仁木英之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第18回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品。中国系ファンタジー連作の第一作目。
文章は軽く、割と淡々と進む。舞台は中国唐代だが重々しさはなく、現代日本の若者が使うような文章表現もちらほら。それは文章だけではなくキャラクター造形もで、主人公の王弁はイマドキの無気力系青年という感じ。しかし僕僕先生への想いだけは強く、彼女の前では無気力ではいられない。傍にいたくて仙人の弟子にしてもらって一緒に旅したりね。
ただただ僕僕が可愛い。気の遠くなるほど長い間生きてきた老獪な仙人なのに、こんなに可愛いのは如何なものか。
ストーリーは、まあ王道。巻を進めるごとに仲間も増えていき、中国全土を旅する。でも悪をや -
Posted by ブクログ
外伝的僕僕先生。
本編をまだ「隠し事」までしか読んでなかったので、これを読んでいいのかどうかちょっと不安だったのだけど(ネタバレ的な意味で)、たぶん問題ない感じ。
というより、本編で先生の出自についてあれこれ考察してたんだけど全て外れた。
まさか、料理人だったとは(笑)意外だ。
ていうかですね、世界観からしてこれは予想できなかったなあ。
だって、一般的な中華の神話世界とはかなり設定が違ってるよね。
こりゃ、わからんわ。
そんな中、僕僕先生の前向きな若々しさが新鮮。
なんだか、ハラハラしながら、見守っているうちに、逆に元気をもらった感じだ。
物語的には、拠比が主人公の神仙世界の人探し物 -
Posted by ブクログ
”僕僕先生 零”仁木英之著 新潮文庫nex(2014/12発売)
・・・天地が今よりもずっと熱く、神々がその主人だった頃のお話。成熟を迎えた神仙たちの社会に、突如異変が襲った。水を司る神・拠比は、相棒の料理仙人・僕僕とともに異変を解消すべく、創造主・老君が天地開闢に用いた宝具「一」を探す旅に出る。時を同じくして、黄帝は「人類」を創出し、世界変革を試みるが......。
・・・本編”僕僕先生”シリーズは唐代が舞台のようですね。その前日譚。
と、いうにはあまりにも前の時代ではありますが、そうした面からも神仙のスケールがわかりますね。
これ、最後はいかにも続きます!ってな最後だったんですが、
続 -
Posted by ブクログ
まさかの坊さん大奮起。こ、怖い…真面目すぎる人がキレるとやばい、の典型ですね…。
怒りで相手を殺してしまうことで、ただの殺戮者になり下がってしまう絶海が哀れです。
誰よりも人間らしい彼だからこそ、優しくてちっぽけで弱かったからこそ、こうなってしまったのかな。
でも、あの場でキレないやつっているの?それってもう人間じゃないじゃん。
でも、私なら…どうしただろう。まず、私を代わりに食べてもらったかなぁ。旦那が死ぬくらいなら、その方がいい…他の誰かを差し出そうとは、もともと思わないかな。そんな罪に耐えられるほど、図太くないって自分で分かってるので。
それがわからなかったのが、絶海の"弱さか