ゴールド
レビュアー
  • 義民甚兵衛
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    祭り上げ

    福祉制度が整い心身障害者が比較的まともに生活できるようになったのは、ごく最近のことである。それまでは家族の重い負担になっていたはずである。この物語のような話もきっとあっただろうと、リアル感を持って描きだされている。民衆の間で「義民」と英雄扱いされた人々の中にも、このような例があったのではないかと想像される。

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    2025年03月02日
  • 乱世
    購入済み

    なんとも残念

    幕末の最後の動乱期の悲しい話である。生死のあわいに立った人間の判断の困難さ 是非を比較的抑えたタッチで、しかしくっきりと描き出している。残念な結果になったことが、更に読者にとって印象深くしている。きっとフィクションなのであろうが、リアル感に満ちている。題名がイマイチな気がする。

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    2025年03月02日
  • 島原の乱雑記
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    キリスト教内部の勢力争い

    島原の乱の取材に長崎を訪れた作者坂口安吾のエッセイである。以前読んだ菊池寛の島原の乱と比較すると、遥かに現代的な考え方であり、表現 語り口である。すんなり読めてしまう。作中に描かれていた天主堂の担当者の不可解な態度が、キリスト教内部の勢力争いを連想させて、ちょっと引っかる。

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    2025年03月02日
  • 島原の乱
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    文語体漢文調の語り口

    文語体漢文調の語り口が、数多くの犠牲者を出した闘いの挽歌によくマッチしている。作者菊池寛の描き方は取り立てて新奇なところ、斬新な解釈などはなく定説通りの安定した描き方である。日本では比較的例の少ない「宗教戦争」の体裁をとった戦いであり、宗教というものの持つ怖さをよく描き出している。

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    2025年03月01日
  • 田原坂合戦
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    戦闘の様子を詳説

    元ネタは帝国陸軍参謀本部の公文書なのだろうか、戦闘の様子が詳説されている。しかし、政府軍 薩軍ともに指揮官や部下たちの気持ち感情は殆ど描かれていない。小説ではないな。同じ田原坂の戦闘を描いた司馬遼太郎の「翔ぶが如く」の同じ場面と比較するとよく分かる。

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    2025年03月01日
  • 鳥羽伏見の戦
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    淡々と

    作者菊池寛自身が最後の節で述べているように、どっちつかずの勢力が多くゴタゴタした戦いであったことがよく分かる。作者は一応定説通りの記述をしながらも、幕末の方向性を決めた重要な戦いを、文語調の比較的冷静な語りで表現している。

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    2025年03月01日
  • 長篠合戦
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    読みやすいが

    信長公記を元ネタとした江戸時代の通俗的な軍記物に基づいた、古典的な解釈で描かれた軍記物である。これと言った新奇なものはなくありきたりである。逆にその分読みやすい。

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    2025年03月01日
  • 大衆維新史読本
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    菊池寛の評価は

    菊池寛の新撰組への評価を中心に描かれている。本書の最後に書いてあるが、新撰組が有名になったのは大衆小説のせいである と断じているが、たしかにそのとおりだろう。さらに子母澤寛や司馬遼太郎そして浅田次郎が華やかに描きあげている。それと比べると本書はやや地味であるが、読むのには苦労はない。

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    2025年03月01日
  • 大阪夏之陣
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    命よりも名を惜しむ

    この作品、述べていることは通説どおりである。
    菊池寛がこの作品を書いた頃は「命よりも名を惜しむ」という考え方が、まだまだ市民権を持っていたことが推測されて面白い。このような考え方は、太平が続いた江戸時代に熟成され大日本帝國時代に花開いたような思想と思っている。

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    2025年02月02日
  • 船医の立場
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    些細なことが

    有名な吉田松陰の密航失敗事件を取り上げている。菊池寛の歴史モノには、定説通りのものと斬新な視点から描いたものの二種類があるが、この作品は後者の好例である。もしこの時、密航が成功していたら、松下村塾は開かれず、維新の英雄たちも随分と違ってきただろう と歴史ifを想像して面白い。

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    2025年02月02日
  • 川中島合戦
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    戦国時代屈指の合戦

    戦国時代屈指の合戦、第四次川中島合戦を描いている。通説通りではあるが、江戸時代の荒唐無稽な軍記物にあまり影響を受けていないところに好感が持てる。合戦の内容が優れているので、結果がわかっていても楽しめる。

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    2025年02月02日
  • 身投げ救助業
    購入済み

    人生の皮肉

    自殺者を助ける副業をしている女が自らも という大変に皮肉なめぐり合わせを描いている。語り口の中に抑えたユーモアが含まれているのがとても良い。短い作品ではあるが、私は作者菊池寛の数多くの作品の中でも名作と言えると思っている。

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    2025年02月02日
  • 小田原陣
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    歴史if物語を読みたかった

    戦国時代の終わりを決定づけた小田原城攻めをほぼ通説通りに描きあげている。面白いのは本文よりも巻末の「余譚」と名付けられている節である。歴史if物語として確かに北条氏を小田原で活かしていれば江戸の徳川がどうしたか、大坂の陣はどうなったか興味が尽きない。

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    2025年02月02日
  • 勝負事
    購入済み

    菊池寛の半自叙伝

    菊池寛の半自叙伝的な作品である。ギャンブルで身代を潰した祖父への恨みと許しを抑えた筆で描き出している。大変な貧乏を押し付けた張本人なのに恨みばかりではない所が良い。それだけに、最後の孫とのくじ引きの場面がくっきりとしていて大変に印象的である。

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    2025年02月02日
  • 俊寛
    購入済み

    なにが幸せか?

    鬼界ヶ島に流された俊寛が流人が自分一人になったあとも、ロビンソンクルーソー的な生活をして家族も持って生き続けるとあっても不思議ではない物語である。終盤のはるばる訪ねてきた都人と、俊寛自身の感じ方の対比が実にくっきりとしていて印象的である。なにが幸せか?を考えさせられる名作である。

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    2025年02月02日
  • 出世
    購入済み

    両者の出世

    「出世」という題名は主人公の出世と下足番の出世の両方を意味しているように思われる。現在ほどハラスメントなどと規制されることがなかった時代だったので、あからさまに、下足番を貶め 併せてなかなか金を稼げない主人公も貶めている。半分程度は自叙伝なのかなと思ってしまう。

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    2025年02月02日
  • 若杉裁判長
    購入済み

    我が身に降り掛かってくると

    世間から超然として理想論を述べているような人が、現実に問題が我が身に降り掛かってくると、まるで違った言動を取ってしまう ということがしばしばある。この作品はそのような事態を端的に描き出している。被害者の立場からも見なくてはいけない、というあたり前のことであるが。

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    2025年02月02日
  • 姉川合戦
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    結構長い古文の引用

    通説通りではあるが、激闘だった姉川の戦いを描き出している。途中結構長い古文の引用があって少々読みにくかった。作者菊池寛がこの作品を書いた頃は、この程度の古文は十分読みこなせたのだろうな。

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    2025年02月02日
  • 四条畷の戦
    購入済み

    大きく評価が変わった武将

    作者菊池寛の時代と現在を比べて一番大きく評価が変わった武将は楠木正成.楠木正行親子への評価だろう。菊池寛の時代は大楠公小楠公ということで手放しで称賛されていたのだが、現在は劣悪な南朝方の君臣にいいように使われて戦死してしまった被害者 というような扱いもされている。現代的な解釈のほうが私には腑に落ちる。

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    2025年02月02日
  • 山崎合戦
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    珍しくちょっとひねった解釈

    基本的には太閤記を始めとした江戸時代の通俗的な軍記物を基づいた、古典的な解釈で描かれた軍記物である。ただ所々に通説への批判を加えているところが目新しい。珍しくちょっとひねった解釈がある。。

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    2025年02月02日
  • 極楽
    購入済み

    迫真のリアル感

    阿弥陀経で説いてあるとおりの極楽へ行けた夫婦が、退屈しきってしまって...という話を、迫真のリアル感を以て描き出している。「隣の芝生は」の究極のたとえである。作者菊池寛は、このような冷徹な味方ができる作家だったんだな と認識を新たにした。

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    2025年02月02日
  • 仇討三態
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    仇討ちの悲喜劇

    いろいろな諸制度が整った江戸時代において異色のしきたり 制度がこの仇討ちである。儒教制度朱子学をベースにした政治のやり方が現実社会とマッチしていなところに、この仇討ちの悲喜劇があると思う。一生をこの制度によってすり潰された第二話が特に印象に残る。

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    2025年02月02日
  • 仇討禁止令
    購入済み

    過渡期の悲劇

    幕末から明治初年への過渡期の悲劇をしっかりとした筆で描き出している。藩を救うための殺人とそれに対する仇討ち という避けようのない事件が、近代日本の仕組みが変わることによる、仇討ち禁止令となってしまう。「救われた」という想いがあったが、最後はなんとも言えない悲劇になってしまう。作者菊池寛の筆はなかなかに冴えている。

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    2025年02月02日
  • 恩を返す話
    購入済み

    古めかしい武士道

    江戸時代の太平の間に奇形的に発達した「武士道」の視点から描かれた、天草の乱の外伝のような作品である。当時の武士たちは実際のところどのように感じ行動したのだろうか?菊池寛の時代はこのような視点からの評価が普通だったのかもしれないが、実際はもっと実利的な考えで行動したのではなかろうか。

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    2025年02月02日
  • 屋上の狂人
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    人の幸せとは?

    知的障害を持った人の幸せとは?ということについて正面から描いた短編戯曲である。現在でも知的障害者は敬遠され気味であるが、ましてや菊池寛の時代では「狐憑き」と言われて爪弾きにあっていた。その時代にこのような作品を書いた菊池寛に敬意を表したい。

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    2025年02月02日
  • インド倶楽部の謎<事件の幕開け/豪華試し読み50ページ>
    購入済み

    冒頭部分から

    冒頭部分からの外連味たっぷりの怪しげな雰囲気の描写が見事である。一般的に良い作家というものは最初の数ページで読者の心を掴んでしまう、と言われるがこの作品もその例に漏れない。ミステリーでありながら 主人公たちの軽妙な会話も楽しむことができる。

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    2025年02月01日
  • 黒鍵1(特典美麗イラスト付)
    購入済み

    がっかり

    叶精作の作画ということで随分期待して読んでみたが、なんだかがっかりするような話の連続で完全に期待外れであった。カバー絵の女性がどこで登場するのかとこれまた期待して読み進めてみたが、これも無し。「オスカー」などの作者とは思えないでき。

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    2025年02月01日
  • 碧蹄館の戦
    購入済み

    古風な文体と内容

    菊池寛の古風な文体と内容が目立つ小品である。文禄の役における屈指の戦いであった碧蹄館の戦いを一応定説となっていた解釈で描いたもので、古風な文体の割には読みやすい。注目点は最後の節で、いわゆる「朝鮮出兵」の課題 問題点を指摘している点である。今も昔も占領地の人々の反感をかってしまっては、戦いの勝利はおぼつかないことをよく表している。

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    2025年02月01日
  • 将棋
    購入済み

    指す人が少なくなっているが

    将棋界では藤井聡太八冠の活躍が話題となっているが、作者菊池寛の時代と比べると指す人の総数はずっと少なくなっている。この作品では素人将棋の極意的なことを色々と綴っているが、どうして素人の域を出ていないのはよくわかってしまう。

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    2025年02月01日
  • 厳島合戦
    購入済み

    毛利元就 会心の戦い

    桶狭間の戦い、河越夜戦 と並んで日本三大奇襲に挙げられている厳島の戦いである。作中で作者菊池寛も語っているように、練りに練った戦略が戦術がその真価を発揮した戦いで、そのレベルは桶狭間の戦い、河越夜戦を遥かにしのいでいると思う。文章は簡潔で読みやすい。いくらでもドラマチックに描けるのだが。

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    2025年02月01日
  • さよなら、ハイスクール (1)
    購入済み

    スクールカースト

    スクールカーストを表に出した作品である。ありふれた陰惨ないじめ問題よりもまだとっつきやすいテーマかな。ただあまりにも絵が下手で、登場人物たちの区別がつかない。コミックとしての基本要件を満たしていないと考える。

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    2025年02月01日
  • 人妻メデュサさんとのNTR生活 WEBコミックガンマぷらす連載版 第一話
    購入済み

    ギリシア神話を題材に

    「見たものを石に変えてしまう」というギリシア神話を題材に撮っているところが目新しい。多彩な内容があるだけにギリシア神話は題材として使いやすいのだな。ストーリー内容も行きつ戻りつ色々やっているが、なかなかに面白い。絵柄もまずまずであるが、肝心の邪眼がちょっと期待外れ。

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    2025年02月01日
  • レンタル・マーダー~復讐のプロ、お貸しします~ 1
    購入済み

    陰惨ないじめの話

    陰惨ないじめとこれまた陰惨ないじめた相手に対する復讐の話である。一応は勧善懲悪 という古典的なスタイルを取っているが、どうにもストーリーが暗くて読んでいて気が滅入ってしまう。絵柄はまずまず上手で陰惨なストーリー内容をかえって引き立てている。

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    2025年02月01日
  • 冷酷メイドは静かに笑う 1
    購入済み

    お屋敷いじめモノ

    いじめモノというと高校を舞台にしたものが大半であるが、この作品はお屋敷を舞台にしている。その分少し目先が変わって読みやすいが、読んでいて暗くなる内容は相変わらずである。絵柄もさほど上手とは言えない。

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    2025年02月01日
  • カオスが来る時に 1
    購入済み

    いじめモノの典型

    高校生活におけるひどいいじめと、そのいじめの果の殺人 そして魔力の覚醒 と、いじめモノの典型的な作品である。このようないじめモノはいじめの内容は似たりよったりで、報復をどのような形で行うかが興味の中心である。この作品では秘められた能力の発現 というある願望を具現化したものとなっている。絵柄はままずまず。

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    2025年02月01日
  • 2周目高校生の復讐日記 1
    購入済み

    タイムスリップとの組み合わせ

    大変によくある高校時代のいじめの話とタイムスリップとの組み合わせである。高校時代のいじめの話は、数多くの作品で取り上げられていてどれも大同小異の残酷な話である。興味はそのいじめに対する復讐 または いじめの防ぎ方 である。この作品はかこの経験をどのように活かすか が描かれている。

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    2025年02月01日
  • 目覚めた先は、エロゲ悪役!?【電子単行本版】1
    購入済み

    都合が良すぎるところはあるが、

    この作品のフルカラーフルデジタルの作画はかなり癖があって好みが分かれると思う。私はマアマアだと思う。ストーリー展開は男にとっての良いとこ取り という傾向は当然あるが、それでもまずまず破綻していないので、読み進めることができる。

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    2025年02月01日
  • ひとづま【電子単行本版】1
    購入済み

    絵がとても綺麗だが

    韓国風のフルカラーフルデジタルの作画は大変に色っぽい。まずは、絵柄中心の作品と思う。ストーリー展開はなんだかごちゃごちゃしているが、要するに人妻寝取りモノである。都心のマンションではこの作品のような住環境 生活環境になっているのだろうな。

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    2025年02月01日
  • あかり先生はアオハルビッチ【フルカラー】1巻
    購入済み

    アイデアは良いが

    ヒロインのコスプレやノートの内容など、ストーリーの題材 材料はとても面白い。なるほどそんなことをしたかったのか と納得できる内容である。ただストーリーの展開がかなり強引に材料を消化しようとしている点がどうにも引っかかってしまう。絵柄もいまいちである。

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    2025年02月01日
  • 大島が出来る話
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    自伝 私小説

    作者菊池寛の 自伝、私小説である。太宰治をはじめとして昭和前半の作者の中には、面白い私小説を書くためにわざと破滅的な生活をした作者がいたそうであるが、菊池寛はその点では常識的範囲の生活を送ったそうである。それでも心の機微の描かれようは私小説ならではのものである。着ているものでその人の人柄や裕福度を判断するという行為がなくなったのは、衣類が相対的に安くなったここ30年ほどのことなんだなと実感した。

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    2025年02月01日
  • 勲章を貰う話
    購入済み

    戦時における

    ストーリーの舞台が第一次世界大戦のドイツ.ロシア戦線 ドイツにとっての東部戦線という、現在ではあまり取り上げられない場所なのがまず面白い。戦争に関する全てを変えたという第一次世界大戦であるから、戦時における人々の生活 考えは、普仏戦争を彷彿とさせるものであったことがよく判る。

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    2025年02月01日
  • 大力物語
    購入済み

    とぼけた話

    日本の古典 説話集の中から力持ちに関するトピックスを順不同に並べたものである。どこかユーモラスなとぼけた雰囲気があるが、ストーリー内容そのものは大したものはない。雰囲気を楽しむ作品かな。

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    2025年02月01日
  • 女強盗
    購入済み

    今昔物語

    面白い話の宝庫として田辺聖子を代表として数多くの作家が様々に描いた今昔物語であるが、菊池寛も書いていたことは初めて知った。それほど新奇な解釈ではなく、単に現代語訳した という描き方である。ただ原典の面白さを味わうのにはちょうどいいかもしれない。

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    2025年02月01日
  • 三浦右衛門の最後
    購入済み

    このような武士もいた。

    作中にも書いてあったように、戦国時代の武士というものは「命を大事にしない。」という見えを皆張っているものと思い込んでいた。しかし、このような武士もいたという認識を改めてすることができた。そりゃ多くの武士がいたのだからこの物語の主人公のような人間がいても何の不思議もない、 ということを簡潔に描き出している。

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    2025年02月01日
  • 桶狭間合戦
    購入済み

    古典的解釈

    奇襲 逆転劇の筆頭に挙げられる有名な合戦である。現在では様々な古文書の解析や気象学などから様々な新規な解釈に基づく作品が作られているが、作者菊池寛の時代はそのようなものはなく、古典的な解釈の「作品である。

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    2025年02月01日
  • 吉良上野の立場
    購入済み

    ご存知忠臣蔵

    歌舞伎や人形浄瑠璃であまりも有名な忠臣蔵なだけに、明治以降も芥川龍之介をはじめ様々な作家が様々な視点から描いている。この作品もその一つである。最期まで悪いことをしていない と確信している上野介の理不尽な思いがよく描き出されている。

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    2025年02月01日
  • フランダースの犬
    購入済み

    日本では随分人気があるが

    日本では数多くの翻訳やアニメで大変に人気のある作品である。菊池寛の訳も一応子供向きということもあって大変に読みやすい。次々と不運が主人公たちを襲い、最後に悲劇的な結果となってしまうという悲しい物語である。もっとも舞台となったベルギーでは、主人公たちの闘志が足らないということであまり人気がないそうであるが。

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    2025年02月01日
  • 蘭学事始
    購入済み

    フルヘッヘンド

    フルヘッヘンドに象徴される、パイオニアの苦しみと喜び を小品の中に鮮やかに描き出している。中学校の国語の教科書に出てくるほど有名な「蘭学事始」であるが、流石に菊池寛は杉田玄白の前野良沢に対する複雑な感情を視点を変えて描いている。拙速か巧遅か 現在でも様々な決断につきまとう問題である。

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    2025年02月01日
  • 奉行と人相学
    購入済み

    大岡越前とルッキズム

    「人相学」とはいうものの今風に言うとルッキズムとも言える。年を取ってくると人格が顔に出る と言われるが、実際のところはどうなのだろうか?作中の大岡越前も人相学を十二分に活用したようだが、作者菊池寛も人相学へは肯定的な評価をしているように思える。見かけで評価を下すことをルッキズムとして排斥する現在との差を感じる。

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    2025年02月01日
  • 入れ札
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    ご存知国定忠治

    ご存知国定忠治逃亡記からの一幕。戯曲 台本形式であるが、スラスラと引っかりなく読むことができる。任侠の世界における、義理.意地.そして何よりも「見栄」を描き出している。現代モノであれば必ず「我欲 実利 我が身可愛さ」が入ってくるのだが、菊池寛の世界では我欲は描かれていない。まだまだ建前の世界だったのだなと感じる。

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    2025年02月01日