楡周平のレビュー一覧

  • クラッシュ

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    シリーズ第4作、川瀬雅彦編としては2作目に当たるが、川瀬編の前作「クーデター」とは比にならない完成度の高さ。
    「クーデター」ではあまり効果的とはいえなかった、場所を基点にカットバックして物語を進めていく方式が今回はだいぶ奏功しているし、文章構成や表現そのものも高度に練られているから、長さも気にならない。
    なにより、ストーリーの骨子がしっかりとしていて、読者をハラハラさせ、この先どうなるんだろう? と興味を抱かせるという点において、まさに王道を行く作品。
    福井晴敏氏の一連の作品を彷彿とさせる要素もある。

    この小説が最初に発刊された年代(1998年)を慮れば、コンピューターに関して一般の人々にとってはやや難しい内容が書き込んであったような気もするが、その分、今読んでもそれほど時代遅れ感を抱くことはないし、素直に「へえ~」と思うことができる。
    ただ、いかにも伏線になりそうな登場人物の錯誤が実は本筋とはまったく関係なかった、という風な無意味な描写もいくつかあり、それは少し邪魔かも。

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    2009年12月23日
  • 猛禽の宴

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    シリーズ3作目に当たるわけだが、ここまでに限る印象としては、川瀬雅彦編よりも朝倉恭介のこちらの方が、明らかに完成度が高く、読み応えがある。

    さすがに古さを感じさせるのは否めないが、朝倉恭介編の前作、「Cの福音」同様にエンターテインメント性を充分に有しており、深く考えることなく、まるでハリウッド製の娯楽映画を観ているかのように単純に楽しめる作品。

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    2009年12月23日
  • 陪審法廷

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    余計なものが削ぎ落とされていて、わかりやすい。日本人の裁判員は、ここまで論理立てて物事を考えることができるのか。直感でクロと思ったら、そのまま思考停止すると思うが。

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    2018年10月14日
  • 異端の大義(上)

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    地の文に説明口調が目立つが、全体の雰囲気がドライだし、英語流なのか無駄な修飾語がないので、この作家のビジネスフィクションは読みやすい。

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    2018年10月14日
  • 再生巨流

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    極めて面白い。新規ビジネスの発送、立ち上げにおけるプロセスがフィクションの形でビビッドの描かれており、ビジネスパーソンにとって極めて読み応えがある。

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    2018年10月14日
  • 陪審法廷

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    裁判員制度がスタートすることもあり何となく手にした本。
    筋書き的には先が読めるものの、内容は面白く、すんなりと入り込めた。考えさせられることも多く、アメリカと日本の違いも鮮明になる。

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    2009年10月13日
  • 陪審法廷

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    2009/3/19 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。
    2012/4/17~4/19

    グアテマラからアメリカに密入国し、医師と看護師夫婦の養女となったパメラ。幸せそうに暮らしているように見えたパメラであったが、隣家の日本人同級生研一に養父からレイプされていることを告白する。密かに彼女に恋していた研一は、彼女を救うため、養父を殺してしまう。アメリカの陪審員裁判を受けることになった研一に果たして陪審員たちはいかなる判決を下すのか?
    日本でも裁判員制度が導入され、しろうとが人を裁くことの是非が問われているが、少し制度は違うとはいえ、その難しさが良くわかる。自分ならこのケース、どういう風に判定するだろうか。

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    2012年04月19日
  • プラチナタウン

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    楡さんを初めて読んだけど面白かったです。でもちょっと平和すぎたかな。カマタケがもっと賢ければ面白かったかも!

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    2026年10月06日
  • 介護退職

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    「平穏な日々を崩壊させる」と裏表紙のアオリ文句にあって、『Cの福音』シリーズの著者でもあり、家庭が崩壊し路上生活を余儀なくされるかという「きょう、ホームレスになった」的な事態になるかとおもったがそれほどでもなく、救いのある終わり方でほっとしている。
    もともと主人公が大手商社の役員候補で一千万プレーヤーだし、しかも終わりは少しうまくいきすぎで、平凡なサラリーマンとは特に経済的面で全然異なるが、途中までの降格にいたる経緯は誰にでもありうることで、参考にはなる。

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    2026年10月05日
  • ショート・セール

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    楡周平『ショート・セール』光文社文庫。

    日本の自動車メーカーを巡るマネーゲームを描いた経済小説。

    アメリカや中国といった大国の経済界のフィクサーたちは汚い手を使い、日本企業を食い物にしている。アメリカは自国ファーストを掲げるアタマのおかしな大統領が扇動し、日本企業に不利な条件を突き付けている。中国は日本の不動産を買い漁り、日本企業にも食指を伸ばしている。

    主人公の投資ファンドの女性副社長である樋熊令が自分の父親を罠にはめた海外の悪質なプロの経営者に復讐を果たすというストーリーなのだが、リアリティが無く、爽快感も無かった。

    楡周平は岩手県一関市の藤沢が出身というだけに作中には一時騒がれた岩手県のリニアコライダーの話題も描かれていた。


    牛島と共に投資ファンドを経営する樋熊令の父親はかつて悪質なプロの経営者にはめられ、心を病み、入院していた。

    そんな中、彼らが再び暗躍を始める。日本の自動車メーカーにプロ経営者を送り込み、EVへのシフトを口実にリストラ、工場閉鎖による遊休地を売却して株価の釣り上げを目論み、勝ち逃げを狙っていたのだ。

    樋熊令は信頼する仲間と共に、世界経済の矛盾を利用した一世一代の経済ゲリラ戦を仕掛ける。


    こういうTOBやM&Aなど自分が働いている会社には関係無いと思っていたが、それがいきなり降り掛かって来たのだから非常に驚いたという話を書いておく。

    自分が働いている会社はニッチな分野でありながら、固有技術を武器に長年に亘り、世界シェア1位を維持している。数年前に持ち株制度が始まり、自分も毎月少額を投じて自社株を購入していた。毎月の購入額の他に奨励金や株の配当金などもあり、知らぬ間にかなりの株を保有していたようだ。

    そんな中、突然、中華系企業がTOBを仕掛けて来て、それを阻止しようとホワイトナイトとして名乗りを上げた日本の有名部品メーカーとの間で忽ち株価の釣り上げ合戦が始まったのだ。

    両企業の闘いは半年余り続き、最後に信じられない程、株価を釣り上げた中華系企業が勝利した。自分は5年間で奨励金や配当金を含めて僅か40万円程しか投資していなかったのだが、それが200万円になり、人生で初めての確定申告を行った。

    現在では、中華系企業が親会社となった影響がじわじわと見え始め、会社は利益至上主義に変貌し、英語も必須となりつつある。元々、地元の高卒が多いのだが、上からの利益追求型のパワハラまがいの顧客無視の指示やら様々な制約や強制で退社する社員が増えている。

    恐らくこの調子では、会社は後5年でダメになるものと思われるが、自分は後1年程で退職するのでまあ仕方が無いかと諦めている。

    本体価格1,060円
    ★★★

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    2026年09月20日
  • ラスト ワン マイル

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    楡さんの小説も3冊目。
    今度はオンラインショッピングモールの配送から事実上の取引停止を通告された宅配運送会社の起死回生の逆転劇を書いた経済小説。

    上梓されたのが今から20年前で、当時話題となったライブドア事件を題材に取り入れている。逆転劇となったビジネスモデルも今の時代では当たり前になっているので少しインパクトに欠けるのが惜しい。当時読んでたらまた印象が違ってたかも。

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    2026年09月08日
  • 呪術師の末裔

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    ネタバレ

    万能薬があればどうなるのか?面白いストーリーでした。宗教団体、製薬会社、医学界、どれもこのとおりなのかと思いました。ただストーリーの展開が単純で、もう少しいろんなことが起きるという予測は裏切られた気はしました。

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    2026年09月08日
  • 呪術師の末裔

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    ちょっとありえない設定だけど、ここで朝倉恭介出るのか…登場はしないけど。
    新たな「Cの福音」が始まる序章だったのでしょうか?
    礼央の本当の力はまだ発揮されてない気がするので…

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    2026年08月30日
  • サンセット・サンライズ

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    うーん…まぁまぁかな笑
    ラノベが好きな人に刺さりそう

    スラスラ読めるし軽いテンポでサクサク物語が進みます
    好都合すぎるくらい順風満帆です
    フィクションなので別に良いのですが、あまりにもご都合主義過ぎるというか…ヒロインが美人じゃなかったら絶対違う結末になったでしょ笑

    テーマは良かったです
    コロナ禍における空き家問題についてスポットライトが当てられていて社会派な側面のある作品でした
    でもこれ主軸が恋愛小説でした
    明るく健全な大人の恋愛小説です
    そういうのが好きな人なら楽しめるかも

    登場人物たちがみんな善人です
    読後感も良い
    ラノベの主人公が中年になったようなお話でした

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    2026年08月24日
  • 介護退職

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    「プラチナタウン」を読んでから楡さんの小説は2冊目。

    この作品も高齢化社会の問題を取り扱っており、今度は介護。高齢の親を持つ人なら誰しもが考えなければならない問題。一種のシミュレーション小説のようでサクッと読めるが内容は重い。介護の現実より会社組織の残酷さのほう心に突き刺さる。

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    2026年08月18日
  • 日本ゲートウェイ

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    ネタバレ

    コロナ禍を背景にした人間ドラマが描かれており、三者三様の立場で奔走しているシーンが多く、共感できるところが多かった。

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    2026年08月14日
  • サンセット・サンライズ

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    楡周平さん、何冊か読んで気づいたけど、あまり好みに合わないみたい。こういう読みやすさが好きな人がいるのも理解しつつ、薄っぺらいというか漫画的というか。そんなに甘いことばかりではないよなー、と。

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    2026年08月08日
  • 砂の王宮

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    流通日本一だった会社の創業者をモデルとした小説。
    この小説の主人公の生き様は、分かりやすく、見方を変えれば、格好が良い部分もありました。
    しかし…もう30年ぐらい前だが、モデル会社と仕事を何度かしました。
    まあ、小説には描かれてませんが、あの会社は、周りと共存共栄という意識がとても低く、辛い思いをした人も沢山居たと思います。
    だから、調子が悪くなった時、誰も助けてくれず、ズルズルと落ちていったのかと。
    そんなことを思い出させてくれた一冊でした。

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    2026年07月26日
  • 限界国家

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    少し大袈裟な部分もある気がしたが、今を生きる20代として改めて将来に対する具体的な危機感を感じることができた。

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    2026年07月11日
  • 呪術師の末裔

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    最後までさくっと読めるけれど、内容は薄め。説明調のセリフが多く、漫画を読んでいるような感じでした。軽めのサスペンスが好きな人にはちょうどよいかと。

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    2026年06月19日