あらすじ
池袋の街は眠らない。そこには、あらゆる人間がうろついている。インターネット上で私生活を見せるアイドル。計数機ですべてのものを数えつづける少年。秘密の風俗業者と、みかじめ料をとる組の男たち。カリスマデザイナー。女子高生監禁事件の未成年の犯人。ホームで余生を送る老人たち。家業である池袋西一番街の果物屋を手伝いつつ、ストリートファッション誌で人気コラムを書くマコトのもとには、今日もさまざまな事件がふりかかってくる。リアルな読みごたえの短篇4篇。
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かなりしんどいお話。
読んでいて、かなりしんどいシーンがたくさん
ありました。でも、最後まで読むのを止められ
ませんでした。特に、「水のなかの目」は、
最初から最後までつきまとう嫌な予感に怯え
ながらもノンストップで読み終わりました。
マコトが凄くまともで優しいので、酷い話でも
なんとか救いを感じられたと思います。でも。
こんなに色んな目にあって、危ない人達に好か
れやすいマコトの今後が心配です。ミナガワ
さんには本当に生きていて欲しかった・・・。
Posted by ブクログ
振り返り読みです。
改めて読み返すとこの頃の本シリーズはかなり刺激的な内容だったと思い返されました。
1,2話はドラマの内容(登場人物に違いはあれど)とニアリーイコールです。
3話目の銀十字は最近のストーリーに近い疾走感のある内容であっという間に読めました。
そして締めの4話目。
昨今ではあまりない、マコトの身近な人の命が失われるセンシティブな内容でした。
登場人物それぞれに闇があるのもI.W.G.Pの特徴。
それが色濃く表現されたストーリーに感じました。
Posted by ブクログ
読み応えがあって面白かった!
「銀十字」と「水のなかの目」の犯人に対する処遇が対照的で印象に残った。
やはり、凄惨な事件の犯人には、悲惨な末路が用意されている。
Posted by ブクログ
おもしろーい。
読み出すと止まらない〜
このテンポが好き。
やっぱりドラマの役者をなぞって読んでしまう。
だから余計に楽しいんだな。
マコト、やっちゃうんだー…
これにはビックリだわ。
Posted by ブクログ
「少年計数機」と「水のなかの目」が良かった。特に「水のなかの目」はこのシリーズには珍しい、重くて陰鬱なラスト。主人公の一人称で語られるのでライトにはなってるけど。行動から主人公の心がどれだけ荒んだのか、よく分かる。海に行くシーンは映画みたいだった。
Posted by ブクログ
いつも主人公・マコトの恰好良さにハートをキックされる。池袋ウェストゲートパーク(IWGP)で果物店を母親と営む。彼は誰からも愛される、特に、池袋のチームギャング、ヤクザ、警察、さらに水商売の女の子。池袋で事件が起こるとその解決にマコトが指名される。その理由は過去にも事件を劇的解決しているからだ。このIWGPは、マコトの目線が日常を一生懸命に生きる1人の若者の等身大であり、池袋を危険から守ることに命を懸ける「シャイなあんちくしょう」を応援したくなる。池袋を守るために疾走するマコトを神もって応援したい。
水のなかの目は特に読む価値有り
全4話 収録されており、どれもテンポが良く
心情風景や情景が浮かびやすくて一気に読んでしまう。
特に『水のなかの目』は10年以上前に読んだ時とはかなり印象が変わって面白かった。
(初見の時はかなりショッキングな内容だと感じた)
ミナガワという用心棒が出てくるが、良いキャラをしていたので1回きりの登場は勿体なく感じた。だからこそ光るモノを見せてくれたのだが……
また、この話の核となるアツシというキャラの空虚さが妙にリアル。
こういう気持ち悪さを持ったヤツは何らかのトラウマを抱えているのが普通だと思うが、アツシそうでもない。
それ故に歪な存在感が増したが、最後は後味の悪さを残しつつもなかなかあっさり終焉を迎える。
なんとなく馳星周の『虚の王』を思い出した。