あらすじ
胎児の卵巣には、巨万の富が眠っている――。フィリピン、マニラ近郊の、熱帯樹林に囲まれた研究施設で、人類史を覆す驚愕のプロジェクトが進行していた。胎児の卵子を使い、聖母マリアのように処女をも懐妊させる、「マリア・プロジェクト」。生命の創出を意のままに操り、臓器移植にも利用しようというのだ。神を冒涜するその所業に、ひとりの日本人が立ち向かう。医学の倫理と人間の尊厳に迫る謀略エンタテインメント巨編!
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Posted by ブクログ
少しずつ読んでいる楡さんの小説。
今回のストーリーは、
人工授精を利用したビジネスを企む悪の枢軸企業と
立ち向かう一人の日本人の物語。
彼らの対決に複雑に絡み合うのが、
過去、彼の子どもを身篭りながらも、
両親の意思により中絶された女性や
フィリピンで働く彼の同僚たちの物語。
人工授精の技術はあくまでフィクションだと思われるが、
筆者の圧倒的な筆力によって、どこまでがフィクションで、
どこからがノンフィクションなのかさっぱりわからず。
もしかしたら、僕たちの知らない世界で、
こんな怖いことが起こっているのかもしれない。。
やっぱり楡周平はスゴイと思わされた一冊。
Posted by ブクログ
一番最初の子供を堕ろすシーンの文に惚れて読みました。
この本に必要な知識が全くないので一回目に読んだ時はちんぷんかんぷんでしたが、何回も読んだり調べたりしたら少しだけ内容を掴めた気がしました。もっともっと読み込みたいです。
Posted by ブクログ
朝倉恭平シリーズが終わってちょっと寂しかったあなたに!!
これまた実際にあってもおかしくない?(実在してしまうと恐ろしくてたまりませんが、、、)ような(((p(>o<)q)))
フィクションと割り切って読みましょう!!
面白いです!!
Posted by ブクログ
供給が限定的で需要が切実であるほど違法なマーケットは悪魔的な魅力を持つ。最近、臓器移植で話題に上がることも多いフィリピンが舞台になる医療系サスペンス。最後はドンパチになってしまうが、そこに至るまでがスリリングでプロットは大胆かつ精緻。
Posted by ブクログ
新規購入ではなく、積読状態のもの。
2010/9/25~9/28
フィリピン・マニラで胎児の卵巣から取り出した卵子を用いた人工授精や臓器売買を行う研究施設に翻弄される日本人を描くサスペンス。バイオテクノロジーの発達により、こんなことが本当にあっても不思議ではないところが恐ろしい。これ以上内容に触れると(書いたことも結構ネタばれ的ではあるが、文庫裏に書いてあるのでよしとしよう)、未読の方に悪いのでこれくらいにしておくが、傑作である。一読をお勧めする。
医学の進歩の裏には
子どもが欲しい。でもできない。 そんな思いにつけこむ男たち。 ニーズがあるからやらなくてはならない。 お金になる、必要としている人がいる。だからやる。プライドを持って。 ・・・それが思い上がりなんに。。。 警察を抱き込んでの大きな犯罪は、いまでも途上国である問題やと思う。 卵子って今も結構高く売れるらしいしな。 物事のウラを知らずに過ちを犯してしまうってことを暗に示している話でもあると思う。
Posted by ブクログ
流産させた6ヶ月の胎児。
その胎児は 女子であり、体内には 700万個の卵子がある。
それを人工培養させて 成熟させる。
成熟させた 卵子を 人工授精させる。
受精した卵子を 定着させ 代理母 によって 誕生させる。
それによって ニンゲンが誕生する。
胎児から 卵子を取り出して 成熟させるというのは 新規性があるが
それ以外の手法は 目新しいことではない。
『倫理』というものが 技術の進歩によって 変化してくる。
そのことが テーマとなって
現代の 生命とは ニンゲンとは ということを
問いかけるのではなく、
ビジネスとして取り組んでいる集団に対して
何らかのアクションを起こそう という話なのである。
身近で 都合がよく事件が起こりすぎている。
フーム。物語作りとしては ちょっと 安易感も否めない。
卵子および精子を選ぶ基準とは何だろう。
家柄、階層、貧富の差が どのような制約があるのか。
法的な整備が遅れている フィリッピンにおいて
違法な 臓器移植が行われている。
誘拐、拉致、そして 生きた人体から 臓器を取り出す。
フィリッピンなら やりかねないと思わせる。
貧しいことによって 売春だけでなく 臓器までビジネスとなる。
下層な貧民街で 事件の発端が 起こる。
金のためならば なんでもしてしまう。
このようなことは、
フィリピン、タイ、中国が絡んでいそうな事件でもある。
具体的な事実が分かってから セジマは 反撃に出る。
貧民街のボス を中心に 軍隊経験者が あつまり
その基地に 侵入し 奪回する。
その作戦は 楡周平の パワフルな筆力が爆発する。
Posted by ブクログ
医療の進歩によって、今までだったらこの世に生まれていない命や、助からなかった命が救われるようになったが、どこまでが許される範囲なのか?
不妊治療や代理母といった、今となっては特別なことではなくなっているものから、技術的には可能だが、現段階で倫理的に許されるのかが微妙な医療行為もある。
もう10年、20年すれば、金で買えない命は無いなどと宣う先端医療ビジネスをやる社長が出たりするかも。
ただ、せっかくの重いテーマと、徐々に伏線がつながっていく上手さがあったのに最後は映画化を意識したのか?戦闘シーンになってしまい、残念。
Posted by ブクログ
えぐい話でした。技術的にはあながち将来的には有り得ることもあるんでしょうか、、、
モラルを無視して実行できる国を選び、切実に子供が欲しい、、臓器が欲しいというセレブに限られた世界、、というのも信ぴょう性がありますね。
小説全体的には、長かったなぁ、、と思いましたが、、、。特に立ち者に乗り込むところの描写が長くて、読むのに気力が必要でした(笑)実質、そこまでひきこまれていなかったのかもしれません。
でも、なかなかない設定のストーリーで、おもしろかったです。
Posted by ブクログ
今回のテーマはちょっとつらかった。
とくに「はじめに」の2ページが衝撃的過ぎて、そのまま読み進めるのがちょっといやになりました。
生命の創出を人為的に行い臓器移植にも利用する話。
前半はノンフィクションのような詳細な描写。
後半は映画を思わせるようないつものドンパチ。
ドンパチはフィクションの世界観で楽しめましたが、前半のストーリ展開があまりにも現実的で詳細で、まさにそんなことがおきているのでは?と思わされるぐらいで、これがちょっとつらかったです。
そのストーリは、家柄の違いから、泣く泣く堕胎した6ヶ月の胎児から、卵子をとり人工培養して成熟させたのち、人工授精させて代理母によって出産させまる物語。
胎児の卵子を使うのかぁっと驚きますが、いわゆる代理母などの話は、医学サスペンスにはよくありがちなストーリ展開です。
しかし、貧困層の子供をさらってきての臓器売買や臓器移植が出てくると、やはりつらい。
また、なくなく堕胎した女性がその後結婚して儲けた男の子をやはり臓器移植で救おうとするところが、よんでてつらい。その臓器の出所もつらい。さらに、その後妊娠できない体になってしまいながらも子供がほしいというところで、ドンパチにつながっていきます。
臓器移植しか手段のない状態でどうしても救いたい自分の子供。子供ができなくなってしまった体で実子がほしいときにとる手段は。医学の倫理や人間の尊厳が大きく揺さぶられるストーリ展開です。
後半のドンパチは、その理由で軍隊経験者の集まりノン中に素人が参加するか?とか、それだけ郡代経験者が多い中で素人だけ助かるか?とか、いろいろ疑問なところはありますが、勧善懲悪+涙頂戴の展開で、逆に安心して読み進めることができました。
生命の誕生、臓器移植について考えさせられる作品でした。
Posted by ブクログ
読みごたえをブンブン感じました!
後半が少し自分には合わなかったようですけど・・・
すごい題材の切り口を見せているのと
上手いです!
圧巻の文章力と構成で惹き込まれます
さすがと思いますが、自分的には少し足りず。
ですが、フィリピン事情や医療事情は
ものすごく沸沸と伝わってきました。
日本は平和でいいっす
これも先祖のおかげか?国民の力か?
よくわかりませんが
フィリピンは、大変なんですね
フィリピンのある一面を把握するのにもいいんでしょうね
あんど
けっこう
リアルにダークに描かれている国と医療が
怖かったです
☆3ですが
良い作品であることは間違いないですね。
Posted by ブクログ
堕胎と不妊治療にビジネスチャンスがある。
頭がいい人が倫理上正しくないことに使われた場合について考えさせられる。
家柄を大切にする階級という普段あまり知らない世界についても垣間見れる。
フィリピンについても学べる。
Posted by ブクログ
街の一角で倒れていた知り合いを助けた事によって世界が一変した少女。
愛する人の子供を妊娠した事によって、堕胎を迫られた娘。
そしてその恋人。
巡り巡ってそれらが交わった時、始まりで終わりでした。
全員の関係性、背後にあるもの、年月。
それらが合わさって事件が明るみになるまでは
一応平和な生活? でした。
しかしこのプロジェクトすごいです。
人を人とも思っていない、というより、利益優先?
どう言えばいいのか分かりませんが、価値観の違い、というには
すごすぎるものでした。
が、すべてにおいて上から目線なのは分かりました。
自分達が一番上等ですから…。
Posted by ブクログ
最近ニュースになっている臓器移植や代理母での出産などのダークな問題についての小説。
実際に本当にありそうな話です。
ひどいこと、悪いことではあるのですが、万一自分の子供が必要になった時に
求めないとは言い切れない気がします。
映画になりそうな小説でした。
Posted by ブクログ
フェイクのようなポップさはありませんが、エンターテイメントとしてかなり楽しめるかと思います
また、それだけでなく、途上国の抱える諸問題についても考えるきっかけになると思います
ジャンル違いだった?
医療物のサスペンスかと思っての購入。
でも、もしかしてジャンルが違ったのかも。まだ読み始めたところだけど、エロ?グロ?描写が少し気持ち悪い。そこまでの描写が必要か?と疑問に思うが、そっちのジャンルならそういう物かも。着想が興味深いので残念に思う。ただ、この後はもしかして軌道修正があるのか?読み始めの楽しみ感は失くなったけれど、もう少し読んでから止めるかは決めようと思う。