楡周平のレビュー一覧
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主人公は銀座のクラブの新米ボーイ。月給15万円で長時間労働にうんざりしていたが、新しい雇われママがやってきたことから状況は変わる。
とある理由でママの送迎をすることになり、その分がママのポケットマネーでアドオンされるようになり暮らし向きはかなりマシになる。
さらにママからあることに協力してほしいと頼まれる。良心と倫理観の間で揺れ動くが、さらに副収入が増えることに負けて手伝うことに。
それをきっかけに事態は急変。親友の借金、片思いの相手のママへ裏切りなど、あちこちに振り回されスレスレのこともやる羽目になるが、最後はある意味、大円団。
夜の世界やギャンブルをうまく使ったエンターテイメント小説。
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【感想】
感染パニック小説という点だけ見れば、今の世界とかなりちょっとばかりリンクしているのかも。
まあ、こっちは致死率100%というとんでもない感染病ですが(笑)
感染をくい止める事が出来ず、人々がパニックになっていく様は、かなりリアルに描かれていますね。
ただ、これは楡周平の小説の悪いところなんですが、如何せん難しく書きすぎてて読み辛い・・・・
特に潜水艦の乗組員同士のミッション中のシーンなどは、ちょっとばかし専門用語が多すぎて、読み物としてはかなり読み辛く、大局にもそれほど影響なさそうなので全部読み飛ばしました・・・
この本に限らず、楡周平の悪いところは、どうせもイイ箇所ですら詳しく -
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【感想】
久しぶりの楡周平作品。
現実でもIR誘致が目前となっている今日この頃、そういった意味でも非常にリアリティ溢れる作品でした。
(誘致場所は大阪になるのかな?)
作中にも書いていたように、本場アメリカやマカオ、シンガポールなどに既にカジノは存在している中で、日本にカジノが出来たところでそれほど経済効果があるのかな?と思うのは事実。
結局エンターテイメント性が高くない事には、すぐに客離れしちゃって廃墟と化しそうな気もしますよね・・・・
この小説は、そんなリスクを加味した上で、どのように日本初のカジノを成功させるのか?といった物語。
日本に特化した遊びとして、「丁半」を取り入れるというのは -
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面白かった
昭和の時代を生きた船乗りの男の物語
主人公、関本源蔵の考え方に共感できるところが多かったです。自分も昭和の男に近いということでしょうか?
しかし、本書の設定は、昭和37年の高度経済成長の時代の物語です。
ストーリとしては、
遠洋漁業・捕鯨での航海をベースに、一等機関士の関本源蔵の生き様を家族、親子、仕事に対する考え方を中心に描いたものです。
とりわけ、一度航海に出たら長期間戻ってこれない状態で、子供の成長とのかかわり、そして仕事への取組みというところがポイント。
特に、遠洋漁業ということで、嵐の中での漁の過酷さ、その中での船員同士の絆の強さ、さらに、一丸となって成果を求める姿に -
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身内のこともあって、介護について少し勉強したので、題名を見て作家が楡さんなので買ってきた。
正直がっかり。現実の介護問題とは程遠い。得るところもなかった。
収入が年間手取り1000万円で役員目前かというエリートサラリーマン、田舎で独り暮らしの母親が骨折、東北までの交通費もバカにならないと自宅に引き取って介護に当たった、しばらくして妻が入院する。
仕事はアメリカ企業との契約が成功寸前で、取締役へのステップに立っている。
3LDKのマンションの住宅ローンと車のローンがあり、高校受験前の息子がいて授業料の高い塾に通っている。
母を引き取ったがほかに介護を頼めるところがない。施設には空きがない。高額 -
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【感想】
前作のクーデターよりは面白かった。
やっぱり朝倉恭介はカッコ良すぎる!!
ただ、本シリーズ全てに言える事だが、あれだけ作中で強さを誇示させまくった悪役の最期がいつも呆気なさ過ぎて、尻すぼみ感が拭えないのは如何なものか・・・・
途中で、「こんな強敵どうやって倒せるんだ」と読んでいて絶望感を覚えさせるクセに、今までの凶悪さが嘘のように呆気なく、かつドジな終わり方で悪役が死んでハッピーエンドっていう展開は、次回作からは御免ですね。
「ちょっとした偶然」くらいはイイけども、重なりすぎると興醒めしちゃうよ。。。
朝倉恭介シリーズはあと3巻か!
次回作「クラッシュ」に期待してます。
【あ -
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面白かった
アメリカの陪審員裁判での法廷サスペンスストーリー
アメリカの陪審員制度の勉強になります。
ストーリとしては、
中学校卒業間際の日本人少年、研一が、隣人のガールフレンド、パメラの養父を殺害
第一級殺人罪で裁かれる研一は終身刑か無罪か
陪審員の出した結論は?
といった展開です。
パメラは、長年養父からレイプを受けており、それを研一に打ち明けます。結果、パメラを救うため、短絡的に養父を殺害します。
パメラを救うべく起こした殺人事件、その背景に対する研一の気持ち。
これに対して、検察側、弁護側、陪審員といったそれぞれの立場から心情が描かれています。
弁護側の論理の組み立てには正直無 -
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まず、書かれている年が1998年であり、時の北朝鮮体制は金日成から金正日の頃の時代が背景である。当時の北朝鮮は現代のように核もICBMを始めとした中長距離ミサイルも持っていない時代であることを念頭に、もし当時の北朝鮮が南進を行うという想定で米国の反撃を最小限に行うために在日米軍基地の動きを止めるためにどのように動くかを想定、模倣し日本国内でクーデターを起こしたらが本書のはテーマである。
本書が書かれた数年前にオウム真理教は、サリンという化学兵器によるテロを実行したけれど、ロシアにヘリコプターなどの武器を買い付けに行っており、本書の書いたストーリーがあながち空想の世界だけではないことを図らずも証 -
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面白かった!
バブル時代のイトマン事件をベースとした物語。
読み終わった後、イトマン事件を調べると、描かれている構図がほとんど一緒。
イトマン事件も勉強になる物語でした。
下巻では
いよいよバブル全盛期。
滝本の野望はさらに高まります。
そして裏の世界の人間とも徐々に繋がっていきます。
ゴルフ場の会員権取引、絵画取引など、さらにビジネスを拡大していきます。
そして、浪花物産の自身の株保有率を高め、自分の城とすべく、裏金取引。
さらには、企業乗っ取り。
しかし、公定歩合の段階的引き上げによる金融引き締めによって、バブルが終焉します。
一気に転落、追いつめられていきます。
大蔵省への内部告発。 -
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面白かった!
バブル時代のイトマン事件をベースとした物語。
読み終わった後、イトマン事件を調べると、描かれている構図がほとんど一緒。
イトマン事件も勉強になる物語でした。
上巻では
300億の累積赤字をもつ専門商社の浪花物産にいずみ銀行から出向し、2年で再建した凄腕社長の主人公滝本。
再建プランは、ノルマ縛りの厳しい物で、社員達の反感を買いながらも増収増益を繰り返します。
高卒の学歴コンプレックスをもつ滝本は、浪花物産の社長のイスにこだわり続け、さまざまなビジネスを開拓、いずみ銀行からの汚れ仕事も引き受け、のし上がっていきます。
しかしながら、その強引なビジネスが少しずつほころびが出始めます