楡周平のレビュー一覧
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今回のテーマはちょっとつらかった。
とくに「はじめに」の2ページが衝撃的過ぎて、そのまま読み進めるのがちょっといやになりました。
生命の創出を人為的に行い臓器移植にも利用する話。
前半はノンフィクションのような詳細な描写。
後半は映画を思わせるようないつものドンパチ。
ドンパチはフィクションの世界観で楽しめましたが、前半のストーリ展開があまりにも現実的で詳細で、まさにそんなことがおきているのでは?と思わされるぐらいで、これがちょっとつらかったです。
そのストーリは、家柄の違いから、泣く泣く堕胎した6ヶ月の胎児から、卵子をとり人工培養して成熟させたのち、人工授精させて代理母によって出産させまる物語。
胎児の卵子を使うのかぁっと驚きますが、いわゆる代理母などの話は、医学サスペンスにはよくありがちなストーリ展開です。
しかし、貧困層の子供をさらってきての臓器売買や臓器移植が出てくると、やはりつらい。
また、なくなく堕胎した女性がその後結婚して儲けた男の子をやはり臓器移植で救おうとするところが、よんでてつらい。その臓器の出所もつらい。さらに、その後妊娠できない体になってしまいながらも子供がほしいというところで、ドンパチにつながっていきます。
臓器移植しか手段のない状態でどうしても救いたい自分の子供。子供ができなくなってしまった体で実子がほしいときにとる手段は。医学の倫理や人間の尊厳が大きく揺さぶられるストーリ展開です。
後半のドンパチは、その理由で軍隊経験者の集まりノン中に素人が参加するか?とか、それだけ郡代経験者が多い中で素人だけ助かるか?とか、いろいろ疑問なところはありますが、勧善懲悪+涙頂戴の展開で、逆に安心して読み進めることができました。
生命の誕生、臓器移植について考えさせられる作品でした。 -
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正直いまいち
リアリティがうすく、ストーリ全体が中途半端!
あれ、この件って結局どうなるの?
それでおしまい?
っていうのがあちこちに残ったままで、個人的には納得できないまま、あっという間に終わってしまいました。
とくに、最後の最後はあれれれ...
ぐぐってみると、続編があるようです。
続編読まないと終わらない感じです
全体のストーリとしては、学生運動という形で外部から世の中を変えようとしていた活動家の女「三奈」と、権力構造に入り込むことで、内部から世の中を変えようとする男「眞一郎」のそれぞれ2世代にわたる権力物語です。
おおよそストーリ展開が見えるところも減点
下巻では、
婚約破棄をもくろむ「三奈」
あの手、この手で婚約破棄をさせようとして、「宣子」まで利用
さらには、婚約者の妊娠がわかると薬で堕胎させたりとやり放題!!
一方で「眞一郎」は自分も権力の頂点を目指すため、何とか結婚を成立させようと親子関係がないことを証明するDNA鑑定を捏造!
それを確認すべく「三奈」もDNA鑑定を依頼し、その結果は?
って結果が出ないで物語終わっているんですけど..
さらに「宣子」の復習も仕掛かり中
さらにさらに「眞一郎」は別の後ろ盾を得ようとしていて、この結婚どうなるの?ってな感じ
で、下巻が終わっちゃうんですけど..
ひどくないですか..これで物語終わらせちゃって..
続編読むしかないのかなぁ.. -
Posted by ブクログ
正直いまいち
リアリティがうすく、ストーリ全体が中途半端!
あれ、この件って結局どうなるの?
それでおしまい?
っていうのがあちこちに残ったままで、個人的には納得できないまま、あっという間に終わってしまいました。
とくに、最後の最後はあれれれ...
ぐぐってみると、続編があるようです。
続編読まないと終わらない感じです
全体のストーリとしては、学生運動という形で外部から世の中を変えようとしていた活動家の女「三奈」と、権力構造に入り込むことで、内部から世の中を変えようとする男「眞一郎」のそれぞれ2世代にわたる権力物語です。
おおよそストーリ展開が見えるところも減点
上巻では
医療法人会長のエリート息子と政治家の娘を見合いで結婚させようというストーリ展開。
しかし、実は、医療法人会長と政治家は30年前に学生運動で愛し合っていた二人。
んで、お決まりのパターンのように、エリート息子が付き合っていた女「宣子」が別れを切り出されて復習に燃える(笑)
さらに、このエリート息子の父親は実はその政治家(?)
二人が結婚すれば、「三奈」が成し遂げられなかった権力の頂点を目指すこともできるのに、近親結婚を認めてしまうことにもなってしまう...
といったところです。
さてさてどうなるで、下巻!! -
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大藪春彦を読みふけっていた時代があったけど、久しぶりにその時の感覚を思い出した。どちらかというと救いのない悪党の話なのだけど、文章がすっきりしていて余分な感傷が入ってこないためか、不快な気持ちよりもむしろ爽快な気持ちで読むことができる。ハードボイルドのひとつのパターンだと思う。
確かに大藪春彦を思わせる雰囲気なのだけど、実際のところはむしろフォーサイスのような緻密な犯罪計画が読みどころになっていると思う。味わいはまったく違うけど、「ジャッカルの日」に近いのかもしれない。
最後にもう少し派手なドンパチを期待してしまったから、やや拍子抜けした感じがないでもないけど、その分リアルなのだろうとも言える。主人公があまりにも圧倒的すぎで、逆に物足りない。シリーズものの第1作、主人公の顔見せ的な印象は否めない。
だが、おもしろく読み進められたのは事実。実際に自分がこの物語に登場するとすれば、ゴミのように殺される方の人間だろうけど。 -
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「BOOK」データベースより
岩崎陽一は、銀座の高給クラブ「クイーン」の新米ボーイ。昼夜逆転の長時間労働で月給わずか15万円。生活はとにかくきつい。そのうえ素人探偵とは誰にもいえない。ライバル店から移籍してきた摩耶ママは同年代で年収1億といわれる。破格の条件で彼女の運転手を務めることになったのはラッキーだったが、妙な仕事まで依頼されて…。情けない青春に終止符を打つ、起死回生の一発は炸裂するのか。抱腹絶倒の傑作コン・ゲーム。
捧腹絶倒するような部分は特になかったけれども、部分的にはなかなスカッとするところも有りました。もうちょっと痛い所は痛く、痛快な部分は突き抜けて欲しかった。エンタメ小説ならあざといぐらいのえぐさがあってもいいと思います。ちょっと綺麗にまとめ過ぎたか。 -
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2016年6月23日
新米新聞記者の渋沢が取材に赴く途中に事故に遭い、その真相を黙っておく事を条件に、政治部のエース記者として出世コースを進む。渋沢は紆余曲折ありながらも新聞、テレビ、ラジオ、出版を手掛ける巨大な複合メディアの会長となり、最後にはベンチャー企業との戦いを征して電子書籍の覇権も握る、という話。
楡修平の作品を読むといつも思うことだが、この人は時代をほんの少し先どった話を作るのがとても上手いと思う。
この作品を読んでいると、本当にもうすぐ電子書籍の波が来るような感覚に陥りそうになってしまった。
しかし、個人的にはやはり出版物は紙で読みたいと思うし、実際自分も本や雑誌は書店で自分の目で見て購入している。自分の場合何となく書店にいって気に入った物を購入するのが好きなので、この作品のように、電子書籍が主流になってしまうと困るな、と思った。
ただ、作中では電子書籍専用の端末「ノア」を無料で配布して電子書籍を流行らせたが、タブレットの下位互換でしか無いような端末が、例え無料だったとしても普及することは無いように思う。電子書籍を普及させるためにはスマホやタブレットを上手く利用する必要があるだろう。
そもそも活字離れの原因は本や雑誌よりも楽しい娯楽が身近に増えたことに起因すると思うので、わざわざ電子書籍専用の端末を作るよりスマホやタブレットの中に取り入っていかなければならないように思う。
最後の場面で鳩を飛ばすのだが、幸造の気持ちと渋沢の気持ちの両方がわかるだけに切ない気持ちになった。
上手い終わらせ方だと思った。 -
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「朝倉恭介」Vs「川瀬雅彦」シリーズ第2段。
日本の国防についてメッセージ性が強い物語です。
朝倉恭介が出てくるかと思いきや、出演はありませんでした。
ただ、朝倉恭介が起こした事件がちょっと紹介されており、かろうじてリンクが保たれている感じ。
シリーズということで、朝倉が悪の主人公なら、川瀬は善の主人公になると勝手に思っていたので、川瀬は警察側の人間なのかと思っていたら、カメラマン(ジャーナリスト)でした。
なので、ジャーナリストとの戦いになるんですね。
それはさておき、本書のストーリは、表題のとおり、クーデターを企てるストーリ。その首謀者が新興宗教団体。
その武装集団が織り成す攻撃にあたふた対応する日本政府といった構造です。
新興宗教団体が企てるクーデター、テロというとあの事件を思い出します。
なので、ある意味リアリティがある物語と感じました。
麻生幾さんの「宣戦布告」や安生正さんの「ゼロの迎撃」同様、有事の際の自衛隊の課題、日本政府の課題を浮き彫りにします。やはり、国防について考えさせられる強いメッセージを含んでいる物語です。
しかし、本書ではその事案が発生するまでが長い(笑)
物語の後半まで引っ張られます。
そして、その事案のクローズがまたあっけない。ちょっと尻すぼみ間があります。
後半あれよあれよと手仕舞いになってしまい、そこはちょっと残念。
ま、それはそれとして、とても楽しめた(?)物語でした。
おりしも、沖縄問題や憲法の問題、中国軍艦の領海侵犯など、今そこにある危機が現実実を帯びています。さらには、アメリカ大統領選挙の行く末は?
今まで見ようとしてこなかった問題に本気で取り組む必要があると強く感じます。 -
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再読!
ずいぶん昔に一度読みましたが、「朝倉恭介Vs川瀬雅彦」シリーズを全6作を読破しようと思い、再読しました。
コンピュータネットワークを駆使したコカイン密輸の話ぐらいしか覚えていなかったので、再読しても新鮮でとても楽しめました。(たんに物覚えが悪いということですが..)
ニフティサーブをつかったメッセージの送受信は、今となってはずいぶんと時代を感じさせます(笑)
また、本作のポイントとなっている日本の関税システム、貿易システムの盲点を突いた貨物のすり替えですが、残念ながら、それがどれほどすごいのか、または、大変なことなのかピンときませんでした。
さらに、最後の戦闘シーンはもうチョイどきどき感をあおってほしかったところがあります。
とはいえ、完璧な主人公の悪役ヒーローというキャラを引き立たせるにはそれでよいのかも。
いずれにしてもハードボイルドエンターテイメントとしては十分楽しめました。
また、日本の関税システム、シッピングの仕組みなど勉強になるところも多かったです。
(楡さんの作品はすごくそういった事実が調べれられているので、とても勉強になります)
さて、本作では、「川瀬雅彦」は出てこないのですね。シリーズとなっていたので、本作から少し出てくるのかなと思っていました。
それがちょっと残念。 -
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フィクションと言うよりは限り無くノンフィクションに近い作品だった。
コダックについての話だが、100年以上続く大企業であるが故に上手く業務転換出来ないところを非常にリアルに描いていた。
フィルムメーカーのような、ほとんど完璧と言える集金システムを確立してしまったら、それが通用しなくなった時にはどうしようもなくなる。
デジタル化の流れがこれからさらに加速すれば今までのやり方は全く通用しなくなるのは必然の流れだと思うので、どんな状況になったとしても生きていけるように自分の実力をしっかりとつけないといけないと痛感した。
今は時代の流れも早くなっているので一つの会社に身を置き続ける事を当然だと思わず常に自分を磨いて、時代の流れについていけるようにしたい。 -
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日本の家電メーカーで海外マーケット部門の部長を勤め、順当にキャリアアップを果たす主人公に降りかかった母親の介護という負担。そこから、彼の人生の転落がはじまる。進行する母親の症状、介護負担で倒れてしまう妻、没頭できない仕事、社内での信頼悪化。そして、閑職へ異動させられ、プライドを失った彼が選んだのは、退職だった。
同じサラリーマンとしては、なんとも衝撃的。これはホラー小説に分類されるべき作品だ。介護のために、将来を諦めてしまった人がニュースなどで報道されるが、ストーリーとして目の前につきつけられると、他人事ではない恐怖しか感じない。高齢化する社会では、主人公のような立場に誰もがなりうるのだ。
本小説は意外な助け舟によってめでたしめでたしで完結するが、実際、そんな都合よく行かないはず。不本意な「介護退職」を選んだことを死ぬまで後悔しながら、ローンの払えなくなったマンションを売り払い、息子に進学を諦めさせ、妻と母の介護に余生を費やす。それが現実だろう。そうはなりたくないと誰もが考えるが、本人の努力ではどうしようもないことがなんとも恐ろしい。 -
Posted by ブクログ
話の展開からすぐにK社であることが分かり、結果も分かっていたせいか、常に暗い展開が予想されたため、ページを捲る手も自然と重いものになってしまいました。
現実をこれでもか!というほど突きつけられ、気分が重くなりましたが、そういう意味ではリアリティはあったのだと気づきます。
主人公が途中で転職しては事の顛末が描けないからいつまでもソアラ社にい続けたのは仕方のない話ですが、ここまで将来の展望を見通せるのならば、自分ならば最初にデジタルから撤退した時期に退職しているだろうなと思いました。ただ実際問題として、まさかこの巨大な船が沈むはずがないという楽観は誰の心にもあるのだと思います。
歴史が教えるように、レコードはCDに、ビデオテープはDVDにあっさり取って代わりました。なぜ銀塩カメラだけは大丈夫だと考えたくなってしまったのでしょうか。茹でガエルの例えではないですが、巨大な風呂釜に浸かっていると、ジワジワ周りから危機が迫ってきていても自分は大丈夫。まだ大丈夫だと思ってしまうのかもしれませんね。
「強い者が生き残るんじゃない。環境に適応した者が生き残るんだ」という生物学の命題はここにも当てはまるようです。 -
Posted by ブクログ
介護で退職したエリートのある意味サクセスストーリ!
こんなにうまくいくはずがない。
介護の実態についてはかなり不十分な記述内容と思われます。しかし、ここで書かれていることは、まさにいつ自分自身におきてもおかしくないことです。
そんなとき、この本の主人公のようにサクセスストーリのような展開ができるのか...
ストーリとしては、年収一千万以上のエリートビジネスマンの主人公の母親が田舎で骨折。一人暮らしのため、自分のマンションに呼び寄せるも痴呆が始まる。献身的に奥さんが介護するも、奥さんもくも膜下出血で入院。結局、会社を辞めて母親の介護を行うことに。この状態を抜け出す起死回生の策を思いつき、さらには再就職先は前の会社の数倍のサラリー!結局はハッピーエンド。
みたいなご都合主義的なストーリ展開です。
そんなうまくいくわけないし、そんなにお金もあるわけないし。ということで、ちょっといまいち。
そして何よりいまいちなのが、楡さんのこの手の小説で出てくる奥さんがなによりもすごい人。そんな奥さんいないよって思います(笑)
ということで、それなりにハッピーエンドで終わるのですが、自分自身に同じことが起こったら、間違いなく大変な状態が永遠に続くことになるだろうと思います。そして、自分が老いたときに、自分の子供が自分を介護するときになったらどうなるんだろうと頭を悩まします。
ストーリ展開がどうこうといちゃもんもつけられますが、問題提起には確実になっている物語です。
でも、今からなにか手を打てるのか?と思うと気持ちが落ち込みます。結局そのときが来るまでなにもできないのでは?
すごく考えさせられる物語でした。