楡周平のレビュー一覧

  • 猛禽の宴

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    朝倉恭介の2冊め。まったくこの世は猛禽にあふれていて猛禽天国、最後は猛禽インフレを起こしている。
    著者はなんでも書き、世界を創ることが可能なのだけれど、やや無理があったり、強引なところも散見される。時に自分に酔ったような饒舌な修飾語なども垣間見れて、自分が創りだした神をさらに称えるような、自己自演が表現としては気になりました。
    全体的に行けば、世界は自分が思っているようには動かず、まさに、明智光秀と織田信長の構造をそのままに、組織についていなかった恭介がどうなっていくのか、が今後の展開につながっていくのでしょう。恭介は人をバンバン殺しますが、何故か正しい方に向かっていく。手段は悪であっても、心

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    2014年09月02日
  • クーデター

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    シリーズ物でなければ読みきれなかったかも。逆にシリーズ物だから、導入として読んでしまい、そのボリュームに辟易した感もある。
    朝倉恭介の敵となる川瀬雅彦の導入にあたる部分だが、スケール感の割にお粗末すぎる偶発的事故で物語が収束し、悲劇も喜劇になってしまった。
    これまでの楡周平の他の作品を読んで、原点に戻って読みなおしてしまっていて、主人公の挟持や登場人物の思惑などが空回りしているように感じてしまった。著者としては初期として、おそらくここまでスケールを広げて書いたのは初めてに近く、その意気込みと勢いは買うが、少し冗長になってしまったのは、時代が追い越してしまったのだろうと思う。
    当時としては、これ

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    2014年08月20日
  • Cの福音

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    ダークかダークじゃないかと言われれば、ダークだ。ヒーローかヒーローじゃないかと言われれば、ヒーローではない。運命によってダークサイドに落ちていった人間の作り上げたシステムによって、人が一人贅沢な暮らしと、時々殺しをさせるだけだ。あとは黙々とした作業の繰り返し。目立たず、大衆の中に紛れ込む。
    せっかくの技術、能力、知力を最大限に活かせるところが裏稼業だっただけで、別に最初から表世界で働こうとも考えていなかったと思う。そのように仕組まれていったことが運命と呼ぶのなら、彼は純朴な運命信者であり、初志貫徹するブレない生き方と冷静な判断のみを神に捧げる。

    ただコカインで一儲けすることが彼のやりたいこと

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    2014年08月12日
  • 再生巨流

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    かなり強引な設定や、都合の良過ぎる出会いなどが気になるけど、仕事にかける情熱は伝わってきます。

    部下を育てることの大切さには、もっと若いうちに気付いてほしい。それに気づかない人だから、このポジションに飛ばされたのでしょうけど。

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    2014年08月03日
  • 「いいね!」が社会を破壊する

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    「だれが本を殺すのか」(佐野眞一)を読んだ流れから購入してみた。楡周平だしね。
    彼が以前に働いていた会社、コダックがカメラデジタル化のために倒産してしまった話から始まり、電子書籍とSNSの出現により出版のの世界も今や危ない、と世の中が変化しつつあることに言及。便利になればなるほど機械化が進み、人の力がいらなくなり雇用が減る。最近では3Dプリンターなる、優れた復元機能を持つ機械まで発明され、ここまで来ると工場も店もいらなくなる。ロボットが人間を駆逐するという恐ろしいブラックSFが現実になろうとしているのだ。
    これからの日本経済はどのようになっていくんだろうか。私たちの子供や孫の時代に明るい未来は

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    2014年06月14日
  • フェイク

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    高級クラブのしがないボーイである主人公は、ある日、そのクラブの雇われママにいい儲け話を持ち掛けられる。それはボトルに細工し、店の高級ワインと安物のワインを入れ替えるというものだった。酒屋の旧友とも協力し、順調に計画は進んで行くと思われたが。。。

    前置きがながーい。と感じてしまいました。コンゲームたる描写になかなかいきません。

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    2014年05月07日
  • フェイク

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    こういう世界もあるんだなとは思っていたけどこの非日常感が面白いな~。
    スピード感もありあっさりよめました。

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    2014年05月04日
  • 「いいね!」が社会を破壊する

    購入済み

    思いは伝わるがエッセイにちかい

    楡周平ファンとして購入しましたが、やや想定内というか新たな発見はなかった。もっと楡周平的なひねりや想定されるシナリオなんかがあるともっとよかったと思える。
    情報化社会は人々にどのような影響を与えるのか?そこからが本格的な議論なのだろうと思う。

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    2014年04月24日
  • フェイク

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    登場人物に強烈さはなかったが、
    銀座の夜の世界、競輪の世界は興味深く読めた。

    ママが、子供がいるとか、ものすごく意地悪だとか、
    もっと強烈なキャラだったら
    更に面白かったかな…

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    2014年03月09日
  • フェイク

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    三流大学を卒業して銀座のクラブにボーイとして勤め出した主人公岩崎が、若くして銀座でNO1ママに上り詰めた摩耶から、ある相談を持ち掛けられる。
    そこから始まるコン・ゲーム。
    銀座の夜の世界の裏事情など、当たり前のことが書いているだけで、一時浸った身としては、さほど興味深くもなかった。
    今どきは、上場してない中小企業ならいざ知らず、一部上場企業の社長だからといって、湯水のごとく銀座のクラブで金を使うことなど簡単にはできない。
    CSR(企業の社会的責任)が株主や消費者から問いただされる現在では、社長といえどもこんなに交際費は使えないのが現状。
    だから今は、銀座の高級クラブの大口顧客はその筋の人が殆ど

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    2014年03月05日
  • フェイク

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    本作はコンゲーム小説という分野にあたらるらしいです。
    その定義は、暴力的な手段を用いないで、知能を使って大金をせしめる詐欺師達の物語。頭脳戦を楽しめる小説とのことです。

    しかし、正直、それほど頭脳戦がひしひしと伝わってくる物語ではありませんでした。
    頭脳対頭脳で戦っているようなイメージではありません。
    本作では、だますというところでは、大きく3つ。

    (1)ワインすり替え
    (2)競輪を舞台にした裏技
    (3)株価操作

    ワインのすり替えや株価操作については、巷でも言われているようなことなので、それほど大きな驚きはありませんでしたが、競輪を舞台にしたオッズ操作はしびれました。マイナーなギャンブル

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    2014年02月16日
  • 「いいね!」が社会を破壊する

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    フィルムや書店、モノがデジタルに呑み込まれ、市場は十分の一以下、しかもプラットフォーマーが総取り。人が要らなくなり、雇用が失われる。

    facebookが何で?と思ったのですが、もっと広く、出版界とデジタルメディアの話でした。良かった過去を持つ週刊誌読者向けの内容だと思いました。

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    2014年11月01日
  • 「いいね!」が社会を破壊する

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    便利の追求が雇用を奪う

    物流コスト、情報の非対称性、タイムラグなどが、現在の多数の企業が存在する必要条件となっているわけで、それがなくなれば経済学の原理、つまりは完全なる自由競争に近づくだろう

    つまり、無駄なものはなくなり勝者は限られる
    結果、最後まで笑っていられるのは誰・・・?

    結局は、モノを作る人じゃなくて、プラットフォームを作る人なんだろうか
    何だかなぁ

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    2014年01月27日
  • 「いいね!」が社会を破壊する

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    コダックの企業の変遷と、便利をもたらす機械化などにより仕事の質が変わっていく話は別な機会に論じたほうが良かったのではないかと感じた。

    人が仕事に携わるということは付加価値をつけるということだが、機械化によりその作業は変わり続けていると思うが、社会的な構造も変わっているので、対応していけばよいのではないかと考えてみたのだがどうなのだろうか。

    あと5年後、ネットスーパーなど、便利になったサービスがどう変わったのか、見届けたいと思う。

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    2013年12月01日
  • 「いいね!」が社会を破壊する

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    簡単に要約すると下記のとおり。
    ネットが普及することにより
    仕事がなくなる。
    貧富の差が広がる。
    プライバシーが侵害される…などなど。
    結果として未来は暗い。

    似たようなことを多くの人が既に語っており,
    新たな知見は特になかった。

    上記のような問題を指摘した場合,
    では,「どうすればいいのか?」という問いが自然と出てくるのだが,
    対策・処方箋は一切書かれていない。

    現状を軽く俯瞰したいという人が読むといいかもしれない。

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    2013年11月23日
  • 「いいね!」が社会を破壊する

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    コダックの崩壊理論。
    レイイナモトさんの持論とあわせて読んだのでわかりやすかった。

    しかし、筆者がフェイスブックをやっていないのに、いいね!をタイトルに入れるのは、ちょっと看板の上げ方がちがうのでは?

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    2013年11月18日
  • 異端の大義(下)

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    後半になればなるほど
    読ませてくれますね!!
    深いですわ~

    日本独特の企業にありがちな嫌~なところを
    見事に取り上げつつ

    いつ、企業が廃退していくか
    いつ何があるかわからないぜ~と
    感じさせます。
    仕事、組織、人間関係と難しいんですが・・・
    よく書かれた企業経済小説だと思います。

    立場が違えど
    いろいろと考える視点から取り組むことも違うのはわかるんですが
    この小説では、昭和の復興した日本を
    昔の良い部分と悪い部分の日本
    今(現在)の再生にかけた日本の企業のありかたとは。

    ちょっと文章が長い感じはしますが
    太い経済小説でした

    GOOD!

    モデルのSANYOは気になるのは当然ですけど

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    2013年11月13日
  • 異端の大義(上)

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    同族会社のリストラの話?
    リアルすぎる描写でリストラの大変さがヒシヒシと。
    さすがですね。

    仕事に取り組む姿勢
    大事ですよねぇ!!

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    2013年11月13日
  • 再生巨流

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    話のコンセプトは面白いが、小説の中のビジネスもでがリアリティなさ過ぎで、本当かぁ?とつい思ってしまい思ったほどのめりこめなかった。

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    2013年09月19日
  • 衆愚の時代

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    なかなか痛快。
    テレビのコメンテーターの欺瞞などはまさにその通りだし、共感もできる。
    でも半分くらいは、「それってほんとなの?」という批判があったことも確か。床屋談義としてはいいのだけど、まず事実(あるいは貞節となっている学説)はどうなっているのか、をちゃんと提示してもらわないと、すんなりと批判に同意できないんだよね。

    あと、最後に著者が心配していたほど過激な内容ではないと思うので、安心してよいのではないでしょうか。

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    2013年08月11日