仁木英之のレビュー一覧
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若かりし頃の僕僕先生物語第二弾。
今回は、より大きく人のことが語られている。
若いころの僕僕先生がなんとも明るい前向きな性格でなんだかとても嬉しい。
このあとの神仙たちの争いの帰趨を知っている身としては、本編での僕僕先生がやっぱり影を背負っていることにちょっと悲しい気分になってしまうのだ。
でも、僕僕先生が次第に力を得て成長していく姿はとてもいい。
物語的には前半は話に繋がりが乏しくてちょっと戸惑ったけど、後半、王の厨房での料理対決へと向かう展開になってからは俄然面白くなった。
料理対決の盛り上がり、
さらに黒幕との神仙対決のスペクタル、
そして明るい終章。
ああ物語を読んだなあという気持 -
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「惜しい哉後世、真田を云て、毛利を不云。」という『翁草』エピグラフから始まる、豊臣秀吉麾下の名将、毛利勝永の一代記。
この巻では僅か五歳にして勇猛果敢な森太郎兵衛が、豊前一万石の大名になって活躍する二十代最初の頃が描かれる。
大河ドラマで言うなら、上半期の、上り調子の勇ましいところ。
時期としても、本能寺の変から、秀吉の死後直後のあたりという、激動の時期。
仁木さんの本なので、ライトノベル的な文体で、キャラが立った造形になるのかと思った。
が、そんなことはなく、伝統的な歴史小説の、重厚な書きぶり。
それほどこの時期の歴史に詳しくない身には、たくさんの地方の武将が出てくるのについていくのに大 -
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初出の記載なく、書き下ろしか
人気の古代中国ファンタジー「僕僕先生」シリーズ作者の初ミステリー。
最後まで読まないとプロローグの意味がわからない。
警察の副署長福沢登は休日に考古学講座に参加していたが、退職の日に将軍塚古墳発掘現場の棺の中から市の文化財保護課の女性職員の絞殺遺体が発見される。
福沢は「つちくれさん」と呼ばれる土を見て遺跡を発見する発掘の有名人瀬山と知り合って意気投合し、瀬山がその教え子で被害者の同僚で恋人でもあった田中の逮捕に疑問を持って調べることに付き合う。
最後までわからない真相は意外過ぎる気がする。
瀬山は2000年の旧石器遺跡捏造事件を思わせる遺跡捏造を行なった -
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あー、「仙丹の契り」って、そう言う事だったんだあ。
王弁くんと僕僕先生に旅も8巻目。
とうとうチベットまでやって来た。
旅の仲間にも入れ替わりがあり、ちょっと寂しくもあり、また、いよいよ物語が違うステージに入っていくのかなと感じられる。
物語の縦糸はドルマを巡るチベット王の後継問題。
横糸はもちろん王弁と先生の関係だ。
序盤から、王弁と先生のやり取りがいつも通りで、とても楽しかったのだけど、ついに二人の交わりがという展開にドキッとさせられた。
でも、王弁くんじゃないけれど、情緒も減ったくれもなくて、ちょっと思ってたのとは違った(笑)
しかも、きわめて仙界的な表現になってて、で、結局どうなっ -
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海路でインドに渡った唐代の僧侶、義浄を主人公と知って、読んでみたいなあ、と思っていた。
きかん気の子ども、文明が、仏門に入り、一本気な性格ゆえに、苛烈なほど仏道を追い求める青年僧侶、義浄となっていく。
そして、格式を重んじて、玄奘の教えを秘密にし、貧しい人を救うこともない大慈恩寺に反発する。
法と論だけがもたらされ、戎と律がないと、天竺行きを発願する。
仲間の僧侶に裏切られたり、妨害されたり、すったもんだの末、波斯のアドラー号に乗り、出帆。
と思ったら、海賊船に追い回されたり、仏陀の生まれ変わりを自称する妖怪と対決したり。
海の声を聴くことのできる少女が出てきたりと、ファンタジーの要素もあり -
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前巻の鋼の魂より、すごく良かったと思う。いつもの僕僕節が戻った感。
ドルマさんが、どんな人だったのかが明らかに。どれだけ遠かろうとも、友人を助けたいと思えば、駆けつける王弁の心意気は、いつ見ても清々しい気持ちになります。
何があっても、(まぁおバカさんなのですが)ほんとはこんなことがあっただけなんだー!と周りに訴える王弁。ある意味、正々堂々としてるけど、誰も聞いてくれてないわー!と、僕僕とともに苦笑いする私がいる。
でも、そんな正直者な王弁だから、いろんな人が惹かれるんだろうな。
私は、ドルマさんの気持ちよく分かります。基本的にアホだし、能力もあるわけでもないけど、真心で人も神も動かす、そんな -
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"僕僕先生"シリーズ・4作目。
今作では殺人組織が出て来る。別に中国に限った話ではないとは思うが、中国の過去を基本的な舞台としていることを思うと妙に怖い。
これまでどんな窮地でも追い込まれる事の無かった僕僕先生も危機に瀕する。
そんな場で、本作で登場する意外な人物と、これまでの設定の中の人物が力を発揮して窮地を脱する。
それにしても、初刊以外に共通していることだが、"1冊を読み終えそう"になっても物語が一段落しない...。
あれ?、続編は有るだろうけど、中途半端な所で一旦切れるのかな?...と思ったところで、一気に物語りが加速して終結する。
ジェットコー -
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ネタバレ僕僕先生零のシリーズ2。文庫書き下ろしかと思ったら、yom yom に3回に分けて連載してらしい~拠比・戎宣・僕僕は導尤鏡が美豊・望森・百樹に奪われたことを炎帝神農に報告に行くが、壁が厚くて越えられず、西王母の側近・計見に蟠桃を調理して鍵を開けさせた。耕父と燭陰が出迎えに来て炎帝の工房に入ったが、道のりが遠く、僕僕は途中で迷い、追いかけていた蟠桃と共に、壁の間の人の世界に迷い込む。そこは人を飢えさせないのを目標とする王・辺火がいて、それを満足させる厨師の剪吾が居る。昔花の村も襲われて人が攫われたが、巫女は昔花を術で飛ばして、炎帝の許に駆けつけた。拠比と戎宣は再び計見に頼み込んで壁の中に入り込み
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短編集。
僕僕先生に関しては実は長編よりも短編の方が面白いと個人的には思っている。
6つのお話が入っているけど、これまで出てきたキャラクター達のこぼれ話的なお話が多かった。
個人的には雷少年達の話が好き。
少年はいつの間にか成長するものなんだよね。
それに比べて王弁くんは成長したのかなあ?(笑)
あと第狸奴の生態が詳しくわかってチョットびっくりだよ。
彼(彼女?)も大人の階段登って成長したしね。
それにひきかえ王弁くんは……以下省略。
ラストの話がいきなり舞台が現代でチョット趣が異なるんだけど、つまりは王弁くんは少しはヘタレから進歩したけど、まだまだだってことでいいのかな?(笑)
うん、未