楡周平のレビュー一覧
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楡周平氏の経済小説
世界有数の大手電機メーカー、東洋電機産業の高見龍平は、米国の半導体開発部門撤退という大任を
はたして帰国する。
帰国して高見が見た会社は、創業者一族支配と取り巻きによる恣意と保身の横行
同期の湯下は一族出身ということもあり、人事部のトップまで上り詰めている。
何かと高見を自分たちの世界にひきづり込もうとするが、高見は一線を置く。
そんな中、ライバルの鷹羽とのDRAM部門の本体から切り離しての新会社設立の話が進む。
4つある工場の1つをリストラと過剰設備として閉鎖することに。
岩手工場がそのターゲットとなり、恣意的に高見は、工場閉鎖業務要因で岩手に送り込まれる。 -
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2012年、フィルム業界で世界に君臨していたコダックが破綻した。
この物語は、1992年から2004年まで、映像のデジタル化がじわじわとフィルムを浸食していき、他に追随を許さなかった大企業が崩れていく様子を描いたものだ。
写真は紙で楽しむもの。そんな常識が昔はあったわねと、デジタルの歴史はまだ浅いのに懐かしく思う。100年以上続いた常識が崩れ去るなんて誰が想像しただろうか。
でもコダックでの破綻はデジタルによる変化ではなく、その変化の波をうまく利用することができなかった経営不備のせいだと言われる。だってデジタルをいち早く開発したのはコダックだし、フィルムの時代は終わると自分たちで予言まで -
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ネタバレ牧田研一はジュニアハイスクールの卒業式の翌日、ダンスパーティーの夜に隣人のクレイトンを射殺する。
グアテマラから必死にアメリカを目指し、養女となってようやく安寧の日々を手に入れたパネラを守るために。
養父であるクレイトンは、妻に隠れてパメラに3年間も性的虐待を続けてきた。
養父を殺害しようと決意しているパメラに代わり、研一はクレイトンに向けて銃を放ったのだ。
法廷での検察側と弁護側の攻防。
緊張感にあふれ、一進一退のまま最終弁論を迎える。
すべては12人の陪審員の判断に委ねられ、いよいよ評決の話し合いが開始された。
面倒なことは少しでも早く済ませて日常の生活に戻りたい者。
15歳の少年の人生 -
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面白かった( ´ ▽ ` )ノ
ニレーといったら、はるか昔に「Cの福音」とか「クーデター」とか読んだきりだったから、てっきり本作もああいう国際陰謀を描いた社会派ピカレスクか?、と思ったけど、ぜんぜん違かった( ´ ▽ ` )ノ
ニレー、こういうサラッとした風俗小説も書くんだ( ´ ▽ ` )ノ
闇金、ギャンブル依存症、連帯保証、詐欺、企業恐喝、性病……善男善女の心胆を寒からしめる現代日本のダークマターてんこ盛りなのに、語り口が軽いからあんまり怖くない( ´ ▽ ` )ノ
あくまで他人事だから、笑って読める( ´ ▽ ` )ノ
まあ、各種描かれるコンゲーム、正直「そんなうまいこと行くもんかよ