楡周平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
先ごろこの本原作のドラマを見た。
世界的時計メーカー「セイコー」の創業者の一代記だ。
明治初期、丁稚奉公を終えた服部金太郎は、奉公先の主人の引き留めにも応じず、自分の決めた道を歩み始める。
「正確な時間を知る」ことの重要性に目をつけ、時計商になる、ことを目標に掲げ歩き出す。
今いる目の前ではなく、10歩先、100歩先を常に見据え、考えその道を切り開いていく。
服部にその才能、先見の明があったことは確かだろうし、そのための研鑽、努力のたまものであったろうと思う。
しかし思うに、何事を成しえるにも自分一人の力ではできないということだ。
その時々で出会った人、側にいてくれた人、あらゆる人たちの助けな -
Posted by ブクログ
個人的に大好きな楡周平さんの小説。
文庫になったので、ちょっとした箸休め的な気分で、
読んでみました。
楡さんお得意の重厚なビジネス小説というよりは、
ちょっとライトでコメディー要素の入った小説です。
逆玉の輿婚を成し遂げた主人公が
成金生活を送っていて、
結婚の条件の一つであった子供が生まれた途端、
トラブルに巻き込まれていくという…(以降はネタバレ)、
安っぽいドラマのような設定ですが、
楡さんらしく最後まで楽しませてくれます。
若干、展開に無理があるのと、
途中、何となくストーリーの結末は読めてしまうのですが、
それでも自分の予想を確認すべく、
最後まで読ませる楡さんの筆力はさすがと言 -
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ラストエンペラーは中国の皇帝の話かとタイトルを見て思って読み始めた。
電気自動車、完全自動運転者、など大きく変わりつつある自動車業界の中で、最後の高級ガソリン車をラストエンペラーと名付けた物語である。
何台もトヨタの車を乗り継ぎた経験から、自動車はトヨタで良いのではないかと考えてきた。
もちろん高級なセルシオも、センチュリーも乗った事はなく、大衆車に乗り続けてきたのだが、
最近のニュースでトヨタの不祥事、ダイハツのトヨタブランドの車の不祥事、などが相次いでおり、豊田社への信頼も1部由来でいるような気もするが、EV車の時代にどう変化していくのか、予測ができないのかもしれない。国を挙げて支援を続け -
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『バルス』楡 周平著
働く世界の厳しさ ☆☆☆☆☆
将来の不安との闘い☆☆☆☆☆
資本主義とは? ☆☆☆☆☆
主人公/大学生が派遣アルバイトを始めます。理由は、就職浪人をしたため、学費を稼ぐためです。派遣先は、グローバル通販企業の物流センターです。
彼の派遣アルバイトという世界を通じて、読者は下記のテーマを考察する機会に出会います。
・厳しい就職活動。
・正社員と派遣社員の環境の違いと格差。
・資本主義とはなにか?
【厳しい労働環境。その背景は?】
派遣先のグローバル通販の物流センターでは、徹底したコスト管理が実行されていました。たとえば、作業員1名あたりのピッキングする点数は、1分あ