楡周平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
破壊的イノベーションがテーマと思われるビジネス小説。
一つの技術が産業を変える。その姿をほかのビジネスモデルをベースに自動車業界で起こることを予言しているような物語。
日本が得意とするすり合わせ技術、その頂点と言われる自動車産業の垂直統合ビジネスモデル。それがEVによって水平分業型のビジネスモデルに代わっていくとしています。
そのカギを握るのがバッテリー技術。
そのビジネスモデル再編の最初の一歩に向けて、総合電機メーカのコクデン、軽自動車メーカのイナズミ、世界屈指の自動車メーカのタカバ。それぞれのビジネスマンの物語となっています。
コクデンは東芝がモデルですね。タカバはトヨタ。イナズミはダ -
Posted by ブクログ
「プラチナタウン」の続編。
取り上げているテーマは前作よりも興味深いものだったが、前作同様に残念ながら物語の起伏というかメリハリが効いていない。
物語が盛り上がるのは単純だが、明確な敵がいて、ピンチに見舞われて、もうダメか〜と思わせておいて最後に逆転!という構図だ。敵は犯罪者でなくとも構わない。対立していてちょっと悪どい事をやれば十分だ。それが池井戸潤などは非常に上手い。
せっかく面白いネタだし、登場するキャラクターも悪くない。「Cの福音」などではあんなにパンチのきいた主人公を描いているのに残念だ。自分の主張や思いが溢れ過ぎて、面白く読ませるという点が疎かになっているのが、この作者の限界だろ