楡周平のレビュー一覧
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プラチナタウン、和僑の続編。コロナ禍が襲う中、老舗百貨店マルトミはメインバンクからの追加融資を断られ、倒産の危機に瀕する。社長の富島栄二郎は事業変革の必要性に駆られるも良い案が浮かばない。そんな中、以前勤めていた四井商事の同期に声をかけられて、プラチナタウンを作り、現在は緑原町の物産を県外、海外に売る事業を行う山崎鉄郎の知恵を借りることに。山崎及びプラチナタウンの住人達の助けにより四井商事と共に日本の地方の名産品を集めたフードコート隣接の複合商業施設へと生まれ変わるビジネスプランを生み出す。日本の世界へのゲートウェイへ国際的なマーケットに新事業が始まる。
臨場感あふれるやり取り、ビジネスを生み出す力の表現など物語に引き込まれる。 -
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小泉内閣時代に製造現場への派遣が解禁された時から、現在に至るのはある意味「必然」だったと思う。そして一度その領域に足を踏み入れたら二度と抜け出せないだろうなぁ、とも思う。本作のような「革命」でも起きない限りは。
企業が非正規労働者を雇用の調整弁としていること、そして消費者が「送料無料」の恩恵を受けるために、その水面下で大勢のワーキングプアが苦しんでいる、と似たような構図は他にも存在していると思う。
例えば原発問題。みんな東北の大震災で原発は危険という認識は持ったはず。そもそも何万年単位での高レベル放射性廃棄物の管理なんて、人智を超えていて人類の手に負えない、って薄々気付いているはずなのに、じゃあ原発を全部無くす代わりに電気料金が跳ね上がります、となったらみんな反対に回る。
「総論賛成、各論反対」。本作で言えば「非正規労働者を正社員に、その代わりにすでに正社員の者の給料は下がる、送料も負担する、物価も上がる」となったらみんな反対するに決まっている。これは「構造的な問題」であり、もはや後戻り出来ないだろうなぁ、と思う。
本作の「革命」はある意味「夢物語」。だからこの話を一言で言うなら「大人のお伽話」かな? -
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とある百貨店の人に「うちは富裕層ターゲットなんで庶民は相手にしていません。きちんとした格好じゃない人に来られるとブランド価値が下がります。」と言われたことがある。自分に対する評価ではなかったがもう二度と行くまいと決めた。信用は瞬間に消え失せる。
その真逆に信用第一で企業を育て上げたのがSEIKOの創始者服部金太郎だ。この小説は彼の一代記だ。信用以外にも、知と技術、そして盟友を大切にする姿に心を打たれる。資源のない日本が近代化し経済成長を遂げられたのは学問と技術を大切にしたからだろう。福沢諭吉に蒙を啓かれ、SEIKOに夜学をつくる様はそれを物語る。辻や渋沢栄一からの薫陶、鶴彦との二人三脚は大事は一人でなし得ないことを教えてくれる。
信用、教養、技術、仲間。文字にすると当たり前のような気がするが、本当にこれらを大事に出来ている人は少ないように思う。金太郎のように仕事に向き合いたい。 -
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近い未来ほぼ確定しているであろう未来の残酷な現実に強制的に目を向けさせられる作品。
なんとなく知っている未来の日本の姿に皆さん真剣に向き合っていますか?と問いかけられている。
誰かが何とかしてくれる、何とかなるではなくて、
きっとこうなるし、この未来を変える力もアイデアも出てこないからその上で僕たちや子供たちの世代でどう生きていくのか考えていきましょうと。
ネガティブな未来をそのままネガティブに捉えるのではなくそれを知った上で一人ひとりが考えていくことが大切ということで。。
これまでの常識や経験が一切通じず役に立たない時代がここまで来ている。
目を瞑りたくなるページも多々あったけどこのタイミングでこの本に出会えてよかったと思う。 -
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子育て世代に読んで欲しい。
日本の未来はどうなるのか?日本人の未来はどうなるのか?
日本の未来を憂える人生の勝利者が、コンサルタント会社に「日本の20年後、30年後の姿を予測してくれ」と頼む。小説の形で語られるが、限界集落と言われるように日本の限界国家の姿が語られていく。
高齢者の高齢者による高齢者のための政治。
まさしくその通り。野党は与党を叩くためだけに四苦八苦し、与党はいかに自分たちが長く政界に留まり力を持つかだけに汲々とする。
日本の優れた頭脳も、日本の未来のためではなくない、自分の未来のためだけに使われている。
この世界の中で若者はどうやって生き残っていけば良いのか?
すでに本当に優れた人々は国や人種に括られることのない世界で活躍しようとしているという。
高齢者も自分の子孫の未来について考えるべき時だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ限界国家、確かにそうかもしれないと思った
ただ、どの視点で見るか、どの立場で見るかによって大きく見え方が変わるのがこれからの世界であり日本だとも思った。
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本書の文中より抜粋)
「現代は先を読めない者にとっては悲劇。先を読めるものにとっては喜劇」今日本が直面している状況がこのまま続けば、悲劇につながることは間違いない。しかし、その先に開けるであろう未来に想いを馳せると、一時的なことに過ぎないように思えてきた
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少子化という未だかつてなかった問題解決を日本のみならず多くの先進国が取り組んでいる。
しかしそもそも画期的な解決方法などはなく、長期視点で「前向き」解決すること自体を諦めることで、さらに先の未来の新しい可能性や希望もある。
ただその諦めるという重要な決断というボタンを押すことができる人もいないのだろうとも、また思えた。
とりあえず自身のアクションとしては、
・世界や日本の未来にもっと関心を持っていろんなことを理解する
・新しいことを食わず嫌いせずどんどんやってみる
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Posted by ブクログ
少子高齢化という社会が進むとどのような未来がやってくるのかを描いた小説です。一読の価値はあるかと思いました。
印象に残ったのが、職業寿命という言葉です。同じ会社、同じ仕事で一生終えるなんてことは、ごく稀なケースであり、多くの仕事はテクノロジーの進化によりなくなっていくことを予測しています。つまり、職業寿命がどんどん短くなるということです。都市に人口が集中し、過疎化が進む地域がほとんどになることになります。
韓国の少子化のスピードにも驚きました。3世代後には、人口が現在の6%になると言われているのだと。
今から、人口を維持する対策をとったところで、大きく変わることはもはや難しい環境になったのだと感じさせてくれる小説でした。