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メディアの独裁者vs.IT業界の風雲児。勝利を収めるのはどちらだ!? かつてテレビと出版のメディアミックスを成功させた渋沢は、電子出版に新たな事業の可能性を見いだし、密かに策を練る。一方、渋沢の協力を得られなかった芦野は、独自のルートでコンテンツを集め、ついに電子書籍端末を世に送り出す──。ビジネスの開拓者らが繰り広げる熾烈な攻防戦を描く、白熱の人間ドラマ。
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Posted by ブクログ
個人的には最期まで渋沢を嫌いになることはなかった。 しかし、紙媒体から離れられない人間にはいろいろと考えさせられる。
携帯電話で 急激に伸びた IT企業の 芦野 そして 亮輔。 電子書籍リーダー ミネルバを無償で配布する。 その狙いは 携帯電話のシェアーを高めるための 方策であり、そして 活字を読む人のプラットフォームを 支配する事にあった。 様々な試練をくぐり抜けて 極東グループのトップの渋沢。 87歳という高...続きを読む齢にも関わらず、戦略的な思考は極めて優れている。 活字離れではなく、紙離れであると亮輔にいわれて、 はじめて 何が 問題なのかを 理解する。 コンテンツを供給する側でなく、 プラットフォームを握る事が大切だと物の本質をつかむ。 そして、大手出版会社6社とアメリカの本の翻訳をする事で、 出版をまとめ、新聞も 電子化を図る。 ミネルバが クリスマスをターゲットにして 発売し、好評を得るが。 渋沢は、その6ヶ月後をみすえて、ミネルバをモルモットにしながら、 みずからの 戦略を実行する。 そして、プラットフォームを制するが。 軍艦にぶち当てられて、沈んだという メッセージが、 時代を超えて、鳩が 運ぶ。 なるほどねぇ。光と陰が 自己の歴史の中で交錯する。 芦野がいいところまでいくが、次の一歩の経営判断があやまっていた。 たぶん 渋沢の評価が 十分でなかったと言える。 年寄りには 電子書籍のプラットフォームの価値が わからないだろうと思っていたのかもしれない。 レコードが 消えて、フィルムが 消えた。 次は 本当に 紙の本が消えるのか? という事であるが、電子の本は もっと違った大きなものをつくりそうな気がする。 そして、やはり、紙の本は 残っていくのでしょうね。
電子書籍は見るもの、読書ではない。読んだなというじゅうそくかんを得たいなら紙媒体だ。実在とバーチャルの違いだ。
昭和の前半のお話の時は、正直今の時代に読むには少し退屈というか、斜め読みしてしまう部分もあったけど、最後は軽く物事を考えていたベンチャー企業ではなくて、深くじっくり考えていた大企業が勝つというのが、なんとなく私には納得の結末だった。今の電子書籍もこんな風にできたのかなぁ・・・。
日本におけるメディアの成長要因をビジネス視点で体感できる良作。 テレビを普及させるにあたり、政治的な動きはもちろんあるのだが、将来を見据え出版をも巻き込み、コンテンツのマルチユースを考えていたとなると、当時の人たちって本当に頭がよかったのだなぁ。 未だに日本においては新聞の電子化は十分に進んでいる...続きを読むわけではない。 折り込みチラシに変わるものが見出だせず、電子版は広告収入モデルではなくなっているので、その絵が描ける人材がいないのかもしれないし、短期的な視点で販売店を如何に守るかと言うことにまだまだ囚われている気がする。 近未来と思ってたことがどんどん実現されてくる世の中。 そのまた先を予測して、新たな価値を産み出すことが出来れば面白い。
面白かった!! 今度は電子書籍でのビジネスについての物語です。 いよいよ下巻です。 下巻では、電子書籍ビジネスについてさらにブラッシュアップされ、課題が深堀されています。 書籍が電子書籍に変わっていくであろう事が避けられない中、その電子書籍ビジネスでの課題が物語を通して、いろいろ検証されています。...続きを読む 自分の電子書籍ビジネスの考えの浅はかさがよくわかってしまいます(笑) さらに、下巻では、渋沢が出版とテレビのメディアミックスを成功させ、真のメディア王となるいきさつ。そして、その渋沢が電子書籍ビジネスを進めようとしているIT企業と連携するのではなく、独自に電子書籍ビジネスを構築し、出版、ラジオ、テレビ、電子書籍とすべてのメディアを制覇すべく、IT企業との戦っていくくだりがわくわくします。 その中で、電子書籍ビジネスを牛耳るのはプラットフォームを握った会社ではなく、コンテンツを握っている会社。 IT企業VSコンテンツ企業で、それぞれの強み、弱みを引き立たせるのと同時に、企業戦略ってそう立てていくんだなぁっていうのが勉強できます(笑) 楡さんのビジネス小説にははずれがありませんね。 とても、楽しく読むことができると同時に、とても勉強になりました。 しかし、あえて苦言をひとこと。 最後の伝書鳩のくだりは必要なかったような気がします。ここで、出てくるのか!!とは思いましたが、なんかいまいちだったなぁ... とはいえ、電子書籍に興味ある方は必見の物語。キンドルで読んでいるあなた。お勧めです(笑)
下巻に入っても依然として、昭和の話が続く。 しかし、時代が流れるにつれて、ものの見事に平成の電子書籍への話にリンクしていく。 終戦から3年の昭和25年からスタートし、「ん?」と思うのだが、気づけば現代の電子書籍の話に。 取り上げる題材がホットである。 やっぱり楡周平はいいなあ。
少し余談のような話ですが、マンガが電子書籍マーケットに本格的に流れ出している。思えば、週間漫画はモノクロで、現状の読者が掴めず廃刊に追い込まれて行った。カラーで、電子上でアップすれば、出版側もローリスクで、マーケットの期待値も素早く読める。 すぐに潜在需要を取り込みそうな気がします。
201303/他作品に比べ人物のかき分けがわかりにくいとこはあったけど、面白かった!ラストシーンも良。
日本での電子書籍導入でのプラットフォーム争い。先んじるのはグローバルテレコムだが、極東グループはすでに手をうっていた……。 現在の電子書籍業界をデフォルメしているようで(実際はもっと複雑だろうけど)、参考になった。下巻は小説としての面白さよりも、「実用性」が上回った感じ。この小説で楡周平という作家を...続きを読む知った。また読むことがあるかも。
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