あらすじ
苗人の国を襲った大旱魃。その原因は王弁が出会った少女にあった。さびしがり屋で、話し下手で、でも人と触れ合いたい女神「魃」。王弁は枯れゆく国と魃を救うため、神々を探す旅に出る。宇宙に飛び出し、時空をも越え、神仙たちの古代戦争を目撃した王弁を待っていたのは、あまりに残酷な魃と僕僕の過去だった──。救うべきは女の子か、それとも世界か。怒濤のシリーズ第四弾。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
僕僕先生シリーズ史上最高傑作と名高い作品。シリーズの始まり「僕僕先生」を入手する前に読んでしまい、この四作目をきっかけに全シリーズを探し回って入手。圧倒的な世界観の虜になること間違いなしの超大作。旱の神様が居座っているせいで人々が死に絶えそうになっている苗の国にたどり着いた僕僕一行。蚕の正体がわかる作品。王弁の私的な感情から大変な騒動に巻き込まれていくが、旱の神様である跋という醜い少女姿の女神が生まれた経緯、その力を封じる為の悲しい選択、愚かな神々の闘いなど時間も空間も飛び越えた複雑な世界の仕組みが最終的に僕僕の技と黄帝の登場により、なんとか治まる。生まれたくて生まれたわけではない悪神である女神の胸中を王弁だけが救い上げる。切ない一冊。
Posted by ブクログ
僕僕先生シリーズ第4弾。
これまでと一転して、数千年前の神様同士の戦いの様子を時空を超えて体験するというあまりにも壮大なファンタジーに発展した。
ストーリーが大きく変化したのにシリーズとして繋がりを少しも失わないのは、王弁君の真っ直ぐさと、優しさや厳しさや愛らしさなど多彩な面を見せる僕僕先生、少しずつ何かが欠けているにもかかわらず何故か好感を持てる脇役たちなど、バラエティ豊かな登場人物たちの魅力のおかげかな。
Posted by ブクログ
僕僕先生シリーズ
蚕嬢の故郷へ向かった一行
そこは、旱魃に見舞われ、乾ききっていた
原因は、最強最悪、だけれど寂しがりやの女神「魃」の
封印が解けかけていたことだった。
魃と里を救うため王弁が奔走する
時空を超え、宇宙へとび
今回の王弁くんは大活躍!
その純粋さと、必死さ、そして成長と
相変わらずの朴念仁ぶりが素晴らしい(笑)
魃が、可愛くて切なくて・・・
Posted by ブクログ
僕僕先生シリーズです。
仙人の僕僕先生と、弟子の王弁くん。
仙人だけど、見てくれは甘い香りのする美少女
でも、王弁には厳しい先生です。
今回は、旱(ひでり)続きの国を救うべく、王弁君が活躍します。
宇宙空間にまで飛んで、なんとも壮大なスケールの
話になっていきますが、何処へ行っても王弁君の優しさが際立ちます。
どんな残酷な神であっても、王弁君はその懐に飛び込んでしまいます。
彼の真っすぐな想いが、頑なな神様達を動かしますが……。
ちょっと鈍くさい、朴念仁の王弁君、仙人になる修行はまだまだ
この先も続きそうです。
Posted by ブクログ
もーこの巻大好き!魃ちゃんをぎゅっと抱きしめて、代わりにワンワン泣いてあげたい←死ぬけど。
私でよかったら、仙骨や仙縁があったら、話し相手になってあげたいって思って、泣けてくる。
だって、彼女、こんなになっても人を恨んでないんですよ。チカラ抑えてるんですよ。細細と続く人の営みを見るのは実に楽しく、飽きぬって。
あんな事されても…親の都合で生まれて、彼女だって別のチカラの神だったら、どれだけ良かったかって思ってるのに…。
使い終わったらさっさと捨ててさ。まるで、人でなしに飼われてしまった愛玩動物みたいな仕打ちと思いませんか?
親の都合で産んどいて、生まれてから捨てる、ふざけた虐待親みたいじゃないですか。好きで生まれたんじゃないんだぞ!
それでも、彼女自身は当たり前のこととして受け入れてたんですよ。なんて酷い…実は日本の神話でも、ギリシャや北欧の神話でも、そんな話いっぱいあるんですけど、現代の人間の所業でも似たような事してるのが、哀しくてなりません。
でも、彼女が最後に選んだ結末は…それは読んでのお楽しみですけど、彼女のような人(神だけど)は稀で、似たような人でなしに育つ可能性の方がずっと多いんですよ。
暴力は、次世代に連鎖するのですから。どうして、こんなことされたら自分ならどう思うか?って視点を、人は忘れてしまうのかなぁ…。
王弁はこの巻辺りから、どんどん成長していきますなぁ。それがすごく好ましく、楽しいです。星の彼方の天地に向かって、こわーい古の神を叩き起こして、恐ろしい古代の戦の記憶に身を投じる。並大抵のことではありません。たとえ、吉良や童子ちゃんたちがいても、彼らが止めるほど危険なことでも、挑んで行きます。昔の彼とは本当に違う。
先生がなんとかしてくれるって、いつも先生に寄りかかってばかりで、このヒモ男が!ってたまーに思っててごめんよ…orz←
それがうまくいくかどうかは別にして、彼が成長したことは確かです。そのご褒美がなんであったのか、それは読んでのお楽しみ。
Posted by ブクログ
今回の作品は僕僕はほとんど出てきません
よって王弁くんとの絡みもちょっと位しかないんだけれど
今回の主役は王弁くんと吉良ですね~なんだかんだといいながら主を大切に思う吉良と、旱の神様 跋を助けたい一心でがんばる王弁くん!!
これは再読するでしょう!って感じの作品
結局最後はまた封印されてしまうのですが・・・王弁くんに対する想いがすばらしかった。
Posted by ブクログ
初めは調子よく読んでいましたが、だんだん切なくなってきました。しかしそれでも、それまでずっとひとりぼっちで誰からも愛されることも大切にされることもなかった魃が、王弁と心通わすことが出来た。これだけでも救いがあったと思いました。共存できればよかったのですが。
Posted by ブクログ
今回はちょっとほろっとさせてくれました。
僕僕先生と王弁の掛け合いが少なかったのが残念といえば残念ですが、王弁君大活躍です!! いつでもやさしいね。
そして、僕僕先生のやきもち??
とっても おもしろかったです。
Posted by ブクログ
仁木英之のさびしい女神を読みました。
僕僕先生シリーズの4作目です。
普段は美少女の姿をしている仙人僕僕と仙縁のある道楽青年王弁が唐の時代を旅するというファンタジーでした。
今回は、いにしえの神々たちの戦争で最終兵器として召還された魃という女神が登場します。
魃は全てのものを乾燥させ消し去ってしまう力を持っているため、彼女を召還した陣営が勝利を収めると、とある場所に封じられてしまったのでした。
蚕嬢がかかわった出来事によりその封印が解かれてしまい、魃が地上に現れてしまったため、水が豊かだった場所が旱になってしまいます。
王弁は魃がおだやかに過ごせる場所を見つけるため東奔西走するのでしたが...
今回は神代の時代まで物語が広がり、また僕僕先生の正体も明かされたので、物語の続きが読みたくなります。
Posted by ブクログ
4作目は、初の長編(いままでは、基本連作短編集)。
前作の後半で一行に加わった蚕嬢の故郷で、旱を引き起こすために孤独に封印されていた「さびしい女神」をめぐるストーリーは、今まで以上に壮大で、王弁が今までになく頑張る、時空を超えて冒険する。彼の精神的成長ぶりが読みどころだ。
ただ別に彼が特別なパワーを手に入れて事件を華麗に解決!という話ではない。王弁にあるのは力ではなく縁だから。
Posted by ブクログ
魃(ばつ)という、残酷で寂しい女神と、ただの人間に過ぎない王弁(おうべん)この2人のやり取りが愛くるしい物語。
僕僕先生という人がありながら、精神的な浮気を見ているような、シリーズ第4巻です。
シリーズものというと、1巻が一番印象深く、2、3と続くにつれて少しずつ頭がなれてしまう(感動が薄れてしまう)ことが多いです。ただ、時たまそういったジンクスを壊して、さらなる楽しみを与えてくれる作品もあります。今回そんな1冊に出会えました。
王弁の活躍が素晴らしいのです。とはいえ、彼は仙骨がない(仙人になれない)身の上、身の回りには本物の仙人やら、古代の神様達がいる。
プロフェッショナルに囲まれたアマチュアです。
そんな中で、なぜ彼が主人公足り得るのか、それは彼にしかできないことがあるから、もっと言葉を選ぶなら「気付くことが出来る」からでした。
なるほど、ヒーローに必要な素養は、たった1つを見抜く力なのか。そうため息をつくエピソードでした。
活字の中に、浅学な中国の乾いた空気が感じられる。良い本に出会えました。
Posted by ブクログ
前の巻が仲間たちにスポットの当たった巻だったが今巻は王弁くんのがんばりが光っている。
後半をけっこう一気に読んでしまった。
跋ちゃんが健気でかわいそうなんよ。
次巻も楽しみ。
Posted by ブクログ
僕僕先生シリーズの第4弾。今回は珍しく壮大で少しシリアスな話です。読み応えはかなりありますね。一日で読破してしまった。少し最後はいろいろと考えさせられる。いい意味でらしくないな。
Posted by ブクログ
神代の時代にまで飛んでいってしまい、壮大なスケールで展開したシリーズ第四作目だった。
ニートな唐代青年、王弁くん。
ゆとり世代の若者が被って見えるのは気のせい?
ただ、そのゆとり男子が世界を変えてしまう。
それはゆとり世代への子守歌なのかな?
Posted by ブクログ
ファンタジーをあまり好まない私だけど、仁木さんの中国を下地とした物語はロマンがあって惹かれる。
僕僕先生シリーズと出会って、ファンタジーもいいなって思えるようになった。
先生と王弁の関係が絆が巻を追うごとに深まっていくのが楽しみでならない。
それでいて思わせぶりな先生と、純粋に慕い続ける王弁。
今回は終盤ドキドキさせられた。
魃というキャラクターもまた魅力的だった!
Posted by ブクログ
旱魃が最凶最悪であるという設定、大陸的ですね。
でも、小説全体が物語となっている本作はこれまでで一番興味深い。
「さびしい女神」が哀れで、そこになんとも言えない味わいがあっていいね。
Posted by ブクログ
シリーズ四作目。
頼りないニート青年、王弁が旱の女神を助けようと先生の手助けなしで頑張る。しばらく見ない間にたくましくなったてる!その後の朴念仁ぶりが残念だけど、王弁らしい。
これからどうなっていくのか楽しみ。
Posted by ブクログ
シリーズ4冊目。なんというか、驚きですね。このシリーズの向かう先がぼんやりと。
それにしても、古代中国の神話系。これはもうちょっと勉強してもいいかなー。知ってると楽しいですよね、このシリーズは。
Posted by ブクログ
仙人の僕僕先生と仙骨を持たない弟子の王弁君のコンビで旅を続けるシリーズ第4段。今回は僕僕先生はあまり登場せず、辿り着いたある国の難問を王弁君が愛馬吉良の力を借りながら奮闘、見事解決に至ったのでした。いつもは意気地なしのイメージのある王弁君ですが、今回は並み居る神様たちをも凌ぐ意志の強さで、ひとりの女神の心をこじ開けたのでした。そして、意外な僕僕先生の正体も知ることになったのでした。脇役で新しく登場した人物たちがユニークで楽しめました。
Posted by ブクログ
■僕僕先生シリーズ4作目。
■短編連作ではなく、長編小説。誰からも厄介者として扱われているが、本当は人と触れあいたいと願うさびしがりな女神を助けるか、女神を助けず世界を救うのかを主人公である王弁くんが決断する話。
■おもしろかったのだけれど、本作からいきなりシリアスモードに入ってしまってびっくり、前3作ののんびりほのぼのな雰囲気が好きだったので少し残念。物語を進めるためには仕方のないことなのか。
Posted by ブクログ
一巻から三巻までを続けて読んでしばらくご無沙汰でした。最初はどんな世界だったかを思い出しつつよんでました。それほど時間がかからずに王弁や僕僕先生の世界に入り込めました。恐ろしい力を持つ神。それゆえに恐れられて封じられ一人寂しく生きていた女神。封印が解けてしまいそうなとき王弁の気持ちは女神の気持ちは……
最後の場面はホッとしつつも、女神の力を抑える方法が何かあったら、共に暮らせるのにという残念な気持ちもあって複雑。
Posted by ブクログ
前作であれっと感じたけど本編で持ち直した。苦悩する神々というモチーフには日本やギリシャ、ローマの神話に通じるものがあって読んでいて胸が熱くなる。
旱魃という言葉の元になった魃という神様の話し。勝手に呼ばれ勝手に頼られ勝手に忌み嫌われる苦しみ。潤うという奇跡。
SF的なスペースの拡大にストーリーの丁寧さが追いついていないきらいはあるものの、シリーズを通して次のステージに進んだという手応えが感じられ、次作が楽しみ。
Posted by ブクログ
僕僕先生シリーズ第4弾。
これまで読んだ中でのシリーズ最高傑作ですね。
物語はどんどん壮大で荒唐無稽になって行きます。でも単に派手にすれば面白かろうとガチャガチャ盛り込んだイメージは無くて、むしろなんともいえぬ静謐感とか哀愁だとかも有って、独特の雰囲気を持った作品です。
さて、これからの展開はどうなるのでしょう。単行本ではすでに6巻まで出ているようですが、私は文庫化待ち。
今までは「何となく」と言う感じで待っていたのですが、次からは本気で期待して待つことになりそうです。
Posted by ブクログ
「僕僕先生」第4弾 相変わらず面白く、読みやすい。
参考文献に苗族の民話集が挙げられている様に、話に苗族の民話を取り入れている。
また、苗族の祖先は、長江流域に住んでいたが漢民族の祖先である黄帝と争って、南方に逃げたとの説もある。
あれやこれやが一体となって、物語は時空を超え、主人公の王弁は神仙の古代戦争を目撃する。
僕僕先生の過去が明らかになり、僕僕先生と王弁の関係の転換点となりそう。
苗族は、中国西南部からベトナム・ラオス・タイの北部山岳地帯に住む民族で、照葉樹林帯地域にくらし、餅や納豆などの発酵食品を食べるなど、文化的に日本と近いところがあると言われている。
Posted by ブクログ
『僕僕先生』シリーズ、第4弾。
王弁くんと僕僕先生のやり取りが少なかったのが残念。
これまでに感じていた、ほんわかとした雰囲気があまりなかったなぁ。
Posted by ブクログ
ちょっとしたSFよりも遥かに広大で壮大な世界を飛び回っていながら、それがさらりとした素朴な味わいで描かれているのがこのシリーズの好きなところ。神々の世界は是非とも、アニメや実写で映像化されたものを見てみたいなぁ。今回は魃を救おうと必死で飛びまわる王弁君の活躍が嬉しかったです。自分を必要としてくれる存在がたった一人でもいてくれるなら、それだけでこの世界は愛おしく、失くしたくないと思えるんだよ。