楡周平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
すごく面白かったです! 600ページほどの長編ですが、夢中で一気に読んでしまいました。 構成がシドニィ・シェルダンを思わせるものがあり、エンターテイメント小説かしらと思いながら読み進めていきましたが、たいへん緻密かつ専門的な分野にまで踏み込んでいて、楡周平さんの見識の深さと頭のよさを感じました。 具体的には航空機分野、そしてインターネット分野ですが、知らない世界を見せていただいて、わくわくドキドキ、たいへん楽しかったです。 ふだん漠然と感じているネット社会への不安、それがフィクションとはいえ、現実味を持って、思いもかけないスケールで展開されていきます。 また、単にそれだけで終わってしまうのでは
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Posted by ブクログ
シリーズ最終作に当たる第6作。
そもそもが、今シリーズを通して明らかに存在が際立っているのは朝倉恭介の方であり、正直川瀬雅彦のすごさというか、かっこよさのようなものはあまり描き込まれていないように思われるのだが、この作品中においてはついに川瀬が大活躍。
というか、前作までまさに完全無欠の犯罪者であった朝倉恭介のあまりの凡ミスぶりが目につく。
あるいは、ご都合主義と言い換えてもいいかもしれない。
このような苦言を呈しつつも、星4つということは、やはりストーリーテリングが抜群に上手く、リーダビリティに富んでいる。
あの朝倉恭介と川瀬雅彦がいよいよ相見える、なんて設定だけでもワクワクさせてしまうとこ -
Posted by ブクログ
シリーズ第4作、川瀬雅彦編としては2作目に当たるが、川瀬編の前作「クーデター」とは比にならない完成度の高さ。
「クーデター」ではあまり効果的とはいえなかった、場所を基点にカットバックして物語を進めていく方式が今回はだいぶ奏功しているし、文章構成や表現そのものも高度に練られているから、長さも気にならない。
なにより、ストーリーの骨子がしっかりとしていて、読者をハラハラさせ、この先どうなるんだろう? と興味を抱かせるという点において、まさに王道を行く作品。
福井晴敏氏の一連の作品を彷彿とさせる要素もある。
この小説が最初に発刊された年代(1998年)を慮れば、コンピューターに関して一般の人々にと -
Posted by ブクログ
2009/3/19 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。
2012/4/17~4/19
グアテマラからアメリカに密入国し、医師と看護師夫婦の養女となったパメラ。幸せそうに暮らしているように見えたパメラであったが、隣家の日本人同級生研一に養父からレイプされていることを告白する。密かに彼女に恋していた研一は、彼女を救うため、養父を殺してしまう。アメリカの陪審員裁判を受けることになった研一に果たして陪審員たちはいかなる判決を下すのか?
日本でも裁判員制度が導入され、しろうとが人を裁くことの是非が問われているが、少し制度は違うとはいえ、その難しさが良くわかる。自分ならこのケース、どういう風に判定するだろう -
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ネタバレ「朝倉恭介×川瀬雅彦」シリーズの三作目でここは朝倉恭介がメイン。シリーズ二作目「クーデター」は川瀬雅彦が活躍する。
マフィアに加わった朝倉恭介。彼が考えた日本でのコカインの販売ルートは、7年後も順調に販路を拡大して、ニューヨーク・マフィアのボス「ファルージオ」の信頼も厚かった。
だがファルージオの組織には亀裂が入り始めていた。 中国マフィアなど多くの人種で構成される組織との共存状態を、安定した形で仕切ってきたファルージオが襲撃され、半身の自由を失った。彼はボスの座を譲らなくてはならなくなる。
この機会を待っていた部下「コジモ」の暗躍は、「ファルージオ」の失脚を初めから見込んだものだった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ主人公は大手総合商社で部長職にある山崎鉄郎。ひょんなことから退職を余儀なくされ、多額の負債を抱えた生まれ故郷 緑原町の町長として、財政再建に取り組むことになる──。
物語が進むに従い、山崎は主人公というよりやや語り手のポジションにシフトし、財政再建の決定打となる「プラチナタウン」のプロジェクトが主人公のようになっていく。地方の高齢化と人口減少、箱モノ行政による財政赤字、都市部での老後生活支援の不足、進まぬ介護職への処遇改善…。本作が世に出たのが平成20年。それから15年以上経った今でもほとんど解決の目処が立たないこれらの問題を、大胆な発想と実行力で一気に乗り越えていくプロジェクトだ。とても痛快 -
Posted by ブクログ
新聞広告で知った本。著者のことも初めて知った。
日本の人口減少問題を取り上げた本である。日本の将来に暗澹たる気持ちになる。都市への集中が進むと、全体としてますます社会の高齢化に拍車をかけるようになる。
政治家は老若男女問わず、この問題に真剣に取り組むべきだと思う。
本文中、登場人物同士で次の会話がある。
「一生懸命勉強して、ええ大学に行くのも結構やけど、これからの時代を生き抜くためには、世の中の流れを読む力、何があっても食うていける能力を身につけなならんと思うんです」
「それは分かるけど、親の世代の経験則や価値観って、そう簡単に変わるもんじゃないわよ?」(p.99)
これはまさにそのと