楡周平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
三洋電機をモチーフにしたビジネス小説
残念ながら、上下巻あわせてちょっといまいち。
しかし、下巻は盛り上がります。
主人公はさらに門外漢の営業へ!厳しい人事です。
そして、結局は転職を決意しますが、MBAを持っていながら転職が難しい!!
これは、正直びっくり。
本書の中では、会社の危機がわかっていながらも転職しなかった決断力の甘さが指摘されています。
そして、会社に甘えていた姿勢が糾弾されています。
なるほどと思いました。
さらに、そもそも会社の従業員、役員たちの会社に対する甘えが会社を傾ける原因になっていること。
また、会社は人で成り立っていることをおざなりにしていること。
そういったことを警告する物語となっています。
自分たちはどうなのか?考えさせられます。
日本企業に警告を鳴らしている感じです。
主人公は、結局は転職し中国で働き始め、最終的には元会社の建て直しに携わることに。
この辺はいかにもって感じですね。
ということで、下巻はかなり動きがあって面白いですし、メッセージ性もあり、楡さんの本領発揮なところが多いです。
ただ、上下巻ということでは、ちょっと期待値をしたまわります。
小説というより警告として読むべき本なのでしょう。 -
Posted by ブクログ
三洋電機をモチーフにしたビジネス小説
しかし、残念ながら、上下巻あわせてちょっといまいち。
正直、暗い気分に落ち込んでしまう物語。
上巻では、MBAホルダーの主人公が(同期の)人事本部長にいじめられるような人事を受け、それでも結果を出すべく奔走する姿が語られています。
具体的には工場閉鎖というリストラ業務を命じられ、単身赴任でそれを全うする姿が語られています。
リストラするほうもされるほうも大変なことです。
ビジネスマンのつらさがひしひしと伝わる物語です。
明日はわが身を考えてしまいます。
楡さんの小説はあまりに現実的、具体的で、ほんと身につまされる思いです。
そういった意味では、上巻は特にハラハラドキドキもなく、淡々と物語がすすんでいくかんじ。
ということで、下巻に続く。 -
Posted by ブクログ
だんだんと テンポが良くなってくる。
筆運びが うまくなっているというべきか。
スリリングな 展開。
朝倉恭介の ビジネスモデルが ほころびがでてくる。
金髪のヤンキーなタシロの オンナアサリから
ほころびが 生まれる。
小料理屋のおかみさんが、岡村の嫁さんだったとは。
そこからもほころびる。
そして、雅彦は コカインの調査にいくことで
ギャレットと 知り合い 朝倉とフロリダの襲撃が
わかることに。
このように 朝倉恭介を 追いつめていく
物語の作り方は 実に うまいのである。
そして、台風によって、コンテナーが 破損し
大量のコカインが 見つかることに。
絶対絶命の 朝倉恭介に、
包囲網が 作られるが、
朝倉恭介は 暴走族を なぎ倒し
追跡するパトカーに 手榴弾を投げつけて
逃げまくるのであるが。
戦争であれば、警察も暴走族も関係なく
敵として叩き潰す。
警察官を殺すのは 敵であれば 当然という
ことでしょうね。
川瀬雅彦との運命的な 出会いをする。
ふーむ。
うまいねぇ。 -
Posted by ブクログ
楡周平の処女作。
にしては、筆の運び方が 着実でもある。
朝倉恭介は、優秀な成績であり、同時に
肉体的にも 鍛えられている。
そして、友人との出会い。
その父親のダークな世界にふれることで、
自分の進むべき道を決める。
二人の暴漢に襲われた時に、
正当防衛として 殺してしまうことで、
更にすすむべき道が 明らかになった。
自分の中に 存在している なにか が
行動に駆り立てているのだ。
そして、日本という 海に囲まれているが故に
密輸入の困難さを 打ち破る ビジネスモデルを考案する。
いくつかの前提で
税関での検閲が 全量検査ということと
ロットナンバーが違うことで、それを保管することと
保管庫が 簡単に 空き巣のように入ることができると言う前提が
少し、弱そうだが、まぁ。
それは、大目に見ても、密輸の手段のブレークスルーは、
可能だった ことが、この物語の 構成になる。
実に 淡々として 物語が すすんでいく。
そこには、激しさなどもない。
死に対する 恐れも 殆どないのが 印象的だ。 -
Posted by ブクログ
朝倉恭介の2冊め。まったくこの世は猛禽にあふれていて猛禽天国、最後は猛禽インフレを起こしている。
著者はなんでも書き、世界を創ることが可能なのだけれど、やや無理があったり、強引なところも散見される。時に自分に酔ったような饒舌な修飾語なども垣間見れて、自分が創りだした神をさらに称えるような、自己自演が表現としては気になりました。
全体的に行けば、世界は自分が思っているようには動かず、まさに、明智光秀と織田信長の構造をそのままに、組織についていなかった恭介がどうなっていくのか、が今後の展開につながっていくのでしょう。恭介は人をバンバン殺しますが、何故か正しい方に向かっていく。手段は悪であっても、心は正義、なんていう二面性をもっているんでしょう。真っ黒にはなりきれないダークヒーロー。自分の人生の舟を漕ぐことはできるのであろうか。このままだと、真っ逆さまに落ちてしまう。
それを止めるのが、本当の愛だった、とかはやめて欲しいけど。さて、次、4部目に突入! -
Posted by ブクログ
シリーズ物でなければ読みきれなかったかも。逆にシリーズ物だから、導入として読んでしまい、そのボリュームに辟易した感もある。
朝倉恭介の敵となる川瀬雅彦の導入にあたる部分だが、スケール感の割にお粗末すぎる偶発的事故で物語が収束し、悲劇も喜劇になってしまった。
これまでの楡周平の他の作品を読んで、原点に戻って読みなおしてしまっていて、主人公の挟持や登場人物の思惑などが空回りしているように感じてしまった。著者としては初期として、おそらくここまでスケールを広げて書いたのは初めてに近く、その意気込みと勢いは買うが、少し冗長になってしまったのは、時代が追い越してしまったのだろうと思う。
当時としては、これほどの内容を昇華した小説は珍しいだろうし、内容自体は現代にも通じる。あまりにも今の小説が読みやすく、スピード感をもって書かれているのかがよく分かる。次の猛禽の宴は、また朝倉恭介が主人公なので読みやすさ重視のエンターテインメントものになっていると思われる。そういう意味では、川瀬雅彦の方は、あえてこの文体で書かれていると考えて読んだ方が良いのだろう。次のクラッシュに期待。 -
Posted by ブクログ
ダークかダークじゃないかと言われれば、ダークだ。ヒーローかヒーローじゃないかと言われれば、ヒーローではない。運命によってダークサイドに落ちていった人間の作り上げたシステムによって、人が一人贅沢な暮らしと、時々殺しをさせるだけだ。あとは黙々とした作業の繰り返し。目立たず、大衆の中に紛れ込む。
せっかくの技術、能力、知力を最大限に活かせるところが裏稼業だっただけで、別に最初から表世界で働こうとも考えていなかったと思う。そのように仕組まれていったことが運命と呼ぶのなら、彼は純朴な運命信者であり、初志貫徹するブレない生き方と冷静な判断のみを神に捧げる。
ただコカインで一儲けすることが彼のやりたいことではなく、おそらく、死んでしまった友人の代わりに親孝行をするくらいの気持ちでやっているにすぎない。もっと悪いこと、もっと汚いことを人にさせるのか、させることができるのか、この後の展開に期待。