楡周平のレビュー一覧

  • 異端の大義(下)

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    山崎豊子作品の主人公達のように、会社の理不尽に耐えながら、それでも辞めずに自分の信念を貫くと思いきや、あっさりと転職してしまった部分はちょっと意外性があった。

    カイザーに転職し、中国市場の拡大を任されるが、東洋電機の危機的な状況もあり、今度は東洋電機買収の計画を任されるという、なんとも因果な状況に。

    最後はライバルの湯下と会話し、未来を見いだすかのように終わるが、全体通して、主人公・湯下含めて魅力的なキャラクターが乏しく、ストーリーも上下巻に分けるほどだったのかなぁと思った。特に中国での活躍はほとんどないし、何のために行ったの?と思った。

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    2026年04月15日
  • 異端の大義(上)

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    工場閉鎖に伴う社員のリストラを任された主人公。
    主人公のキャラクターが聖人君子過ぎるのも相まってイマイチかな。
    下巻に続く。

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    2026年04月14日
  • 雌鶏

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    ラストの結末には少し残念な感が残りました。
    アメリカを交えて更に思いもつかない策略を施しての驚きや感動が最後に欲しかったかな。
    でも欲と地位、金といったドロドロした裏世界を利用し大掛かりかリベンジを仕掛けていく展開は面白かった。

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    2026年04月07日
  • 限界国家

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    ★★★
    勉強になりました、小説仕立てだけど楡周平さんのこれからの日本はやべえって考え。
    少子化、職業寿命、地方過疎化など、まじでじいさんになる頃に日本どうなるんだろうか。
    本当に政治家は定年制にして世襲したやつらは世襲税払うとか健康保険使わなければ安くしてリテラシー上げるとかにしてくんないかね。

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    2026年04月05日
  • 陪審法廷

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    2009年の作品ということが大きいんだと思います。
    ストーリー的にはずっと
    「こうなるんだろうな」
    「それでそうなるんだろうな」
    「で、こういう結末だよね」
    というのを裏切らず。当時は新鮮だったのかもしれないです。

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    2026年04月02日
  • Cの福音

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    『Cの福音』は楡周平のデビュー作であり、悪のヒーロー朝倉恭介6部作の1巻目となる。同著者『バルス』とはかなりティストは違うが、それなりに読ませられた。ラストに意外性がなさ過ぎておすすめとはならず残念。

    知性も財力もある青年が悪のヒーローとは...少しばかり無理がある。麻薬流通に関する知識にページを割くより、女性とのロマンスがあれば尚引き込まれたのかもしれない。合わせて、ミステリー要素が必要かも、朝倉恭介が謎の人物であれば評価は高かった。

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    2026年03月23日
  • プラチナタウン

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    財政が厳しい田舎町を高齢者の住みやすい街に変えていこうとする、元エリート商社マンの町長の話です。
    おそらく少し前くらいから、高齢化が進んでいる地域では取り組み始めている問題だと思います。
    高齢者住宅を増やして、労働者を募集して、街自体を活性化させていく、うまくいけばウィンウィンなプランですし、物語の中では、高齢者たちの希望を背負って終結します。
    しかし、現状では高齢者は増えていく(来年には団塊の世代が後期高齢者になる)ことに対し、働く若者があまりにも少な過ぎます。
    今なお根強く残る「介護=奉仕」の精神から、介護の職場が稼げる職場になるよう、「介護=ビジネス」への変革を起こすべきだと思っています。
    自分もこの世界に足を突っ込みまくってるので、若者に希望が持てる職場にできるよう、努めていきたいな強く思いました。

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    2026年03月18日
  • Cの福音

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    Cは麻薬コカインの意味である。
    麻薬の密輸、密売を生業とする朝倉恭介。
    自分の生き方を不運や他人のせいにしているが、結局は「人殺し」に快感をもつ人間だからである。
    それも人を痛めつける様子も私の趣味ではないので、評価は低い。
    でも続編でその朝倉に対して報道カメラマンが出てくるらしい。読んでみようと思う。

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    2026年03月18日
  • 限界国家

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    高度経済成長やバブルの時代を知る世代にとっては、今の日本に不安や寂しさを感じるのも無理はないのかもしれません。
    今の若い世代に厳しい目が向きがちだけれど、ここまでの社会の形をつくってきたのは、これまでの政治や経済を担ってきた世代でもあるのだと思います。
    日本が輝いていた時代を知らない若い世代にとっては、今の日本が自然な日常。
    ベンチャー経営の21歳の登場人物が、既存の価値観にとらわれない若者として描かれています。
    明治維新や終戦後の日本のように、これまでの常識に縛られない若い世代が次々に活躍し、その頑張りをみんなで応援できる社会になっていったらいいなと思います。

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    2026年02月22日
  • バルス

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    2018年『バルス』は、現代の流通業に関わる問題点を提示する。巨大ウエブショッピングで発注される激安商品が、顧客の手元に届くには倉庫の非正規雇用労働者が搾取され、配送業者の利益は極限まで削られる。これではいずれ激安商品すら買えなくなる時代がくると著者は訴える。

    バルスと称する人物が外資系巨大ウエブモール会社に貧者のテロを仕掛ける。それはこの会社に恨みを持つ者の仕業だった。犯行声明文に共感した労働者は立ち上がるが、国まで動かす展開になるのだろうか、希望をつなげて話は終わる。

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    2026年02月12日
  • 猛禽の宴

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    ネタバレ

    「朝倉恭介×川瀬雅彦」シリーズの三作目でここは朝倉恭介がメイン。シリーズ二作目「クーデター」は川瀬雅彦が活躍する。
    マフィアに加わった朝倉恭介。彼が考えた日本でのコカインの販売ルートは、7年後も順調に販路を拡大して、ニューヨーク・マフィアのボス「ファルージオ」の信頼も厚かった。

    だがファルージオの組織には亀裂が入り始めていた。 中国マフィアなど多くの人種で構成される組織との共存状態を、安定した形で仕切ってきたファルージオが襲撃され、半身の自由を失った。彼はボスの座を譲らなくてはならなくなる。

    この機会を待っていた部下「コジモ」の暗躍は、「ファルージオ」の失脚を初めから見込んだものだった。
    彼は恭介のビジネスから上がる莫大な利益まで取り込むことを画策する。

    恭介は「コジモ」の不快な命令から、ファルージオに対するコジモの卑劣な仕業に気づく。

    恭介は休日を楽しむためにターキー・ハントに出かけたケンタッキーで、同じ趣味のために来ていた「ギャレット」という男に出会う。
    彼は元海兵隊の戦闘へリ、コブラのパイロットだった。だが、薬物兵器に耐えるためという目的で薬剤を支給され、強制的に飲み続けたため、副作用に苦しみ筋肉の激痛に耐えていた。

    彼を助けた恭介に軍の最高機密の入ったフロッピーを手に入れたことを話す。
    ギャレットの仕事は軍の廃棄物の銃器や機器を、指示書どおりに分解処分することだった。しかし軍の管理の杜撰さで、フロッピーに入った極秘機密が捨てられることもある。
    払い下げられた機器や銃器は闇ルートで組み立てられて再販されていた。 恭介は日本の商社マンだと身分を隠して、そのフロッピーの内容によっては高価な取引が成立するとギャロットにもちかける。

    恭介は「コジモ」の「ファールージオ」に対するやり口に復讐するために、ギャロットにフロッピーの前金50万ドルを渡し、払い下げ品を組みなおしたコブラをギャロットから手に入れ、彼に操縦を頼む。

    優秀なパイロットだったギャロットは力強い身方だった、二人は別荘で寛いでいた「コジモ」を襲い、家ごと爆破してしまう。 廃品で改造したコブラで低空飛行する「ギャレット」の操縦は漫画やアニメで見たあのヒーローとダブってくる、レディはどこだ(笑)

    ギャング同士の抗争と、恭介が選んだ闇の世界、それに絡む人たち、恭介にあてがわれたチャーミングな高級娼婦の悲惨な境遇、さまざまな要素がダイナミックに展開していく。

    一面、恭介の暴力的な凶暴さは、平常は深い心の裡に冷静に秘められているだけに、今回のような命の爆発力のすさまじさにはやはり読んでいても身を伏せたくなる迫力がある。

    一方 静かに水面下で展開する恭介の麻薬ビジネスに引き寄せられ、その犠牲になる弱い人間を餌にした彼の冷たい現実も見える。



    登場する人物たちが、恭介の周りで彼の作戦通り動いていく様子は、絵空事の世界だと思いながら、マァそうなるでしょうね、かもねと納得、現実との距離感を忘れてちょっとストレスの解消になる。
    フロッピーには何が入っていたのだろう、次で開くのかな。




    Cの福音
    クーデター

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    2026年02月07日
  • 再生巨流

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    営業成績が良かったにも関わらず、上司との対立で干され、名ばかりの新規事業部への移動を余儀なくされた漢が、会社の存続のために奮闘する話です。
    ベタベタな設定ですが、読みやすかったです。
    大企業で働く大変さや、組織である以上、一個人の意見の通りづらさが結構リアルに描写されていました。

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    2026年01月31日
  • 雌鶏

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    ネタバレ

    後味の悪い終わりだった…復讐がうまく行ったとスッキリするかと思ったら、アメリカの思う壺だった。また、いくらなんでも政治家などがキミコが怪しいと思うはず。

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    2026年01月24日
  • ラストエンペラー

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    トヨタ自動車を題材にした作品では、トヨトミの野望が浮かびました。どちらも、経営者が大きく絡んでる。組織内の意思決定プロセスもこんなものなのかな?物語はハッピーエンドでしたが、果たして現実の世界で、日本の自動車産業は、EV化を乗り切っていけるのか?とても不安になります。

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    2026年01月07日
  • 雌鶏

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    もう一波乱ないのかなと思っていたが、それ以上に、アメリカの怖さというか強かさというか、そういうものを表現したエンディングがより現実的で良い。雌鶏は貴美子のことかと思っていたので、その裏切りもまた良い。いずれにしても、どこまでいっても貴美子と誠一の不運に変わりはないだろう。それが運命というべきか。

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    2026年01月05日
  • ドッグファイト

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    最初からわかりやすい構図で少しつまらない感じがありましたが、身近なことと思った途端、読むのに力が入りました。知恵と発想次第では下請けとはいえ盛り返し、巨大企業と対等となることにいたく感動。読後はスッキリします。
    解説の記載通り『再生巨流』『ラストワンマイル』を読んでみたい。

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    2026年01月04日
  • 限界国家

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    2025年89冊目。満足度★★★☆☆

    未来予測の小説?

    何か画期的・奇抜な日本の諸問題に対するソリューションでも出てくるかと期待して読んだが、現状の延長線上のストーリー展開で終わった

    時間潰しに読む分には良いが、何か、取り立てて目新しい事が出てくるわけではない

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    2025年12月16日
  • 限界国家

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    概ね予想できる話の展開なんだけど、フィクションだからこその面白さもあるというか。
    日本のあちこちで似たようなことが起きていたらいいのになと思う話だった。

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    2025年11月15日
  • プラチナタウン

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    ネタバレ

    主人公は大手総合商社で部長職にある山崎鉄郎。ひょんなことから退職を余儀なくされ、多額の負債を抱えた生まれ故郷 緑原町の町長として、財政再建に取り組むことになる──。
    物語が進むに従い、山崎は主人公というよりやや語り手のポジションにシフトし、財政再建の決定打となる「プラチナタウン」のプロジェクトが主人公のようになっていく。地方の高齢化と人口減少、箱モノ行政による財政赤字、都市部での老後生活支援の不足、進まぬ介護職への処遇改善…。本作が世に出たのが平成20年。それから15年以上経った今でもほとんど解決の目処が立たないこれらの問題を、大胆な発想と実行力で一気に乗り越えていくプロジェクトだ。とても痛快!
    ほんとうにこんな街が出来たらいいな〜。

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    2025年10月29日
  • 限界国家

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    新聞広告で知った本。著者のことも初めて知った。

    日本の人口減少問題を取り上げた本である。日本の将来に暗澹たる気持ちになる。都市への集中が進むと、全体としてますます社会の高齢化に拍車をかけるようになる。

    政治家は老若男女問わず、この問題に真剣に取り組むべきだと思う。

    本文中、登場人物同士で次の会話がある。
    「一生懸命勉強して、ええ大学に行くのも結構やけど、これからの時代を生き抜くためには、世の中の流れを読む力、何があっても食うていける能力を身につけなならんと思うんです」
    「それは分かるけど、親の世代の経験則や価値観って、そう簡単に変わるもんじゃないわよ?」(p.99)

    これはまさにそのとおりだと思う。変化に対応していく必要がある。自分の親も、何かにつけては昔のことを言う。自分としては、今の世の中を生きる時代、昔の価値観で言われても、どうしようもない。

    高齢世代でも経営者ややり手の人は、どんどん新しいことにチャレンジしている気がする。スマホにしても、使用するアプリにしても、新しいことを楽しんでいる気がする。そのような人たちが世の中を引っ張っていくべきだと思う。

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    2025年10月13日