楡周平のレビュー一覧

  • ラスト ワン マイル

    Posted by ブクログ

    過日に読んだ「朝倉恭介」よりはピンと来る楡周平作品だった。宅配業界に通販業界やTV局 日本郵便まで絡めて展開するビジネス小説。話の発端は長年の取り引き先から誠意に反するビジネスライクな厳しい条件を突き付けられて苦境に陥る物流業者の逆襲案模索から。かなりスイスイと反撃策と逆襲劇が進行するので、ちょっと調子いい感が否めない。星3.5くらいかなぁ。

    0
    2019年12月28日
  • 猛禽の宴

    Posted by ブクログ

    【感想】
    前作のクーデターよりは面白かった。
    やっぱり朝倉恭介はカッコ良すぎる!!

    ただ、本シリーズ全てに言える事だが、あれだけ作中で強さを誇示させまくった悪役の最期がいつも呆気なさ過ぎて、尻すぼみ感が拭えないのは如何なものか・・・・
    途中で、「こんな強敵どうやって倒せるんだ」と読んでいて絶望感を覚えさせるクセに、今までの凶悪さが嘘のように呆気なく、かつドジな終わり方で悪役が死んでハッピーエンドっていう展開は、次回作からは御免ですね。
    「ちょっとした偶然」くらいはイイけども、重なりすぎると興醒めしちゃうよ。。。

    朝倉恭介シリーズはあと3巻か!
    次回作「クラッシュ」に期待してます。


    【あらすじ】
    日本でコカインを売り捌く朝倉恭介のビジネスは順調に推移するかにみえた。
    だが、この頃、NYの裏社会では新興組織がマフィアの領域を荒らし始めていた。
    マフィアのボス、ファルージオは抗争を諌めるが、部下のコジモが新興勢力の排除を強行、その報復としてファルージオが襲撃されてしまう。
    機に乗じてボスの座を勝ち取ったコジモは、恭介のビジネスを手中に収めようとするが…。

    「朝倉恭介VS川瀬雅彦」シリーズ第3弾。


    【メモ】
    猛禽の宴


    p92
    チャイニーズは、そもそもが風に飛ばされる種子のように世界中に散らばり、その地に根付く華僑の血を持つ人間たちである。
    その行動原理はずばり金であり、テリトリーなどといった概念は極めて希薄だ。
    金になることならば、それが他人の領域であろうともお構いなし。
    そうした民族的特性は、ここにおいて一気に爆発し、活動の範囲を広げていった。


    p110
    「親父も焼きが回ったもんだぜ」
    部屋のドアが閉まるなり、コジモが低く唸った。
    コジモの言葉を咎め、あるいは批判する者は一人もなく、むしろその顔に苦々しげな表情を浮かべながらわずかに首を縦に振り、同意を示すばかりだった。

    猛禽の群れの頂点に立つ者には絶対的な指導力、財力、知力、そして恐怖の力が要求される。
    そのどれもが絶対的な必要条件であり、どれ一つ欠けても群を統率することは難しくなる。
    そしてそうした兆候が現れたときには、必ずそれに取って代わる若い猛禽が現れるものだ。
    この摂理がこの組織に於いても例外ではないことを、ファルージオはまだ気づかなかった。


    p297
    コジモは、無表情の中にも値踏みをするような目つきで恭介を見ると、その手を握った。
    人間の出会いに「合う、合わない」という感情の芽生えはつきものだが、その殆どは最初の印象で決まると言っていいだろう。
    顔の造作、仕草、声、言葉遣い、そして身なり。
    瞬間的に視覚が捉えた印象がそれを大きく左右する。
    そして握手とはいえ、肌の一部が触れる行為はそうした視覚的印象をさらに決定づける働きをする。

    それは気のない握り方だった。
    自ら恭介に会うことを望んでおきながら、どこかこの男の手から伝わってくる感触には不愉快極まりないものがあった。
    生理的に相容れない違和感、そうした感覚が肌を通じて伝わってくる。

    0
    2019年12月16日
  • 陪審法廷

    Posted by ブクログ

    面白かった
    アメリカの陪審員裁判での法廷サスペンスストーリー
    アメリカの陪審員制度の勉強になります。

    ストーリとしては、
    中学校卒業間際の日本人少年、研一が、隣人のガールフレンド、パメラの養父を殺害
    第一級殺人罪で裁かれる研一は終身刑か無罪か
    陪審員の出した結論は?
    といった展開です。

    パメラは、長年養父からレイプを受けており、それを研一に打ち明けます。結果、パメラを救うため、短絡的に養父を殺害します。

    パメラを救うべく起こした殺人事件、その背景に対する研一の気持ち。
    これに対して、検察側、弁護側、陪審員といったそれぞれの立場から心情が描かれています。

    弁護側の論理の組み立てには正直無理があると思いますが、それをもっても考えさせられる展開。
    それがこの物語の核と思います。

    自分が陪審員として選ばれた時、この事件をどのような結果を出すのか、考えてしまいます。

    陪審員の由紀枝の陪審制度にたいする言葉にこころうたれます。
    「なぜ、法律知識のない一般市民を陪審員として法廷に呼び、有罪無罪の判断を求めるのか。私は、そこに人間が持ち合わせる「情」が加味されることを期待されているのではないかと思うんです」

    その結果、別の陪審員のことば
    「..事実と法に基づいてと言っている一方で、人間として、一市民として許せる罪なのか、そうでないのかを実は法廷は求めているのかもしれないね」

    そして、最後の由紀枝の手紙

    あっというまに読み切ってしまった!

    0
    2019年11月16日
  • 修羅の宴(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    感想は単純に面白かった。
    イトマン事件の事も改めて勉強する事ができた。

    ただ、これまで読んできた楡周平の実話を元にした痛快なビジネス小説と違い、この作品が生々しく感じられ、胸のすくようなスッキリ感を得られなかったのは、やはり金に纏わる詐欺事件であるからだろう。
    熱くはなれず、ギラギラしすぎる男達の話。

    (上・下同じ感想)

    0
    2019年11月09日
  • 修羅の宴(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    感想は単純に面白かった。
    イトマン事件の事も改めて勉強する事ができた。

    ただ、これまで読んできた楡周平の実話を元にした痛快なビジネス小説と違い、この作品が生々しく感じられ、胸のすくようなスッキリ感を得られなかったのは、やはり金に纏わる詐欺事件であるからだろう。
    熱くはなれず、ギラギラしすぎる男達の話。

    (上・下同じ感想)

    0
    2019年11月09日
  • 「いいね!」が社会を破壊する

    Posted by ブクログ

    本のタイトルと内容にギャップあり。売るためのネーミング。
    ・フィルム式のカメラからデジタルカメラに移行した話、コダック社。
    ・紙の本からいずれデジタルデータの本が主流になる話。
    ・フェイスブック、ツイッター、LINE等による個人情報をIT企業が握り、それを国家が使う話、安易に著者が不安を煽るような内容ばかりだった。対策、解決案もなし。

    0
    2019年08月12日
  • クーデター

    Posted by ブクログ

    まず、書かれている年が1998年であり、時の北朝鮮体制は金日成から金正日の頃の時代が背景である。当時の北朝鮮は現代のように核もICBMを始めとした中長距離ミサイルも持っていない時代であることを念頭に、もし当時の北朝鮮が南進を行うという想定で米国の反撃を最小限に行うために在日米軍基地の動きを止めるためにどのように動くかを想定、模倣し日本国内でクーデターを起こしたらが本書のはテーマである。
    本書が書かれた数年前にオウム真理教は、サリンという化学兵器によるテロを実行したけれど、ロシアにヘリコプターなどの武器を買い付けに行っており、本書の書いたストーリーがあながち空想の世界だけではないことを図らずも証明している。
    本書が上梓されてから20年経っており、日本の危機管理に対する考え方もさぞや強固なものになっているだろうと考えてしまうが、北朝鮮の核爆弾の小型化やらSLBMの射程と練度からみて攻撃されたら日本の国土と国民をしっかりと守る状況になっているのであろうか不安である。韓国が左傾化して北朝鮮に併呑されそうな状況であり、もはや38度線は自由経済社会と共産主義との対峙線ではなくなるかもしれない。
    令和の時代の元寇に備える必要があると思う。

    0
    2019年04月06日
  • 修羅の宴(下)

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    バブル時代のイトマン事件をベースとした物語。
    読み終わった後、イトマン事件を調べると、描かれている構図がほとんど一緒。
    イトマン事件も勉強になる物語でした。

    下巻では
    いよいよバブル全盛期。
    滝本の野望はさらに高まります。
    そして裏の世界の人間とも徐々に繋がっていきます。
    ゴルフ場の会員権取引、絵画取引など、さらにビジネスを拡大していきます。
    そして、浪花物産の自身の株保有率を高め、自分の城とすべく、裏金取引。
    さらには、企業乗っ取り。

    しかし、公定歩合の段階的引き上げによる金融引き締めによって、バブルが終焉します。
    一気に転落、追いつめられていきます。
    大蔵省への内部告発。社長の解任..そして裁判。

    バブルの時代を駆け抜けた男の物語でした。

    イトマン事件ではいずみ銀行が住友銀行、浪花物産が伊藤万に相当するようです。
    イトマン事件で登場した人物も一通り出て来ますし、そのエピソードもほぼ一緒です。

    ただし、イトマン事件は闇社会の住人が住友銀行の金をイトマン経由でむしりとったという構図ですが、本書では、その構図を持ちながらも、一人の経営者滝本のヒューマンドラマという形でまとまっていると思います。

    0
    2019年03月30日
  • 修羅の宴(上)

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    バブル時代のイトマン事件をベースとした物語。
    読み終わった後、イトマン事件を調べると、描かれている構図がほとんど一緒。
    イトマン事件も勉強になる物語でした。

    上巻では
    300億の累積赤字をもつ専門商社の浪花物産にいずみ銀行から出向し、2年で再建した凄腕社長の主人公滝本。
    再建プランは、ノルマ縛りの厳しい物で、社員達の反感を買いながらも増収増益を繰り返します。
    高卒の学歴コンプレックスをもつ滝本は、浪花物産の社長のイスにこだわり続け、さまざまなビジネスを開拓、いずみ銀行からの汚れ仕事も引き受け、のし上がっていきます。
    しかしながら、その強引なビジネスが少しずつほころびが出始めます。
    損失が出始め、増収増益が難しくなってきたところでは、不動産取引で損失を埋め合わせます。
    自らの保身のために、さまざまな手段を行使する滝本。
    このガツガツした感じがまさにバブル全盛期といったところです。
    このような状態の中で滝本はどうなるのか?
    浪花物産はどうなるのか?
    といった展開です。

    イトマン事件をよく知らなかったので、次の展開が読めませんでした。
    でもバブルがはじけるんだよねぇ。

    下巻に続く

    0
    2019年03月30日
  • 和僑

    Posted by ブクログ

    確かにロケーションに拘り過ぎるとビジネスの本質を見誤るよな。でも生活の基盤て大事よ。そもそも国民性が、という事になってしまうかな。

    0
    2019年03月24日
  • 修羅の宴(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    今の社会的な風潮からは考えられないギラギラとした男の世界。なんとなく先が読めるかもとは思いながらも先が気になる。

    0
    2019年02月27日
  • ターゲット

    Posted by ブクログ

    面白かった
    「朝倉恭介」Vs「川瀬雅彦」シリーズ第5弾
    朝倉恭介が活躍するストーリ

    本作では、北朝鮮による生物兵器テロとの戦い!
    悪のヒーロー朝倉恭介の活躍が光ります。
    ストーリとしては、北朝鮮が生物兵器の開発に成功し、それを日本に持ち込んで、在日米軍基地にばらまこうと企てます。
    在日米軍を無力化したうえで、朝鮮半島の統一をもくろむ北朝鮮。
    それに対し、恭介はクアラルンプールでCIAに嵌められ、CIAの仕事をすることに!
    CIA工作員として訓練を受けた恭介は、この生物兵器を持ち込もうとする北朝鮮の工作員と対峙することになります。
    恭介はこの生物兵器から日本、在日米軍基地を救う事が出来るのか?
    手に汗握る展開のエンターテイメントストーリ!
    スピード感満載で楽しめました。

    本作で描かれている生物兵器の恐ろしさ!
    このようなことが現実に起きたらと思うとぞっとします!
    ミサイルで攻撃されるわけでもないので、どこの国が仕掛けているのかもわからない。
    最近の情勢を鑑みて、日本の外交、防衛をしっかりしてもらいたい!と切に願います。
    さらに、本作で描かれている中国、北朝鮮、韓国、日本、そして、アメリカの関係。
    アメリカは意図的に北朝鮮を制圧しない。活かさず殺さずの態度をとりながら仮想敵国として北朝鮮を取りあつかうことで、東アジアに戦力を置く意義を確保するというもの。
    こうしたパワーバランスの上で、日本はアジアの先進国として、しっかりかじ取りをしてもらいたいと思いました。

    とってもお勧め!

    0
    2019年02月24日
  • 衆愚の時代

    Posted by ブクログ

    冒頭から今の日本の政治家、マスコミの批判が炸裂するが、共感する部分はうすかった。著者は作家であることから、文章が読みやすいことはよかった。
    著者の言いたいことで共感できたところは
    ・マスコミの報道する弱者と呼ばれる人たち全員を援助する必要はない(自らなにも行動せず、社会の責任にするものもいる)
    ・勉強する気もないのに大学に行く必要はない(職業訓練を充実させるほうがいい)
    ・先も読めないのにマイホーム購入するのはばかげている
    後半になってくると?という部分もあったが、前半は割りとおもしろかったと思う。

    0
    2019年01月20日
  • 和僑

    Posted by ブクログ

    プラチナタウンから、8年後。
    北海道 緑原町に プラチナタウンができて4年。
    町は、活気が生まれてきた。
    町長 山崎は、緑腹に活気が出てきたが
    農業の衰退と、高齢化、
    そして独身の農民が、中年になってきている。
    このままだと 20年後、30年後の緑原はどうなるのか?
    プラチナタウンの増設を希望する 町議がいる。
    しかし、20年も経てば、老人はいなくなってしまう。
    プラチナタウンを増築したとして、空室になることが見えている。では何をすべきなのか?
    緑原出身で、アメリカでレストランチェーンをしている時田が、孫を連れて、緑原の家を処分することで、きていた。
    孫は、日本の食を味わうことを目的として日本各地を回る。
    そこで、和牛は、脂っこくて健康に良くないという。
    ハンバーグ、コロッケ、トンカツ、お好み焼き、たこ焼きなど。B級グルメに感心し、アメリカに持ち込むことができないかと考え始める。
    当初は、山崎の実家の日本酒をアメリカに持ち込もうとしていた。
    それから、緑原の農産物を運ぼうという話から、
    緑原で、加工食品を運んだらどうかという話になった。
    山崎は、町長を続けるか、加工食品会社を作るのかを悩む。

    何れにしても、農業をどう組み立てて行くのか?
    ということが、今後の大きな問題なんでしょうね。

    0
    2018年12月29日
  • 骨の記憶

    Posted by ブクログ

    冒頭の、東北地方における厳しい生活のイメージは、ステロタイプではあっても描写に迫力がある。続いての主人公の辣腕実業家としてのイメージは、幼少時の行動描写からみて、かなりチグハグなのだが。。。

    0
    2018年12月07日
  • 東京カジノパラダイス(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    解説にあるように、告発小説に近い感じの内容。軽い展開で気楽に読める。主役が商社を辞めたエピソードが大したことなくて拍子抜け。しかもそれが会社界隈に知れわたるとは⁉
    そしてエピソードの割にはカジノ会社で大したエピソードもなくちょっと寂しかったかな(笑)

    0
    2018年09月01日
  • 和僑

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    プラチナタウンの続編。
    高齢者の大量受け入れで過疎化の進行に一息ついた緑原町。
    しかし今後は高齢者人口自体も減っていくことが明らかであり、プラチナタウンの拡張は難しい。地域の復興のため、農産物の販路を海外に求めていこうと苦闘する

    0
    2018年08月26日
  • 介護退職

    Posted by ブクログ

    最近、この手の本を見ると手を出してしまう。身につまされる話だった。
    小説としてはやや盛り上がりに欠け、展開も予想できる内容なので想定内。むしろ、体験談を読んでいるようでかなり身近なお話といった感じ。
    解決の仕方は家庭により様々。このケースはウルトラCというか…我が家には当てはまらないが、何とか上手くいきそうでホッとした。
    介護ってお金かかるよね…。

    0
    2018年06月27日
  • 介護退職

    Posted by ブクログ

    三國電産北米事業部長の唐木栄太郎は取締役の椅子も目前。妻と名門私立中を目指す息子と家族三人で、都内の自宅で絶好調の年末を迎えていた。そんなある日、秋田で独居する老母が雪かき中に骨折したと電話が入る。その時は、まさかそれが、奈落への号砲とは知る由もなかった…。

    0
    2018年06月17日
  • ラスト ワン マイル

    Posted by ブクログ

    本当に客を掴んでいるのは誰かー。暁星運輸の広域営業部課長・横沢哲夫は、草創期から応援してきたネット通販の「蚤の市」に、裏切りとも言える取引条件の変更を求められていた。急速に業績を伸ばし、テレビ局買収にまで乗り出す新興企業が相手では、要求は呑むしかないのか。だが、横沢たちは新しい通販のビジネスモデルを苦心して考案。これを武器に蚤の市と闘うことを決意する。

    0
    2018年06月17日