あらすじ
ワールドカップ第1戦、初出場の日本は強豪・アルゼンチンを相手に前半22分を1点リードのまま経過する。試合開始直後の1点を日本はあくなきまでの運動量で死守するが、前半から全力でとばしてきた選手達に疲労が色濃く見え始めていた。
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日本にプロリーグの無かった頃から連載開始、日本プロサッカー誕生の歴史と共に成長したマンガ。主人公の父は実業団チームの有名な選手だった。だが、Jリーグ発足前に交通事故で亡くなり、幼い和也はショックでサッカーをやめてしまう。その後、再びサッカーに戻り、父をはるかに超えたプロ選手になる、というお話。あらすじを書くと簡単だが1つ1つの密度が濃い!すべてに全力なのだ。
主人公は素直で仲間思い。勝つために努力し損得を考えずまっすぐでブレが無い「気持ちのいい性格」が魅力。試合で観客を味方につけてしまうタイプ。
「適当にやっときゃあいいじゃん」と諦めることに慣れてしまった大人達が、和也に煽られ「お前みたいなガキに負けてたまるかコノヤロウ!」と火がついて、全力で戦う喜びを思い出す。サッカーに限らず、戦うことを諦めた大人たちに読んでもらいたい。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
アルゼンチン戦前半と、和也と愛子の関係が揺れ動くハーフタイムを収録した33巻である。
前半30分の段階で、勝てるなら死んでもいいとまで言ってのけた桜庭がダウンし、前半終了間際にはダミアンとマッチアップしていた和也までもが倒れるという壮絶な展開である。死力を尽くし、ワールドカップという夢の舞台で戦う彼らの姿は、本当に心を打つ。さすが俺たちのフィールドである。
その上で、ここに来ての愛子の本音であるのだから、積み立てが本当に上手いなあと。わざわざフランスで一人訓練を続ける和也を見続ける役を当てたことで、ここでの不満はさらに印象を強めている。
これはどうしたって星五つ評価になるだろう。サッカー面でも、ストーリー面でも充実の、最後へと向かうワンステップだった。