仁木英之のレビュー一覧

  • 鋼の魂―僕僕先生―

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    世界史選択者を限りなくワクワクさせる唐代中国ファンタジーは、ついに南詔・吐蕃・唐の争う雲南の地へ。どんどんスケールアップするから、最初の頃のほんわかなノリとだいぶ変わってきているが、ただどんどん面白くなっているから文句はない。
    本作では先生や王弁くんは脇役的ポジションだから王弁は「こいつ成長がねぇなぁ」なまま終幕まで行ってしまう。だが新キャラ含め皆が魅力的だから、よい。

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    2025年03月31日
  • 僕僕先生

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    何とも表しにくい新しいジャンルだった。ここのところ戦国モノばかり読んでいたので、この緩めの世界観がとても心地よかった(^^)
    中国史は興味はあったもののとっつきにくかったけれど、いろんな語彙を検索しながら勉強になった。

    ほのぼのした気持ちになるために、戦国モノの合間に、僕僕先生の続巻を挟んで読んでいこうと思う。

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    2024年12月27日
  • 5分後に息をのむ 世にも不思議なストーリー

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    ・短い話が何個も入っている短編集で本当にすべての物語(の最後)で息をのんだ。
    ・最後まで見たほうがいいと思う。
    ・いろいろな(ジャンルの)話があり読んでいて飽きなかった。
    ・スラスラ読めて読みやすかった。
    ・とても良い作品だった

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    2024年04月21日
  • 高原王記

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    好きな作家。本を集めている。
    ストーリーも面白いが、なんとも言語化できない感情がすっと書かれていて、読んでいて楽しい。

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    2023年12月23日
  • 師弟の祈り 旅路の果てに―僕僕先生―(新潮文庫)

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    謀の規模が凄い。僕僕の目論見がこういう事だったとは。最初からそういうつもりで。
    歴史と古代仙界史に合わせてこれだけのスケールでストーリーを練り上げていくの大変そう。神仙がどこまでも満足できずに傲慢になってゆく存在だというのは悲しい。吉良の故郷の惑星に行って先祖の翼を貰い受けるくだりがよかった。耕父と燭隠の友情のデカさに圧倒された。王弁の台詞はところどころで青臭く綺麗事だらけのように思えるが、今の現実世界でも誰かの欲の為に誰かが犠牲になっている真っ最中なのだ。戦を終わらせる為に人類滅亡させればそれで解決かどうかなんて考えなくてもわかる。
    結局「一」ってなんなんだ。コンピュータの01の一みたいなも

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    2023年07月20日
  • 神仙の告白 旅路の果てに―僕僕先生―(新潮文庫)

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    シリーズ最後の方のクライマックス。
    孫悟空や猪八戒、沙悟浄、関羽、赤兎馬、魏夫人、登場人物がいろいろ出てきた。
    剛人が薄妃と会話ができるようになったくだりが良かった。巨大で穏やかな神仙の「刑天」が語る場面の描写が美しかった。
    司馬承禎とラクスの企みがいまひとつわからない。王方平も敵方だとは思うけど、僕僕は人であった事はないとか、生まれながらの仙人もいるの?本書はかなり重要な情報が書かれていると思う。全部読み終えたらまた再読したい。

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    2023年07月12日
  • つちくれさん

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    園芸を知るのは、土を知る事。
    どんな植物にどんな土が合うかどうか・・・

    考古学に興味を持つ定年退職した元刑事、フクさん。
    長野の遺跡発掘で古代衣装をまとった女性の殺害現場に出くわす。
    そこで出会った、考古学者の通称「つちくれさん」
    殺害された女性も、犯人で捕まった男性も顔みしりであり、
    なぜか気の合う老齢の二人は、真犯人を探すことに。

    つちくれさんの言葉がとてもいい。
    「年取って、頭がゆっくりになってくるのは悪いことやない。全速力で走って、見えなかったことが、よう見えるようになった。」
    フクさんが、妻にぬれ落ち葉で捨てられると冗談を言えば、
    「フクさんは落ち葉でも地べたに転がっているのは苦

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    2023年07月05日
  • 恋せよ魂魄―僕僕先生―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    改めて、仁木英之氏をとんでもない作家だと思い知った。こんなに深く歴史を追ったベース上でこんなに魅力的なキャラクターを作り出してファンタジーの要素とユーモラスを混ぜて仙人と周りの人々を描き出すなんて神技過ぎる。
    劉欣が最期に王弁に己の仙骨を譲り渡すシーンが最初で最後に二人が真に心を通わせた場面だったのだろうか。恋せよ魂魄なんて軽いタイトルに似つかわしくない、どえらい旅の展開になってきた。貂も王方平も人間と仙人の違いはあれど中身は同じ、現状に満足できない事だ。
    タシの生死についてデラクが放った一言「このご時世に死ぬ時期がわかってるって、どれほど幸せなことかわかる?」が突き刺さった。
    もしも劉欣が司

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    2023年07月01日
  • 仙丹の契り―僕僕先生―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    吐蕃の国での話。王弁がこれまでの無鉄砲さを脱ぎ捨て、強くなっていく過程をまざまざと読み取れて、ものすごく読み応えがあった。
    薄妃と蒼芽香は手前の地に留まり、新たな旅の仲間が加わる。吐蕃の政のあれこれを読み進めるうちに、漠然と国家や統治者、良くも悪くも民の意向を整える政治のあり方の難しさがわかってきた。人間とは弱いから強くなるのか。
    僕僕の人間社会に干渉しないけど王弁の成長のために末端で小さく関与するスタイルが好ましい。王子ドルマは民の中を放浪して王側の敷いたレール上の鍛錬だけではない、自分の頭で考え動く、見聞を広めて己を鍛える時間が必要だったと思う。王位を捨てきれない苦悩は決して贅沢ではない。

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    2023年06月28日
  • 童子の輪舞曲―僕僕先生―

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    ネタバレ

    短編で読むのが楽。その割には各登場人物の背景が深く明かされていくので読み応え満点。「第狸奴の殖」面白くて二度読み直した。最後の毛の話が現代バージョン?になっており、何やら不穏な終わり方をしているところが引っかかった。オチに爽快感があるばかりが小説ではないけれど。

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    2023年06月18日
  • 先生の隠しごと―僕僕先生―

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    僕僕先生の過去が少しだけ明らかになる。
    ストーリーはやや沈鬱で重め。ラクシアという光の国を作ろうとするラクスが曲者。過度な理想主義者は権力を握るとおかしな方向へ行ってしまう。
    今回は一押しキャラの劉欣が大活躍。劉欣がいなくては旅は続行できないんじゃないかというくらい有能で優しい人。薄妃のセリフに照れて怒り、吹き矢でぱん!と薄妃を割ってしまう場面がおもしろかった。

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    2023年05月20日
  • 僕僕先生

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    古代中国。王弁という名の青年が、父親の財産で働かなくても一生食べてお釣りが来る事に気づきニートになる。そのニートが仙人に出会うことから旅が始まるストーリー。シンプルに羨ましい。
    太平楽がウリの王弁には仙人になるための仙骨(精神を支える骨)がないが仙縁(仙人とのご縁)がある。この仙人、見た目は美少女だが中身はおっさん、つかみどころのない不思議な魅力でいっぱいの僕僕。長生きし過ぎて名前を忘れたから一人称のボクからとって僕僕という。仙人らしくない人間好きでお節介な彼女が世界を旅して神々や人間たちの揉め事を解決に導いてゆくファンタジー物語。はたして王弁と一緒にいられる策はあるのか?

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    2023年05月09日
  • 胡蝶の失くし物―僕僕先生―

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    ネタバレ

    「胡蝶」と呼ばれる暗殺部隊が失ったもの、それは「劉欣」という名の凄腕暗殺者。劉欣の生い立ちから彼が仙骨を持っている事、僕僕が半ば無理やり旅の一行に加える事によって最後の方で救われていく劉欣の本来持っていた人間らしい心。最も外見のイメージが湧きづらい登場人物であるが、見た目が原因で捨てられ虐めに遭い住処もない幼少期を過ごしたという。どんな親であってもいつかは先に死ぬ。劉欣に必要だったものは自由と尊厳、友愛。すべてを見通す仙人にしか救えないような険しい境遇にあった彼が「ばかな奴ら」に癒されていく様がまざまざと描かれていて心底よかったと思えた。
    このシリーズは比較的軽くコメディタッチで仙人と人間の師

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    2023年05月08日
  • さびしい女神―僕僕先生―

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    僕僕先生シリーズ史上最高傑作と名高い作品。シリーズの始まり「僕僕先生」を入手する前に読んでしまい、この四作目をきっかけに全シリーズを探し回って入手。圧倒的な世界観の虜になること間違いなしの超大作。旱の神様が居座っているせいで人々が死に絶えそうになっている苗の国にたどり着いた僕僕一行。蚕の正体がわかる作品。王弁の私的な感情から大変な騒動に巻き込まれていくが、旱の神様である跋という醜い少女姿の女神が生まれた経緯、その力を封じる為の悲しい選択、愚かな神々の闘いなど時間も空間も飛び越えた複雑な世界の仕組みが最終的に僕僕の技と黄帝の登場により、なんとか治まる。生まれたくて生まれたわけではない悪神である女

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    2023年05月08日
  • レギオニス 信長の天運

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    全ての人を好印象に書いてあるので感情に左右されず穏やかに読める。
    そんな人はいないのは分かっているけどやっぱり小説の中ではいい人が多い方が好感が持てる。

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    2021年12月09日
  • 僕僕先生

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    僕僕先生という仙人(美少女)と王弁というニートが繰り広げるほっこりする癒し系のファンタジー。
    文体も伸びやかで、話ものびのびとした印象だった。この文体非常に好きだ。
    ただ忙しくて二〜三日で一冊読むという目標を果たせず、途切れ途切れに読んでしまった。

    王弁は聡明なのだが繊細で、世の中そのものが耐え難いタイプ。
    母の死、父の浮気。辛い科挙の勉強。そしてその果ての「自分が稼がなくても大丈夫なんだ」と知った瞬間。
    殴られるより打たれるより、どんどんと「自分は不要だ」「自分の努力は徒労だ」と分かっていく時の傷というのは深く人を腐蝕させていくものがある。
    そんな彼を救ったのが僕僕なのだが、僕僕もなかなか

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    2021年09月24日
  • 黄泉坂案内人

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    表紙とタイトルに惹かれて購入。文章的には自分には合わなかったのか、場面が色々飛びすぎて読みにくかった。話はとても魅力的なので面白く、完読。最後が急展開で、まさか速人が…。これの続編が出てるようなので、また書店で見かけたら購入したいと思う。

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    2021年05月09日
  • 僕僕先生

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    個人的にはこういう話好きです。ましてや美少女の仙人なんて・・・全体にほんわかしているところが仙人っぽいですね。

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    2021年01月09日
  • 乾坤の児 千里伝

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    千里伝の完結篇。
    ここまでこじれた利害関係をどのように落ち着けるのかと興味をもって読み進めました。
    途中で何度も繰り返される「一方にとって理想的な姿は、果たして反対側の視点から見ても正しいのか」という難問の答えは、「白か黒かだけが選択肢じゃない」でした。
    強くなることを目指して互いに切磋琢磨する少年たちの成長譚として、人間と人間以外の存在が共存する中国歴史ファンタジーとして、更には善と悪の区別という究極の問いに挑む作品として、いろいろな側面で楽しめる充実したシリーズでした。

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    2020年06月01日
  • 鋼の魂―僕僕先生―

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    ネタバレ

    相変わらず新たな物語の登場人物へのスポットの当て方が上手いなと思います。
    始めの方ほどじっくり読む必要があり、物語が展開するにつれて
    各登場人物の関係性も明らかになりつつ、読む側もスピードが上がっていきます。
    僕僕先生と王弁の恋路?の進展を期待しつつ読んでいますが、
    今回はそんなサービスシーンはかなり控えめで一寸残念でした。
    そして、最後にツッコみたい。そんな簡単に子供出来るんかいっ。

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    2020年03月23日