あらすじ
春休みに、兄・正守から届いた突然のお手伝い要請。それは正守が長年追っていた相手が神佑地に逃げ込んだため、自分が異界に入っている間、入り口を見張っていてほしいというものだった。「お前は中に入るな」と念を押されていた良守は、しばらく神社の境内をうろついていたが…。
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心に眠った厨二病を呼び起こす、妖退治物語!
物語の舞台は烏森(からすもり)という土地。そこには、「妖を引き寄せ、力を与えてしまう」という厄介な性質があります。土地の力を受け、時に狂暴化する妖を、人知れず退治して平穏を守る存在…それこそが「結界師」!
この作品の魅力のひとつは、個性豊かで深みのあるキャラクターです。
主人公の良守や幼馴染の時音もさることながら、絶対に外せないのが数多くの敵キャラたち。人間に裏切られた過去、この世への悲しみ、昔の仲間への怒り…どの敵にもしっかりと動機があるので、倒すべき相手にも関わらず、思わず感情移入してしまいます。良守や時音がかっこよく見える理由は敵キャラにもあるのかも?
そしてもうひとつの大きな魅力が、巻を追うごとに広く、深く展開していく物語です。
序盤は短いエピソードが多い本作品ですが、平穏な日常とバトルを繰り返しているうちに、気づけば大きく深い事件に巻き込まれることになります。ミクロもマクロも練り込まれた展開は、読了後もきっと読み返したくなること間違いなし!
烏森はなぜ強力なのか?結界師とは何なのか?数々の謎の真相を、ぜひ確かめてみてください!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
まるっと無道編。兄弟祭。
この話はいろいろ詰まってて内容が濃い。
合間にはさまれる兄弟の過去が切ない。
あんなに小さいのに方印をとっさに隠す良守と、それに苛だち無理やりその右手をつかむ正守と。
結界師でなければ、長男が正当継承者であれば、こんな捻じれた関係にはならなかったかもしれないのに。
正守は弟への嫉妬と、羨望と、烏森への憎悪といろんなものがごちゃ混ぜになってそうで難しい。
一番はどれなんだろう。
そして悪人でも助けるもんは助ける、ときっぱり言い切る過去の良守。
そのシンプルすぎる思考が、純粋さが、やっぱり彼の良さでもあるし、怖さでもある。
そしてその助ける、という約束は現在でも有効だった。
どんなことをしても彼は憎む、怨むようなことはないだろうと確信。だってそれが良守だから。
無道の口から裏会の深部の話、神佑地狩りと不穏な話が大きくなってきた。
白絶界は良守単一の力と判明、彼自身の危うさがここに来て初めて他人から指摘されて次巻へ。
なんてとこで切るんだ…。
Posted by ブクログ
良守と淡幽様のやりとりがほのぼのとしていて良かったのに、だんだんとそうともしていられない展開に…。無道さんも、裏表紙を見た時から気になり始めて本編読んで好きになったので、淡幽様も無道さんもまた出てきてくれたらなと思いつつ…そうもいかないだろうなぁ…。兄弟のすれ違い…って言い切れるほど簡単なものではないですが、そこら辺が見ていて切ないです。けど、小さい頃の良守が、たとえまっさんが極悪人でもそんな事関係なくて、一瞬だけだけど助けてやるっていうその言葉に、単純だけど兄弟って良いなって思いました。完全に溝を埋めれなくても、少しずつお互いの気持ちが分かっていけば良いなと。
Posted by ブクログ
正守…!!orz 回が進むごとに好きになります。嫉妬と、それでも突き進む兄としての姿勢と、初めて垣間見た人間としての思い。どんな結果になっても、彼には幸せになってほしいと思います。