楡周平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
たいへんエンターテイメント性の高い作品で、夢中で1日で読んでしまいました。 「Cの福音」でも思ったことですが、朝倉恭介は主人公であり、稀に見るすぐれた能力を備えた人物ではありますが、肝心の「心」が欠落していますので、私にとっては魅力のないキャラクターです。 彼に「クーデター」「クラッシュ」の川瀬雅彦が絡んでくるとはびっくりでしたが、どちらかというと能力的には朝倉ほどぱっとしない川瀬さんの方が、ずっと魅力的にうつりました。
さいご、このふたりの運命がどうなるのか、息詰まるような思いで読みました。
「6部作」のうち、まだ2作品が未読ですので、これから楽しみに読ませていただこうとおもいます。
楡周平さんは、とても好きな作家のおひとりです。 ほんとうに頭がよく、作品の中に登場するさまざまな主人公同様、生まれ持っての高い能力を備えた方なのだろうと推測できます。 ただ、彼自身、能力の低い人間に対して、侮蔑・嫌悪の気持があるのでは・・・? そういった表現が作品の中に見え隠れするたび、なんとなく白けてしまいます・・・(苦笑) -
Posted by ブクログ
すごく面白かったです! 600ページほどの長編ですが、夢中で一気に読んでしまいました。 構成がシドニィ・シェルダンを思わせるものがあり、エンターテイメント小説かしらと思いながら読み進めていきましたが、たいへん緻密かつ専門的な分野にまで踏み込んでいて、楡周平さんの見識の深さと頭のよさを感じました。 具体的には航空機分野、そしてインターネット分野ですが、知らない世界を見せていただいて、わくわくドキドキ、たいへん楽しかったです。 ふだん漠然と感じているネット社会への不安、それがフィクションとはいえ、現実味を持って、思いもかけないスケールで展開されていきます。 また、単にそれだけで終わってしまうのではなく、電車の中で読みながら、思わず涙が出そうになることも何度もありました。 この前に読みました「異端の大義」に続き、感動の残る、読み応えのある本でした。
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Posted by ブクログ
シリーズ最終作に当たる第6作。
そもそもが、今シリーズを通して明らかに存在が際立っているのは朝倉恭介の方であり、正直川瀬雅彦のすごさというか、かっこよさのようなものはあまり描き込まれていないように思われるのだが、この作品中においてはついに川瀬が大活躍。
というか、前作までまさに完全無欠の犯罪者であった朝倉恭介のあまりの凡ミスぶりが目につく。
あるいは、ご都合主義と言い換えてもいいかもしれない。
このような苦言を呈しつつも、星4つということは、やはりストーリーテリングが抜群に上手く、リーダビリティに富んでいる。
あの朝倉恭介と川瀬雅彦がいよいよ相見える、なんて設定だけでもワクワクさせてしまうところはさすがという他ない。 -
Posted by ブクログ
シリーズ第4作、川瀬雅彦編としては2作目に当たるが、川瀬編の前作「クーデター」とは比にならない完成度の高さ。
「クーデター」ではあまり効果的とはいえなかった、場所を基点にカットバックして物語を進めていく方式が今回はだいぶ奏功しているし、文章構成や表現そのものも高度に練られているから、長さも気にならない。
なにより、ストーリーの骨子がしっかりとしていて、読者をハラハラさせ、この先どうなるんだろう? と興味を抱かせるという点において、まさに王道を行く作品。
福井晴敏氏の一連の作品を彷彿とさせる要素もある。
この小説が最初に発刊された年代(1998年)を慮れば、コンピューターに関して一般の人々にとってはやや難しい内容が書き込んであったような気もするが、その分、今読んでもそれほど時代遅れ感を抱くことはないし、素直に「へえ~」と思うことができる。
ただ、いかにも伏線になりそうな登場人物の錯誤が実は本筋とはまったく関係なかった、という風な無意味な描写もいくつかあり、それは少し邪魔かも。 -
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2009/3/19 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。
2012/4/17~4/19
グアテマラからアメリカに密入国し、医師と看護師夫婦の養女となったパメラ。幸せそうに暮らしているように見えたパメラであったが、隣家の日本人同級生研一に養父からレイプされていることを告白する。密かに彼女に恋していた研一は、彼女を救うため、養父を殺してしまう。アメリカの陪審員裁判を受けることになった研一に果たして陪審員たちはいかなる判決を下すのか?
日本でも裁判員制度が導入され、しろうとが人を裁くことの是非が問われているが、少し制度は違うとはいえ、その難しさが良くわかる。自分ならこのケース、どういう風に判定するだろうか。 -
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前作「プラチナタウン」の続編となる小説。富裕層向けの高級老人ホームでの町おこしは成功したが、今作の「和僑」では高級老人ホームの限界を知り、作り上げたプラチナタウンの否定から始まる。
楡さんの小説は3冊目だが、どの作品にも東北への地元愛というか地方創生、地域活性化のネタを必ず取り入れてる。今作も第二の町おこしがテーマではあるが今回は日本政治への絶望と不満が滲み出ている。
縮小する日本経済の中「世界の市場に飛び出して行こう」という前向きな話ではあるのだが、中国華僑の例に倣って「和僑」という生き方を提示しているが、その言葉の意味は国を捨て海外で生きていくこと。少し重たいシミュレーション小説でした。 -
Posted by ブクログ
DPEとは、写真フィルムの「現像(Development)」「焼き付け(Printing)」「引き伸ばし(Enlargement)」の頭文字をとった日本での略語・通称です。
1992年
「毎報新聞島厚雄。ソアラ・ジャパンのプロマーケットの担当者最上栄介、ソアラ社沢辻さんな。DIC(デジタル・イメージング・カメラ)100は、ソアラ社が世界初のプロ用デジタルカメラとして発表したばかりの製品、企画部長の矢追圭一、『荻島哲子』上司企画部長の辺見明、アシスタント坂下真美、ゲームソフト卸会社『δ0』を経営草野伸二、アマチュア製品事業部の営業部長田所文明、フィルムが消える?
一九九三年
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1992年、世界最大のフィルム会社ソアラの日本法人に勤務する最上栄介は、デジタル製品の販売戦略担当を命じられる。銀塩フィルム全盛の時代、最上は半信半疑のままデジタル製品の売り込みを模索するが、その奮闘を凌駕する速さで、写真業界にデジタル化の波が押し寄せる。技術の進歩によって駆逐される産業と超優良企業の転落を、圧倒的臨場感で描き出す。