楡周平のレビュー一覧
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プラチナタウンの続編。前作より面白かった。
恩田が山崎町長へかけた言葉「いまだ商社マンの血が体にたぎっている。人間、歳と共に情熱は失せ、理想よりも現実を見据える。どこか達観した気持ちになるものだが、そんな気配を微塵も感じない。」また父親の「商売は海のものとも山のものとも見えねえうちは誰も見向きもせんもんだ。ところがうまくいったとなれば、黙っていても人は集まってくる。」
社会人経験を積み、役職について少し先が見えなくなっている自身に、いずれも心に刺さった言葉でした。そして、山崎町長の「夢は叶えるためにある」
どのような環境下で働いても大切なマインドと思いました。最近、目先の事ばかり考えていた自分 -
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ネタバレ202103/上下まとめて。絶対面白い楡作品、今回はサクセスストーリー的エンタメビジネスもの。動物の貂に似ていることからテンとあだ名された中卒で横浜ドヤ街育ちの主人公が、料亭下足番から始まり出世の階段を昇っていく。戦後のホテル業界を舞台にした現代版秀吉(草履の逸話の真偽はさておき)ってかんじで信長や光秀的なキャラも登場。血の通った登場人物達の描写と、危機→解決、の展開なので一気読み必至。カンちゃんがああなってしまうのは悲しかった…。各章タイトルが内容に沿ったテンという漢字(「貂」「転」「典」…)で構成されてるのも見事。ラストが9章で、10(TEN)章じゃないのは惜しい笑。
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ネタバレ202103/上下まとめて。絶対面白い楡作品、今回はサクセスストーリー的エンタメビジネスもの。動物の貂に似ていることからテンとあだ名された中卒で横浜ドヤ街育ちの主人公が、料亭下足番から始まり出世の階段を昇っていく。戦後のホテル業界を舞台にした現代版秀吉(草履の逸話の真偽はさておき)ってかんじで信長や光秀的なキャラも登場。血の通った登場人物達の描写と、危機→解決、の展開なので一気読み必至。カンちゃんがああなってしまうのは悲しかった…。各章タイトルが内容に沿ったテンという漢字(「貂」「転」「典」…)で構成されてるのも見事。ラストが9章で、10(TEN)章じゃないのは惜しい笑。
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直前に読んでいた本がべらぼうに読みにくかったので、
ちょっとストレス解消に楡さんの小説に手を出しました。
圧倒的な読みやすさと展開が気になって気になって仕方なく、
あっという間に読み切ってしまいました。
(もっと味わってもよかったかも。。)
ココイチを彷彿とさせるカレー屋チェーンの世界展開を小説にした本ですが、
元マクドナルドCEO原田氏を彷彿とさせるプロ経営者が、
創業者から経営を引き継いだものの、会社経営をメチャメチャにしていくという
ある意味正義vs悪の構図がとても分かりやすい仕立てです。
(実際の原田氏はそこまで悪ではなさそうですが、これはあくまでフィクションです。)
この辺り、池井 -
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ネタバレ
『税金で作り上げられた』郵政の民営化によって更なる値下げ競争に巻き込まれた運輸会社をはじめ、信念を持って変化をし、受け入れ、情熱を生み出す数多くの人間たちを描いた2009年発売の「ラストワンマイル」
コロナ禍で変化を恐れてしまう貴方にこそ今手に取って欲しい。
急激に成長したネット通販会社『蚕の市』と、創業から安値で世話をした結果裏切られる『暁星運輸』
資本主義では当然の原理。ただ果たして下請け最下層の運輸、物流業であるからこそ仕方ないことなのか。
いや、最下層の物流業であるからこその発送、いや発想で光を見いだす。それを頭ごなしに無理だという上司。新しいことをするには突き進む信念が大 -
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いや~結構つだまらない小説だった。。
とはいえ、これは嫌みではなく最大限のほめ言葉。
これからの日本にはミッション(大局的な目指すべき姿と言いましょうか)が必要という政治小説。
小泉進次郎がモデルになっていると思われる。
楡さんのオリジナルの日本再建プランがとてもユニークな上に、
政治家の思惑なども詳細に書かれていて
「なるほど政治家はそんなことを考えていたのか…」ととても勉強になる。
政治の世界にさほど興味のない自分にも、
政治の現実と日本の危機感を伝えてくれるリアリティーのあるフィクションだった。
が、フィクションのようで、フィクションには思えない。
将来の日本の姿を映し出しているよ