楡周平のレビュー一覧

  • 限界国家

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    少子高齢化の行き着く先とAIの進化がもたらす影響を考察した小説。
    人口動態が経済を予測する上で最も蓋然性の高いデータであることは周知の事実である。それを真剣に考えると日本の産業の先細り、高齢者増加に伴う社会保障負担の増加は避けられない。ならそれに対してどのように産業を変革していくことが日本を豊かに維持できるのかについて真剣に考えさせられる本だった。本書で取り上げられていたプロジェクト単位の人材採用やSNSを用いて世界から人材を探しにいくという考え方には納得感があった。いまだに新卒一括採用を行い、足元の身になるかわからないような人材育成をする大企業で働いていても目に目えない速度で成長している経済に対してキャッチアップできるのだろうかと不安を抱く。同時に広く深く多様な知識を保有していることが、誰にも依存せず自分を守っていく上で大切であると直感的に感じたら、

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    2025年10月18日
  • 雌鶏

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    一気読みしました。読後感はあまり良くない。日本は米国に陰から操り続けられてるのだろうかと思うとガックリです。

    それとさすがに占い師がだれなのかは気づきそうなものです。容姿は変わっても声質や癖はそう変わらないものなので。深くつき合ったのならなおさら。その点があまりにも不自然で無理がある。

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    2025年10月15日
  • ミッション建国

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    裏表紙に「政策提言小説」と書かれていたため、一小説家の独りよがりな政治思想が散りばめられているのかと思いきや、2010年代半ば時点での日本の現状の課題に関する調査・分析から、骨太なビジョンを提案しており、並の政策論よりはるかに優れた政策提案になっていると感じた。また、改憲論議の裏にある政治的思惑などを、永田町と霞ヶ関のロジックに基づいて多様な視点から描いている点、さらにその深い考察を非常に読みやすいストーリーに落とし込めている点、著者の圧倒的な力量を感じた。
    小説家ってこんなことができるんだなと感銘を受けた

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    2025年10月09日
  • サンセット・サンライズ

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    『サンセット・サンライズ』

    この言葉の真意を知った時に、人の想いの温かさを感じることができた。

    映画視聴後に文庫版を読んだのですが、より細かな描写と登場人物たちのありのままのキャラクターが心地よくて没頭して読み進めることが出来ました。

    人と深く関わることは幸福と不幸が隣り合わせで不安定なもの。それが人間関係であり、私が深い人間関係を恐れるのはこのことが理由だったと感じました。

    でもその恐怖があるとしても人の出会いというのは運命的で、数少ない友人たちには感謝してもしきれないほどの幸福を貰っています。

    人間関係の喪失と新たな繋がりを抱えていけるように、自分も少しでも人と深く関わって行けるようにします。

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    2025年09月28日
  • 象の墓場

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    『象の墓場』楡周平
    危機感と変革の必要性
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    【物語】
    ベストセラー小説家、楡周平さんの『象の墓場』は、2012年に経営破綻したアメリカのコダック社をモデルにした経済小説です。
    ※作中は、ソアラという社名です。

    コダックは、デジタル化の波に乗り遅れ、巨大な帝国を失いました。

    この小説が優れているのは、単に大企業の失敗を描いているのではなく、その失敗の裏にある組織の病巣と、変革の難しさを浮き彫りにしている点です。
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    【コダックの教訓:なぜ巨人は滅びたのか】
    コダックはフィルム事業で莫大な利益を上げていました。しかし、その成功体験こそが、彼らの未来を阻んだのです。小説では、その原因をこう描いています。

    ①ライバルは業界の外にいた:
    コダックが戦うべき相手は、フジフィルムのような同業他社ではありませんでした。
    デジタルカメラという新しいハード、画像を編集・共有するソフトウェア、そして人々のライフスタイルそのものの変化が、彼らのビジネスモデルを根底から揺るがしました。

    ②危機感の欠如:
    新しい技術への投資はしていたものの、それが既存のビジネスを破壊するほどの脅威であるという危機感が、経営層や組織全体に浸透していませんでした。

    ③実行と修正の遅れ:
    新しい事業を立ち上げても、収益性の高いフィルム事業と比較してしまい、迅速な実行、検証、そして修正ができませんでした。
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    【組織が生き残るためのヒント】
    『象の墓場』は、企業や組織が生き残るために必要な要素を教えてくれます。

    ①視野を広げる:
    自社の業界内だけでなく、外部の技術やトレンド、そして人々の生活様式の変化に目を向けること。

    ②危機感を共有する:
    経営層がどれだけ危機感を持っていても、それが組織全体に伝わり、行動に結びつかなければ意味がありません。

    ③迅速な行動と修正:
    完璧を求めすぎず、スピーディーに実行し、失敗から学び、軌道修正していくことが重要です。
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    【読み終えて】
    この小説を読むと、「利益にあぐらをかいていたら、いつか足元をすくわれる」という当たり前の教訓を改めて痛感させられます。

    コダックの物語は、まるで他人事のように聞こえるかもしれませんが、私たちの仕事や日々の生活にも通じる部分もあるかもしれません。

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    2025年09月14日
  • 限界国家

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    年金制度の崩壊、歯止めの効かぬ少子化、高齢者ばかりの政治家、経営者。気になるワードがいっぱい出てくる。
    小説だから、経済書よりも大胆な処方箋とかわからないかなと思って読み始めた。若い人に期待する話しの流れで,仮装通貨や、NFT(デジタル証明書)の話題は勉強になった。
    しかし20年後30年後の事さえまともに考えている指導者がいないと言う指摘は、その通りだろうと思うが、日本人は、幕末や第二次世界大戦の後も、大きな歴史の転換点で、鮮やかに再生した事ある・・・!本を最後まで読んで若者に対して出来るのは、「日本どころか世界情勢も刻一刻と激変する真っ只中に身を置いている事を知らせるくらい」と書いてあるが、高齢者の自分が出来るのは、スマホやITを恐れず少しでも使ってみることだと改めて思う。
    いずれにしても、長生きしてどんな未来が来るのかを見てみたい。

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    2025年09月11日
  • 飛博(とばく)

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    テキ屋の父が死んだ。息子は意外な物を相続する。大金が賭けられる違法な鳩レース。

    色々意外な展開があるのでネタバレしないと分かりにくいけど、超面白かった。エキサイティング!続編希望

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    2025年09月07日
  • 限界国家

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    書店で見つけた本だ。カバーのデザインに
    魅せられた。20年後の日本を予測する。
    インターネットに国境はない。
    否が応でも、グローバル視点になるはずだ。
    全体的にネガティブな見解だと思う。

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    2025年09月05日
  • 限界国家

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    日本が現在抱えている課題をマクロ、ミクロの視点から小説仕立てで書かれています。特に少子高齢化が進むことによる社会的事象は考えさせられました。多くの日本人に読んで欲しい1冊です。

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    2025年08月27日
  • 象の墓場

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    技術革新の波に飲まれた、世界的に有名なエクセレントカンパニーの終焉を、とても臨場感ある筆致で描かれた作品でした。

    既存事業から新規事業への移行障壁は、確立された技術や熟成したビジネスモデルがある企業ほど高く、乗り越えることが外部 / 内部要因含め容易ではないことがよく分かりました。

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    2025年08月24日
  • 雌鶏

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    戦後間もない混乱期、天涯孤独になった貴美子は、焼け野原になった横浜で以前家庭教師をしてくれていた清彦と偶然出会う。
    2人は生きるために闇市のバラックで、簡素な食堂を営む。
    ある日、貴美子が1人で仕込みをしているところに若い米兵2人が入ってきて襲われそうになる。
    そこに清彦が仕入れから戻ってきて、2人を相手に格闘となり、近くにあった包丁で2人を刺し殺してしまう。
    貴美子は、清彦の身代わりになって逮捕されることを主張する。
    その代わり、服役中の間に清彦は新たな2人の生の地盤を作ってくれと頼む。
    清彦は渋々貴美子の提案を受け入れ、その間にしっかりと将来のために自立の道を立てようと決意するのだが⋯。

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    2025年08月12日
  • 雌鶏

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    雌鶏はあの人のことなんだろうなと思いながら読んだがラストまさかの展開に!誰かが誰かの手の上で転がるという支配構造のマトリョーシカ状態。雌鶏が活躍する自作にも期待したい。

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    2025年08月12日
  • 黄金の刻 小説 服部金太郎

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    小説ベースで読みやすく、知っていたブランドだったのでとっつきやすかった
    成功者の秘訣や行動指針、大事にしているものなど勉強になった

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    2025年07月18日
  • 雌鶏

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    うーーん、圧巻の復讐劇だ!後半は展開が早く、全て貴美子の掌の上の話。個人的には鴨上がもう少し足掻いて小さなどんでん返しがあってもよかったが。清彦を追い詰める様は、ホント怖いなぁと思った。最後の数ページの話は不要だな、復讐完結で終わるのがいいと思う。

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    2025年06月22日
  • 日本ゲートウェイ

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    アフターコロナをチャンスに活かせ!どん底の老舗百貨店と飲食業をコラボさせて日本を再生させる秘策を考える社長の物語。副社長も大活躍!

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    2025年06月13日
  • サンセット・サンライズ

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    映画の原作、視聴が先です。
    全くノーマークであった映画で、特に見たいわけでもなかったのですが縁あって視聴。「あれ、わりと良かったかも?」というのが感想で、同時に原作も読んでみたくなった次第です。
    ほぼ原作に忠実に映画化されていたようですが、ラストシーンは大きく変わっていて、私は原作のほうが好きかなぁ。
    前半に比較すると、終章は畳み掛ける感じだったのですが、驚きのハッピーエンドで、気分良く読み終えました。
    映画でもそうだったのですが、食リポートが秀逸です。「海幸」で、ケンさんのお料理を食べたいです。

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    2025年06月02日
  • ラストエンペラー

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    ガソリン車が世界から消えて、EV車に変わって行く中で日本一の自動車会社の造る最後のガソリン車とは・・・?
    本作は、重っ苦しいビジネス小説とは毛色が違って、ほのぼの感が強めで「ホッ・・・」と楽しめる作品でした。
    どこにでもあった公衆電話が消え、今やガラケーさえ無くなり、スマホ時代。
    本当にガソリン車が無くなる時代も遠くないのでしょう。

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    2025年05月22日
  • ラストエンペラー

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    タイトルから勝手に歴史ミステリだと思ってたら、トヨタ的な自動車会社の電気自動車に挑む的なお話だった。いつかガソリン車はレコードみたいになっちゃうのかなあ。

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    2025年05月04日
  • バルス

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    トップレベルの私立大学に通う百瀬陽一の就職戦線は冴えなかった。名の知れた大企業への就職に囚われていた陽一は、再チャレンジする為に就職留年を決める。留年のあいだ派遣会社を通じて世界最大のネット通販会社《スロット》の物流センターで非正規労働者としてアルバイトをすることに。
    そこで見たのは、派遣労働の過酷な職場環境、さらに膨大な商品の運送業務に忙殺される大手総合物流企業の厳しい現場だった。

    社会で派遣やアルバイト、パートが重用されるようになったのは何時からだっただろう。
    多くの主婦たちや学生にとっては短時間のパートは働きやすかった。
    けれど、そのシステムは働きたい人々、働かなければならない人々にまで広がっていく。
    それは格差が大きくなることでもあった。

    労働のシステムを考えさせられた作品であった。

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    2025年03月10日
  • 食王

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    楡周平さんは様々な業界を題材にビジネス小説を書く作家さん。今回は飲食業界、まさに「食」がテーマ。
    恩義ある人から麻布の閑古鳥が鳴くような場所にあるビルを譲り受けた主人公が、飲食店を開き、どう建て直していくかを描いた物語。

    飲食店だけは僕はできないなあと自分で思う。第一に舌が肥えておらず、ビジネスセンスもなく、細かいことを気にしすぎる。
    この小説を読む限りでも家賃交渉から始まり、店のコンセプト、ターゲット客層を決め、メニューと価格帯、何よりも料理人の腕。内装や備品、食器類。仕入れ先を決め、客数と客単価のシュミレーション。人の採用と教育。人件費、光熱費、損益分岐点の計算。連日満員なんてありえないから、見直しの繰り返し…気が狂いそうだ。サラリーマンでよかったと、つくづく思う。

    ネタバレはできないが、新店舗はとある仕掛けで大盛況。地方創生も兼ねてハッピーエンドに終わる。まあ、コロナという大きすぎる問題も無い時代に書かれているし、夢を追う人たちの応援歌のような小説だからなあ。

    美味いものを食べると、人は幸せな気持ちになる。

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    2025年03月01日