仁木英之のレビュー一覧
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中国の有名人(人?)オールスター。大団円的なノリ、大好きです。
これまでも玄宗皇帝のような歴史上の人物は出てきましたが、最終話に向けて一気に一軍メンバーを投入してきた。そんな印象です。
中国史しらなくても、孫悟空や関羽はしってるでしょ?という大盤振る舞い。それほどの危機が天地に迫っているスケールの広がりにビリビリ来ました。
あとは、クライマックスの、僕僕先生のセリフ、、、じれったかった部分、やっとだよ!と嘆息。こういう気分をカタルシスというのでしょうか。10冊読んできたからこその満足感を覚えます。
後一冊、日が変わる前に読み切ってしまいそうです。 -
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『SLAM DUNKの最終話かと思った』
前作から一気に読み込んでしまいました。
薬師としての王弁、殺し屋として苦境に立つ劉きん。二人の葛藤に忸怩たる思いを残します。
好きですね。
どうすればいいのかわからないい。どう選択しても、明らかに誰かが不幸になる場面。
そういう場になって、キャラクターが吐露する気持ち。
浅はかさでも、熟慮した結果でもどちらでも良く、心が揺さぶられます。
また、前半で意識されていたような、オムニバスな作風はありません。むしろ長編ものとして過去の旅路を総決算しなさいよ?と言われているような書きぶりです。
単古本の後書きで、指輪物語が引用されていました。行きて帰りし物語、故郷に戻った主人公王弁はもはや吐蕃に行く前の彼ではありません。どんな結末になるのか、後二冊です。
ちなみに冒頭の感想は、この作品ラストで思わず頭に浮かんだセリフです。ご存じの方は意図がわかるかと。
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Posted by ブクログ
魃(ばつ)という、残酷で寂しい女神と、ただの人間に過ぎない王弁(おうべん)この2人のやり取りが愛くるしい物語。
僕僕先生という人がありながら、精神的な浮気を見ているような、シリーズ第4巻です。
シリーズものというと、1巻が一番印象深く、2、3と続くにつれて少しずつ頭がなれてしまう(感動が薄れてしまう)ことが多いです。ただ、時たまそういったジンクスを壊して、さらなる楽しみを与えてくれる作品もあります。今回そんな1冊に出会えました。
王弁の活躍が素晴らしいのです。とはいえ、彼は仙骨がない(仙人になれない)身の上、身の回りには本物の仙人やら、古代の神様達がいる。
プロフェッショナルに囲まれたアマチュアです。
そんな中で、なぜ彼が主人公足り得るのか、それは彼にしかできないことがあるから、もっと言葉を選ぶなら「気付くことが出来る」からでした。
なるほど、ヒーローに必要な素養は、たった1つを見抜く力なのか。そうため息をつくエピソードでした。
活字の中に、浅学な中国の乾いた空気が感じられる。良い本に出会えました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ5年ぶりに書いた二作目にして、以前の作風そのままに、目的のない二人(?)旅をする物語。一冊目同様楽しめました。
以前と違うのは、話がオムニバス形式になったことでしょうか。1話完結で小さな物語が語られます。そしてその1つ1つが場所や登場人物を織り交ぜながらつながっていく。さながら中華風水戸黄門といった風です。
この雰囲気、いいですね。悪人はいるのか?みんな実はいいやつなんじゃないかと信じてしまいそうになります。
そして、僕僕先生が良い。日々旅を楽しみながら、主人公王弁への気遣いも忘れない(概ね、いじっている)
肝心な時にはよい采配をし、時には王弁全てを任せる。
なにより、可愛い。
小説を読んでいてその色艶、仕草を想像させてくれる文章に引き込まれます。これは絵ではなくて、活字の中で自分の中の僕僕先生を大事にしたいですね。イラストにされたら幻滅してしまいそうです。
作中好きな言葉は、
『人間は自信がないから、目的地がないと不安になる、もっと無目的に旅を楽しめ』(意訳)
私は当面目標無しには生きられそうにありません。
最後に、作者仁木さんの行きつけのカレーやさんは、私も大好物です。
あとがきを読んだら食べたくなってしまいました。。。
しかし、仙骨もないのでひとっ飛びというわけにもいかず。歯ぎしりして、本を閉じます。
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Posted by ブクログ
優しいファンタジーです。
中国☓ファンタジーとは、私の読書遍歴ではついぞ合体しづらいテーマでした。ファンタジーといったら、ヨーロッパ・北欧・中世のイメージだったからです。
なので、巻末に「日本ファンタジーノベル大賞受賞」と書かれていたときには?どんなものやら見当がつけづらかった。
過去の読んだことがあったのは、田中芳樹さんの纐纈城綺譚 (こうけつじょうきたん)くらいです。これも挿絵が私の好きな藤田和日郎さんだったから買ったわけで、それくらい肌に合うかわからない作品でした。
さて、どうだったか。というと、優しく、2人の心の機微を描いてくれる作品でした。生き死にでスパイスをつけられるのに、少し辟易してきたのでしょうか?
そういった描写なしに、唐の時代を舞台に人の世と、神の世、そしてその間に存在する仙界を語る口調に好感がもてます。
実は地名もファンタジーにあっているのかもしれませんね。何しろ実在の地名を言われてても、現実味が少し弱いですから(そう考えると、中国という地は私にとって、歴史的な地であると同時にファンタジックな場所かもしれません)
僕僕先生と王弁の可愛いやり取りに心が癒やされました。
二巻以降も刊行されているようですね。じっくり読ませてもらいます。