楡周平のレビュー一覧
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電子書籍をめぐる巨大メディアグループと業界3位の通信事業会社の争い。前者の会長は、参考文献からみると、読売のナベツネさんと鹿内さんがモデルか。となると後者の社長は孫正義さんと三木谷さんの合わせ技だろうか。
のちにメディアの帝王となる新聞記者・渋沢が政治の世界とつながっていくエピソードから始まる。そして、日本で電子書籍を使った新規ビジネスを起こして独占し、旨い汁を吸い続けようとするベンチャーから成り上がった携帯電話の会社。上巻の方はなかなかスリリングな滑り出しである。
余談だが、こんなテーマなので電子書籍で読もうとしたが、値段が単行本が基準の設定(やや安い)で、文庫本となると電子書籍の方が高い。 -
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高見が 転職を図ろうとする。
経歴も 実績も 十分であるが・・・・
『会社が 危機に陥いろうとしているときに なぜ転職しなかったのか?』
という 質問が浴びせられる。
そして、 経営者の側に立つとしたら
『判断力がない』と ヘッドハンティングの会社の担当者から指摘される。
経営の資質に あげられるのは 判断力である。
確かに理由はあった。
父親が がんで 死期が迫っていた。
岩手の工場の リストラによって 再雇用が決まっていなかった。
日本では 通用しない理由かもしれない。
結局は 会社に甘えていたと 反省する。
湯下は 権限は 自分の届く 範囲内で 行使をする。
なぜ 不毛な取締役を -
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飛行機 オタクには お勧めのような気がする。
専門用語が ふんだんに出てくるし
その操作に関する 詳しい 状況が なんともいえない感じがする。
まさに 飛行機で 動いている。
クローズドシステム であることは わかっていても
基本システムが 改ざんされれば
3つのコンピュータがあってもどうしようもないのだ。
ニンゲンの誤解が生み出す 狂気。
善人が 悪人になる 瞬間。
これが 描ければ 小説としては いうことがない。
二つの絡み合った 嫉妬が 大きな事件を巻き起こす。
げに オンナ は こわいなぁ。
川瀬雅彦が キーマンになりそうで、キーマンにならないところが
もどかしいところで ト -
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「宿命」から8年、捨て殺しにされた義父、勝ち誇る妹に対し壮絶な骨肉の「血の戦い」に挑む。
筋はベタで捻りなしだが、権力欲・金・愛憎のみで人物を描いてみせる楡版「華麗なる一族」。なかなか楽しめた。
「宿命」上下巻の続編ではなく「血戦」でセット。続編3も必ずあるだろう。
ただ、頂点を狙う「崇」が、母「三奈」義父「眞一郎」に比べ弱すぎるので、そのためにはもっと大きく非情に成長させないといけない。
その時、楡版ハードボイルドなら、頂点に上り詰めた後でどん底に落ちて人間性に気づいて完という甘い形ではなく、権力に向かいすべてを打ち捨てて、吐き気を催すような「ここまで描くか、これじゃ読者が救われない」とい -
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権力と金、野望と愛憎の楡ハードボイルド作品。「小説現代」全16回連載。テレビドラマ化。
東大安田講堂攻防戦に参加し革命を目指す女性活動家「有川三奈」と、「権力の内部に入り込み頂点を目指す苦学生「白井眞一郎」。互いに愛し合うも30年の時を経て、病院グループの経営者、与党政調会長として息子と娘の見合いの席で再会。呪われた「宿命」が動き出す瞬間。
ただ、息子「崇」の出生の秘密も、縁談のために捨てられた「宣子」の復讐劇も中途半端。結末も何も完結していないで終了・・・。これで終わられたのではたまらないと思ったら、2012年『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京2「血戦」』。そりゃそうだろ、これで終 -
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楡周平の中国歴史物。というか歴史物の形をとったフィクションのハードボイルド作品。
北方謙三の2001年の「楊家将☆5」を彷彿とさせる楡版「楊家将」。「楊家将」を読んで「自分ならこう描く」というような印象。衝撃のデビュー作1998年の「Cの福音」から、最近は「再生巨流」「ラストワンマイル」「プラチナタウン」など企業アイデア本でハードボイルドさが消えてきたが、2003年に中国物でこのような面白い本を描いていたとは。
民から尊敬を一身に集める父「忠英」と、敵国の師「春申」、いわれなき罪を着せられてもあくまで帝に忠誠を尽くすピュアな「趙浚」。最後の150ページ以上に渡る迫真の戦いと駆け引き、愛と人の -
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「郵政民営化」「楽天とTBSの買収合戦」をモチーフとした楡お得意のビジネスモデル転換の話。ネット市場大手「蚤の市」から要求されたあり得ない値引きに対し、起死回生のビジネスモデルで勝負をかける
「本当に客を掴んでいるのは誰か。」「下請にすぎないと思われていた物流業が、実はユーザーと直接繋がる全ての産業の生命線を握っている。まさにラストワンマイルを握っている者こそが絶対的な力を発揮する。」
「安定は情熱を殺し、緊張、苦悩こそが情熱を生む」IT企業は攻め、既存大企業は守り・事なかれ主義、しかし、既存企業が自ら発想転換を果たせば、実は大きなビジネスチャンスが潜んでいるということ。
最近の楡さんの作