国内ミステリー作品一覧
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-四月の雪の日、あたしは生き返らなかった。 舞台は、東京・中目黒にある瀟洒なシェアハウス(Bハウスと名づけられている)。ここには五人の男女が住んでいる。「樅木照(もみのきひかる)はもう死んでいた」――という衝撃的な一行からこの物語は始まる。しかも死んだはずの照の意識は今もなお空中を、住人たちの頭上を、「自由に」浮遊している。五人の住人やこの家を管理する不動産屋の担当者の隠された内面が、照の死によって次第にあぶりだされていく。 《Bハウスのひとたちは自分以外みんな、不自由だと照は感じていた。あたしの死によって、気の毒なことにあのひとたちはさらに不自由になってしまったらしい。》 《みんなが照を嫉んでいたにちがいない。みんな不自由だったが、照は自由だった。俺も彼女が嫉ましかった。でも、俺は殺していない。じゃあ、誰だ?》 《あの日、あのことをはじめたのは自分だった。ただ、はじめたときに悪意があった。悪意の正体は嫉妬だった。》 著者の新境地をひらくミステリー&恋愛小説の傑作。
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-大好きなジンベイザメを見に水族館へやって来た律子。娘の佑香、夫の佑一郎と共に楽しんでいると、館内に「迷子のお知らせ」が流れた。青いジャンパーに青い野球帽、七歳の男の子…。その後、何度も何度も繰り返される放送。こんなに見つからないなんて、事件の可能性もある? 律子の顔が、探偵になった。(「第三話 水族館」) 子供連れならではの潜入調査とキラリと光る推理力。ベビーカーを押しながらの異色探偵・律子の活躍を描いたライトミステリ。電子オリジナルの連作短篇集。 ・第一話 フクロウの置物 ・第二話 あの子に会いたくて ・第三話 水族館 ・第四話 いちばん幸せな場所 ●松村比呂美(まつむら・ひろみ) 1956年福岡県生まれ。オール讀物推理小説新人賞最終候補作2作を含む『女たちの殺意』(新風舎)でデビュー。著書に『キリコはお金持ちになりたいの』(幻冬舎文庫)、『鈍色の家』(光文社文庫)、『終わらせ人』『恨み忘れじ』(角川ホラー文庫)、『幸せのかたち』(双葉文庫)などがある。
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-元警視庁の刑事が殺された事件と、昭和三年に満州で起きた暗殺事件の関係は……驚くべき昭和史の内幕が明かされていく 十年前、何者かに刺殺された父の墓参りに訪れた寺坂健吾。彼は、墓地で増渕という老人と、その孫娘の美奈子に声をかけられる。老人は、元警視庁の刑事だった寺坂の父に命を救われたことがあるといい、真犯人を探し出す手伝いを美奈子にさせるという。寺坂の父が現職時代に関わった事件の中で、中国人と思われる二人の人物が殺害されたものがあった。これが父の死に深い関係があると知った寺坂だが、当時の調査を続けるうち、昭和三年に満州で起きた中国要人暗殺事件とのつながりにも気づく。昭和史の常識を覆す父の死の真相と真犯人とは…。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
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-それは一本の電話から始まった……失われた記憶をたどって過去が亡霊のように甦る 警察を退職して警備会社に勤める渡会栄治は、ある朝見知らぬ女からの電話で起こされた。その女、大友康子の夫が十四年前に渡会に世話になったという。しかし康子の話はどうも要領を得ない。夫がどんな名前でどんな人間だったか調べて欲しいというのだ。気になった渡会が康子に会いにいくと…。失われた記憶に過去が錯綜する「流れ藻」を始め、9本の短編を収めたミステリ短編集。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
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-恋人に捨てられ、傷ついた心の隙間に忍び込む殺意 恋人に捨てられ、傷ついた心に芽ばえる殺意。もう戻って来ない楽しかった日々と訣別するため、女は完全犯罪を計画する…。微妙に揺れ動く女心の翳りを描く表現作「ころす・の・よ」をはじめ、暑く重苦しい夏の殺人事件と蛍を象徴的にからませた「暗い光」、スリラー仕立ての「阿美の女」、日常生活の盲点を突く「盲点のひと」など、本格推理の佳作を七編収録したミステリ短編集。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
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-「絹代さんを殺したのは、わたしの兄です」突然訪問してきた雪子と名乗る若い娘はそう語った 二年前、何者かに毒殺された水島絹代。彼女の家を、犯人の妹だと名乗る娘が訪れた。犯人は自殺し、殺人を告白した遺書が残されていたのだと語る。しかし、その男と被害者を結ぶ糸はどこにもない。なぜ彼女は殺されたのか? 絹代の兄である浩一と謙二は謎を追ううちに、過去に起きた北見沢泰子という女性の飛び降り自殺との関連性に気付く。そして、地蔵の影をともなって、悪夢がよみがえってくる…。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
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-万人に公開されていながらなお不可解な「レーニンのミイラ」を巡る謎とは 八重浜健(やえはま・たけし)はモスクワにあるレーニン廟見学者の長蛇の列のなかにいた。何かしらとほうもなく威圧的できびしい雰囲気。その過剰なほどの警備は、社会主義国家・ソビエト連邦の“聖地”を如実に示す光景だった。このモスクワで、八重浜の祖父も父も、レーニンのミイラに何らかの関係があるという「暗号文」を追い、そしてそのせいで消されてしまった。そんな思いが彼の中にあった。遺された暗号文を解読するため動き出した八重浜だが、やがて暗殺者の手がのびて…。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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-血塗られた大一揆、四枚の秘句に託された財宝、そして守護大名の暗殺に命を賭ける女の執念 一四八八年(長享二年)、加賀の守護大名富樫氏と、加賀の国人門徒・坊主を中心とする農民門徒の連合勢が対決した一向一揆。富樫方を相手に血で血を洗う一揆が続く中、ひたすら富樫政親の命を狙うことだけに執念を燃やす女、奈辺君(なべぎみ)の鮮烈なる生き様。さらに秘文に隠された李王朝の財宝を巡って繰り広げられる、ミステリアスな争いを描く。歴史長編ミステリ大作。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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-社会主義国で殺された恋人の無念を晴らすため、日本人青年が単身乗り込んで調査にあたる ガラス工芸に生きる大浜海多は、恋人・磯西数子の突然の心中事件を知った。場所は数子がガラス器製作の研修で訪れていたチェコスロバキアの首都プラハで、しかも相手は親友の中務秋男だった。数子への追憶を胸に、遺骨引き取りにプラハへ行った大浜は不審な点に気づき、事件を調べ始めたが、警察権力の壁に行く手をはばまれる…。 圧殺された“1968年の春”以後のプラハを舞台に、権力者の腐敗と庶民の沈黙の底に流れる世界を鋭く抉る。第30回日本推理作家協会賞長編賞候補作品。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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-伯父の女性遍歴はただならない、ましてや彼女たちのほとんどが不審死を遂げている 『源氏物語』研究の権威者である大学教授・洞院一史が起こした交通事故。彼は一命を取り留めたが、同乗していた若く美しい教授夫人はこの世を去った…。洞院家に居候している姪の京子は、事故に疑問を抱き、恋人の黒鍬文夫とともに伯父の過去を探っていく。やがて暴き出されたものは、醜悪な女出入りだった。本妻を三度も事故で失い、また数々の女たちが疑惑につつまれて死んでいた。光源氏を地で生きた、世にもまれな殺人鬼に挑む京子だが…。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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-昭和三十五年六月、東京・本郷の古書店に、日中戦争末期、中国・重慶政府からの和平交渉 代表として来日した中国人繆斌(みようひん)の文書が持ち込まれた。 戦局が日本に決定的に不利となった昭和十九年後半、ときの小磯内閣は戦争終結策に苦慮していた。終結のためには、南京の汪兆銘政権を通じて重慶の国民党政府との交渉が必要であった。だが、繆斌の取扱いをめぐって閣僚の意見が分裂、内閣総辞職に追いこまれてしまったのだ。 繆斌の文書からは重慶側の秘密政治警察である軍統局長・載笠(たいりゆう)将軍とのつながりが認められた。彼は藍衣社の首領で、蒋介石の最側近と目されていた。さらに文書には国民党軍の最長老で終戦後は台湾に健在であったM将軍の走り書き程度の通信文が存在し、文書にもM将軍の名前が頻出していた。 日本との単独講和を策した繆斌の真の狙いは何か? 載笠がわが身の将来のためにM将軍とひそかにつながりをもつことも策謀家としてありうることだ。日本との単独講和を強行して蒋介石を権力の座からひきずりおろす。当時の中国では〈このおれにだって天下は取れる〉と自負していた政客は十指にあまる。M将軍もそのうちの一人にかぞえられる。 終戦翌年五月、繆斌は漢奸裁判の死刑第一号としてあわただしく処刑された。載笠も飛行機事故で死んだ。この問題はついに解明されず、近代史の大きな謎?として残った。 この歴史推理小説はあくまでも著者の創造である。忠実にもとづく創造をもって、歴史に埋もれた真実に近づく努力は必要であろう。
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-脚本界の名匠、入魂のエンタテインメント巨編 「年上の女が憧れなんスよ。駄目ですか。ラブしてくれませんか」 周囲の大事な人が次々と死んでいったことから、死神と呼ばれてきた人妻、斎(いつき)。冷え切った夫との生活に倦んでいた時、しなやかでいて荒々しい筋骨と濃密な体臭をまとった男・志田に出会う。 思いがけず落ちた年下男との恋、そして第三の男の登場。天国とはかくやと酔いしれる斎。しかしその恋と性愛が巻き起こしたさざなみは、次第に大波となって、裕福な病院長一家に集う女たちを巻き込んでいく――。その果てに惨劇と憎悪の宴が幕を開けた! 氾濫する美意識と諧謔で描く、生と性、死と詩のジェットコースター・ロマンス小説! ※本作品は、週刊文春、Kindleで連載された「真・天国の恋」を改題、大幅に加筆修正したものです。
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-家族を何者かに惨殺された過去を持つタケルは、クチナワと名乗る車椅子の刑事に、極秘の捜査チームへ誘われる。早速、“本社”と呼ばれる組織が麻薬売買目的で企画する音楽イベントへの潜入を命じられたタケルは、会場で二人の若者――中国残留孤児三世としての鬱屈を抱えるホウ、復讐のためイベント企画者の恋人を演じる美少女カスミ――と出会う。孤独な潜入捜査班の葛藤と成長を描く、エンタテインメント巨編! ※本電子書籍は「生贄のマチ 特殊捜査班カルテット」「解放者 特殊捜査班カルテット2」「十字架の王女 特殊捜査班カルテット3」の3冊を合わせた合本版です。
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-神戸八角堂「移情閣」と中国人留学生。 神戸の華商呉錦堂(一六五五~一九二六)は、すでに伝説上の人物となっている。三十歳で日本に来たとき、呉錦堂は裸一貫だった。しがない行商から身をおこし、二十五年後、神戸の華商のあいだでも、ならぶ者のない大豪商となっていた。その呉錦堂の援助で中国の優秀な青年たちが日本に留学したいた。 一九一二年に孫文のいわゆる辛亥革命(一九一一)が失敗し、三月十日、袁世凱が北京で臨時大総統に就任して恐怖政治が起こる。やがて第二革命が企てられるが成功せず、孫文は再び日本に亡命する(一九一三)。国民党の指導者・宋教仁が上海で袁世凱の手で暗殺されたのは、一九一三年三月二十日のことである。こういう歴史の大きなうねりのなかで、日本に滞在中であった孫文は神戸舞子の呉錦堂邸に招かれた。邸じゅうが賓客歓迎の準備でごった返していたが、邸から数十メートル離れた松林のなかで、二人の中国人がもつれあい、一人が殺された。事件は男女のもつれが原因とされ、時局から当局によって迅速に処理された。だが、歴史の襞に埋もれてしまったかに考えられたこの事件には、驚くべき真実が隠されていたのだ。
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-森百(もりもも)は、トリモモみたいな語感の名前に少々思うところのある女子高校生。町の顔役である曾祖母からの頼みで、国際的チェリストの青年・玲央名からチェロを習うことに。玲央名は、あるチェロを弾き、ある音が出ると<狼(ヴォルフ)>と名付けられた人格に憑依されてしまうらしい。そして<狼>は、特殊な能力を持っていて!? 偏屈チェリストと女子高生の町内謎解き事件簿! 【目次】プロローグ 狼に盗まれたF/第一話 ドラマティック・ヒーロー/第二話 ぶよぶよした犬は死んだのですか/第三話 夏休みの幽霊は全力疾走する/第四話 小さな金色の古時計/第五話 狼のリチェルカーレ/エピローグ 狼が返してくれたF/チェロと弓の各部名称
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-警備員の長谷川は勤務先の建築現場で発足した「職長会」の会計を務めている。ある日、ギャンブルの負けが込んで生活費がままならなくなり、各業者から徴収した職長会費に手を付けてしまう。 それを副会計の菅山に見つかり、着服の証拠が固まり次第、警察とゼネコンに告発すると言い渡された。長谷川は菅山の口をふさぐべく、事故死に見せかけて現場の吹き抜け部分から突き落とす。 翌朝、発見された死体のそばにいたのは、新規で現場に配属された初老の警備員だった。恰好はみすぼらしく、頼りなさげだが、周りの者からは「警備コロンボ」と呼ばれているらしい。その名のとおり、彼は「刑事コロンボ」さながら、長谷川にしつこく付きまとうのだった。
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-幕末の侠客・吉良の仁吉を生んだ三河で薬屋を営む太田のところに、大学時代の元恋人のうららから一本の電話が。聞けば彼女の夫が失踪したのだという。東京からやってきたうららと合流し、夫の行方を捜すうちに、二人は彼の死体を発見、あわてて警察に知らせにいくが、その間に夫の死体は消えていた。そしてさらに第2の死体が現れる。事件の真相を追究するため、吉良の仁吉の血を引く太田は、吉良一家の再興を宣言、かつての同級生などを集めるが、事態は思わぬ方向へと転がっていく……。全編三河弁が飛び交い、ユーモラスな味わいに満ちた奇想天外ミステリー。 ※本書は、 1984年11月徳間書店からトクマノベルスとして刊行された『三河湾殺人望郷歌』を改題した文庫が底本です。
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-旅行代理店のさえない社員・京三の唯一の自慢は、3歳年上の美貌の妻・ルリ。そのルリがツアー企画を打ち明けた。募集するのは老人ばかり20人。平家物語の遺跡をめぐる6泊7日のバスツアー。費用は15万円だが、実はそれは片道料金だけ。参加者は途中でみんな死んでもらい、保険金だけを全部もらおうというあこぎな話だった。うまうまとルリに丸めこまれた京三は、添乗員としてバスに乗るが、どうも参加した老人たちはこちらの狙いを知ってか知らずか、予想外の行動に出て殺人計画は狂っていく。果たして皆殺しツアーの行方は……?ウィットに富んだ文体で描いたスラップスティック・サスペンス小説!
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-代議士の大川が急死した。3年前に起きたカズノコ買占め事件の取材がきっかけで大川と懇意にしていた新聞記者の瀬沼は、大川のことを知る浜本に話を聞くが、その後浜本は福井県の東尋坊で死体となって発見される。浜本の持っていた船絵馬に興味を持つ美人編集者の悠子、カメラマンの桐原とともに瀬沼は調査を始めるが、今度は悠子の部屋が何者かに荒らされ、桐原も暴漢に襲われて負傷してしまった。二つの事件は関係があるのか、そしてその秘密を解き明かす船絵馬の秘文字とは? やがて瀬沼は、事件の後ろに巨大な陰謀が隠されていることに気がつくが……。サスペンスに富んだ冒険ミステリーの傑作。 ※本書は、カドカワノベルズ『船絵馬殺人事件』(昭和五十九年三月二十五日刊)を改題した書籍が底本です。
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-美人の上に大金持ちの跡取り娘、会った男は一目で陥落という魅力たっぷりの女性・峰子。しかし彼女の正体は、仲間を引きつれて活躍する大泥棒だった。そんな彼女が狙っているのが、大富豪・富森が所有する時価5億円とも10億円とも言われるダイヤ・天使のおちんちん。遺伝子の突然変異で生まれた高い知能を持つねずみの次郎吉をお供に、峰子は天使のおちんちんを盗む予告状を出す。一方、富森が雇った私立探偵の鬼塚は、峰子に一目惚れするものの、次第に彼女のことを疑い始め……。虚虚実実の駆け引きの末に待っていた思わぬ結末とは? ちょっぴりおしゃれでスリルに富んだミステリー小説。
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-業績不振で倒産寸前のテレビ制作会社・南洋組。そこにある日、「神」を名乗る男から1本の電話が入る。神が話したのは、30分後に新宿で若い女が自殺するという予告だった。半信半疑で現場に出かけたスタッフは、飛び降りようとしていた女性を発見、何とか説得し、その模様を伝えた番組は大反響を呼ぶ。しかしその自殺劇を仕組んだのは、TVジャッカーズを自称する5人の高校生だった。自殺騒動に気をよくした彼らは、さらに予告をエスカレート。そして最後に行き着く先は……。視聴率競争に狂奔するテレビマンとそれを手玉に取る高校生の姿を痛烈に描いたユーモアミステリー。
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-殺人。その裏には強烈なドラマがある。 この殺人事件は太平洋戦争末期、昭和十六年に起きた。場所はいまでは観光地として有名な中国広西省桂林の近くにある小さな町・永臨である。町外れを小さな川が流れていて、そこに侍郎橋という名の石橋がかかっていた。中国のむかしの行政機関である六部っでは、長官が「尚書」で次官が「侍郎」である。このあたりに次官まで昇進した人がいたのであろうか 盧溝橋に銃声がとどろいて、日本と中国が開戦した直後、上海の演劇人は、大同団結して『上海戯劇界救亡協会』を組織した。 協会に参加した抗日救国の『独立劇団』主宰者・周卓峰には若く輝かしい情熱の時代であった。だが彼にとっては一つの拭えない汚点が永臨侍郎橋で起きた一人の女性をめぐる『独立劇団』員殺人事件であった。事件は未解決のまま終戦をむかえた。少人数ながらも『独立劇団』を率いて奔走した周卓峰は起伏のない人生の虜になってしまっていた。だがマカオに旅をした周卓峰は事件解決のヒントを得て再びその強靱さを取り戻していた。終局のどんでん返しで判明する犯人の悲劇的な肖像に著者・陳舜臣ミステリーの深い味わいが香る、歴史ミステリーの名作です。
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-前代未聞のクイズ付きミステリー小説! 製菓メーカー主催のクイズ大会に参加したものの、優勝候補の不自然な脱落を怪しむ探偵の橋本。その背後を探り始めた十津川警部にも危機が迫る――。東京駅から神戸、有馬温泉、洋上へと舞台が移り変わるノンストップミステリー。ストーリーの進行に応じ難問クイズも登場(解答つき)。貴方は事件の謎とクイズが解けるか? Q現在の東京駅には、存在しないホームがあります。それは何番線ホームでしょうか? Q神戸の名所に、メリケンパークがあります。どうしてメリケンパークと呼ばれているのでしょうか? Q兵庫県尼崎市の杭瀬東墓地には、残念さんと呼ばれる墓があります。これは、どんな人の墓でしょうか? ――答えは本文中にあり!
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-ついに40回目を迎えた、年末の風物詩「週刊文春ミステリーベスト10」。 前人未到! 三連覇を果たしたフランスの巨匠から、超新星のごとく現れた期待の作家まで、全国のミステリー通、書店員といった目利きによる選り抜き20作を一挙紹介。 果たして今年はどんな作品がランクインするのか!? この一年のミステリ小説のすべてがわかる!オリジナル電子書籍。 【主な内容】 国内部門/海外部門 各ベスト10の紹介 国内部門一位 塩田武士インタビュー 海外部門一位 ピエール・ルメートルインタビュー 久世番子さんによる今年のミステリー ヒトコマ漫画 トップ10作品のあらすじ、および熱烈推薦コメント! 特別収録 池上冬樹、千街晶之両氏による、ミステリーベスト10 40周年 私のこの一冊
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-温泉旅館の歴史の中に埋もれた、医者の誤診、死亡事故、白骨死体の謎とは? 北陸能登半島にある温泉地・柚河。その田舎町に診療所を開いている麻生正智医師の様子がおかしいと言うので、麻生医師と親戚関係にある長尾警視正とその部下である胡桃沢刑事らが様子を見に行く。しかしそこには、誰もいない病棟を廻診してぶつぶつと独り言を喋り続ける麻生医師の姿があった。やがて麻生医師は、「ゆのや」という温泉旅館にまつわる思い出話を語り出す。聞くとはなしに聞いていた胡桃沢刑事たちだが、やがて顔色を変える。この医者は、三年前に火事で全焼した「ゆのや」の焼け跡から出てきた白骨死体……その秘密を知っている! やがて麻生医師の“告白”は、ある女性の哀しい人生と、長い年月をかけて複雑に入り組んでしまった人間関係についても言及していく……。 鄙びた温泉街を舞台に繰り広げられる衝撃の医療ミステリ。電子オリジナル作品。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。『死の点滴』(二見書房)、『悪医の病棟』(徳間書店)など医療ミステリーの著書多数。「女医・倉石祥子」シリーズはテレビドラマ化された。
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-緊迫する国際情勢の陰で次々と起こる不気味な殺人事件……交錯する謎を結ぶ糸は何か? 時は第二次大戦開戦前夜。陸軍中野学校出身の若き士官・鳴海哲也少尉は、登戸研究所に配属になった。なんとこの施設では、蒋介石政権に打撃を与えるべく、中華民国紙幣の贋札製造計画を秘密裡に進めていたのだ。一方、警視庁のベテラン刑事・矢城宗助は、東京湾の第五台場で発見された男の死体を調べていた。はじめは拳銃自殺かと思われたが、捜査を進めていくうち、過去の女給変死事件や陸軍関係者との接点が見えてくる。内閣へも秘匿して進められる陸軍の謀略の行方は…。壮大なスケールで繰り広げられる近代史サスペンス。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
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-思わぬ機密の漏洩、前夜の誘拐事件、C53の動輪を止めるのは果たして何者か 昭和五年正月。経済恐慌のさなか、目前に迫る金解禁に向けて、大阪造幣局から東京日銀へ、二十円金貨十万枚、五円金貨四十万枚、総重量三トン半の金貨の移送が決定された。強奪計画を練るグループと、受けて立つ鉄道省の警護陣。一方で警備担当の子供を誘拐し金貨を狙う一味。様々な思惑が絡み合う中、金貨を満載したC53が東海道をひた走る。金貨の行方は…。近代史サスペンスの大作。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
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-殺人トリックが次の殺人トリックを招く……そして恐るべき負の連鎖の果てには? 情事のもつれの果てに生じたガス爆発が多くの人の死を招いた。その事故は偶然か故意か? そして十数年、生き残った関係者の間に、不可解極まる殺人が続発。一連の事件を解く鍵は、珍種のサクラソウという。愛憎渦まく数奇な人生を背景に、謎が謎を呼ぶ…。トリックの名手が贈る会心のミステリー長編。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
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-その殺人トリックを暴いたのは現場に残されていた花だった! 花や鳥や虫……これらには人間の常識では推し量れない鋭敏な感覚と不思議な習性がある。そして人間がこれら自然界の生き物をまったく無視し去るとき、見事に人間は裏切られるのだ。技巧派の俊才が、小さな生物たちを鮮やかな論理のなかに散りばめ、澄明な文体で描き上げた異色のミステリ短編集。 *黒い葬列 *雲雀はなぜ殺された *花の復讐 *あじさいが知っている *朝に散る *蜂と手まり ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
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-第21回江戸川乱歩賞受賞作品 旅先で間違えた他人のバッグから出てきた一通の手紙。それは女から男にあてたものだった。バッグを返すべく、手紙の差出人を訪ねてみると、意外にもその女性は三年前に死んでいた。しかも受取人まで故人! 死者同士で交わされた手紙の謎の背後には、忌まわしい出来事が…。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
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-巨匠の妖しき名作を桜庭一樹が厳選! 日本推理小説の巨匠・江戸川乱歩が没して50年。 名作に光を当てるアンソロジー第1弾はデビュー作「二銭銅貨」、 明智小五郎初登場の「D坂の殺人事件」、大正期の退屈と倦怠を 犯罪に描いた「屋根裏の散歩者」、絢爛と恐怖の箱庭世界「パノラマ島綺譚」……。 初期傑作にして異形の問題作「陰獣」を中心に、傑作七編と二つの随筆を厳選。 直木賞作家・桜庭一樹が案内する、妖しくも美しい巨匠乱歩の新世界。 【目次】 「二銭銅貨」 「一枚の切符」 「D坂の殺人事件」 「屋根裏の散歩者」 「一人二役」 「パノラマ島綺譚」 「陰獣」 随筆「恋と神様」 随筆「幻影の城主」 監修・新保博久
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-雪深い東北の山間と赤坂の街を貫く戦慄の罠 億万長者、石郷岡宗次郎が殺害された。過去20年間に彼の妻と実子5人も奇妙な死を遂げていた。石郷岡の莫大な財産を相続する養女・妙に甲地刑事は疑惑を抱くが、彼女には完璧なアリバイが…。だが石郷岡の邸で見た神棚と不思議な風習を追って、甲地は妙の故郷岩手へ飛ぶ。そしてそこで発見したものは、恐るべき怨念の交錯と堆積であった。禁忌を犯した彼を待ちうけるものは…。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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-他所者を受け付けようとしない島人たち……彼らが唄う不気味な俗謡に秘められた意味とは? 山形県酒田沖に浮かぶ羽里島(はりじま)。この島を偶然おとずれた新米刑事の五十嵐は、奇妙な墜死事件に遭遇した。死者は古びた神社の急な石段を転落していた。謎のダイイング・メッセージを受け取った五十嵐は、独断で捜査を開始。すると、この三年間に同じ場所で毎年墜死事件が起こり、身許を示す所持品も何者かに抜き取られていた。しかも、死者はいずれも東京のM石油の幹部社員だった。そして盲目の巫女が、五十嵐の死を予告する…!? ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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-家族のためにもあの父を殺さねばならない……ねぶた絵に秘められた怨念、この世の地獄に、娘はおびえ戦慄する! ねぶた寺といわれる銀舟寺の住職は、高名なねぶた絵師だった。娘の早子は、人を人とも思わぬ横暴な父への怨念に燃えながら反逆のねぶた絵を描く。だが、どうやらこの家には、父に対して殺意を抱く人間が他にもいるらしい…。 呪われた宿命と業が物語の進展とともに浮かびあがる。津軽のねぶた祭りをクライマックスとする謎の殺人とこの世の地獄を風土色豊かに描き、読者を底知れぬ恐怖にひきずりこむ伝奇推理、心理サスペンスの傑作。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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-第23回江戸川乱歩賞受賞作品 三陸の辺鄙(へんぴ)な海岸で、双生児を思われる学生の遺体が車の中から発見された。地元警察署には、別の学生の捜査依頼が出されていたが、高館刑事は二つの事件のつながりを直感し、接点を求めて捜査を開始する。事件の舞台となった白蟹村は古い伝承と習俗をもつ閉ざされた社会であった。刑事の執念の捜査が、まさに核心に迫ったとき、古代伝承は不気味に甦る。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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-父の像を求めて辺境に向かう青年の運命は、不気味な老婆たちが握っていた… 飛行機事故で死んだ父の遺体を引き取りに行った山戸東介は意外な事実を聞いた。事故機の機長こそ本当の父であり、しかも自殺ではないかというのである。不思議な糸に導かれて東介は、外来者を片端から殺す陸の孤島・雪花里(つがり)村に引き寄せられていく…。無気味な世界を描く長編伝奇推理の傑作。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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-その部落へはなぜ立ち入ってはいけないのか……そして、村民が次々と急死する風土病の謎とは? 大学の夏休みに郷里へ帰った帯金多江は、鬼兵衛谷をレポートに取り上げようとしたが、なぜか母の強い反対にあった。だが、許婚者とともに秘かに探索に乗り出し、「いきなり病」と呼ばれる風土病を調べるうち帯金家が谷の歴史に深くかかわっていることに気付く。あまつさえ、一八〇年に及ぶ谷への弾圧の張本人が帯金一族にあったことと同時に、多江は恐るべき自分の出生の秘密を知る。 第17回江戸川乱歩賞最終候補となった「藤太夫谷の毒」を改題。伝奇ミステリーロマンの名作。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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-ソビエト連邦政府に蹂躙される少数民族の地下組織グループに潜入した日本人の若者は… 藍子が、父の神保正和の書棚から発見した古文書……それは極北の地ヤマロネネツ民族管区の娘と結婚した曾祖父輪介が書き遺したものだった。彼女はそこに書かれた少数民族の生活に興味をいだいてモスクワへと旅立っていった。しかし帰国後不審な事故死を遂げ、さらに恋人の月村照も同じような事故に遇って死んでいった。いまや、二人の死に疑問をいだき、執拗に真相を追及しつづける月村の弟・皓も、背後に蠢く、巨大政府と少数民族の苛酷な運命のなかにのめり込んでいくのだった……。 ソ連の少数民族差別の問題を扱い、性のユートピア思想についても言及した、冒険サスペンス小説の傑作。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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-学生デモの熱気に当てられた女子大生の行為により米軍に思わぬ死傷者が出て、日本全体が内乱状態に陥る 米軍基地に囲まれた街・立横カスバに住む女子大生・宮福伊津子は、友人たちと共謀して手製の時限発火装置を基地滑走路拡張予定地に仕掛けた。米帝国主義に反対するということは、彼女たち学生の間ではあまりにも自明すぎて、もはや口にするのが恥ずかしいような事実になっていたからだ。しかし、通行人を巻き添えにする心配もなかったはずのこの行動は、運悪くクルマで通りかかった米軍将官の死を招いてしまう。 飛行場への放火とその目撃者、擬装されたゲリラ組織、同棲していた男への幻滅。伊津子はさまざまの契機を介して、三多摩に根を張るゲリラ組織へと急速に接近していく。一方、自衛隊内部のタカ派は、三多摩の一部に存在する不穏な動きを事前に制圧しようと巧妙な囮作戦をもくろむが…。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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-サヤ香は関西財閥の超お嬢様。今は東京に住み、ワインバーのオーナーでもある。週に3回、大学の心理学教授の榊原が趣味で開く、探偵事務所で働くサヤ香。 所長の榊原と共に、知り合いのダンス教師が乗船する、豪華客船の船旅に参加した。 そこで出会ったのは、わけありの会社社長と美貌のマダム。新婚カップル。独身アラサー女性。 美貌のマダムは、脅迫状を送られ、「この船にのったら殺す」と何者かに脅されている。マダムは新婚カップルの若いイケ面夫が働く会社の社長夫人で、最近まで彼とダンスパートナーであったらしい。 豪華客船で起こる殺人。そこには巧妙なカラクリが…。サヤ香は後日、殺人事件が起こった豪華客船に再び乗船する。 静かなホールにたたずんでいると、こつぜんとマダムや新婚カップルの夫が現れ、ワルツを踊る。彼らと会話しながら、サヤ香は名推理で事件の謎を解いていく…。
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-第10回ノベラボグランプリ最優秀賞受賞作品! 昔むかしのお話。とある村でしずという娘が突然姿を消した。 たった一人の子を失くしたふた親は懸命に探し回るがまるで手がかりはない。 そして、時は過ぎ……
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-「妻が新型インフルエンザ恐怖症になってしまって困っています」「貸したお金を返してもらえず困っています」「キャバクラのコとつきあいたいんです」「ネットでデマを流され、迷惑しています」「妻が子供を産んでから、すっかり太ってしまいました」「カレシがいるのに他にも気になる男の人ができてしまいました」「子供が何を考えているのかさっぱり判りません」――モーさんは小さなショットバーのバーテンダーで、客からの相談に乗ることも多い。しかし悩みを解決するためのアドバイスが次々とおかしな波紋を巻き起こし、ついにはまさかまさかの秘密が露わになって……。ちょっぴり苦い読後感が癖になる連作ユーモアミステリー。『人生相談始めました』を改題。
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-生と死がせめぎあう救急医療の現場に、若き女医が挑む 孤独な老人、虐待された幼子、ヴィザ切れの外国人労働者、犯罪者、あるいは政府要人……。救急病棟に運び込まれた人々の群れ、その過去、そして現在が、女医・五條史子の前に立ちふさがる。 サイレンが鳴り響く、赤いランプが回る、ストレッチャーが音をたてて運び込まれる。「生命徴候(バイタルサイン)チェック!」オペ室で、集中治療室で、現代社会に病み、傷ついた者を救うべく、彼女の闘いが始まった。 現代医療の原点を問う、衝撃の医学小説。連作短篇集。 ●山崎光夫(やまざき・みつお) 1947年福井市生まれ。作家。早稲田大学教育学部卒業。テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」が連続して直木賞候補となる。1998年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞。医学を題材にした作品が多い。
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-医学雑誌に掲載された「医師に見破られず自殺する方法」の謎は解明できるのか 「医師に見破られず自殺する方法ありや」医家向け専門雑誌に掲載されたこの質問に対し、謎の投書が寄せられた。「有リ。但シ、影響多大ト思ワレルニ付、茲ニハ記サズ」……編集部の塩谷は、昨年から頭にこびりついて離れない自分の母親の経緯を考えると、その内容はとても人ごととは考えられなかった。彼は、その手紙に使用されている横罫便箋に小さく印刷されていた「東京養成院」の活字を手掛かりに、差出人を探すことを決意する。(「安楽処方箋」より) 現代における生と死の意味を鋭くえぐる小説現代新人賞受賞作「安楽処方箋」、直木賞候補作「サイレント・サウスポー」「詐病」他を併録した医療ミステリ短篇集の名作。 *安楽処方箋 *サイレント・サウスポー *詐病 *カルテの軌跡 ●山崎光夫(やまざき・みつお) 1947年福井市生まれ。作家。早稲田大学教育学部卒業。テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」が連続して直木賞候補となる。1998年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞。医学を題材にした作品が多い。
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-第二次大戦の秘話を背負った「M179」と呼ばれる菌株を巡り医薬品業界の思惑が踊る 突然もちあがった抗生物質博物館設立プラン。展示の目玉にすべく、わが国初のペニシリン菌株を追い求める旅が始まった。ドイツと日本をまたいで忍びよる妨害の手、迫り来る危難……一体なぜ? 菌株に何かの因縁があるとでもいうのだろうか。戦後五十年を経て、医学界をわき立たせ、同時に震えあがらせるペニシリンの秘密とは何か。衝撃の医療サスペンス小説。 ●山崎光夫(やまざき・みつお) 1947年福井市生まれ。作家。早稲田大学教育学部卒業。テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」が連続して直木賞候補となる。1998年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞。医学を題材にした作品が多い。
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-政府要人の健康管理のため、という名目で密かにカルテが出回っている!? 「概ね健康」と公式発表されているVIPの遊説先に何故医師団が随行するのか……胸中にくすぶる疑念が次第に膨れあがってゆく。専門医たちが集まる「極秘の会合」、その真の目的は何なのか。(レッドライン・カルテ) 花札一枚を看護婦に差し出して藤森医師に取り次ぎを頼んだ過去からの客人。男は何の礼を言いに現れたのか。一方、藤森の心の裡では苦い思い出が広がっていく。(第二外科時代の余罪) 八ケ岳の避難小屋で生死の境をさまよう登山者。猛吹雪のなか、急性の盲腸で一人の男が倒れた。麻酔も道具も満足にない状態。わずかな材料で手術に踏み切れるのか。(八ケ岳モルゲンロート) 人と医療の関係を改めて見つめ直す、医療サスペンスの中篇3本を収録。 ●山崎光夫(やまざき・みつお) 1947年福井市生まれ。作家。早稲田大学教育学部卒業。テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」が連続して直木賞候補となる。1998年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞。医学を題材にした作品が多い。
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-密室トリックの殺人事件が暴く、芸能界の内幕 芸能プロの社長・神山が密室状況の社長室で殺された。東北巡業の打ち合わせのため偶然居合わせた下請けプロのマネージャー・松原は、事件の直前、専務の桑田が沈痛な面持ちで社長室から出て来るのを目撃していた。捜査は難航したまま、松原の率いる人気歌手一行の巡業は始まった。数日後、同行の司会者・花野のもとに一通の脅迫状が送られてきた。殺人予告状。そして、花野は…。 ●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう) 1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
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-密室トリックの謎は過去に迷宮入りした殺人事件とどうつながるのか? 三津田建業創立20周年祝賀会で、社長三津田良造は創業時の秘話を披露したのち、死体となって発見された。部屋は密室状態、死因は毒薬による中毒死であった。捜査が進展するにつれ、三津田の暗い過去とともにその秘話の裏側が明らかにされる。 戦時中に行方不明となった山下財宝、クレーン会社専務殺人事件、警備員殺害事件……みえざる糸がたぐられ、複雑にからみあって事件の核心が“密室”へと収斂してゆく。 第15回江戸川乱歩賞最終候補となったとなった本格長編ミステリ作品。 ●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう) 1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
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-持ち主が次々に死ぬという呪われたギター! 時を経て解明された密室殺人のトリックとは? 平凡なサラリーマン若杉に突如かけられた殺人容疑。見知らぬ男の他殺死体が持っていたメモに、自分の名が記されていたというのだ。しかも被害者が秘匿していたギターは、34年前に若杉が所有していたものだった。薄幸の女リリーの思い出に導かれて、若杉は34年前の謎に挑む。持ち主が次々に死ぬという一台の不吉なギターをめぐって、過去と現在が絡み合い、そして、恐るべき殺人計画の全貌が解き明かされる…。 第13回江戸川乱歩賞最終候補となった『美談の報酬』を大幅に加筆修正、改題された本格長編ミステリ作品。 ●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう) 1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
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-人気司会者が自室で死体となって発見された! 残された暗号日記は遺書なのか、それとも…? 芸能ショーの司会者、細井道夫が死体となって発見された。部屋は内鍵が下ろされた密室で、死因はガス中毒。机に、遺書とみられる暗号日誌が残され、暗号を解読した捜査当局は、自殺と断定し、捜査を打ち切った。が、解読されたはずの暗号が二重構成と判明するや、事件は、がぜん複雑な相を帯びてきた…。 第16回江戸川乱歩賞を受賞した本格長編ミステリ作品。 ●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう) 1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
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-幻のピアニストが唯一残した演奏テープ、それを巡って起こる殺人事件 幻のピアニスト伊豆田敏郎の演奏テープが発見された。アメリカのレコード会社がそのテープを発売するという話が持ち上がったとき、テープの発見者が死体で見つかった。事件を追うデパートのイベント企画室長・中島は、伊豆田を取りまく音楽関係者の背後にある戦慄すべき秘密計画を知る。新感覚ハードボイルド・ミステリ長篇。 ●斎藤純(さいとう・じゅん) 小説家。1957年、盛岡市生まれ。FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。
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-政府要人の寿命が一ヵ月単位で予測されている!? 謎の怪文書をめぐって政財界が揺れ動く 「さっき演壇で挨拶した室縄通産大臣だけどな。今月いっぱいもたないだろう。三年前からわかっているんだ」 健康長寿科学シンポジウムにふらりと現れた五十過ぎの汚い男は、不敵にもそう宣言した。製薬会社に勤める西畑は、酔っ払いの戯れ言だと思っていたが…。やがて、全閣僚の寿命を一ヵ月単位で予測した“ヒポテーブル”なる怪文書を目にして、西畑は男の行方を探し始める。一方、細胞手術(セル・サージェリー)という世界初の手法で執刀された肝臓移植手術の経過報告に、永田町は耳をそばだてていた。肝機能障害を噂される首相の緊急入院、その裏では政財界を巻き込んだ陰謀が蠢いていた…。先端医学情報が国政を揺さぶった六ヵ月を描く、驚異の医学サスペンス。 ●山崎光夫(やまざき・みつお) 1947年福井市生まれ。作家。早稲田大学教育学部卒業。テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」が連続して直木賞候補となる。1998年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞。医学を題材にした作品が多い。
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-死体に込められたメッセージの謎を巡り二転三転する犯人像は… 新聞の尋ね人の欄に自分の名前を見つけた会社員の伊東吾郎は、指定場所である東西大学へ出かけた。だが、尋ね主は現れず、同時刻、学内で学生の自殺事件が発生する。翌日、またも東西大学生による自殺事件が起き、吾郎は、二つの事件が昔の恋人・新田麗子と共作したミステリーそのままの擬装殺人であることに気付いて慄然とする。第三の殺人を阻止するため物語から予想される現場へと向かった吾郎は、あろうことかすでに殺されていた三人目の被害者の証言により、殺人犯として逮捕されてしまう…。モダン・ホラーの第一人者が描く、本格長篇ミステリ。 ●田中文雄(たなか・ふみお) 1941年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東宝入社。70年代を中心にプロデューサーとして映画製作に携わる。1974年に『夏の旅人』で早川書房SF三大コンテスト佳作入選。1975年に『さすらい』で幻影城新人賞佳作入選。1986年東宝を退社して作家専業となり、ミステリー、ホラー、SFバイオレンスなどに健筆をふるう。草薙圭一郎名義では時代小説、架空戦記も発表している。