楡周平のレビュー一覧

  • 和僑

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    プラチナタウンの続編。
    題名から大筋が推測されてしまうのを差っ引いても充分に楽しめた。政治論的要素の応酬がながかったので星四つ。

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    2017年12月23日
  • 介護退職

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    高齢社会が進む中、介護問題は他人事ではなくなっている。主人公・唐木は大手電機メーカーの国際事業部長。彼の母は秋田で一人暮らし。それが母の骨折から要介護状態となったことで、一気に唐木家を追い詰める筆致が読書速度を上げる。閑職に追われた唐木の退職決断は身につまされた。母の介護は続くが、唐木の再就職という結末はハッピーエンドだと言えるだろう。

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    2017年09月14日
  • 和僑

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    日本の、空洞化する地方、農村をどうしていけばよいのか、インバウンドではなくアウトバウンドで、というソリューションを提示。

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    2018年10月14日
  • ミッション建国

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    堺屋の『油断』を読んだときのようなインパクトがある。少子高齢化と破綻寸前の財政を抱える日本に、尖閣の問題、北朝鮮の暴発などが重なったらどうなるのか。今、手を打てること、手を打つべきことは何か、を考えさせる力がある。

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    2018年10月14日
  • 陪審法廷

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    #fb こういう結末しかないのだろうが、言葉を交わせずサラバなところに妙に感情移入して、ごめんなさい。

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    2017年07月12日
  • 介護退職

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    ネタバレ

    他の方と同じように、考えさせられる小説だった。出来すぎの展開だと思うが、あんなハッピーに転職活動が終わるのも、まぁいいかと思ってしまうくらい、主人公の男性には次々と、苦難が降りかかる…この人のように上手くいかない人がほとんどだと思う。そういうとき、どうすればいいのか?私にも降りかかる可能性はある。
    でも仕事は絶対に辞めてはいけない、それは強く感じた。

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    2017年07月09日
  • 陪審法廷

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    ネタバレ

    牧田研一はジュニアハイスクールの卒業式の翌日、ダンスパーティーの夜に隣人のクレイトンを射殺する。
    グアテマラから必死にアメリカを目指し、養女となってようやく安寧の日々を手に入れたパネラを守るために。
    養父であるクレイトンは、妻に隠れてパメラに3年間も性的虐待を続けてきた。
    養父を殺害しようと決意しているパメラに代わり、研一はクレイトンに向けて銃を放ったのだ。
    法廷での検察側と弁護側の攻防。
    緊張感にあふれ、一進一退のまま最終弁論を迎える。
    すべては12人の陪審員の判断に委ねられ、いよいよ評決の話し合いが開始された。
    面倒なことは少しでも早く済ませて日常の生活に戻りたい者。
    15歳の少年の人生を左右する責任があることをまったく自覚しない者。
    所詮他人事でしかない者。
    殺害したことは事実なのだから有罪が妥当だと単純に考える者。
    陪審員たちの話し合いはなかなかまとまらない。
    評決への道筋をつけたのはひとりの陪審員の発言だった。
    彼女は訴える。
    陪審制度は何故あるのかと。
    法にのっとり、事実だけを検証し、有罪か無罪かを決めるだけであれば陪審員は必要ない。
    事件に関わるすべてのデータを判例に照らし合わせてコンピューターが決めればいいと。
    法の専門家でもない市民が陪審員として評決の場に呼ばれるのは、機械では測ることの出来ない「情」をくみ取れということではないのかと。
    他人に起きた不幸を自分に置き換えてみる。
    もしも自分だったら。
    もしも自分の娘だったら。
    もしも自分の妻だったら。
    評議の場で交わされる会話のすべてが、リアリティのあるものに感じられた。
    殺害という最悪の選択をした研一とパメラ。
    贖罪の気持ちを忘れずに、強く生きて、出来れば良い未来を作り出してくれると信じたい気持ちになった。

    実際にアメリカで起こった「性的虐待を受けているガールフレンドのために、彼女の父親を殺害した少年」の事件がベースになっているらしい。
    その事件では、加害者の少年は終身刑の判決が下されている。

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    2017年04月19日
  • フェイク

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    面白かった( ´ ▽ ` )ノ

    ニレーといったら、はるか昔に「Cの福音」とか「クーデター」とか読んだきりだったから、てっきり本作もああいう国際陰謀を描いた社会派ピカレスクか?、と思ったけど、ぜんぜん違かった( ´ ▽ ` )ノ
    ニレー、こういうサラッとした風俗小説も書くんだ( ´ ▽ ` )ノ

    闇金、ギャンブル依存症、連帯保証、詐欺、企業恐喝、性病……善男善女の心胆を寒からしめる現代日本のダークマターてんこ盛りなのに、語り口が軽いからあんまり怖くない( ´ ▽ ` )ノ
    あくまで他人事だから、笑って読める( ´ ▽ ` )ノ
    まあ、各種描かれるコンゲーム、正直「そんなうまいこと行くもんかよ」と思うけど、小説だからね( ´ ▽ ` )ノ
    結局誰もかも「悪銭身につかず」の結果に陥るけど、むしろそうだからこそ後味が良くなった感じ( ´ ▽ ` )ノ
    登場人物の中に(盗聴対策など)闇のハイテク事情通が出てこないとこが、リアルと言えばリアルでよかった( ´ ▽ ` )ノ
    銀座高級クラブの裏事情も、競輪世界の有り様も、今後の自分の人生には一切役に立たない知識だろうけど、勉強になった( ´ ▽ ` )ノ

    スラスラ読みやすい文章だけど、同じ内容の繰り返しが目立つのはちょっと気になった( ´ ▽ ` )ノ

    続編が出てるならぜひ読みたい( ´ ▽ ` )ノ

    2017/04/04

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    2017年04月04日
  • 象の墓場

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    コダックを舞台にした小説。
    企業も個人も変わり続けないと、生き残れないってことだ。
    さて今後どうするか。

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    2017年02月19日
  • フェイク

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    善人がひとりも登場しない作品です。
    詐欺や企業恐喝(これは復讐)を企ててしまうのですが、どうしてもずっと摩耶さんを応援している私…
    反対に恩知らずで愛嬌の欠片もないさくらさん、嫌いです。酷すぎませんか?
    主人公がこの女性と最後まで縁を切らなかったのが、後味悪かったです。
    とはいえストーリー展開は面白く、エンディングもポジティヴで、読後感も爽快でした。

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    2017年01月05日
  • 象の墓場

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    20161218


    500ページを超える大作。写真がフイルムからデジタルへと変わり、大企業コダックが破綻して行くまでの、社内での詳細なやり取りを再現した長編小説。

    実際に作者の楡氏がコダックの社員だったため、リアル過ぎる社内での社員同士の会話がほとんどなうえ、特に面白い事件や出来事も無いため、読み進めるのに珍しく時間が掛かった。

    エンターテインメント性に欠ける分、面白味は少なかったが、リアルさは十分にあった。

    解説では、デジタルの技術革新により、同様に廃れて行くビジネスとして、新聞、雑誌、テレビ、そしてAIの進化により自動運転に取って変わられる運転手が挙げられている。

    いわゆる衰退産業のひとつに身を置く自分に取って身に詰まさられる内容だった。会社は大きくなればなるほど変わる事が難しく、如何に柔軟かつ迅速に変化して行く事が出来るかが、企業に一番求められている事なのだと改めて感じた。

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    2016年12月18日
  • 象の墓場

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    いかに巨大な企業でも時代の波に乗れなければ、すぐに淘汰される。過去にとらわれず、自分を変えることができるか。変化を受け入れられるか。これまでのやり方を捨てられるか。まさに我が社に突きつけられた課題。

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    2016年09月28日
  • 象の墓場

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    とてもリアルに、世界のエクセレントカンパニー、コダックの終焉を描いています。司馬遼太郎が、先にエバンジェリストが立つとも、時代の変化を後戻りしないものに固定するのは、技術、テクノロジーであると、花神の後書きに書いていました。その変化の中では、資本力、規模、人材、伝統を持つ大企業が有利とは限らない。寧ろ、余りに確立した収益モデルがある場合には、そのモデルへの執着、慢心が自らの変化を遅らせる可能性もある。

    誰がこの巨象の命を奪ったのか?企業競争は日常であり、そこに収益があれば必然。ところが変化の大きい場合、その決定的な刺客は、競争の意識さえなかった。1992(アルベールビルオリンピック)から2004年(放射線部門の売却)まで、デジタル化の浸透、そしてインターネットの決定的な普及のもたらした変化、その意味を振り返る良い機会になりました。

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    2016年07月30日
  • 虚空の冠(下)―覇者たちの電子書籍戦争―(新潮文庫)

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    携帯電話で 急激に伸びた IT企業の 芦野 そして 亮輔。
    電子書籍リーダー ミネルバを無償で配布する。
    その狙いは 携帯電話のシェアーを高めるための
    方策であり、そして 活字を読む人のプラットフォームを
    支配する事にあった。

    様々な試練をくぐり抜けて 極東グループのトップの渋沢。
    87歳という高齢にも関わらず、戦略的な思考は極めて優れている。
    活字離れではなく、紙離れであると亮輔にいわれて、
    はじめて 何が 問題なのかを 理解する。
    コンテンツを供給する側でなく、
    プラットフォームを握る事が大切だと物の本質をつかむ。
    そして、大手出版会社6社とアメリカの本の翻訳をする事で、
    出版をまとめ、新聞も 電子化を図る。

    ミネルバが クリスマスをターゲットにして
    発売し、好評を得るが。
    渋沢は、その6ヶ月後をみすえて、ミネルバをモルモットにしながら、
    みずからの 戦略を実行する。
    そして、プラットフォームを制するが。

    軍艦にぶち当てられて、沈んだという メッセージが、
    時代を超えて、鳩が 運ぶ。
    なるほどねぇ。光と陰が 自己の歴史の中で交錯する。

    芦野がいいところまでいくが、次の一歩の経営判断があやまっていた。
    たぶん 渋沢の評価が 十分でなかったと言える。
    年寄りには 電子書籍のプラットフォームの価値が
    わからないだろうと思っていたのかもしれない。

    レコードが 消えて、フィルムが 消えた。
    次は 本当に 紙の本が消えるのか?
    という事であるが、電子の本は 
    もっと違った大きなものをつくりそうな気がする。
    そして、やはり、紙の本は 残っていくのでしょうね。

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    2016年07月05日
  • フェイク

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    キャバクラや競輪を舞台に三流大学を出たばかりの主人公とその友人がお金に翻弄されながらもその本当の価値に気付くという話。月給15万から果ては億単位の金まで、物語の中で激しく浮き沈み金銭感覚も変わっていく。キャバクラの仕組みは興味深く、また競輪を使った復讐のやり方も常道ではなく面白い。エピローグできちんと気になる登場人物のその後を描いているのも好感。

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    2016年06月22日
  • 虚空の冠(下)―覇者たちの電子書籍戦争―(新潮文庫)

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    電子書籍は見るもの、読書ではない。読んだなというじゅうそくかんを得たいなら紙媒体だ。実在とバーチャルの違いだ。

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    2016年06月13日
  • プラチナタウン

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    五十半ばの商社マンが故郷の町長となり、町の再建に尽力する話。地方自治体の財政や過疎化の問題、役所の意識などがよくわかる。また、日本人の老後についても具体的な金額で論じられていて勉強になる。ドタバタ劇が続き飽きないが、同時に自分たちの将来を思うと苦笑してしまう。

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    2020年10月26日
  • 宿命(下) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京

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    「世界で最も貧しい大統領」を知った後だけに、真一郎、崇の2人は、最高権力を握った後、何をしたいのか。

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    2016年04月10日
  • 虚空の冠(下)―覇者たちの電子書籍戦争―(新潮文庫)

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    昭和の前半のお話の時は、正直今の時代に読むには少し退屈というか、斜め読みしてしまう部分もあったけど、最後は軽く物事を考えていたベンチャー企業ではなくて、深くじっくり考えていた大企業が勝つというのが、なんとなく私には納得の結末だった。今の電子書籍もこんな風にできたのかなぁ・・・。

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    2016年04月03日
  • 象の墓場

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    201603/さすが楡周平。どのジャンルも読ませるな~。現実企業をベースにして、技術の進歩と産業の凋落が書かれてるので、わかってても沈んだ気持ちでグイグイ読み進んでしまった。随所で吐露される登場人物達の心情には、業種違っても、働いてる人(企業人・技術屋・商人問わず)なら深く頷いてしまうでしょう。

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    2016年03月21日