楡周平のレビュー一覧
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山崎豊子作品の主人公達のように、会社の理不尽に耐えながら、それでも辞めずに自分の信念を貫くと思いきや、あっさりと転職してしまった部分はちょっと意外性があった。
カイザーに転職し、中国市場の拡大を任されるが、東洋電機の危機的な状況もあり、今度は東洋電機買収の計画を任されるという、なんとも因果な状況に。
最後はライバルの湯下と会話し、未来を見いだすかのように終わるが、全体通して、主人公・湯下含めて魅力的なキャラクターが乏しく、ストーリーも上下巻に分けるほどだったのかなぁと思った。特に中国での活躍はほとんどないし、何のために行ったの?と思った。 -
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財政が厳しい田舎町を高齢者の住みやすい街に変えていこうとする、元エリート商社マンの町長の話です。
おそらく少し前くらいから、高齢化が進んでいる地域では取り組み始めている問題だと思います。
高齢者住宅を増やして、労働者を募集して、街自体を活性化させていく、うまくいけばウィンウィンなプランですし、物語の中では、高齢者たちの希望を背負って終結します。
しかし、現状では高齢者は増えていく(来年には団塊の世代が後期高齢者になる)ことに対し、働く若者があまりにも少な過ぎます。
今なお根強く残る「介護=奉仕」の精神から、介護の職場が稼げる職場になるよう、「介護=ビジネス」 -
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高度経済成長やバブルの時代を知る世代にとっては、今の日本に不安や寂しさを感じるのも無理はないのかもしれません。
今の若い世代に厳しい目が向きがちだけれど、ここまでの社会の形をつくってきたのは、これまでの政治や経済を担ってきた世代でもあるのだと思います。
日本が輝いていた時代を知らない若い世代にとっては、今の日本が自然な日常。
ベンチャー経営の21歳の登場人物が、既存の価値観にとらわれない若者として描かれています。
明治維新や終戦後の日本のように、これまでの常識に縛られない若い世代が次々に活躍し、その頑張りをみんなで応援できる社会になっていったらいいなと思います。
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ネタバレ「朝倉恭介×川瀬雅彦」シリーズの三作目でここは朝倉恭介がメイン。シリーズ二作目「クーデター」は川瀬雅彦が活躍する。
マフィアに加わった朝倉恭介。彼が考えた日本でのコカインの販売ルートは、7年後も順調に販路を拡大して、ニューヨーク・マフィアのボス「ファルージオ」の信頼も厚かった。
だがファルージオの組織には亀裂が入り始めていた。 中国マフィアなど多くの人種で構成される組織との共存状態を、安定した形で仕切ってきたファルージオが襲撃され、半身の自由を失った。彼はボスの座を譲らなくてはならなくなる。
この機会を待っていた部下「コジモ」の暗躍は、「ファルージオ」の失脚を初めから見込んだものだった。
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ネタバレ主人公は大手総合商社で部長職にある山崎鉄郎。ひょんなことから退職を余儀なくされ、多額の負債を抱えた生まれ故郷 緑原町の町長として、財政再建に取り組むことになる──。
物語が進むに従い、山崎は主人公というよりやや語り手のポジションにシフトし、財政再建の決定打となる「プラチナタウン」のプロジェクトが主人公のようになっていく。地方の高齢化と人口減少、箱モノ行政による財政赤字、都市部での老後生活支援の不足、進まぬ介護職への処遇改善…。本作が世に出たのが平成20年。それから15年以上経った今でもほとんど解決の目処が立たないこれらの問題を、大胆な発想と実行力で一気に乗り越えていくプロジェクトだ。とても痛快