楡周平のレビュー一覧
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まだ漁業が元気であった頃の日本を舞台にした海に活きる男の物語。海洋小説といった感じなのだが、家族小説としての色合いが強い。
主人公の関本源蔵は遠洋漁業の機関士を生業にし、妻子を内地に残し、遠洋漁業に向かう。真面目であり、真っ直ぐであるが故、順調に出世していく源蔵と少しずつ成長する二人の息子。家族の団欒も儘ならず、長男の進路さえ慮る事が出来ないでいた源蔵は、或る事をきっかけに長男との間に深い溝を作ってしまう。
物語のヤマ場は、後半の南氷洋での捕鯨。一等機関士となり、南氷洋での捕鯨に向かった源蔵は新米船員の枝川敏雄と共に過酷な体験をする事になる。
源蔵が示した人生の羅針とは…
源蔵と長男の間 -
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面白かった!!
今度は電子書籍でのビジネスについての物語です。
いよいよ下巻です。
下巻では、電子書籍ビジネスについてさらにブラッシュアップされ、課題が深堀されています。
書籍が電子書籍に変わっていくであろう事が避けられない中、その電子書籍ビジネスでの課題が物語を通して、いろいろ検証されています。
自分の電子書籍ビジネスの考えの浅はかさがよくわかってしまいます(笑)
さらに、下巻では、渋沢が出版とテレビのメディアミックスを成功させ、真のメディア王となるいきさつ。そして、その渋沢が電子書籍ビジネスを進めようとしているIT企業と連携するのではなく、独自に電子書籍ビジネスを構築し、出版、ラジオ、 -
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面白かった!!
今度は電子書籍でのビジネスについての物語です。
楡さんのビジネス系の小説にははずれがありませんね!!
でも、いきなり、戦後のGHQ管理下の時代から話が始まります。このときの海難事故の秘密を引き換えに後のメディア王となる渋沢の出世の物語?
っと思いきや、一気に現代の情報通信企業での電子書籍ビジネスの話に話が振られます。
昭和の時代からの新聞、ラジオ、テレビの総合メディアが立ち上がるまでの話しと、現代IT企業が電子書籍ビジネスを立ち上げていこうとする話がうまくリンクしていきます。
あっという間に上巻をよみきってしまいます。
上巻では、電子書籍ビジネスを牛耳るのはプラットフォーム -
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面白かった。
とてもわくわくして読めました。
再生巨流、プラチナタウンとさまざまなビジネスプランを紹介してきた楡さんですが、本作では、流通企業と通販とのビジネスについての物語です。
時の話題をベースに、よくも、こんなにビジネスモデルを考えることができるのだろうと思います。
本作では、郵政民営化、楽天のTBS株取得などをベースとしたプロットとなっており、「蚤の市」から取引条件の変更を求められた暁星運輸の課長が新しい通販のビジネスモデルを考案し、蚤の市と戦うストーリ展開となっています。
「ラストワンマイルを握っているものが支配権を持つ」
うーん、すごい。
ちなみにIT系のラストワンマイルとは -
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考えさせられると共に身につまされるような作品だった。
主人公の唐木栄太郎は妻と息子の三人で順風満帆の生活を送っていたのだが、秋田に独居する老母が大怪我をし、さらには…唐木は止むに止まれず、介護退職を決意するのだが…
これからの日本は、この作品に描かれているような問題が増えていくに違いない。地方には仕事も無く、少子化が進む中、仕事を求めて人々は都会へ。地方に残された年老いた親の面倒をどうするのか。老人介護施設も老齢化の波を受け、なかなか受け入れてはくれないだろう。もちろん、国も当てにすることは出来ない。
この作品の主人公の決断は最終的には良い方向に向かうのだが、こういう例は極一部だろう。国 -
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流産させた6ヶ月の胎児。
その胎児は 女子であり、体内には 700万個の卵子がある。
それを人工培養させて 成熟させる。
成熟させた 卵子を 人工授精させる。
受精した卵子を 定着させ 代理母 によって 誕生させる。
それによって ニンゲンが誕生する。
胎児から 卵子を取り出して 成熟させるというのは 新規性があるが
それ以外の手法は 目新しいことではない。
『倫理』というものが 技術の進歩によって 変化してくる。
そのことが テーマとなって
現代の 生命とは ニンゲンとは ということを
問いかけるのではなく、
ビジネスとして取り組んでいる集団に対して
何らかのアクションを起こそう という話