仁木英之のレビュー一覧
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人と呼ばれる存在は決して一つではないのだろう。感じ、思い、考えるものたちを「人」と呼ぶのであれば、きっと存在するもの全ては「人」となる。感じていること、思っていること、考えていることは自分にさえ定かでない。まして他人のそれは絶対にわからない。
だとすると繋がることはできないのか。そこにあるものが何を感じ生きてきたのか、何を思いそこにいるのか、「考える」ことはもしかして繋がることなのかもしれない。
内と外をつなげる。内力と外力をつなげる、つなげようとすること、そして他人のそれと繋げようと思える者こそ、きっとこの天地で生きていく資格がある者なのではないだろうか。
仁木さんの小説は難しいようでやさしい。奥深くに触る心地よさを与えてくれる。さぁ、私も修行にでないといけないな。 -
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「僕僕先生」第4弾 相変わらず面白く、読みやすい。
参考文献に苗族の民話集が挙げられている様に、話に苗族の民話を取り入れている。
また、苗族の祖先は、長江流域に住んでいたが漢民族の祖先である黄帝と争って、南方に逃げたとの説もある。
あれやこれやが一体となって、物語は時空を超え、主人公の王弁は神仙の古代戦争を目撃する。
僕僕先生の過去が明らかになり、僕僕先生と王弁の関係の転換点となりそう。
苗族は、中国西南部からベトナム・ラオス・タイの北部山岳地帯に住む民族で、照葉樹林帯地域にくらし、餅や納豆などの発酵食品を食べるなど、文化的に日本と近いところがあると言われている。 -
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『僕僕先生』シリーズにはまりかけて、ついでに(といっちゃ失礼か)読んでみた。
本編を読み終わり、解説を読むまで、千里なる人物が実在のモデル(高駢)を持つとは知らなかった。
単なるファンタジー小説だと思ってしまった。
天地を占めることを争う、現世の人間と、今は「異界」に追いやられた「人々」。
その異界から来た女性を母とし、唐王朝の名だたる武人高承簡を父とする千里。
両親を「異界」に拉致され、それを取り戻すことで、中国全土を仲間たちと戦いながら旅をするという話。
終盤で、傲慢な千里が、天地の理を感得して、より大きな境地に達し・・・と、王道の英雄の成長物語。
見え見えのパターンと分かっていても、それなりに引き込まれてしまうところがこの作家の力か。 -
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ネタバレ≪内容覚書≫
美少女仙人僕僕先生と、
その弟子王弁君の旅物語第3作。
2作で道づれとなった薄妃に加え、
今回は暗殺者が仲間入り?
さてさて、彼らの旅はどこへ向かう。
【目次】
職業兇徒 闇に囚われた者
相思双流 せっかちな女神
主従顛倒 夢に笑えば
天蚕教主 惑う殺し屋
回来走去 誰かのために流す涙
恩讐必報 失くし物、見つけた物
≪感想≫
・職業兇徒 闇に囚われた者
「胡蝶」という暗殺集団に属する劉欣さん、登場。
異様に長い手足のせいで疎まれてきた幼少時。
そんな彼の大切なものは、拾ってくれた養父母と、
受け入れてくれた「胡蝶」の仲間たち。
僕僕先生の暗殺命令を受けた劉欣さんだが、
母親が病に倒れてしまい…。
これは、切ない。
きっと僕僕先生が、最後にはなんとかしてくれると信じる。
・相思双流 せっかちな女神
せっかちな女神さまが切ない。
なんだ、今回は、切ない思い連作なのかしら。
・主従顛倒 夢に笑えば
現実と夢の中で、主従がひっくり返ってしまう二人の話。
前作の剣を貸す話もそうだけれど、
夫を思う妻の心が強くてすてき。
それに対して、男は情けない。
仁木先生、強い女がお好きなのかしら。
・天蚕教主 惑う殺し屋
蚕の蚕嬢が仲間入り。
この回の王弁君の行動はちょっと意外だった。
仙骨がないこと、そんなに気にしてたんだ。
そして、ホイホイ着いて行っちゃうんだ。
そこは、僕僕先生のところに戻ると思ってた。
薄妃さんが男前だった。
・回来走去 誰かのために流す涙
薄妃がついに恋人に会いに行く。
しかし、その結末は、悲しいものだった。
劉欣さん、大活躍。
恋人の心変りは悲しいけれど、なんとなくこうなる気がしてた。
薄妃には、人間ではない恋人ができる方がしあわせだと思う。
恋人の周りの人間のようなことを言ってしまっているが、
二人だけの世界、は難しくて、
どうしても周りの世界に影響されてしまう。
それを考えると周囲に祝福されない関係は、
心からしあわせを感じることはできないと思う。
薄妃がしあわせになれますように。
・恩讐必報 失くし物、見つけた物
劉欣さんの仲間がついにやってきた。
いずれは来ると思ってた。
劉欣さん不利…!そして大百足が…!
仙骨を持つ劉欣さんの成長を期待させる一作。
がんばれ劉欣さん。
あと、薄妃さんが、元気なくて淋しい。
早く元気になってくれるといい。
今回は、僕僕&王弁より、周りに中心を置いた作品だった。
マンネリ化せず、話が広がり、続きがますます楽しみになった。
いつの間にか道連れが増えていくのがいい。
ちょっとRPGっぽいか。
アニメ化を期待できそうな作品。