裏切られて男性不信に陥ったシドニーは、専門クリニックで子供をもうけ、独りで小さな息子を育てていた。ある日、同僚の結婚祝いを買いに訪れた百貨店で、高級服に身を包んだ、息をのむほどハンサムな男性に声をかけられる。驚くことに、ルールと名乗る彼は地中海の公国のプリンスだという。初めは戸惑うシドニーだったが、話をするうちにどんどん惹かれ、彼こそずっと夢とあきらめていた理想の男性だと直感した。やがて、息子にも会いたいと言う彼を自宅へ招待することにする。恋に舞いあがった彼女は、そのときまだ気づいていなかった――最愛の息子とルールが、とてもよく似た瞳をしていることに。 ■名門ブラボー家の面々の熱い恋を描く、C・リマーの大人気シリーズ〈都合のいい結婚〉の最新関連作をお届けします! 本作の主人公はブラボー家の血を引く大公家の次男ルールと、孤独なシングルマザーのシドニー。まるで夢のような恋には、落とし穴が潜んでいて……。
  • 永遠の愛を誓う日
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    美しい海辺の町を舞台に描かれる甘く切ない物語二編をお贈りする「永遠の愛を誓う日」。便宜的な花嫁と、再会に揺れる恋人たち。このうえなくロマンティックな作品です。どうぞお楽しみください。■「未来の花嫁」よし、あの女性に、ぼくの花嫁役を演じてもらおう!花嫁のブーケトスがサマンサという女性の手の中に落ちたとき、参列者の一人で不動産投資家イーサンは、名案を思いついた。彼には手に入れたい物件があるのだが、そのためにはどうしても便宜上の花嫁が必要だった。■「なくした恋の見つけ方」名家の出身で、現在町長のコルトン・セントジョンは苦悩していた。旧友の結婚式でかつての恋人、ヴィヴィアンと再会したせいだ。五年前、なぜ彼女は突然絶縁を宣言し、別の男性と消えたのか?しかも彼女は、今も自分を愛しているように思えてならない。なのに、彼女は頑として復縁を拒絶するのだ。
  • 年上の人
    4.0
    「きみは若すぎる」それが私を追い払う理由なの? 両親を事故で亡くした21歳のブリタニーは、遺された借金のせいで、学校を辞めて働かざるを得なくなった。看護アシスタントの資格があったおかげで紹介されたのは、イーサン・ソープという大学教授の父親を介護する仕事。高級住宅地にある白亜の豪邸を訪れ、イーサンと初めて会ったとき、ブリタニーの心はときめいた。なんて洗練された、すてきな人!看護経験の浅さを不安視されたものの、ブリタニーは採用され、ただひたすらイーサンの役に立ちたい一心で身を粉にして働いた。そんな想いが報われかけた矢先、彼女は残酷な言葉を浴びせられる。「もう仕事をしてもらう必要はない。出ていってくれ!」■新訳改題されたデビュー作『薔薇はつぼみのままで』で話題を巻き起こした往年の作家フィリス・ホールドーソン。待望されていた彼女の新作をお贈りします。かわいそうなヒロインにどうぞご声援を!
  • 仮面舞踏会の夜に愛して
    -
    素顔のままの二人では、愛は伝えられなくて……。 サリーは借金取りに追われる弟をともない、ベネチアへ逃れた。宿泊先で待ちぶせしていた男に襲われかけたところを、そのホテルのオーナー、ダミアーノ・フェローネに救われる。事情を知ったダミアーノはサリーと弟をかくまい、彼の広大な屋敷にしばらく滞在させてくれることになった。母親のいないダミアーノの息子はサリーによくなつき、サリーはダミアーノの醸し出す謎めいた魅力に惹かれていった。町がカーニバルに沸く夜のこと。彼はサリーに唐突な申し出をした。「僕と結婚して、息子の母親になってくれないか――」胸を躍らせたのも束の間、それは、ある取引としての求婚だった。■世界一美しい町ベネチアを舞台にした、L・ゴードンの新作です。作家本人が、バカンス先のベネチアで出会った男性とスピード結婚をしたのは有名な話。“事実はロマンス小説より奇なり”を生きる作家ならではの、極上の愛の物語です。
  • 思い出の海辺
    3.0
    ああ、彼は私のことをひどい愚か者だと思っている。■一緒に住んでいた兄が結婚するのをきっかけに、看護婦クリスティーナは生活の場をオランダに移そうと決めた。兄の婚約者に邪魔者扱いされて悩んでいたとき、ちょうど仕事を紹介してくれる人がいたのだ。希望に満ちてイギリスからオランダへとやってきたものの、現実はそうそう甘くなかった。院長のドゥアート・タ・ブラントは冷淡で温かみがなく、クリスティーナに対して何かと批判的な態度をとる。「君は美人でもないのに、ずいぶん自分に自信があるんだな」着任するや浴びせられた言葉に、彼女は怒りのあまり青ざめた。
  • 船上のウエディング
    -
    きみがぼくの妻になれば問題はすべて解決する。■元夫が南米で事故に遭って入院したという知らせが届いた。一年前に不実な夫との離婚は成立していたが、放ってもおけず、テリは十八時間かけてエクアドルに到着するや病院に急行した。元夫は意識不明の重体で、頭と顔に包帯を巻かれている。医師の指示で彼の脚をマッサージしようとしたとき、テリは人違いに気づいた。ベッドに横たわる男性は元夫の雇い主、大企業の支社長ベン・ヘリックだった!やがて意識を回復したベンの話によると、一緒に事故に遭遇した元夫は海の藻屑となったという。帰国しようとするテリに、ベンは驚くべき話を持ちかける。自分を追いかけまわしている女性を追い払うために形だけの結婚をしてくれないか、と。
  • 甘美な誘惑
    -
    報われない愛はもういや。これ以上、近づかないで……。■アラスデア・ドラモンドがどうしてここに?学生時代の憧れの男性がケイトの勤め先に突然現れた。近くに来る用事があって、急に会いたくなったという。ケイトは初めて会ったときからアラスデアに夢中だった。だが、アラスデアのほうはケイトを妹のようにしか思っておらず、卒業後に彼が海外へ行ったのを機に、疎遠になっていたのだった。今回、彼は国際的製薬会社のイギリス支社長として帰国したらしい。アラスデアとの再会に、ケイトは動揺した。またあんなふうに心をかき乱されてはたまらないわ。ケイトは冷淡な態度をとってアラスデアを追い払ったが、そのあと彼は何かにつけて現れ、彼女を誘惑しようとした。
  • 古城のウエディング
    -
    嵐の夜、海の向こうから君主を救うために美しい娘がやってきた。■“アメリカの石油王の娘メリル・ウインターズ嬢、イギリスのジャービス・ラーン卿と結婚か?”世界中の新聞の社交欄をにぎわせた報道の裏には、しかし、驚くべき真実が隠されていた。メリルは友人を助けるためにまとまったお金が必要だったが、結婚しない限り父親の遺産を相続できないと管財人に告げられた。そこで、名目だけの夫を求める新聞広告を出したところ、イギリスの子爵であるジャービスから応募があったのだ。さっそく彼の住む中世さながらの古城を訪れると、メリルはひどく冷淡な応対を受けて戸惑った。それでもメリルはビジネスとしての結婚を申し出たが、どういうわけかジャービスはその話題を嫌悪し、にべもなく彼女にアメリカへ帰れと言い放つのだった。
  • 真実は言えない
    2.7
    もう彼の愛を受け入れることはできない。あの忌まわしい秘密があるかぎり……。■初恋の男性との結婚、タヒチで過ごした二カ月のハネムーン、スイスのシャトーでの新婚生活――何もかも完璧なはずだった。トレーシーはジュリアンに身も心も捧げ、ジュリアンもまた長く抑えていた情熱を解き放ってトレーシーを愛した。だがシャトーに戻って四日目、死の床にあったジュリアンの父親がトレーシーに恐るべき事実を告げ、彼女を奈落の底へ突き落とした。ジュリアンを愛してる。でも一緒にはいられない。苦悩に引き裂かれたトレーシーは、黙って彼のもとを飛び出した。そして故郷のサンフランシスコで交通事故にあったのだ。五カ月の入院で外傷は奇跡的に完治、ショックによる記憶喪失も回復しつつある。ところが退院間際になってジュリアンが突然姿を現した。彼女をシャトーへ連れ戻しに……。
  • 春が訪れる前に
    3.0
    春まだ浅いモンタナの地で私はあなたのファーストレディになれるだろうか。■ステファニーとゲイブは、一年限りという契約で結婚した。上院議員であるゲイブの父親の再選キャンペーンを有利に運ぶために、そして、ゲイブが秘密に進めている計画をカムフラージュするために。一年後、ゲイブはステファニーに別れを告げ、どこかへ旅立った。上院議員もゲイブもそれぞれ望みを達成した。今度は私の番よ!十代のころからひそかにゲイブを思いつづけてきたステファニーは、探偵を雇って彼を追跡させる。これで例の秘密の計画もわかるはずだ。ゲイブの行き先は、なんと遠く離れたモンタナの牧場だった。いずれ大統領になるとまで言われた彼が、牧場経営?一年間ともに暮らしたのになにも知らなかったことに愕然としながら、ステファニーは一人、彼のもとに乗りこんでいった。なんとしても、いとしいゲイブを取り戻そうと……。
  • 愛のプロローグ シチリアの恋人たち II
    -
    あなたに出会うために私は生まれてきたの。あなたの愛を勝ち取るためならとことん闘うわ。■研修医として多忙な日々を送るアンジーは、仕事の合間をぬって次から次へと気ままな恋愛を楽しんでいた。そんなある日、親友のヘザーがシチリア人と結婚することに決まり、アンジーは花嫁付添人として彼女に同行することになった。雨のロンドンから太陽の光あふれるシチリアへ。久しぶりの休暇に、アンジーの心ははずむ。幸運にも、ヘザーに紹介された花婿の異母弟ベルナルドは、休暇中の短いロマンスを楽しむにはうってつけの相手だ。ベルナルドのほうも一目でアンジーに惹かれたらしい。周囲の心配をよそに、アンジーとベルナルドは急速に親しくなる。だが、このとき二人はまだ知らなかった。二人の間には容易に越えられない深い溝があることを。
  • 弔いの鐘のあとで
    3.5
    知っているのはお互いの名前だけ――だからこそ、ありのままの姿を見せ合える。■サブリナは一人イギリスを離れ、ヴェネチアにやってきた。自分の身に降りかかった悲劇を受け入れ、心の傷を癒すためだった。ゴンドラに乗った彼女は、運河のほとりに立つ男性に目を奪われた。見も知らぬ男性に惹かれるなんて、初めての経験だ。ヴェネチアに仕事でやってきたガイは、ゴンドラに乗っている美しい女性に強く心を引きつけられた。彼女がゴンドラを降りるのを待って、思いきってディナーに誘おう。見も知らぬ女性に声をかけるなんて、初めての経験だ。異国の地で出会った行きずりの相手に、一目惚れをすることなどあるのだろうか?だが、一夜を共にしたあと、ガイのささいな嘘を知ったサブリナは、逃げるように姿を消す。あとに残されたのは金のチェーンだけ……。それが、二人を再びイギリスで引き合わせることになった。
  • 奇跡の贈り物 シンデレラの舞踏会 VII
    4.0
    夢から現れた美しい妖精が奇跡の季節、孤独な男に届けたものは?■また彼女だ。シルクに包まれ、やさしく、甘く、くらくらするような女性の香り――いつも見る夢の断片。アレッサンドロは、クリスマスを前に今日もまた同じ夢を見た。顔が見えないから夢の女性が誰なのかわからない。彼は苛立ちを抑えるように、山荘の庭で一人、斧をふるった。そのとき、ふいに呼び止められた。「あの、すみません」振り返ると、女性がキルトの大きな包みを抱えて立っている。謎めいたまなざし。まるで妖精だ。女性は、車が故障して困っていると言った。雪は激しさを増し、このままでは山を下りられなくなるだろう。さっそく修理工場へ連絡して、彼女に急いで帰ることを勧めると、妖精の目元がダイヤモンドの滴のようにきらめいた。涙だろうか?アレッサンドロはなぜか彼女が自分に会いに来たのだと確信した。
  • 華麗なる変身
    -
    十二歳の孤独な少女の面影……。少女は今、美しい女性に成長した。■アラブの首長タレク・アル=カイマは、十一年前に出会った十二歳の少女セーラの面影を忘れられずにいた。セーラの父ドルー・ヒルヤードが競走馬の調教師と知って、タレクは四年前、持ち馬をドルーにあずけた。ところが勝てるはずの馬の成績がなぜかふるわない。やがてドルーの八百長が発覚し、タレクは彼の解雇を決めた。それを知ったセーラは、なんとか考え直してもらおうと、父のためにタレクを訪ねた。二十三歳の美しい女性に成長したセーラを見て、タレクは申し出た。一年の期限つきでセーラの父にもう一度チャンスを与えよう、と。ただし交換条件としてセーラはタレクの旅に同行する……。それはつまり、一年間彼の人質になるということだった。
  • 今もあなただけ
    3.0
    兄の親友であるブライスが姪の洗礼式に出席すると聞き、ジェネッサの心は激しく動揺した。兄は私とブライスが今回初めて顔を合わせると思っているけれど、実のところ十二年も前に出会っている。しかも、会った瞬間からお互いに抑えがたい欲望に駆られ、危うくベッドをともにしかけた……。その出来事はジェネッサにとって屈辱的な結果となったが、彼女はいまだにブライスを忘れられずにいた。洗礼式の日、ジェネッサは熱い情熱がよみがえることを願った。しかし、ブライスの顔に浮かんでいたのは怒りと蔑みだった。
  • 秘密を抱えた再会
    3.0
    あの日、使い捨てにされた私。もうこれ以上、傷つけないで! 看護師のルイーズは恋人の外科医ダニエルと結ばれた翌朝、君は僕の妻にはなれない、これは軽い“お楽しみ”だったと告げられた。ショックのあまり母国に戻るが、追い打ちをかけるように妊娠が発覚。彼女との結婚を望まないダニエルには知らせることなく、独りで産み、貧しいながらも懸命に赤ん坊を育てていた。息子が3カ月になり、仕事復帰に選んだ病院へルイーズが初出勤すると、そこには驚くべき人物が――なんとダニエルが勤務していたのだ!ルイーズが子育てをしていると人づてに知った彼は、なぜ秘密にしていたと責めるよりも、さらに残酷な言葉を口にした。「よかったね。僕のあとに、幸せになれる相手に巡り合えたんだね」 ■HQロマンスでも大活躍するC・マリネッリのシークレットベビー物語をお贈りします。ヒロインの息子の存在を知ってもなお、自分の子供とは思わないヒーローの傲慢ぶり。けれども彼はなぜ、わざわざ彼女の母国まで渡ってきたのか。感涙必至の傑作をご堪能あれ。
  • 初恋の残り香
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    愛なき結婚を控えた花嫁に、初恋の未練がよみがえる……。 名門アシュトン家の養子である長男との結婚を間近に控えたセア。愛のない政略結婚を受け入れたのは、家族のため、ビジネスのため。だが式の数日前、思いもよらない人物が彼女の前に現れた――元恋人で初恋の人、アシュトン家の正統な血を引く次男のジーク。父親の後継者に選ばれなかった8年前から、一族とは疎遠になっている。当時セアは、家を出る彼に、一緒に来てほしいと言われたが、やむにやまれぬ事情との板挟みになり、理由も言えずに断ったのだった。その後、彼は独力で実業家となり、今や父親の大企業をも脅かす存在だ。大人になった彼の色香に、そして彼が向けてくる意味深な強い視線に、セアは身も心も震わせた。ああ、彼はいったい、なぜ戻ってきたの? ■名門アシュトン家が養子を迎えた直後にこの世に生を享けたジーク。つねに“よそ者”という意識を持ち、周囲からも放蕩息子と思われ生きてきた彼が長年の音信不通を経て現れたのは、憎き父と渡り合うため? それとも血のつながらない兄からセアを取り戻すため?
  • 星の降る夜
    3.0
    運命の恋人だった夫を失って五年。再び人を愛することは許されるのか?■姉が子供を産もうと計画している。しかも会ったばかりの男の。相手のジョーは有名な風刺漫画家で、プレイボーイだという噂だ。このままでは姉の不幸は目に見えている。絶対に阻止しなければ!ジョーの自宅を急襲したリディアは一気にまくしたてた。彼は皮肉たっぷりに応じたあげくに言った。「きみも僕とベッドをともにしたいのかい?」怒り狂っていいはずなのに、なぜか悪い気がしない……。最愛の夫を事故で失って以来、初めてのときめきだった。でも姉を裏切ることになる。ましてこんな男を許すなんて!幸い翌日から仕事でシドニーを離れなくてはいけないリディアは、その間に心を静め、ジョーを完全に忘れるつもりだった。ところが、目的地で彼女を待っていたものは……。
  • 夫の条件
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    惹かれてはいけない。そう思うほど、会いたくて……。■その日、修道院を取材に訪れた雑誌記者のフランが会ったのは、男性的で整った顔だちの、まだ三十代の修道士だった。彼は、フランが会うはずだった修道院長の体調が悪いため取材はまたにしてほしいとことづかってきたと言う。なのに、フランはなぜかそのまま帰ることができず、もっと話していたくなった。そんなフランに、彼は冷たく言った。「きみは修道士を女の魅力でからかいに来たのか?」フランは怒って修道院をあとにした。あんな人、二度と会いたくない。だが、しばらくしてその修道士から雑誌社に電話が入った。「取材に応じたい。いますぐ来てくれ」いったい何様のつもり? でも、どうしてしまったの?あんなに失礼な彼からの連絡に、わたしの心はときめいている。これは恋? だけど、彼は修道士。許されるはずがないのに……。

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