仁木英之のレビュー一覧
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仕事の区切りがつき、ちょっと軽い本を。
神仙の世界、宝具「一」とか、炎帝・黄帝の争いとか、見慣れない世界観になじめるかどうか。
それが受け入れられれば、文章は読みやすい。
料理仙人の卵、僕僕は、「対」である水の神仙拠比とともに、「一」を求める旅をする。
黄帝が作り出した「人」と交流し、料理の世界、味わうとは何かを学んでいく僕僕の初々しさが神仙、いや新鮮だ。
蓬莱の桃の神仙、蟠桃(ピンクの鎧を着た老人の姿で出てくる!!)も面白い。
桃が逃げ回ったり、青くなったり、プルプルするのだ。
喁(アギ)という獣に仲立ちされた不思議な石との契約をした、族長辺土、彼を満足させることを自分に課した料理人剪 -
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初出 2017〜18年「文芸カドカワ」の6話。シリーズ2作目。
忍者の末裔大倉多聞が、親の借金のために同じ忍者の末裔の藤林家の娘杏子の婿候補兼家政夫として忍者屋敷に住んでいるが、今回は藤林家の人々の協力を得て、人助けのビジネスを始める。
最初の依頼者は、多聞の元恋人で婚約者の秘密が気になる。次は実家中華料理店北京楼の隣に進出してきたおしゃれな上海楼の社長。その社長と明神池の仲間でいじめられている紘一。江湖の親友で親しくなる人に恐怖の幻覚を見せてしまう七海、の弟。大食い四天王の一人でかつての駅伝ランナー俊、多聞のブラック企業勤務時代の同僚。
まあ、トンデモな展開の娯楽作なのだが、多聞が次第に杏 -
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大唐帝国は玄宗の時代。
仙骨を持つ王弁君とその師の仙人僕僕の旅も、そろそろ終わりを感じさせるようになった。
・・・と書いてみたものの、前の巻『仙丹の契り』を読んだものか記憶が曖昧。
僕僕一行に薄妃や劉欣がいなくなり、デラクという人が加わっている―ということは、きっと前巻を読み飛ばしたに違いない。
チベットで出会って、王弁が治療することとなった心臓に病を持つ少女、タシは、その後物語にかかわりを持つのか?
胡蝶の首領貂とか、その他の胡蝶の間者や、それと結託する神仙たち。
どういう人だっけ?となってしまい…。
ああ、本を処分するんじゃなかった、と後悔。
心もとない読者で申し訳ない気分だ。
でも -
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大化の改新前後の古代日本を舞台にしたファンタジー。
古き山の神や妖たち、役行者として広く知られている役小角と物部の遺児のヒロイン。
勢力を拡大しようとする中大兄の朝廷と山の民たちとの対立に鎌足の陰謀と、いやいや、これはもうなんとも魅力的な登場人物たちと舞台装置だ。
中でも幼いながらも勝ち気な大海人とさらに幼いのにとても賢い後の持統天皇ささらがとても可愛いかった。
役小角はファンタジー界では安倍晴明に並ぶスーパースターだと思うのだけど、これまであんまりメジャーな物語はなかった気がするので、ここで一つおもしろい物語が語られたのはいいなと思う。
一応ヒロイン広足が主人公というか語り部的役なのだけ