あらすじ
豊臣政権の次代を担う器と目された毛利勝永の眼前に、徳川家康が立ちはだかる。太閤秀吉の遺志を継いだ石田三成を首領にした西軍は、関ヶ原で徳川家康を迎え撃つも敗戦を喫してしまう。家康に反した毛利勝永は、豊前小倉を追われ土佐藩山内家預りの身に。十余年の隠遁生活の中、勝永の志の火は燃え続けていた。豊臣恩顧の武将らが大坂城に馳せ参じた時、勝永が見据える先は、家康が本陣のみ!(『大坂将星伝』改題)
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Posted by ブクログ
恥ずかしながら毛利勝永という武将の存在を本書を読んで初めて認識しました。加えて仁木作品の魅力が中国仙人ものだけじゃないのを知ったことの2つが収穫でした。
志を貫くという生き方は潔く、敵味方を問わず周囲から信頼されているところや、戦場での活躍するなど申し分ないのですが、一方で何故そこまで信頼されているのかがイマイチ明確ではなかった気がする。
それにしても、いかなる時もねちっこい裏交渉を仕掛ける家康のことは、どうしても好きになれないわ。
Posted by ブクログ
時代は関ケ原から、大坂冬の陣、夏の陣へと進んでいく。
秀吉、三成から引き継いだ大きな「志」のため、最後まで大坂方に立って戦い続けた勝永の活躍が描かれる。
残念なことに、今一つ、武将としてのキャラが立っていないというかなんというか。
大勢の武将たちの間に埋もれてしまったというか。
五歳の太郎兵衛の頃の、強烈な印象が感じられなかった。
会話の言葉遣いが、現代人っぽい。
例えば。
「戦の前みたいだな」(統久)
「みたいじゃなくて、まさに戦の前なんだ」(勝永)
三十を超えた戦国武将にしては…と思わなくもないけど、今の時代小説はこんな感じなのかな?