楡周平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めて楡氏の小説を手にしましたが、期待以上の面白さでした。おそらく結末はこうなっていくんだろうな、という予感はあるものの、それでもドキドキしながら読んでしまう。
起業家としてビジネスライクに徹することは決して非難されることではなく、それが社員を抱えて利益を上げなければ存続価値がないとなればそれも経営者として当然かもしれません。
ただ法を犯さないことと、企業として遵守すべき倫理観は違うのではないかという問題を敵対的買収という行為を通して提起しているように思いました。
そして、時価総額1兆円という表向きはきらびやかなベールを纏っていた蚤の市が、物販の最下層として上から見ていたはずの暁星運輸に形勢を逆転される様はとても痛快でした。蚤の市の社長はIT企業の社長らしく切れ者で、決して大企業のもつポテンシャルを侮っていたわけではないようですが、切れ者であるがゆえ生じたある種の驕りが自分の計画を過信してしまい、あの結末を迎えたのだなぁという感想を待ちました。
株価や資本家にばかりフォーカスを当てたIT企業が消費者に最も近いところ、つまりラストワンマイルを握る運送屋にどのように対抗されるかが見どころだと思います。 -
Posted by ブクログ
面白かった!
ハードボイルド&サスペンス作品
本作は、基本的にはミステリーではないですが、叙述トリックに「あっ!!」と驚いて、それまで、ちょっと引っかかっていたところが、すっきりしたので、自分の中ではミステリーに分類。
ストーリーとしては、青色発光ダイオードの特許訴訟を思わせる水素自動車関連の特許訴訟。特許権が発明者か会社かという判決に渦巻く黒い影。その謀略の結果、発明者が殺されてしまい、その息子が真相解明にのりだし、犯人を突き止めていくといったストーリ展開です。
楡さんらしく、特許訴訟、水素自動車関連の経済的影響、背景がしっかり語られるとともに、日本の裁判制度やマスコミ、メディアの考え方なども語られていて、納得のいくところも多かったです。
途中、グロいシーンがあります。ちょっと読んでてつらいです。後半では、犯人をどう追い詰め、どう復習を果たすのかハラハラドキドキで、あっという間に読みきってしまいました。
とはいうものの、この息子、
そんなに頭良かったの?とか、
なぜ武器の取り扱いにそんなに詳しいの?とか、
SATの動きや装備にそんなに詳しいの?とかとか、
違和感ありましたが、まぁ、それはそれとして、最後の告白への布石と割り切ってしまえば、それでいいかなっと。
すごく面白いエンターテイメント小説でした。
2時間ドラマでやってほしい!
あ、殺害シーンは放映できないか.. -
Posted by ブクログ
ネタバレハードボイルド系ミステリー小説?? になるんですかね。
舞台はクラブで、若くして栄光を掴んだホステスのママによって、犯罪に巻き込まれていくクラブのボーイが主人公。
彼は、三流大学の出で、普通の就職もできなくて、なんとかクラブのボーイとしての正社員の口を見つけたのだけれど、当然、女の人とは比べ物にならないくらいの安月給で、日々の生活をやっていくのがなんとか、という状態。
そこに現れたのが、とんでもない儲け話で、一にも二にもなくその話に飛びついてしまう。
けれど、一旦うまくいくと思った儲け話が、いろんな人がいろんなことを「自分のために」やろうとしていくうちに、どんどん歯車が狂ってくる。
ただ、その相手に復讐しようと考えた時に、再び巨額のお金が入ってくることになったけれど……という。
完全に裏世界の話なんですけど、裏には裏があって、その裏には更に裏があるんだよ……ということが、とてもよくわかる話でした。
こんな世界では生きてはいけないけれど、面白かったのはとっても面白かったです。