仁木英之のレビュー一覧
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魃(ばつ)という、残酷で寂しい女神と、ただの人間に過ぎない王弁(おうべん)この2人のやり取りが愛くるしい物語。
僕僕先生という人がありながら、精神的な浮気を見ているような、シリーズ第4巻です。
シリーズものというと、1巻が一番印象深く、2、3と続くにつれて少しずつ頭がなれてしまう(感動が薄れてしまう)ことが多いです。ただ、時たまそういったジンクスを壊して、さらなる楽しみを与えてくれる作品もあります。今回そんな1冊に出会えました。
王弁の活躍が素晴らしいのです。とはいえ、彼は仙骨がない(仙人になれない)身の上、身の回りには本物の仙人やら、古代の神様達がいる。
プロフェッショナルに囲まれたアマ -
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ネタバレ5年ぶりに書いた二作目にして、以前の作風そのままに、目的のない二人(?)旅をする物語。一冊目同様楽しめました。
以前と違うのは、話がオムニバス形式になったことでしょうか。1話完結で小さな物語が語られます。そしてその1つ1つが場所や登場人物を織り交ぜながらつながっていく。さながら中華風水戸黄門といった風です。
この雰囲気、いいですね。悪人はいるのか?みんな実はいいやつなんじゃないかと信じてしまいそうになります。
そして、僕僕先生が良い。日々旅を楽しみながら、主人公王弁への気遣いも忘れない(概ね、いじっている)
肝心な時にはよい采配をし、時には王弁全てを任せる。
なにより、可愛い。
小説を読 -
Posted by ブクログ
優しいファンタジーです。
中国☓ファンタジーとは、私の読書遍歴ではついぞ合体しづらいテーマでした。ファンタジーといったら、ヨーロッパ・北欧・中世のイメージだったからです。
なので、巻末に「日本ファンタジーノベル大賞受賞」と書かれていたときには?どんなものやら見当がつけづらかった。
過去の読んだことがあったのは、田中芳樹さんの纐纈城綺譚 (こうけつじょうきたん)くらいです。これも挿絵が私の好きな藤田和日郎さんだったから買ったわけで、それくらい肌に合うかわからない作品でした。
さて、どうだったか。というと、優しく、2人の心の機微を描いてくれる作品でした。生き死にでスパイスをつけられるのに、少し