仁木英之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
神仙の世界から人の世界へ。
仙人の目線から人の風俗を見つめる目線が新鮮です。
僕僕先生のサイドストーリーの二冊目。既にメインを読み終えているので、物語を補完するつもりで読みました。
僕僕さん、キャラクター違いすぎでは?と思うときもあり。場を茶化すかのような立ち振る舞いは、本編の見所である王弁とのやりとりは同じかなとも思う。
深刻ではなく、その場に臨む真剣さ、楽しむ心は数千年前から変わっていないのかもしれません。
さて、今回の話は主に人の世。蓬莱から離れ、王(辺火)が住まう都市で繰り広げられる料理対決です。
拠批、僕僕は、人の中に交わりながら、少しずつ人の本質、不安定ながら神仙をも脅かす力 -
Posted by ブクログ
1日で小説4冊は個人的に初めて。
天地がどうなるか、よりも、王弁君と僕僕先生の結末が気になって読み終わった方が強いかもしれません。
終結に近づくにつれて、神仙の超常的な力がより卑近なものになって、王弁のような意思や思いの強さが価値を持つ。同じく空を飛べない人の身として、共感できる(したい)ストーリー展開でした。
読み慣れない中国、唐代という舞台設定でありながら、ここまで踏み込めたのは、根底に感じた躍動感、ストーリーの快活だったと思います。さがながら少年ジャンプやサンデーを読んでいる気分になりました。
絶望渦巻く世界にあっても必要なものは、策略でも、謀略でも、欲深さでも無い。
勇気と友情。そし -
Posted by ブクログ
気づいたらもう8冊も読んでいることに驚きました。
そう言えば舞台はとうの昔に中国から離れているし、メンバーも入れ替わっている。
一番の変化は王弁の立ち振る舞いです。RPGのような目に見える強化ではありません。明らかな強さ、例えば戦う力や、奇妙奇天烈な技がバンバン使える訳ではない。
それでも、彼が成長していると感じるのは、心のあり方。人との接し方が変わってきたからでしょうね。
あのドルマから、あそこまで賞賛される姿は一巻では想像できません。立場や生い立ちよりも、望まれるもの。王弁はそんなキャラクターの塊です。
そんな彼は、最後僕僕先生とどうなるのか、、、気になります。
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Posted by ブクログ
このペースで読み進めているのは、銀河英雄伝説以来かな?と思うほど没頭しています。物語が1冊ずつ完結していながら、その前後はしっかり話がつながっている。なので、このあとすぐに何が起きるのか?気になって仕方がない。
そして、巻を追うごとに活躍の場を広げる王弁の姿を見ていると、じ~んと来てしまうんですよね。ほんと、いいヤツです。
また二木さんのストーリー転換も見事ですね。これだけの登場人物がいながら、性格も、行動原理も全く違うから、味の違う調味料を一段落ずつ味わっているような気分になります。だから話がだらけない。何本もの色違いの糸が紡がれながら、物語の最後に集約する流れはお見事です。
このあと -
Posted by ブクログ
このシリーズの第1巻を読んだのは、10年以上前。前巻「恋せよ魂魄」を読んだのは2年半前。登場する神仙の名前がかなりうろ覚え。
王方平、司馬承禎、蔡経とかの敵役(?)が、はっきり思い出せなくて少々隔靴掻痒。
まあ、読みなおせばいいんだろうけれど。
正直、登場人物の紹介ページか、ガイドブックが欲しい処。
稀有壮大な物語なんだけど、どこかゆったりした空気がある。本当は僕僕先生を利用しようとする神仙の思惑の中で、次々に危難が訪れているんだけど。
僕僕が滅びを齎すとは、どういうことなんだろう。
王弁君は早々と眠りについてしまい、彼を助けるために動き出した僕僕も眠りについてしまう。その点にどうしても物